無職転生 ~性格改変_エンジニアリング視点での魔術構築~   作:haru-ha

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【設定について】
本作は『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』の二次創作小説です。
pixivに掲載していた小説(完結済)のセルフ転載となります。(所々、追記・修正しています)

以下の独自設定(IF設定)を含みます。
・原作と違って、元々存在していたルーデウスの自我は失われず、そこに「ある男」の記憶だけが継承されたという解釈で執筆しています。
・そのため、原作のルーデウスとは性格や口調、判断基準が異なります。

【注意事項】
・原作のストーリー改変(生存IFなど)が含まれる可能性があります。
・キャラの独自解釈、および設定の捏造が含まれます。
・原作全編のネタバレに配慮しておりません。
なんでも許せる方のみ、お進みください。


第14節 広域水魔術の販売:特例昇級と評判の社会実験

Side: ルーデウス

 

今日はギルドで受注した「石化の森」の調査任務のため、リカリスの街の外に広がる枯れ果てた森へと向かっている。

 

「ねぇルーデウス、今度の依頼はどんなものなの?」

 

隣を歩くエリスが、腰のダガーを弄りながら尋ねてくる。

 

「この石化の森に出没する、正体不明の魔物の捜索と討伐です。討伐に成功すれば、追加で多額の報奨金が出ます」

「謎の魔物ってなによ。随分ざっくりしてるわね」

「ギルドが正体を掴めていないということは、既存の生態系を逸脱した、あるいは極めて危険性の高い個体である可能性があります。最大限の警戒をして進みましょう」

 

乾燥した風が吹き抜ける森の入り口に差し掛かった時、数人の人影が言い争う声が聞こえてきた。

見れば、二つのパーティが対峙している。一組はギルドで見かけたことのあるBランクの熟練冒険者たち。そしてもう一組は、以前市場でエリスに殴り飛ばされたあの魔族の少年たちだった。

 

「いいから、Dランクのお子ちゃまチームは大人しく帰んな。ここは遊び場じゃねえんだよ」

「うるせぇな!そっちこそさっさと失せろ!獲物は俺たちが先に見つけるんだよ!」

 

エリスが彼らを思い出したのか、表情を一気に険しくさせる。私は溜息をつき、トラブルを回避しつつ情報を引き出すため、二組の間に割って入った。トラブル回避のため、エリスとルイジェルドには離れていてもらう。ルイジェルドの心配そうな視線を背中に感じる。

 

「何かあったのですか?」

「ああ!? なんだお前ら、例の『自称・デッドエンド』か!?」

「そうです。皆様も同じ依頼を?」

「……ああ。だが内容は微妙に違う」

 

Bランクパーティのリーダー格の男が不機嫌そうに答える。彼らが受けたのは『白牙大蛇の討伐』。対して少年たちの『トクラブ村愚連隊』が受けたのは『謎の卵の採取』らしい。

私たちの『正体不明の魔物の討伐』と合わせれば、見事なまでのトリプルブッキングだ。

 

(ギルドの依頼管理システムには、明らかに重複確認の機能が欠けているようだ)

 

「こういう場合はどうすれば?共同戦線を張りますか?」

「どうもしねぇよ。早い者勝ちだ」

 

男は吐き捨てると、仲間を連れて森の奥へと消えていった。去り際に「お守りなんざごめんだからな、後ろからついてくるんじゃねえぞ」という嫌味を残して。

一方の少年たちも「だれがするか!」と怒鳴り散らし、意気揚々と藪の中へ突っ込んでいった。

 

「ねぇ、今のなんだったの?」

「依頼内容が重複していたようです。早い者勝ちということになりました」

「腕が鳴るわね!負けないわよ!」

 

エリスが拳を鳴らすが、隣のルイジェルドの表情は暗かった。

 

「……待て。あの子供たちが心配だ。不慣れな者がこの森に入るのは危険すぎる。手伝ってやろう」

「ルイジェルドさん。……彼らは以前、エリスを侮辱した相手ですよ?」

「それは分かっている。だが、スペルドの戦士は子供を見捨てない。……エリス、彼らの実力はどうだった?」

「私に一方的に殴られていたのよ? 雑魚よ、雑魚」

「ルイジェルドさん、この森であの少年たちが生存できる確率は?」

「……低いな。魔物の群れに会えば、確実に全滅する」

 

ルイジェルドの「子供を守る」という信念は、この世界のどんな契約よりも重いのだろう。私はその意志を尊重しつつ、こちら側の利益も確保できる折衷案を提示した。

 

「……分かりました。少年たちの後をつけましょう。ただし、我々も冒険者として依頼を遂行しなければなりません。ルイジェルドさんは少年たちを注視し、命の危険がある時のみ介入してください。私は魔術の即時発動態勢を維持しつつ、索敵を行います」

「あたしは?」

「エリスは私の近くで守護を。大型の魔物を優先的に索敵するので、小型の魔物の奇襲を見逃す可能性があります」

「分かったわ!」

「……承知した。二人とも、あまり俺の側から離れるなよ」

 

私たちは気配を消し、呑気に歌を歌いながら進む愚連隊の影を追った。

 

________________________________________

 

私は移動中、即席魔法陣(アドリブ・サーキット)を背面に一枚展開した。

魔力過循環状態(オーバードライブ)ほどの爆発力はないが、体内魔力のバイパスを外部に作っておくことで、さらに一段階早い魔術発動を可能にするためだ。

さらに、疑似魔力眼(マナ・サイト)を起動し、周囲の魔力密度を走査する。

 

少年たちとの距離は約百メートル。彼らは隠密行動の概念すら持たないのか?大声で話し、不必要に草木を鳴らしている。

 

「……奴ら、森に入るのは初めてなのか?迂闊すぎる……」

 

ルイジェルドの呟きが、現実のものとなったのはその直後だった。

 

「――ッ!反応複数!大型です!」

 

私の警告より前に、ルイジェルドが弾丸のような速度で少年たちの方へ駆け出した。

 

「うっ、うわああぁぁっ!!なんだこいつ!!」

 

茂みを突き破り、巨大な剣を持った魔物――処刑人(エグゼキューショナー)が少年たちの目の前に現れた。

その錆びた大剣が少年の首を刈り取る寸前、ルイジェルドの槍がその刃を真っ向から受け止めた。

 

「こちらへ来い!下がっていろ!」

 

少年たちに向かって叫ぶ。少年たちは腰を抜かし、這いずるように後退する。

 

「エリス!左右から挟撃が来ます!」

「左は任せなさい!!」

 

エリスが左から飛び出したもう一体の処刑人(エグゼキューショナー)に斬りかかる。

そして右側。地面を滑るような魔力反応がある。

 

「『氷槍(アイスランス)』!!」

 

私は十本の巨大な氷の槍を同時に生成し、右の茂みから飛び出そうとした白牙大蛇に向けて射出した。

魔大陸の魔物は他の大陸と比べて戦闘能力が極めて高い。氷槍の半分は避けられてしまった。だが、残りは大蛇の巨躯を貫き、物理的な質量で地面へと縫い付ける。

 

「た、助かった……!」

 

一人の少年が安堵の声を漏らす。だが、戦場に安全な場所など存在しない。

 

「油断するなッ!!」

 

私の警告は、大蛇の執念に一歩遅れた。

氷の槍を一本、強引に尻尾で引き抜いた大蛇が、最期の力で転がる少年の脚に齧り付いた。鋭い牙が、少年の細い脚を容易く噛みちぎる。

 

「ぐぅっ!!ぎゃあぁぁぁぁぁ!!!」

 

森に絶叫が響き渡る。

私は風魔術による高速移動で少年たちの元へ突っ込み、即座にトドメを刺した。

 

「『風裂(ウインドスライス)』!!」

 

真空の刃が大蛇の首を刎ねる。ルイジェルドとエリスも、それぞれの魔物を仕留めて合流した。

 

「あっ!あぁっ!!ぐあぁっ!!」

 

噛みちぎられた脚の傷口を見る。紫色の血管が浮き上がり、腐食が始まっていた。

 

「毒だ……!ルイジェルドさん、毒が回り切る前に、膝の上から切り落としてください!!」

「っ……!承知した!」

 

ルイジェルドの槍が一閃し、少年の壊死しかけていた部位を切り飛ばす。

私は即座に治癒魔術を施し、肉を繋ぎ止める。少年は鳥のような頭を振り乱し、ショックで狂乱状態に陥っていた。

 

「ショック死の危険があります、意識を落としてください!」

 

ルイジェルドの的確な手刀が少年の顎を打ち、彼は崩れるように意識を失った。

 

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「おめぇら!!無事か!?」

 

現れたのは、先ほどのBランクパーティだった。彼らも大蛇との戦闘で傷を負い、ここまで逃れてきたのだろう。

 

だが、彼らの様子は尋常ではなかった。リーダー格の男は腹部を深く切り裂かれ、そして――パーティの人数が一人、足りない。

私は無言で男に歩み寄り、治癒魔術で傷を塞いだ。

 

「……治癒魔術か。すまない、命を拾った。お前らが、あの魔物を仕留めてくれたのか」

 

男は、脚を失い横たわる少年と、周囲に転がる三体の魔物の死体を見て、すべてを悟ったようだった。

 

「……俺たちは討伐に失敗した。パーティの仲間を一人、あいつに食われたんだ。せめて、遺品だけでも弔いたい。……この大蛇を、解体させてもらってもいいか?」

「……分かりました。お手伝いします」

 

私は『風裂(ウインドスライス)』を使い、大蛇の腹部を切開した。中からは、まだ消化の始まっていない一人の遺体が現れた。

パーティの女性メンバーが、泣き崩れながらその亡骸を抱き抱え、形見を回収していく。

 

リカリスへ戻るため、私たちはBランクパーティが用意していた大きなトカゲの引く馬車に同乗させてもらうことになった。

車内は、女性の啜り泣きと、重傷を負った少年の呻き声だけが響く重苦しい空気に支配されていた。

 

ルイジェルドが、小声で私に話しかけてきた。

 

「ルーデウス。……お前の魔術で、この少年の脚を再生させることはできないのか?」

 

私は静かに首を横に振った。

 

「……切断された脚そのものが無事で、かつ毒に侵されていなければ、接合は可能でした。しかし、失われた組織をゼロから構築する治癒魔術は聖級、あるいは王級以上の治癒魔術が必要です。毒の成分を瞬時に解析し、解毒するまでの時間的猶予も、この子の体力では持ちませんでした」

「……そうか。酷なことを聞いた。すまない」

 

すると、トクラブ村愚連隊のリーダー格の少年が、顔を上げた。

 

「……俺たちは、あんたらに感謝してる。お前らがいなきゃ、全員あそこで死んでた」

 

彼は震える手で、自分の膝を握りしめた。

 

「……子供扱いすんな、なんて言わねぇ。俺たちは子供だ。だけど、俺たちは冒険者を選んだんだ。いつかこうなる覚悟は、してたはずなんだよ……」

 

Bランクパーティのリーダーも、深く頷く。

 

「……坊主の言う通りだ。俺たちだって、あんたらがいなきゃ全滅だった。治癒に、仲間の回収。……感謝してもしきれねえよ。だからあんたも……その、一番頑張ったこの子を、ちゃんと褒めてやってくれ」

 

ルイジェルドは目を見開き、不器用な手つきで私の頭を優しく撫でた。

 

「……言葉が足りなかったな。ルーデウス、お前は実によくやった。誇りに思う」

 

________________________________________

 

ギルドに到着し、受付へ向かう。

討伐の証拠として切り取った大蛇の角と、処刑人の武具を差し出すと、受付は大混乱に陥った。

 

報奨金の処理を待つ間、一人の職員が恭しく私に声をかけてきた。

 

「パーティ『デッドエンド』のルーデウス様。ギルド長が二階でお待ちです。お三方で、どうか」

 

案内されたのは、重厚な扉の奥にある応接室だった。

中には、深い知性を感じさせる初老の魔族――ギルド長が座っていた。

 

「ルーデウス殿。あなたが水聖級魔術師であること、そしてこの乾燥した大地に『慈雨』をもたらす魔術をお持ちであることは、部下から聞いております」

 

ギルド長は一枚の羊皮紙を差し出してきた。

 

「……現在、リカリスの街は深刻な水不足に直面しています。ですが、街の財政にも限界がある。どうか、この金額で『雨』の依頼を請けていただけないでしょうか?」

 

提示された金額は、私が提示した金額の半分程度。さらに「報酬は成果確認後の後払い」という条件付き。私が詐欺師であった場合のリスクを街が背負わないための、当然の防衛策だ。

 

「……契約を請けるにあたって、一つ条件を提示させていただいても?」

「……我々に可能な範囲であれば」

「私『個人』ではなく、『デッドエンド』というパーティの実力を、公式に認めていただきたいのです」

 

ギルド長が眉を動かす。

 

「既に認めているが?」

「いいえ。我々は現在Fランクですが、今しがたBランクパーティが全滅しかけた依頼を完遂して戻りました。証言者は一階にいます。……実力に見合った、ランクの特例昇級を求めます」

 

一瞬の沈黙。職員たちが「いきなりBランクなど!」と声を上げるが、ギルド長はそれを手で制した。

 

「……良いでしょう。そもそも、ランク制度は冒険者の命を守るためのもの。それほどの実力者をFランクに留めておく方が、ギルドの損失だと言える。特例を認め、あなたたちをBランクに昇格させましょう」

「交渉成立ですね。では――この街に、一時間ほど豪雨を降らせましょう」

 

私は窓から外の広場へ飛び降りた。風魔術で衝撃を殺して着地。

 

体内に混合(コンタミネーション)させていた傲慢なる水竜王(アクア・ハーティア)を右手に滑り出させる。

精神を研ぎ澄ませ、上空の大気に魔力を打ち込む。

 

豪雷積層雲(キュムロニンバス)』。

 

呪文は不要。杖を一振りすると空が急激に煤色に染まり、乾いた大地に雷鳴が轟く。

 

広場に集まった魔族たちが、何事かと空を見上げ、慌てて樽やバケツを用意し始めた。

 

杖をもう一振りすると、ぽつり、ぽつりと落ちていた雫が瞬く間に滝のような豪雨へと変わった。

雨音をかき消すほどの、地鳴りのような歓声がリカリスの街中に響き渡る。私はその土砂降りの中、満足げに微笑んだ。

 

________________________________________

 

豪雨の依頼報酬として、ずっしりと重い袋を受け取り、私たちはぬかるんだ道を歩いて宿へと戻った。

これでしばらくの間、路銀の心配は不要だろう。

 

宿の部屋で、私は魔術を使って三人の服の泥を落とし、温風で乾かした。

ルイジェルドが外で買ってきた、少しばかり豪勢な食事を囲みながら、私は二人に切り出した。

 

「路銀は十分に確保できました。明日の早朝、この街を発とうと思います」

「えっ、急じゃない?せっかくBランクになったのよ、もっと稼いでからでもいいんじゃない?」

 

エリスは新しくなった冒険者カードを名残惜しそうに眺めている。

 

「……目立ちすぎました。ギルドを出る際、我々を嫌な目で見ていた魔族たちがいたでしょう?」

「ああ、あの馬面の男か」

「おそらく、今夜のうちに襲撃を受けます。目的は我々の金か、あるいは私という商品を捕らえること。……早めにここを離れるべきです」

「……襲撃の対策はどうする?」

 

ルイジェルドの問いに、私は冷徹な声で応えた。

 

「彼らの認識を、根本から上書きしてあげましょう」

 

 

 

その夜。私はベッドの中で、疑似魔力眼(マナ・サイト)を発動し、警戒していた。

夜更け。案の定、ドアの鍵が音もなく外され、数人の魔族が部屋へ侵入してきた。

 

「男と女は殺せッ!!ガキだけは生かして捕らえろ、高値で売れるぞ!」

 

ベッドに向かって剣が振り下ろされる。だが、そこに私たちはいない。エリスとルイジェルドは、すでに天井の梁に潜伏している。

 

「『放電(ヴァーリー)』」

 

私を中心に、高電圧の電撃が炸裂した。術理はシンプル、『電撃(エレクトリック)』を拡大させただけだ。指向性を捨てた全方位への雷。味方が近くにいると使いづらいのが難点である。

狭い室内に入り込んだ七人の襲撃犯は、悲鳴を上げる間もなく全身を硬直させ、床に転がって白目を剥いた。

 

「終わったか」

 

ルイジェルドが天井から降りてくる。

 

「トドメは刺さないの?こいつら、あたしたちを殺そうとしたのよ?」

「……今は、まだ殺しません」

 

私は床で痺れている男たちを見下ろした。その中には、あの馬面の魔族ノコパラも混じっていた。

 

「ルイジェルドさん。彼らを表通りまで運んでいただけますか?」

 

________________________________________

 

翌朝。私たちは馬ではなく、巨大なトカゲが引く乗合馬車に乗り込み、次の目的地へと出発した。

リカリスの城門が遠ざかる中、エリスが不思議そうに尋ねてくる。

 

「ねぇルーデウス。あいつら、あのままにしておいて良かったの?」

 

私は、街の目抜き通りに「首から下を土の中に埋めてきた」七人の男たちの姿を思い出した。

 

「少し、甘いのではないか?」

 

ルイジェルドも懸念を示す。

 

「……まず前提として、他者の命を奪おうとする者は、自らも奪われる覚悟を持つべきです。私もその覚悟で戦いに挑んでいます。彼らを殺すことに、躊躇いはありません」

 

馬車に揺られながら続ける。

 

「しかし、我々はあの街では新参者です。目立ちすぎた新参者が大金を得て、悪党とはいえ殺人を犯せば、住民には『恐ろしい略奪者』としての印象が強く残ります」

「……」

「私は、デッドエンド(スペルド族)を、単に恐れられるだけの存在にしたくないのです。かといって、舐められてもいけない。……だから、彼らの生殺与奪を街の住人たちに委ねてきました。立て札を立てておいたので、読めば分かるでしょう」

「なんて書いてあったの?」

 

私は脳裏であの立て札の文字を反芻し、エリスの問いに答える。

 

『――夜襲を受けたゆえ、返り討ちにした。

この者たちの中で、これまでに十分な善行を積んできた者のみ、救い出すことを許す。

「デッドエンド」より。』

 

「……もし彼らが、一時の欲に目が眩んだだけで、普段から街の人々に慕われていたなら、誰かが掘り起こしてくれるでしょう。逆に、普段から恨みを買っていたなら……灼熱の太陽の下で、誰も助けてはくれない。あんなやつら、我々がわざわざ手を汚して殺す価値もありません」

 

ルイジェルドは、私の言葉を聞いてしばらく沈黙していた。

 

「……知恵ある戦い方だな。ルーデウス、お前は本当に子供か?」

「さあ、どうでしょうね」

 

私は右目の疼きを冷やすように目を閉じ、心地よい馬車の揺れに身を預けた。




お読みいただきありがとうございます。

原作よりもトラブル少な目にリカリスを突破出来ました。
本作ルーデウスは原作と違って、生死や警戒の感覚が『この世界』のものです。日本人としての感覚ではないので、殺し合いに関しての心構え、忌避感が全く異なります。原作ルーデウスも戦いへの忌避感がなければ、もっともっと強くなっていたことでしょう。原作ルーデウスのその弱さも、魅力的な部分だと感じています。

聖級水魔術を売りました。魔大陸の水不足は独自解釈ですが、漫画版の背景を見ると雨が少なそうな土地だったので、設定を入れ込んでみました。剣士だと腕が良くても暗殺や護衛でしか稼げなさそうですが、魔術であれば色んな稼ぎ方ができそうです。
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