無職転生 ~性格改変_エンジニアリング視点での魔術構築~   作:haru-ha

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【設定について】
本作は『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』の二次創作小説です。
pixivに掲載していた小説(完結済)のセルフ転載となります。(所々、追記・修正しています)

以下の独自設定(IF設定)を含みます。
・原作と違って、元々存在していたルーデウスの自我は失われず、そこに「ある男」の記憶だけが継承されたという解釈で執筆しています。
・そのため、原作のルーデウスとは性格や口調、判断基準が異なります。

【注意事項】
・原作のストーリー改変(生存IFなど)が含まれる可能性があります。
・キャラの独自解釈、および設定の捏造が含まれます。
・原作全編のネタバレに配慮しておりません。
なんでも許せる方のみ、お進みください。


エピローグ28:ナナホシの帰還と異世界探訪

Side:ルーデウス

 

変装の魔道具を起動し、周囲の風景に溶け込む一般的な日本人青年の姿へと容姿を偽装する。

アスファルトの道路を踏み締め、見慣れた日本の住宅街を歩き出す。

 

初めてこの世界に足を踏み入れた頃は周囲をキョロキョロと見回す完全な不審者だったが、今や目的地までの道のりは完全に頭に入っていた。

電柱の角を曲がり、手入れの行き届いた生垣に囲まれた一軒家の前で足を止める。

 

インターホンの呼び鈴を鳴らすと、間もなく玄関の鍵が開く小気味良い音が響いた。

 

「はーい……あら、ルーデウス君!よく来てくれたわね、さあ入って入って!」

 

出迎えてくれたのは、七星静香——ナナホシの実の母親だった。

奥からは「おや、ルーデウス君かい!」と、父親も柔和な笑顔を浮かべて顔を覗かせる。

 

この家を訪れるのも、もう何度目になるだろうか。

二ヶ月に一度のペースで手紙や写真、近況報告を届けていたため、既に両親とは気心の知れた間柄になっていた。

最初の頃は世界間転移を行うたびに莫大な魔力を消耗し、全身を激しい疲労が襲っていたものだが、最近では次元の歪みを固定する技術も洗練され、消費魔力すら最小限に抑えられるようになってきている。

 

「お邪魔します」

 

玄関で靴を脱ぎ、リビングのソファーへと腰掛ける。

温かい緑茶と茶菓子をテーブルに置いてくれたナナホシの母が、嬉しそうに目を細めた。

 

「今日も静香からの手紙を持ってきてくれたの?いつも本当にありがとうね」

「いえ……実はお母さん、お父さん。今日伺ったのは、手紙を渡すためだけではないんです」

 

私は姿勢を正し、二人の目をまっすぐに見据えて告げた。

 

「いよいよ今日、静香さんをこちらの世界への帰還転移させることを試そうと思っています」

 


 

私の言葉を聞いた瞬間、ナナホシの両親はその場でピシリと固まった。

 

まさか今日、娘が帰ってくるかもしれないなどとは思ってもみなかったのだろう。

あまりにも唐突な宣告に、二人は息を呑み、どう反応していいか分からず激しく戸惑っていた。

 

「し、静香が……今日帰ってくるのかい……!?」

「ええ……!?で、でも心の準備が……いえ、部屋の掃除はしてあるけれど、急にそんな……!」

 

動揺する両親に対し、私は穏やかな声で宥めるように言葉を続けた。

 

「落ち着いてください。……一度で確実に成功するとは限りません。空間の歪みや、運命の引き戻しが働く可能性もあります。ですから、あまり気負いすぎず、今日は最初のトライアルだと思っていただければ幸いです。ダメなら何度でもやり直しますから」

 

私の言葉に、二人は何度か深呼吸を繰り返し、ソファーに深く座り直した。

 

「そうか……そうだね。以前、失敗した時は何が原因だったんだい?」

 

父親の真剣な問いに、私は当時の検証結果を簡潔に伝えた。

 

「ナナホシがあちらの世界で果たすべき『役割』がまだ残っていたこと、そして彼女をあちらの世界に繋ぎ止める運命の修正力のようなものが働いていたためです。ですが今、あちらの世界の元凶であった人神(ヒトガミ)は完全に封印され、世界を揺るがす戦乱も終結しました。彼女の役目は完全に終わったのはないかと予想しています」

 

私は立ち上がり、リビングの中央の空間へ右手をかざした。

 

「今回は、以前試みたような通常の転移魔術ではなく、少し強引な手法を試します」

 

宙に魔力を注ぎ込み、即席魔法陣(アドリブ・サーキット)を発現させる。

青白く澄んだ幾何学模様の光の輪が、リビングの空間に何層にも重なり合って回転を始めた。

 

その幻想的な光景に、両親は息を呑んで見つめている。

 

私の額に、じわりと脂汗が滲む。

今回試すのは、かつて人神(ヒトガミ)の根城である『無の世界』へオルステッドやペルギウス、アレクを引きずり込んだ、あの空間アンカーによる強制牽引の応用だ。

 

あらかじめナナホシの魂と肉体に紐付けておいた魔力の糸を感知し、次元の壁を越えてこちらの世界へと力ずくで手繰り寄せる。

深海から一本の釣り糸を、慎重に、けれど決して切れないよう強靭な魔力で巻き上げていくような作業だ。

 

ズズズ……とリビングの空間が軋み、次元の裂け目から眩い光の粒子が溢れ出す。

 

……確かな手ごたえを感じる。これはもしかして一発で成功するか?

 

両親は手を固く握り合い、祈るような瞳で光の中心を見つめ続けていた。

 

五分……十分。

 

手応えが、急速に重く、確かな質量を帯びていく。

 

「……転移、固定」

 

カァァァッ!!とリビング全体を埋め尽くすほどの純白の光が弾けた。

 

光が収まり、空間の歪みが静かに霧散していく。

その中心——リビングの絨毯の上に、黒髪の少女が立っていた。

 

七星静香——ナナホシだった。

 

「……え……?」

 

ナナホシは呆然と自分の両手を見つめ、それから信じられないものを見るように、ゆっくりと顔を上げた。

 

そこにあったのは、異世界の冷たい石造りの研究室でも、見慣れた空中城塞でもない。

何年も夢にまで見続けた、懐かしい我が家のリビングの風景。

壁に掛けられた家族写真、使い慣れたテーブル、そして——涙をボロボロと流しながら立ち尽くす、父と母の姿だった。

 

「お……お父さん……?お母さん……?」

「静香……!静香なのかい……!?」

「静香ぁぁぁっ!!」

 

母親が悲鳴のような叫び声を上げ、なりふり構わず駆け寄ってナナホシを抱きしめた。

父親も震える両腕で二人を包み込み、崩れ落ちるように三人で抱き合って泣き崩れた。

 

「よかった……!本当によかった……!生きていてくれた……!」

「うわぁぁぁんっ!お母さん!お父さん!会いたかった……!ずっと、ずっと会いたかったよぉぉっ!」

 

堰を切ったように溢れ出すナナホシの慟哭。

何年もの間、言葉の通じない異世界で孤独と戦い、元の世界へ帰るためだけにすべてを捧げてきた少女が、ようやく取り戻した本当の居場所。

彼女の小さな肩が激しく震え、母親の胸を涙で濡らしていく。

 

「ごめんね……心配かけてごめんね……!……怖かったよぉ……!」

「いいんだよ、静香。もういいんだ……!お前が無事でいてくれただけで、お父さんたちは十分だ……!」

 

父親も涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら、娘の頭を何度も、何度も撫で回していた。

 

私はその温かな家族の再会を邪魔しないよう、部屋の隅で静かに壁に寄りかかり、その光景をそっと見守っていた。

私が人生で最重要視する家族との絆。それを彼女が取り戻す手助けができたことに、胸の奥からじんわりと温かい達成感が込み上げてくるのを感じていた。

 

異世界からの帰還者という前例のない立場で、ナナホシは誰よりも孤独に戦い続けてきた。

その孤独の分だけ、この再会の涙には計り知れない重みがあるのだろう。

 


 

三十分ほど経ち、ようやく涙を拭った三人が、ソファーに並んで腰掛けた。

まだ両親もナナホシも目を真っ赤に腫らしていたが、その表情には晴れやかな安堵が満ちていた。

 

ナナホシと両親が、揃って私に向かって深々と頭を下げた。

 

「ルーデウス君……本当に、本当にありがとう。君がいなければ、私たちは二度と娘を抱きしめることはできなかった。この恩は、一生忘れない」

「ルーデウス……あなたにはいくら感謝しても足りないわ。本当に……ありがとう」

 

私は苦笑いを浮かべ、首を横に振った。

 

「頭を上げてください。静香さんの帰還実験や異世界の知識は、私にとっても、そしてあちらの世界にとっても計り知れない助けになっていたんです。何はともあれ、無事に帰還できて本当によかった」

 

私は姿勢を正し、これからの生活における重要な注意事項を切り出した。

 

「さて……感動の再会の最中に水を差すようで申し訳ないのですが、今後の健康管理について大事な話があります」

「健康管理?」

 

父親が不思議そうに眉をひそめた。

 

「ええ。静香さんが暮らしていたあちらの世界には、大気中に濃厚な魔力が満ちていました。静香さん自身には魔力回路がありませんが、長年その環境にいたことで、身体が魔力に適応してしまっている可能性があります。そして何より、魔力を持たない肉体にとって、急激な環境の変化や体内に残留した魔力は毒になり得るんです」

 

私は懐から、乾燥させた青い野草の束を取り出してテーブルに置いた。

 

「これは『ソーカス草』というあちらの世界の薬草です。体内の魔力を吸収し、排出を助ける効果があります。念のため、当面の間はこれを煎じてお茶として飲んでください。ただ……ソーカス草がこちらの世界の土壌で育つかは分かりませんし、不用意に栽培してこちらの生態系を破壊するわけにもいきません」

「じゃあ……薬草が切れたらどうするの?」

 

ナナホシが不安そうに尋ねてきた。

 

「ですから、私はこれからも定期的にこちらの世界へやってきて、ソーカス草の補充と静香さんの体調の経過観察を行いたいと思っているのですが……構いませんか?」

 

私の提案に、ナナホシはポカンと口を開け、それからパッと顔を輝かせた。

 

「……えっ!?これからも、定期的にこっちに来てくれるの!?」

「ああ、もちろん。まさかこれでお別れだと思っていたか?」

「う……うん。もう二度と会えないのかなって、ちょっとだけ寂しかったから……すごく助かる!ありがとう、ルーデウス!」

 

両親も「いつでも大歓迎だよ!ルーデウス君が来てくれるなら、私たちも安心だ」と力強く頷いてくれた。

 

「それにね、こちらの世界の高度な科学技術や文化を、私もまだまだ学びきれていませんから。ペルギウス様もこちらの世界に興味津々ですしね」

 

私が何気なく口にしたその名前に、ナナホシの両親が反応した。

 

「ペルギウス様……静香の手紙にも何度も出てきた、あの空中城塞の王様だね?娘の帰還のために、古代の魔術や魔法陣の研究に多大な協力を惜しまなかったという……」

「ええ。あの方の知恵と城塞の設備がなければ、私たちは絶対に帰還魔術を完成させられなかったわ」

 

ナナホシが断言すると、ふと気まずそうに視線を泳がせ、口ごもった。

 

「……あのね、ルーデウス。実は……言いづらいんだけど……」

「ん?どうしたんだい?」

「……ペルギウス様、ものすごくこっちの世界に来たがってたのよ」

「は?」

 

私は目を瞬かせた。

 

「ペルギウス様が?でも、今回の転移のアンカーはナナホシだけに紐付けたはずだけど……」

「それがね……ペルギウス様、わたしが帰還の準備をしている時に、わたしの魂の波長に『ご自身の魔力アンカー』をこっそり直結させちゃったのよ……」

「な、なんだと……!?」

 

思わず声が裏返った。

 

「しかもね、『観光するときに異世界の民を不用意に威圧してはならんからな』とか言って、自前の変装魔道具まで完璧に用意して、城塞の自室で待機してるはずよ」

 

私は頭を抱えて絶句した。

あの尊大で威厳に満ちた甲龍王が、まさか女子高生の帰還アンカーにタダ乗りして密航を企てていたとは。

 

「あ、あはは……。すみません。あちらの世界の最高権力者の一人が、どうやらこちらの家に突撃してきそうなんですが……」

 

恐縮する私に対し、ナナホシの父親は少し驚きつつも、温かい笑顔を浮かべて言った。

 

「何を仰るんだい、ルーデウス君!静香がそれほどまでにお世話になった大恩人なんだろう?私たちからも、直接顔を合わせて心からの感謝をお伝えしたいよ。ぜひ、お呼びしてくれ」

「……ありがとうございます。ここで呼ばなかったら、あのお方はきっと拗ねて長々とお説教されてしまいますからね……」

 

私は苦笑しながら、再び即席魔法陣(アドリブ・サーキット)を展開した。

 


 

ナナホシに便乗して直結されていた、ペルギウスの極大の魔力波長を捕捉する。

 

(ぐっ……やはり重い……!さすがは太古の龍将……ナナホシを引き寄せるのとは桁が違う魔力消費だ……!一度やったことがあるとは言え、ナナホシを引き寄せた後では辛い……!)

 

私は歯を食いしばり、体内の魔力をフル回転させてアンカーを手繰り寄せた。

 

数分後、リビングの空間が強烈な白銀の光に包まれ、ドスンッ!と重厚な衝撃とともに一人の人影が実体化した。

 

現れたのは、白銀の豪奢な甲冑を纏い、威厳に満ちた黄金の瞳で周囲を見回す偉丈夫——甲龍王ペルギウス・ドーラその人だった。

日本の一般的なリビングの天井すれすれの巨体と圧倒的な覇気が、空間の日常感を完全に吹き飛ばしている。

 

「……ほう。ここが、異世界か」

 

ペルギウスが満足そうに顎を撫でた。

その異様な威容に、ナナホシの両親は息を呑み、本能的な畏怖からスッと立ち上がって絨毯の上に平身低頭で跪いた。

 

「ペ、ペルギウス様……!娘の静香を救っていただき、言葉では言い尽くせぬほど感謝申し上げます……!」

 

両親の最上級の礼節に、ペルギウスは大変気分を良くした様子で、鷹揚に頷いた。

 

「うむ。面を上げよ、異世界の民よ。ナナホシは既に我が朋友と呼んでも良い。力を尽くすのは当然のこと。……此度の転移、誠に見事であったぞ、ルーデウス」

「……お褒めに預かり光栄です、ペルギウス様。その前に一言相談してほしかったところですが」

 

私が肩をすくめると、ペルギウスはフンと鼻を鳴らした。

 

さて……無事に召喚できたのはいいが、問題はこれからの滞在先だ。

今の転移で私の魔力はほぼ空っぽになってしまったため、元の世界へ戻るには数日間の完全休養が必要となる。

 

「ペルギウス様。私の魔力が回復するまで、数日間はこちらの世界に滞在することになりますが……どうされますか?」

「何を言うか!我はこの世界を隅々まで見聞するために参ったのだ!当然、観光を楽しむに決まっておろう!この日のために、異世界の言語も修練してきたのだからな!」

 

そう言うと、ペルギウスは胸を張り、流暢とは言えないまでも、しっかりとした発音の英語を披露してみせた。

 

『I have arrived in this world. It is a pleasure to meet you.』

 

(……おお、ちゃんと英語を勉強していたのか)

 

日本語は文法や文字の難易度が高すぎたため、以前私が「世界共通語に近い言語」として英語の基礎辞書を渡しておいたのだが、まさかここまでマスターしてくるとは。

 

とはいえ、この巨躯の王族をナナホシの一般家庭に泊めるわけにはいかない。

事情を察したナナホシの父親が、スマートフォンを操作しながら申し出てくれた。

 

「ルーデウス君、ペルギウス様。ここから車ですぐのところに、それなりの高級ホテルがあります。私の方でスイートルームを予約させていただいてもよろしいでしょうか?」

「うむ、異世界の宿の最高峰か、実に興味深い。案内を頼むぞ」

 

こうして、甲龍王ペルギウスを連れた、前代未聞の日本観光が幕を開けたのだった。

 


 

翌日からの数日間、私とペルギウスは変装の魔道具を起動し、日本の街へと繰り出した。

 

ペルギウスの姿は、恰幅の良い白髪混じりの外国人紳士風に偽装。

私はごく普通の青年姿だ。

 

私たちは都内の主要な美術館や博物館、そして最新鋭の巨大ショッピングモールを巡った。

 

国立西洋美術館でロダンの『地獄の門』やモネの絵画を鑑賞した際、ペルギウスは腕を組み、何時間もその場から動かずに食い入るように見つめていた。

 

「……素晴らしい。絵の具の重なりと光の反射だけでこれほどの奥行きと情感を表現するとは……。異世界の芸術家ども、侮れんな」

 

また、最新のショッピングモールの巨大な吹き抜け構造や、滑らかに動くエスカレーター、自動ドアなどの工学技術にも目を輝かせ、子供のように仕組みを質問攻めにしてきた。

 

グルメに関しても、ペルギウスの探究心は留まることを知らなかった。

高級寿司屋では、職人の繊細な包丁さばきと魚の鮮度管理に感銘を受け、「火を通さぬ魚をここまで昇華させるとは……!」と舌鼓を打ち、老舗のすき焼き屋では霜降り和牛のとろけるような食感に「美味い!幾らでも腹に入るぞ!」と目尻を崩していた。

 

そして数日後、ナナホシの家で今後の予定を相談していた時のことだった。

 

「ルーデウスよ。この世界において、最も至高の芸術が集まる『聖地』はどこなのだ?」

「そうですね……世界最高峰の美術館が集まる場所と言えば、やはりフランスのパリでしょうね。ルーヴル美術館やオルセー美術館などがあります」

「そのような場所があるのか……ならば今すぐそこへ向かうぞ!」

 

ペルギウスの言葉に、ナナホシの両親が困り顔で顔を見合わせた。

 

「ペルギウス様……フランスへ行くとなると、海を越えて他国へ渡ることになります。パスポートと呼ばれる身分証明書がなければ、飛行機に乗ることも入国することも難しいのです……」

「ルーデウス、あなたの転移魔術で直接フランスへ飛べばいいんじゃないの?」

 

ナナホシの提案に、しかしペルギウスが待ったをかけた。

 

「ならぬ。我はあの空を飛ぶという巨大な鉄の鳥——『飛行機』とやらに乗って旅をしてみたいのだ。転移などいつでもできるではないか」

 

……転移魔術が『いつでも』使えるのは私かペルギウスくらいなのだが……。

駄々をこねる子供のようなペルギウスに全員が頭を抱えかけたその時、私は懐から二冊の小さな手帳を取り出し、テーブルの上に置いた。

 

日本の外務省が発行した、正真正銘の本物のパスポートだった。

 

そこには、変装した私とペルギウスの写真、そして公的に登録された氏名が印字されていた。

 

「「「えええっ!?」」」

 

ナナホシ一家が絶叫した。

 

「ル、ルーデウス……あなた、これ偽造したの!?犯罪よ!?」

「失礼な、正真正銘の本物だよ。……実はね、ここに通っている間、身分証と自由に使える資金があったほうが良いと考えていてね。秘密裏に日本政府の最高首脳陣と直接コンタクトを取ったんだ」

「に、日本政府のトップと……!?」

 

父親が泡を吹いて倒れそうになった。

 

「ええ。異世界の魔術師の実在を証明した上で、私がこの世界の裏で『とある国家的・国際的な安全保障上の極秘任務』を秘密裏に遂行することを条件に、国家公認の超法規的な身分証と、無制限の活動資金を提供してもらったんです」

「……あなた、一体何をやったのよ……?」

 

ナナホシが戦慄しながら尋ねてきた。

 

「詳しくは言えないが……いくつかの国家が保有していた『核爆弾』の保管庫に潜入し、その起爆機構と核物質を、私の土魔術と空間分解で完全に無力化・消滅させてきた」

「「「…………っ!?」」」

 

リビングが完全な静寂に包まれた。

ナナホシの両親は開いた口が塞がらず、ナナホシは頭を抱えて机に突っ伏した。

 

「な、核兵器を消滅させてきたって……あなた、この世界の軍事バランスを一人で根底から書き換えてきたの……!?」

「まあ、新たに製造されるものはともかく、現存していた危険な核弾頭は綺麗に消し去っておいたからな。日本政府としても、私の要求を断る理由がなかったわけだ」

 

ペルギウスが興味深そうに身を乗り出してきた。

 

「核爆弾とは何なのだ、ルーデウス?」

「あちらの世界で言うところの、神級魔術の極大爆発を、魔力を持たない者がスイッチ一つで引き起こせる究極の兵器ですよ」

「ほう……!そのような恐るべき兵装を解体した対価か。ならば堂々と胸を張って使えば良いだろう」

 

ペルギウスは豪快に笑った。

 

「せっかくだから、皆さんも一緒に全員でフランスへ行きましょう。資金は潤沢にありますから、全席ファーストクラスで行けますよ」

 

ナナホシ一家の思考回路は完全に停止していたが、ナナホシ自身のパスポート再発行の手続きを進めてもらい、私たちは出発の日を待つこととなった。

 


 

そして迎えた、出発の日の成田国際空港。

 

初夏の日差しが降り注ぐ中、私たちは空港の国際線ターミナルへと降り立った。

 

ナナホシの両親は数日前までの動揺が嘘のように、高級な旅行用スーツに身を包んでワクワクとした表情を浮かべていた。

久しぶりの娘との家族旅行であり、しかも行き先は憧れの花の都パリ。緊張しつつも、楽しもうという気概に満ちている。

 

一方のペルギウスは先日銀座の高級百貨店で購入した最高級レザーの特注スーツケースの取っ手を引き、完璧な立ち姿で佇んでいた。

変装の魔道具により、仕立ての良いスーツを着こなした白髪のダンディな老紳士の姿になっているが、醸し出す絶対的な気品とオーラは隠しようもない。

 

私たちが向かったのは、一般の長蛇の列が並ぶチェックインカウンターではなく、専用の入り口が設けられた『ファーストクラス専用チェックインラウンジ』だった。

 

大理石の床と柔らかな間接照明に包まれた静寂の空間。

カウンターに近づくと、洗練された制服を着たコンシェルジュたちが即座に優雅な一礼を捧げてきた。

 

「ルーデウス様、ペルギウス様、そして皆様。本日はご搭乗いただき誠にありがとうございます。お荷物をお預かりいたします」

 

パスポートを提示すると、一切の待ち時間なくスムーズに手続きが完了した。

一般の手荷物検査場を横目に、専用のプライオリティレーンを抜けて出国審査を通過する。

 

案内されたのは、搭乗までの時間を過ごすための『ファーストクラス専用ラウンジ』だった。

 

自動扉が開いた瞬間、目の前に広がったのは、高級ホテルのロビーをも凌駕する絢爛な空間だった。

一面の大きなガラス窓からは、滑走路に並ぶ巨大な航空機たちと、青空が一望できる。

静かに流れるクラシック音楽、バーカウンターに並ぶ世界各地の最高級銘酒、そして専属シェフが腕を振るうオープンキッチンのダイニングエリア。

 

「……ほう。ここは港のロビーか?搭乗を待つだけの場所に、これほどの贅を尽くすとはな」

 

ペルギウスが感心したように周囲を見回した。

 

「ええ、ペルギウス様。ファーストクラスの乗客のためだけに用意された特別な空間です。あちらのダイニングでは、好きな料理や酒を好きなだけ注文できますよ」

「なんと。ならば早速いただくとするか」

 

私たちはダイニングのゆったりとしたソファー席へと案内された。

メニューを開いたペルギウスは、英語で書かれた料理名を指差し、流暢になってきた英語で注文を告げた。

 

『I would like the freshly made nigiri sushi and the French red wine, please.』

「かしこまりました。ただいまお持ちいたします」

 

運ばれてきたのは、職人がその場で握った大トロやウニの極上寿司と、芳醇な香りを放つヴィンテージワインだった。

 

ペルギウスはワイングラスを揺らし、その深紅の液体を口に含むと、目を細めて満足げに頷いた。

 

「うむ……素晴らしい。港の一角でこれほどの美酒と美食を提供できるとは、この世界の物流と気配りの完成度は恐ろしい域に達しておるな」

 

ナナホシの両親も、運ばれてきた高級シャンパンとキャビアのオードブルを前に、恐縮しつつも至福の笑顔を浮かべていた。

 

「すごいわね……静香、私たち、こんな贅沢な空間生まれて初めてよ」

「お母さん、ルーデウスの資金力は規格外のようだから、今日は遠慮しないで楽しんでいいのよ」

 

ナナホシがクスリと笑う。

 

搭乗時刻が近づくと、専用のアナウンスが流れ、私たちは優先搭乗口から航空機へと案内された。

 

ボーディングブリッジを渡り、いよいよ機内へと足を踏み入れる。

 

そこに広がっていたのは、通常の旅客機のイメージを完全に覆す光景だった。

通路の両側に並ぶのは、独立した個室のような空間——最新鋭のフルフラットシートと、大型の液晶モニター、プライバシーを完全に保護するパーテーションが備えられた、文字通りの『空飛ぶホテル』だった。

 

ペルギウスは割り当てられた自分の個室シートに腰掛けると、革張りのシートの手触りを確かめ、周囲の設備を観察した。

 

「ふむ……これが、鉄の鳥の内部か。座り心地は我が城塞のソファにも劣らんぞ」

 

客室乗務員がウェルカムシャンパンを運んでくると、ペルギウスは優雅にグラスを受け取り、窓の外へと視線を向けた。

 

やがて、シートベルト着用のサインが点灯し、巨大なジェットエンジンが重厚な低音を響かせ始めた。

 

キィィィィン……ッ!

 

滑走路へと移動する機体の中で、ペルギウスが珍しく少しだけ緊張した面持ちで私に近付き、耳打ちしてきた。

 

「おい、ルーデウス。……この巨大な鉄の塊が、魔力の助けもなしに、本当に空へ浮かぶのか?物理法則的に無理があるのではないか?」

「ははは、大丈夫ですよ、ペルギウス様。流体力学と主翼の形状によって生み出される『揚力』と、あの巨大なエンジンの推進力によって、空気の上を滑るように飛ぶんです。万が一、機械トラブルで落ちそうになった時は……私が重力魔術で機体ごと宙に浮かせますから、安心してください」

 

私の言葉に、ペルギウスは「ふむ、お前がいるなら安心だな」と納得したように頷き、客室乗務員に促されて自分の個室に戻っていった。

 

ゴオオオオオォォォッ!!

 

エンジンが最大出力に達し、猛烈な加速Gがシート越しに全身を押し付ける。

機体は滑走路を一気に疾走し——ふわりと、軽やかに大地を離れた。

 

窓の外の景色が急速に遠ざかり、東京湾の街並みと雲海が眼下に広がっていく。

 

「……おお……!」

 

ペルギウスは窓に顔を近づけ、金色の瞳を輝かせて雲上の絶景を見つめていた。

 

「飛んだ……!魔力を持たぬ人どもが、知恵と工学の力だけで、ここまでの高みを制覇したというのか……!実に、実に見事だ……!」

 

高度一万メートル、巡航高度に達した機内では、豪華な機内食のフルコースが始まった。

最高級のキャビアから始まるフランス料理のコースと、雲海を眺めながら傾ける極上のシャンパン。

 

ペルギウスは異世界の工学の奇跡と至高のサービスを心ゆくまで堪能し、パリへと向かう空の旅を満喫したのだった。

 


 

シャルル・ド・ゴール空港に降り立った私たちは、手配しておいた専用のリムジンに乗り込み、花の都パリの市街地へと向かった。

 

歴史ある石造りの美しいアパルトマンが立ち並び、セーヌ川が優雅に流れるパリの街並み。

その中心に佇む、かつての王宮にして世界最大の美の殿堂——ルーヴル美術館の前に降り立った。

 

青空の下にそびえ立つ、象徴的なガラスのピラミッド。

それを見上げたペルギウスは、威厳に満ちた表情で深く息を吸い込んだ。

 

「ほう……これが、ルーヴルか。かつての王宮をそのまま美術館にしたと図鑑で見たが、漂う歴史の重みと風格は本物だな」

 

私たちは専用のVIPガイドの案内で、館内へと足を踏み入れた。

 

総面積七万平方メートルを超える広大な展示空間。

そこに収蔵された三十万点を超える美術品の数々が、私たちを迎えてくれた。

 

最初に案内された古代彫刻の回廊で、ペルギウスの足がピタリと止まった。

 

展示室の中央、階段の踊り場に劇的に配置されていたのは——『サモトラケのニケ』だった。

 

翼を大きく広げ、地中海の強い潮風を受けながら船の舳先に降り立つ勝利の女神。

頭部も両腕も失われているにもかかわらず、薄い衣が風に張り付く肉体の躍動感と、神々しいまでの存在感。

 

「……っ!?」

 

ペルギウスは言葉を失い、階段の下からその巨像を凝視した。

一歩、また一歩と階段を上がり、あらゆる角度からその彫刻の陰影を見つめ続ける。

 

「……頭部も腕もない。それなのに……なぜこれほどまでに『勝利の歓喜』と『生命の躍動』が伝わってくるのだ……!大理石の冷たい石肌から、風の流れが、波の飛沫が目に見えるかのようだ……!」

「ギリシャ時代の彫刻家たちが、極限まで肉体の美と布のドレープのリアリズムを追求した結果ですね。写実性の極致とも言えるでしょう」

 

私の解説に、ペルギウスは深々と頷き、感嘆のため息を漏らした。

 

「素晴らしい……。我が城塞の彫像群にも、この『風を孕む表現』を取り入れねばならんな」

 

続いて向かったのは、世界で最も有名な絵画『モナ・リザ』が飾られた大広間だった。

 

防弾ガラスの奥で、静かに、そして神秘的な微笑を浮かべる貴婦人の肖像画。

レオナルド・ダ・ヴィンチが生み出した『スフマート(ぼかし技法)』によって描かれたその輪郭は、光と影の境目が溶け合うように滑らかだった。

 

ペルギウスは人垣をかき分けるように前に進み、じっとその絵画を見つめた。

 

「……筆の跡が見えぬ。まるで、カンバスの上に直接『空気』と『生命』を定着させたかのようだ。この男……ダ・ヴィンチと言ったか。魔術師でもないのに、世界の真理を見通していたとしか思えんな」

 

さらに私たちは、セーヌ川の対岸にあるオルセー美術館、そしてオランジュリー美術館へと足を伸ばした。

 

オルセー美術館の壮大な吹き抜けの元駅舎の空間に並ぶ、印象派の巨匠たちの傑作群。

モネの『日傘をさす女』の柔らかな光の表現、ルノワールの描く幸福感に満ちた色彩の乱舞、そしてゴッホの『星月夜』の魂を削り出すような激しい筆使い。

 

オランジュリー美術館の楕円形の展示室では、部屋の壁一面をぐるりと取り囲むモネの巨大な『睡蓮』の連作の前に腰掛けた。

柔らかな自然光が降り注ぐ静寂の空間の中で、水面に浮かぶ睡蓮と光の移ろいを見つめながら、ペルギウスは静かに目を閉じた。

 

「……絵画とは、ただ対象を模写するだけのものではないのだな。画家がその瞬間に感じた光、空気、そして心の揺らぎそのものをカンバスに刻み込む行為……。異世界の芸術の深淵、我が魂に深く刻まれたぞ」

 

芸術を愛し、美を追求し続けてきた甲龍王の心に、異世界の巨匠たちの情熱が完璧に共鳴した瞬間だった。

 


 

美術館巡りを終えた日の夜。

 

私たちは、パリの歴史ある三つ星フレンチレストランの瀟洒な個室へと案内された。

重厚なシャンデリアが煌めき、純白のテーブルクロスの上には銀の食器が美しく並べられている。

 

今夜は、フランス料理の神髄を味わう特別なディナーだ。

 

テーブルに運ばれてきた最初の一皿は、芸術作品のように美しく盛り付けられたアミューズ・ブーシュだった。

宝石のように輝くジュレ、繊細なハーブ、そして口に入れた瞬間に広がる幾重もの味覚のハーモニー。

 

「……ほう。一口ごとに、異なる香りと酸味、そして旨味が波のように押し寄せてくるな」

 

ペルギウスが目を丸くしてナイフとフォークを進める。

 

続いて運ばれてきたのは、フォアグラのポワレに濃厚なトリュフソースを添えた前菜、そして香ばしく焼き上げられたオマール海老のビスク仕立てだった。

 

「美味しい……!お父さん、お母さん、これすっごく美味しいよ!」

「本当にねぇ……こんなに奥深いお料理、人生で食べたことがないわ」

 

ナナホシと両親が感動の声を上げる。

 

メインディッシュとして登場したのは、最高級シャロレー牛のフィレ肉のローストに、赤ワインと骨髄の極上ソースをあしらった一皿だった。

 

完璧な火入れによってロゼ色に輝く肉にナイフを入れると、驚くほど滑らかに刃が通り、肉汁がジュワリと溢れ出す。

 

ペルギウスがその肉を一口頬張り、ゆっくりと咀嚼した。

 

「……っ!!」

 

ペルギウスの黄金の瞳が、驚愕に見開かれた。

 

「美味い……肉の繊維の奥深くまで完璧に熱が通り、旨味が極限まで凝縮されておる。ソースの複雑な苦味と甘みが、肉の野趣を完璧に気品へと昇華させているではないか……」

 

ペルギウスの的確すぎる料理批評、大分英語も流暢になってきている。給仕していたフランス人のギャルソンも誇らしげに胸を張り、深々と一礼した。

 

ソムリエが料理に合わせて選んでくれたボルドーの最高峰ヴィンテージワインを口に含みながら、私たちは時間を忘れて贅沢な美食の夜を堪能したのだった。

 


 

そして、パリ滞在の最終夜。

 

私たちが訪れたのは、世界で最も豪奢で美しい歌劇場——『パレ・ガルニエ(ガルニエ宮)』だった。

 

金箔で彩られた壮麗なファサード、大理石の大階段、そしてシャガールが描いた天井画が広がる絢爛たるホール。

私たちは舞台中央を一望できる、最上階のロイヤルボックス席へと案内された。

 

今夜の演目は、名門オーケストラによるベートーヴェンの『交響曲第九番』だった。

 

場内の照明が静かに落とされ、指揮者がタクトを構える。

 

完全な静寂の中——第一楽章の重厚な弦楽器の響きが、劇場の空間を震わせた。

 

混沌から秩序が生まれるような、圧倒的な音の奔流。

魔力など一切介在しない、純粋な木と金属、そして人間の肉体と呼吸だけで生み出される、極大の音響空間。

 

ペルギウスは身を乗り出し、食い入るようにオーケストラの動きを見つめていた。

弦楽器の弓が一斉に踊り、金管楽器が輝かしい咆哮を上げ、ティンパニの地響きのような連打が劇場の壁を激震させる。

 

そして運命の第四楽章。

 

静寂を破り、独唱者のバリトンが朗々と歌い上げる。

 

O Freunde, nicht diese Töne!おお友よ、このような音ではない!

 

それに呼応するように、百人を超える大合唱団が一斉に立ち上がり、魂の底からの大合唱を響かせた。

 

Freude, schöner Götterfunken, Tochter aus Elysium!歓喜よ、神々の美しい閃光、楽園の乙女よ!

 

劇場の天井を突き破らんばかりの、圧倒的な歓喜の歌。

人類の苦難、闘争、そしてすべての人間が兄弟として手を取り合う愛と調和の賛歌が、津波のような音圧となって観客席全体を包み込む。

 

ふと隣を見ると——あの冷徹にして絶対の威厳を誇る甲龍王ペルギウスの瞳から、一筋の澄んだ涙が頬を伝い落ちていた。

 

彼は瞬きすら忘れ、その音楽の奔流を全身で浴び続けていた。

 

幾多の戦乱と朋友の死を見届け、孤独な城塞で歴史を見つめ続けてきた男。

その男の魂の最深部に、異世界の人間たちが紡ぎ上げた『歓喜の調和』が届いた瞬間だった。

 

いつも威厳に満ちた甲龍王のこんなにも無防備な涙を、私は初めて目にした。

魔術も種族も超えた芸術の力が、龍将の心をこれほどまでに揺さぶるとは。

 

最後の圧倒的なフォルテシモが鳴り響き、指揮者のタクトが止まった瞬間——。

 

ワァァァァァァァッッッ!!

 

劇場の天井が崩れ落ちるかのような、割れんばかりのスタンディングオベーションと万雷の拍手が沸き起こった。

 

ペルギウスも立ち上がり、惜しみない最大の拍手をオーケストラへと送り続けていた。

その顔には、かつてないほどの晴れやかで、満ち足りた笑みが浮かんでいた。

 

「……見事だ。実に見事だ、ルーデウス」

 

鳴り止まぬ拍手の中、ペルギウスが私に向き直り、震える声で言った。

 

「異世界の人どもが創り上げたこの美の数々……我が生涯の中でも、最も美しく、最も尊い体験であったぞ」

 

隣では、ナナホシと両親が手を取り合って涙を流し、笑顔で拍手を送っていた。

 

異世界とこちらの世界。

二つの世界を繋ぐ旅は、誰一人として取りこぼすことのない、最高の歓喜と感動とともに幕を閉じたのだった。




ようやくナナホシ帰還です!
ついでにペルギウスの地球観光も行いました!
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