無職転生 ~性格改変_エンジニアリング視点での魔術構築~ 作:haru-ha
本作は『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』の二次創作小説です。
pixivに掲載していた小説(完結済)のセルフ転載となります。(所々、追記・修正しています)
以下の独自設定(IF設定)を含みます。
・原作と違って、元々存在していたルーデウスの自我は失われず、そこに「ある男」の記憶だけが継承されたという解釈で執筆しています。
・そのため、原作のルーデウスとは性格や口調、判断基準が異なります。
【注意事項】
・原作のストーリー改変(生存IFなど)が含まれる可能性があります。
・キャラの独自解釈、および設定の捏造が含まれます。
・原作全編のネタバレに配慮しておりません。
なんでも許せる方のみ、お進みください。
Side: ルーデウス
ミグルド族の集落を旅立ち、私たちは最初の目的地であるリカリスの町を目指していた。
中央大陸とは比較にならないほど魔物の密度が高い魔大陸の荒野。道中、幾度となく戦闘が勃発したが、その光景は一方的な蹂躙に近かった。
エリスはロインから贈られたダガーを使い、鋭い踏み込みで魔物の懐へと飛び込む。だが、それを遥かに凌駕する速度でルイジェルドの槍が閃き、気づけば魔物の群れは文字通り殲滅されていた。
(……強い。間違いなくパウロより、もしかしたらギレーヌよりも……)
私はフォローに回る隙すらなく、杖を構えたまま立ち尽くすことも多かった。おかげで、誕生日に贈られた『
旅を始めて二日。赤茶けた大地に、巨大なクレーターをそのまま利用した天然の要塞、リカリスの町が遠くに見えてきた。今日は岩陰で野営することになった。
夕食は魔物の肉だ。道中で仕留めたストーントゥレントの幹を薪にし、エリスに初級魔術の練習として火を点けてもらった。炙った魔物の肉は酷く硬く、味も淡白だったが、空腹という調味料がそれを補っていた。
「エリス、お前の動きは良くなっている。踏み込みの際の重心移動が、より鋭くなった」
「本当っ!?……えへへ、ルイジェルドに褒められると嬉しいわね!」
ミグルド族の集落ではあれほど彼を恐れていたエリスだが、今ではすっかり彼に懐いていた。
「ルイジェルドさん。……エリスはもう、あなたを怖がっていないようですね」
「ああ、髪を剃ってからというもの、反応は劇的に変わった。……俺の方が戸惑うくらいにな」
ルイジェルドは無表情を崩さなかったが、その声には隠しきれない喜びが滲んでいた。
「……私の仮説は的を射ていたかもしれませんね」
「仮説……?ミグルドの村で言っていた、あの髪色の話か。ルーデウス、改めて詳しく教えてくれ。俺も、自分にかけられた魔術の正体を知っておきたい」
私は土魔術で三つのコップを作り、水魔術で生成した冷水で満たして二人に手渡した。魔大陸は雨が少なく、乾燥が激しい。喉を潤してから、私はゆっくり語り始めた。
「私の仮説の核は、『魔神ラプラスはその身に宿る負の魔術を、槍という媒体を介してスペルド族に擦り付けた』というものです」
「髪の色がどう関係するのよ」
エリスの問いに応え、私は火の点いていない薪を一本手に取った。
「物に魔術を込める技術、
私は薪に微弱な火魔術を付与し、軽く振った。薪から火花が舞い、一瞬で燃え尽きる。
「魔神ラプラスが槍に込めたのも、これと同じ技術でしょう。しかし、物とは異なり、意思のある生体に他者の魔術を無理やり固定するのは極めて困難です。生物には『拒絶反応』がありますから」
私は自らの左腕を掴んで見せた。
「生体に魔術を『溶け込ませる』には、主に二つの方法があります。一つは魔法陣を網膜などに焼き付ける方法。私の右目と同じですね。そしてもう一つが、
ロキシーにもらった杖を実際に出し入れし、実演して見せる。
「ルイジェルドさんの体内を観察した際、物理的な魔法陣は見当たりませんでした。しかし、魔術は組織レベルで『溶け込んで』いた。これを成功させるには、術者ラプラスと被術者スペルド族の間で、魔力波長の『類似性』が必須条件となります。血縁関係にでもあれば話は別ですが……。ラプラスが選んだ類似性が、あのエメラルドグリーンの髪だったのではないかと考えました」
私はコップの水を飲み干し、結論を述べる。
「身体的特徴の類似、長期的な媒体との接触、そして周囲からの共通認識。これら複数の条件が繊細に重なり、魔術は維持されていた。しかし、ルイジェルドさんが髪を剃り落とし、エリスの中にある緑髪への偏見が外れた。それによって、魔術に致命的な欠陥が生じたのだと思います」
説明していて感じたが、なんという高度な技術だろう。やはり、『魔神』の名は伊達ではない。
一息ついて、ルイジェルドの方を見る。
「……どれほど効果があったか、今一度確かめてみましょうか」
ルイジェルドは頷き、エリスに見張りを頼んでから、闘気を抜いて私の前に立った。
私は
右目が焼けるように熱くなり、世界の色へと反転する。
「……驚きました」
「どうだったのだ、ルーデウス」
「魔術がほぼ崩壊しています。今はもう霧散し、ただの残滓として消えかかっている。……もう、この魔術が復活することはないでしょう」
「……本当か……ッ!」
あの屈強なルイジェルドの肩が、小刻みに震えていた。
「風評被害という共通認識を消すにはまだ時間がかかりますが……少なくとも、魔力的な束縛からは、あなたは自由です」
……ルイジェルドは何も言わず、見張りの交代のために立ち上がった。
暗闇へと消えていく彼の背中を、より不鮮明になってしまった視界で見送る。ルイジェルドの目に涙があったことは、きっと私の見間違いなのだろう。
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翌朝、私たちはリカリスの重厚な城門の前に立っていた。
ルイジェルドは髪を剃ったとはいえ、額の目は依然として目立つ。一目でスペルド族だと悟られぬよう、私は道中で額当てを三つ自作していた。
植物の繊維を分解して糸を紡いで布にして、土魔術で精錬した金属板を組み合わせたものだ。私はリーリャの手伝いとして服の補修も経験がある。一から布を織るのは、思いのほか精密な魔力制御の良い修練となった。
三つ準備したのは、何かを隠していることを悟られないようにカモフラージュした結果だ。意匠については少し自信作である。ミグルド族の集落でみた懐かしながらも美しい紋様をベースにして、ルイジェルドの物は鋭い槍の形を取り入れた男性らしい紋様、エリスの物は剣の形を取り入れつつも艷容で可愛らしい紋様、私の物は杖の形を取り入れた複雑な紋様だ。渡したとき、エリスは飛び跳ねて喜んだ。ルイジェルドも無表情ながらも喜んでくれていたように見え、私も鼻が高かった。
門番は私たちを通す際、「最近この辺りをうろついている『
街に入ると、私たちはまず冒険者ギルドへと向かった。
路銀を稼ぐためだ。金を稼ぐ方法は一つではないが、身元不明で稼ぐには冒険者ギルドで依頼を熟すのが良い。まぁエリスがやりたがったからという理由もある。
ギルド内は西部劇の酒場のような喧騒に包まれていた。屈強な魔族たちが下品な笑い声を上げ、新参者の私たちに好奇と侮蔑の視線を投げかけてくる。
それらの視線を無視し、まっすぐに受付にいる職員に向かう。
魔神語で冒険者登録をしたい旨を伝える。幸い、職員はまともなようだ。丁寧な説明を受け、冒険者カードを作ってもらう。
「パーティ名はどうしますか?」
「『デッドエンド』でお願いします」
私の口からその単語が出た瞬間、受付職員の手が止まり、周囲が水を打ったように静まり返った。
「……正気ですか?それは忌むべき呪われた名です」
「はい。見目で侮られることが多いので、名前だけでも威厳を持たせたいと思いまして」
私の淡々とした説明に、職員は納得したようで、登録は無事に完了した。
(ブランディングを活用すれば、実態を裏付けずとも第一印象で相手の警戒レベルを制御できる。威厳だけは、今は一流にしておいたほうが良いだろう)
ギルドのルールは『記憶』にあるゲームのシステムによく似ていた。
・ランクはSからFまでの七段階。
・原則として、現ランクの一つ上の依頼まで受諾可能。
・失敗時は報酬の二割を違約金として徴収。半年間支払えねば資格剥奪。
・規定回数の成功で昇級、連続失敗で降級。
・他者の依頼妨害や売買は厳禁。
依頼は掲示板に貼りだされているらしい。早速三人で向かう。
登録したばかりの私たちはFランクだ。Eランクの依頼は……
「ドラゴンと戦うとかないの?」
「あるぞ。だがSランクだ。強敵でもある、やめておけ」
エリスとルイジェルドがそう話していたら、馬頭の魔族から声をかけられる。
「ぷくく……そこはちょっとランクが高けぇんじゃねえのかい?」
声色には揶揄が含まれる。言葉は分からないだろうが、エリスが睨みつけている。
「おいおい、怒んなよ。アドバイスしてやろうってのに。ほら、これなんかどうだ?」
見せられた依頼は、ペットの捜索だ。字からして、子供が依頼者だろう。報酬は雀の涙だ。
「お前らはデッドエンドのスペルド族だろぉ?スペルド族の赤い目は生体レーダーで、索敵はお手の物のはずだろぉ~?」
確かに、ルイジェルドがいればそこまで難しくないだろう。
にやにやとからかう馬頭の魔族にため息をつき、依頼を受け取って受付に行く。
途中、カエル頭の魔族が足をひっかけようとしてきたが、ルイジェルドに蹴散らされていた。
依頼を受け付けてもらって、詳細を聞く。馬頭の魔族がその後もにやにやとずっと見てくるのが、非常に気持ち悪かった。
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依頼人と会う前に、服を買うことになった。
私やルイジェルドは良いのだが、エリスの赤毛は非常に目立つ。フードがある服があったほうが良いだろう。
三人で、店員に訝しげに見られながら服を選ぶ。ロインにもらった路銀で足りそうだが、早く収入がほしいところだ。
「……私、自分で服を選んだことがないの。ルーデウス、手伝ってくれる?」
そうだ、エリスは貴族だった。要請を受け、いろいろとフード付きの服を吟味する。
エリスの見目は、間違いなく美少女だ。髪を隠すためとはいえ、それに似合う服を選ぶ行為は、私の芸術家魂を大いに刺激した。
しっかりと吟味し、耳のような飾りがついた、赤い可愛らしい紋様がある服を選び、渡す。
試着したエリスが出てきた。くるり、と回って見せてくる。私の目に狂いはなかった、非常によく似合っていて可愛らしい。
「どう?ルーデウス」
「はい、とても似合っていて、可愛いと思います」
ルイジェルドも頷いている。エリスは喜んでその服を購入した。
店から出たとき、小柄な魔族数人に声をかけられる。魔族の年齢は見た目でよく分からないが、子供か?
「やぁ、そこのフードの君。新人冒険者かい?どうかな、このあと一緒に食事でも?」
魔大陸でもナンパはあるらしい。エリスは無視するようだ。
立ち去ろうとしたとき、その少年が「無視するなよ!」とエリスのフードを掴む。
――ビリッ。
乾いた音が響いた瞬間、エリスの表情から温度が消えた。
彼女は無言で振り向き、その少年の顔面を全力で殴り飛ばした。
「なぁにすんのよ!!!」
エリスは倒れこんだ少年にすかさず追撃を加える。慌てて、羽交い絞めにして止めた。
ルイジェルドは見ているだけのようだ。何なら、子供の喧嘩だろう?と微笑ましげだ。
顔を大きく腫らした少年たちはたまらず逃げ出した。
エリスの怒りは収まっていない。
「ルーデウスが初めて買ってくれた服なのよ……!?」
エリスの目には涙が浮かんでいる。
「エリス、ちょっとその服を貸してもらえますか?」
涙目で差し出された服を受け取る。フードの付け根が裂かれてしまっていた。
自分の首にかけていた額当てに魔力を流し、一部をほどく。
それを使って、エリスの服を修復した。元々入っていた紋様を崩さぬよう、色を変えた糸もまぜる。
せっかくなので、エリスの額当てと合わせた意匠も加えた。
「これで、そう簡単に破れないはずです」
「……ありがとう、ルーデウス……!ぜったい大切にするわ……!」
エリスはそう言って、服を抱きしめた。
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ルイジェルドを先頭に、ペット探しを行う。ルイジェルドは迷いなく路地裏を進んでいく。
額の赤い目で位置を索敵しているらしく、非常に頼りになる。
依頼主の少女、メイセルによると、探しているのはミーちゃんという猫らしい。
「二人とも、着いたぞ」
そこは路地裏にある、地下に続く薄汚い階段だった。
強い獣臭が漂ってくるのが分かる。
「中に人は?」
「人はいない。……生き物は多いがな」
その言葉に、これはただの依頼ではなく、何らかの犯罪が起こっていることを感じ取る。
地下に下りると、夥しい数の檻に、種々の動物が捕えられていた。動物はどれも首輪がつけられたままだ。
「いたぞ、こいつだ」
ルイジェルドがミーちゃんを見つける。可愛らしい名前に反して、私の身体よりも大きい大型の肉食獣だ。
だが、首輪にはちゃんとミーちゃんと刻まれている。
そのとき、階段を下りる音が聞こえた。
三人で物陰に潜む。
「よーし、今日もがっぽり稼ぐぞー。手筈は整ってるんだろうなぁ?」
「あ、あぁ」
三人の魔族が下りてくるのが見えた。
恐らく、こいつらがミーちゃんと他のペットを盗んだのだろう。
その後で売りにいくか、ギルドの依頼として報酬をもらうかは分からないが、ギルドの規約にも反する明確な違反行為だ。
ルイジェルド、エリスと目を合わせ、頷く。
まずは私の魔術で足を防ぐ。『
すかさずルイジェルドとエリスが飛び出し、殴り飛ばし、蹴り飛ばした。
すかさず、私が『
……うまく連携できてよかった。
「あんっっっだてめぇらぁぁー!!!なにしやがる!?なめんじゃねー、ぶっ殺すぞ!!!」
リーダー格の男が叫ぶ。ルイジェルドが剣呑な目でそいつを見る。
私は一歩前に出て、情報を抜き出そうとした。
その瞬間、手に枷をはめたその男が、私に蹴りを繰り出した。
距離があったからか、ぎりぎり躱すことができたが、もう一歩近づいていれば避けられなかっただろう。
ルイジェルドの槍がきらめく。
私はすかさず手を差し込み、男の首に向かう槍を遮った。
槍は急激に方向をかえ、男の足を切断する。
「ぎ、ぎゃあああああああぁぁぁぁ!!!」
男の叫び声が地下室に響く。
「なぜ邪魔をする、ルーデウス」
「殺すのはだめです」
「なぜだ?」
険しい顔で聞いてくるルイジェルドに答える。
「……デッドエンドの名が穢れます。それに、裁くならギルドの規約に則られるべきでしょう」
しばしルイジェルドとにらみ合い、ルイジェルドは槍を収める。男の絶叫はまだ響いていた。
「情報を聞き出したいところですが……これだけ騒がれては話もできませんね」
手に治癒の光を宿し、足を治そうとする。
「あっあんた!治癒魔術が使えるのか!?なんでも言うことを聞く!!助けてくれ!!」
「……後で治療費はいただきますからね」
後ろでルイジェルドが見張る中、足を接合する。
ルイジェルドの槍の切れ味が良いせいか、それほど苦も無くくっついた。
「あ、ありがとう……!言い値を払う!!」
「……この町での適正価格で大丈夫です。それで、あなたたちは何をやっていたんですか?」
話を聞くと、こいつらはペットを誘拐して、捜索依頼が出たら返却して報酬を得ていたようだ。
「完全に、ギルドの規約に違反しています。これからギルドに突き出しましょう」
「待ってくれ!そんなことされたら、この町で生きていけなくなっちまう!見逃してくれ!!!」
足を治癒したことから、私たちが甘ちゃんだと侮られているのだろう。
デッドエンドの名を穢したくないが、舐められたいわけでもない。
口うるさい男の口に『
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「此度は違反者の捕縛にご協力いただきましてありがとうございます。ギルドの規約に基づき、厳正に処分させていただきます」
職員から、そうお礼を言われる。気づけば数人の職員から囲われていた。
ギルドとしても、ペットの捜索依頼が多すぎる点、それらがすぐに解決される点は気になっていたらしい。
「しかし、犯人の男の足について、服が不自然に破れていたのですが、どうしたのでしょう?」
「ああ、捕縛の際に暴れまして、一度切り落としました。その後に治癒したので、その男に治療費を請求したいのですが……」
「っ!切断された足を接合した!?それほどの治癒魔術を使えるのですか!?」
「まぁ中級程度ですが。切った直後であったのと、切り口がきれいだったので可能でした」
この町で治癒魔術を使える者は少ないらしい。ギルドで取り立てた違反金の中から治療費を払ってくれた。
結果として、依頼完了の報酬よりもずっと多い金を手に入れることができた。
「つかぬことを伺いますが……他にも魔術が使えるのですか?」
「一通りは。得意なのは水です。これでも水聖級魔術師なので」
周囲にどよめきが起こる。
「なんと、貴方は水聖級魔術師であられましたか!?もしかして、この荒野に雨を降らせることもできますか!?」
こう聞かれるのを待っていた。このために、わざわざ犯罪者の足を治癒してまで誘導したのだ。
この魔大陸は荒野、空気は乾燥しきっており、雨も降る気配がない。だから植物が育たないのだろう。
市場でも水が高値で売られていた。冒険者たちが酒ばかり飲んでいたのは、その方が保存できるからだろう。
この地域は水が貴重なのだ。だから、水魔術は売れると思っていた。
「雨を降らせることも可能です。ただし、お代はいただきますが」
先ほどの治療費とは比べ物にならない金額を書いた紙を渡す。見た職員は絶句していた。
ロキシーの手伝いをしていたとき、水聖級魔術を使ったときの依頼料相場は見ていた。
この町の物価に合わせて大分値下げはしているのだが、それでも驚くほど高かったらしい。
だが、職員の目には依頼するかどうかを迷っているのが見て取れた。
「……ギルド長と相談させていただきます。数日後、お時間をいただいても?」
「もちろん、構いません。治癒魔術のほうも必要があれば。適正価格で対応しましょう」
そういって、ギルドを出る。ペット捜索の依頼は完了済、既にミーちゃんを渡して、報酬を受け取り済みだ。
エリスもルイジェルドも、予想以上の収入があったことに満足気だ。
さらに、水聖級魔術を使って見せれば、もっと金が手に入るだろう。
(からかい半分で押し付けられた依頼が、これほどの実入りになるとは。あの魔族も、まさか思っていなかっただろう)
問題があるとしたら一点。
例の馬頭の魔族が、粘着質な目でこちらを見ていたことだ。……トラブルになる前に、早めにこの町を出た方が良いかもしれない。
お読みいただきありがとうございます。
呪いについて、ラプラスの謎技術についての考察を独自で行ってみました。あくまで本作品での解釈という認識をしていただけますと幸いです。
『記憶』の影響もあってか、本作ルーデウスも原作ルーデウスと同様に自己評価が低めです。ルイジェルドの呪いを見ることにも、代償があります。
身元を証明するために冒険者登録は必要ですが、ランクを一から上げるよりも魔術を売った方が手っ取り早く稼ぎになるかなと考えています。中級とはいえ、豊富な魔力量での治癒魔術は魔大陸でこそ需要があるでしょう。とはいえ、所詮は中級治癒魔術、切られた足が完全にロストしていたら治せませんでした。