貞操観念逆転ウマ娘世界にTS転生したのにサキュバス(スレ民)でした   作:神龍「どしたん?話だけ聞こっか?」

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3話目まで続いたので短編から連載に変更しておきます



男性トレーナー、ゲットだぜ!!ピッピカ(ry

 

 

315:サキュバスホースくん

ど、どうも…お騒がせ致しました…

 

316:中身男だから怖くないよこっちおいで

やってくれましたなぁ

 

317:中身男だから怖くないよこっちおいで

とんでもねー事になってて芝

 

318:中身男だから怖くないよこっちおいで

昨日と今日、トレンド入りおめでとう

男性トレーナー早速つくんじゃないかって憶測出回ってるよ

 

319:サキュバスホースくん

>>318マ!? うせやろ!? 昨日から望まぬネット断食状態にあったから知らんかった…

 

320:中身男だから怖くないよこっちおいで

有名血族の1年生がデビュー発表した訳でもないのにトレンド入りするのって1年目としては異常事態だろ、しかもそれが入学したてのTS新入生って……

 

321:中身男だから怖くないよこっちおいで

貞操観念逆転世界ならではの理由っすね

 

322:中身男だから怖くないよこっちおいで

サキュバスホースくん学園でどんだけ暴れたんだよw

 

323:TSトレセン在学生

>>322歩いてるだけで男性ほぼほぼ振り向いていたもんね…女子生徒達みんなショック受けてたもんなぁ…

 

324:中身男だから怖くないよこっちおいで

肩身狭くなるの確定やんえっぐ

 

325:中身男だから怖くないよこっちおいで

やはり学園クラッシャーとなってしまったか、たったの一日で…

 

326:サキュバスホースくん

俺氏、ぼっち確定(泣)

実際脳破壊したのは確かだし、皆の推しウマも餌食になっとるかもしれん、すまん……

 

327:中身男だから怖くないよこっちおいで

うわああマジか

 

328:中身男だから怖くないよこっちおいで

これもサキュバス故か

 

329:TS一般生徒

それでも明日俺からサキュバスホースくんに声掛けるよ

 

330:TSトレセン在学生

俺もいるぞ! 一緒に走ろうぜ!

 

331:サキュバスホースくん

お前ら…(泣)

 

332:TSしたけど後悔無し侍

お前を1人になんてさせないぞ!

 

333:中身男だから怖くないよこっちおいで

人の心しか無いんか?

 

334:中身男だから怖くないよこっちおいで

だから貞操観念逆転世界に人の心の光をみせなけりゃならないんだろ?

 

335:中身男だから怖くないよこっちおいで

野菜生活定期

 

336:中身男だから怖くないよこっちおいで

これが信頼…TSスレ民の力…!!

 

337:麗しきメジロの秘密兵器

トレーナーさんを洞爺湖近くの別荘まで退避させるのに苦労しましたのよ

 

338:中身男だから怖くないよこっちおいで

マックちゃん?え?

 

339:中身男だから怖くないよこっちおいで

今までも言動が何やらおかしかったけど今回はマジで何?

 

340:TS一般生徒

確かにメジロマックイーンのトレーナー欠席してたな

 

341:中身男だから怖くないよこっちおいで

 

342:中身男だから怖くないよこっちおいで

>>337なりきりするにしても学生設定に入り込み過ぎなんよー

 

343:中身男だから怖くないよこっちおいで

>>337本物…?じゃないよな流石に…

 

344:そこらのTSウマ娘

いま来た、確かにメジロマックイーンのトレーナー全校集会に居ませんでしたよ

 

345:中身男だから怖くないよこっちおいで

>>340>>344やはり…メジロマックイーンか…!?

 

346:中身男だから怖くないよこっちおいで

なんか今日は一段と役に入り込んでんなパクパク令嬢…内部情報すら知ってるって…

 

347:中身男だから怖くないよこっちおいで

パクパクの人、気合い入ってんな

しかしまあサキュバスホースくんこれだとトゥインクル・シリーズ走るの難しそう?

 

348:サキュバスホースくん

寧ろその逆です、なんか他の生徒から挑戦状叩きつけられたり、男性トレーナーの方からスカウト来たので完全に参戦しなきゃならん雰囲気

 

349:中身男だから怖くないよこっちおいで

挑戦状!?

男トレ逆スカウト!?

 

350:中身男だから怖くないよこっちおいで

トレンド入りしてたから、ある程度予想してたがやっぱもうスカウト来てたんか

 

351:中身男だから怖くないよこっちおいで

すげーなサキュバスホースくん、目をつけられはすれど男トレからの逆スカウトはトントン拍子にも程がある

 

352:中身男だから怖くないよこっちおいで

マジで男性トレーナーからのお誘い…!?

 

353:中身男だから怖くないよこっちおいで

そういえば前に男から血液とか精力必要とか言ってたが、それに関しては大丈夫なん?

 

354:中身男だから怖くないよこっちおいで

俺はサキュバスホースくんが精神的BLになるかならないかが心配

 

355:サキュバスホースくん

>>354それは安心せいw

ただ中々のクセ強なお人でして…

その説明をする前に今の貞操観念逆転世界の状況を理解する必要がある少し長くなるぞ

 

356:中身男だから怖くないよこっちおいで

聞こう

 

 

 

 この貞操観念逆転世界において、男性はとても希少な存在だ。

 当然、トレセン学園に籍を置く男性トレーナーの数も非常に少ない。

 把握している限り、在籍トレーナーの9割以上がいかにも肉食系といった佇まいの猛々しさを纏っていたり、毅然とした人間の女性。その中には桐生院葵やかっしーなんかもいる。

 

 (まぁでも、男性トレーナーが少ないなら少ないでなるべく面識の機会は作らずに済む事も可能なハズ。)

 

 サキュバスの血を引く俺の身体は本格化を迎えて身体が出来上がった今、生きるだけなら少量の血&精力(※ぴょいじゃないよ! ハグとかのスキンシップだよ!! )からなる「男性エネルギー」で凌ぐ事が出来る。

 

 しかし正にレースなどの激しい運動の際は「男性のエネルギー」を大幅に消費しなければならない。

 そう、俺は走る際は普通のウマ娘よりも燃費が悪い身体の構造なのだ。

 「男性エネルギー」無しでも暫くは持つと思うが、次第に俺の身体はエネルギー不足で怠くなりトレーニングをまともにこなす事が難しくなるだろう。

 出来ない訳では無いがパフォーマンスは下がるのは目に見えている。

 

 男性トレーナーと契約できればもしや…なんて思いもしたが。

 

 (やっぱトゥインクル・シリーズは無しかな、走ってみたかったけど……初手でこんだけ男性トレーナーの事でシビアになられるとはなぁ……)

 (トゥインクル・シリーズの為に家から父親の血保存輸血パックを大量に送って貰うなんて人の心無さ過ぎるしなぁ……)

 

 そうしてトゥインクル・シリーズ回避を決断したのも束の間、俺の甘い考えは一瞬で打ち砕かれた。

 

 ルドルフの元から解放され生徒会室から出た俺はと廊下の床をカツカツと踏み鳴らし少し歩みを進めただけ。ただそれだけだった。 

 

 「……っ!?」

 

 視線が磁石に引き寄せられるように一斉に俺へと向く感覚を覚える。そこには数少ない筈の男性トレーナー達がいつの間にか廊下の向こうに並んでいるた。

 彼らは一様に顔を真っ赤に染めて呼吸を荒くして苦しい故なのか、ネクタイを緩めながら潤んだ瞳で俺の胸元や太ももを凝視している。

 

 本格化を迎え極限まで妖艶に仕上がった俺の身体と無自覚に漏れ出るサキュバスの『魅了チャーム』。意図せずして学園内の空気を一瞬で支配していたのだ。

 

 (ちょっ!? おい待て! こっち見ないでくれよ! 鼻血出しかけてる奴までいるじゃんか!?)

 

 やがて男性トレーナー達に目をつけていたはずの肉食系ウマ娘達が、彼らの熱い視線を独占する俺に気付く。

 

 「あいつ、一瞬で男達を狂わせやがった……!?」

 

 「なんて恐ろしい泥棒猫……!」

 

 そんな戦慄混じりに嫉妬と羨望が混ざった鋭い視線を突き刺してくる。もうどうしようもねぇ…

 一刻も早くこの場から逃げ出そうと男性達の視線から隠れるように、校舎裏目指して駆け出して行ったものの……

 

 「「「待てッッ!!」」」

 

 早速、目の敵とばかりに待ち構えていた生徒達に囲まれて両手で抱えきれないほどの果たし状を押し付けられた。

 

 「アンタなんかトゥインクル・シリーズでボッコボコにしてやるんだからねっ!」

 

 「私もサキュバスインプ…貴女に勝つ!」

 

 「勝ち逃げは許さんぜぇ?サキュバスインプさんよぉ?」

 

 てんてこ舞いになりながら、あっちこっちを行き来する俺。

 その間にも男達が引っ掛かり、最終的には最も人気ひとけの無い古い資料が積み上がった資料室壁際へと行き着いた。図書室ですら視線を感じるって何なんだよ…

 

 「ふぅ……あんなに一斉に見られたら、本能が寧ろ働いてしまう……精力を吸い尽くそうと暴走しかねない……」

 

 本格化でバカでかくなった自分の胸を撫でおろし、乱れた制服の襟元を整えようとした、その時だった。

 

 「…あの、すみません。そこの資料に少し目を通したいので少し避けて頂いてもよろしいでしょうか?」

 

 「ひゃいっ!?」

 

 背後から突然かけられた物静かな声に俺はまた鈴を転がすような変な悲鳴を上げて飛び退いた。

 

 慌てて振り返るとそこには一人の青年が。

 仕立ての良い、だが少し着古したスーツを着た、育ちの良さそうな新人の男性トレーナーだ。

 

 (ま、また変な声出してしまったぁ……魅了チャームが……)

 

 俺はさっと口を抑える。もう遅いけど。

 これまでの経験上、俺の情けない声を聞いて、これだけ近い距離で俺と目が合えばどんな男も一瞬で顔を上気じょうきさせてまともに喋れなくなるはずだった。

 

 しかしその青年は違った。

 

 彼は俺の暴力的なまでに色気のある肉体にも、サキュバスの誘惑が宿る薄ピンクの瞳にも、これっぽっちも動揺していなかった。

 それどころか彼の瞳は驚くほど澄んでおり、俺の顔ではなく俺の『脚の筋肉』をじっと見つめていたのだ。

 

 「!!…貴女は噂のサキュバスインプさんですね……素晴らしい。大腿四頭筋から腓腹筋にかけてのライン、そしてその柔軟性。ですがその素晴らしい素質に対し、少し左の骨盤の位置がズレています。私から見れば深刻ですね…日頃のエネルギー補給の際、姿勢が偏っていませんか?」

 

 「え……?」

 

 俺は普段「男性エネルギー」を摂る際に身体が少し気怠くなって左にウトウトと傾くが…その癖を見抜いた!? 何者!?

 

 そんな俺をさておいて、青年は手にしたノートにサラサラと何かを書き留めながら大真面目な顔で言葉を続けた。

 

 「あ、自己紹介が遅れました。今年度から配属されました新人トレーナーの『三鷹みたか早人はやと』です。僕はウマ娘の走る姿、その純粋な美しさに魅了されてこの職に就きました。貴方のその脚、適切にケアして正しいトレーニングを積めば世界を狙える素晴らしい俊脚になりますよ。」

 「何よりサキュバスインプさん、貴女の事は先輩から聞いて個人的に気になっていたものですから。」

 

 どうやら俺の事を既に知っている輩が彼と俺を引き合わせたようだった。

 早人さんは尚も極めて冷静に声のトーンを崩さず、しかしそこには一切の邪念が無い、純粋な『トレーナーとしての情熱』だけがそこにあった。

 

 この世界において能力由来で最も色気があるだろうサキュバスインプを前にしても、一瞬たりとも「男としての女々しい恥じらい」を見せずただ純粋にレースの事だけを語る早人と名乗る男性。

 天然と真面目さを掛け合わせたハイブリッドである。

 

 (この人……俺の身体をただの『レースを走るウマ娘の肉体』としてしか見てねえの……!?)

 

 魅了チャームを全く介さない彼の存在に、俺はこれまでにない衝撃を覚える。

 

 (この人なら俺を『サキュバス』として見ない。ただの『ウマ娘』として向き合ってくれる……のか…?)

 

 魅了を一切受け付けず、その生真面目さで俺の脚の筋肉だけを見つめる早人さん。周囲の男性トレーナーや、肉食系ウマ娘達のサバンナから逃れるためにも俺はその場で決断した。

 

 「早人さん……もし良ければ俺、じゃなくて私の専属トレーナーになってくださいませんか…?」

 

 「えっ?僕のような新人でいいのですか?……いえ、光栄なのですが。」

 

 「はい。私の性質上、貴方が1番ウマってやつが合いそうだったので。」

 

 「ええ、貴方のその素晴らしい走りの才能、必ず開花させてみせますとも。」

 

 こうして俺と早人さんの契約は無事に成立した。

 

 彼と契約した理由は色目とは縁の無さそうな男性だったから、まあつまり厄介事に見舞われない為だ。

 貞操観念逆転世界で女が色目に気を遣わなきゃいけないサキュバスの体質さんさぁ…

 

 で。

 

 目下、別の問題がすぐ俺の前に立ちはだかる訳だが。

 サキュバスの血を引く俺の身体は激しい運動を伴うならば多量の「男性のエネルギー」を消費する。

 これまでは父親からの補給で繋いでいたが、トゥインクル・シリーズに臨まなければいけない状況に追い込まれている今、一番身近にいる男性は早人さんしかいない。

 

 (早人さんにエネルギー補給を頼む?どうやって…?『ちょっとハグさせてください』とか『手を握らせてください』なんて言ったら……早人さん超真面目そうだし『破廉恥な肉食ウマ娘』だと誤解して軽蔑されちゃうだろうか)

 

 結局言い出せないまま、その日はまだ慣れない寮でスレも開かずどっと溜まった疲れを癒しにベッドの上に横たわった。

 ただ乱雑に身を投げ出した弊害か、バカみてーな胸がぶるんと揺れブラジャーがはち切れて一着駄目にしてしまった……(泣)

 

 

 次の日。

 

 そりゃあもう俺が一日で男性トレーナーを捕まえた事は学園中に広まっており更なる波紋を呼んでいた。

 初めての授業は教室内のざわつきで満たされて手につかず。

 

 そして放課後。

 早人さんと合流し、早速グラウンドに出て流しを見て貰った。

 

 「はぁっはぁっ…くぅ〜っ……!!」

 

 ターフの上で激しく息を荒くし、へなへなと座り込む俺。あんま手応え無かったな…

 その様子を見て早人さんは深刻な顔でノートをめくった。

 

 「……おかしいですね。彼女の筋肉の質も柔軟性も申し分ないはずなのに、なぜ急にトレセン学園在籍前のタイムよりも落ちるんだ?体調の方に問題があるとすればやはり……」

 

 そうひとりごつ彼の言葉から、俺が明らかに肉体的な変調をきたしていることを彼が見抜いている事が窺えた。

 

 「すみません、早人さん……ちょっと体調が……」

 

 「インプさん、差し支えなければお聞きしたいのですが…その疲弊、貴女の特殊な体質に関わる問題ですか?」

 

 「えっ……!?」

 

 急に核心を突かれ、俺は思わず飛び上がった。

 

 「事前に貴女が提出してくれた健康診断書等の書類とそれに基づいた学術書を早急にいくつか読みました。」

 「定期的に『男性の精力や血液』を摂取しなければ身体機能が著しく低下する……。今の貴女はそのエネルギー枯渇状態にあるのではないですか?」

 

 早人さんはまるで白血球や赤血球の数値を語るかのような、あまりにも冷静で医学的なトーンでそう言いのけた。

 そこには恥じらいも下心も…一欠片の動揺すら存在しない。

 まだ1日しか経っていないのに、よくこの短時間で俺の事をここまで頭に入れられるもんだ。

 

 『何よりサキュバスインプさん、貴女の事は個人的に気になっていたものですから。』

 

 「あ。」

 

 そうだ、アプリやってたらとっくに知ってる事じゃないか。

 トレセン学園のトレーナーは推しウマ娘を決めたら皆が『努力の変態』になるじゃないか、と。

 

 はえー、精神年齢俺より年下なのに立派なもんだぁ……

 

 「そ、そう……なんです。でもこの世界の男の人にとってそれってすごくハレンチで貞操に関わる重大な行為じゃないですか。どう頼めばいいか分からなくて……」

 

 彼に対して俺も応えなければと白状する。

 その恥ずかしさと申し訳なさでうつむいていると、早人さんは「成る程」と深く頷き、眉間に人差し指をあてて俯く。頭いい人系の思考のそれじゃん。

 

 「確かに、この世界の一般的な倫理観からすれば男性が女性に『エネルギーを提供する』名目はあれど過度なスキンシップ行為は極めてセンシティブです。」

 「しかし、僕は貴方の担当を務めるトレーナー。ウマ娘の体調管理コンディショニングを完璧に行う事は僕の義務であり、何よりも最優先されるべき仕事です」

 

 そう言うと早人さんは迷いの無い手つきでスーツの袖をまくり上げ、白く引き締まった前腕を俺の目の前に突き出してきた。

 

 「早人…さん……?」

 

 「僕の血液、あるいは皮膚接触による精力を、アスリートの『研究素材』および『栄養補給剤』として使ってください」

 

 「は、はいぃぃぃ!?」

 

 あまりの天然暴走発言に俺の脳処理が完全にパンクした。

 

 「僕が独自にまとめたデータから、貴女が取るべきエネルギー補給の選択肢の中では『吸血』による直接摂取が最も効率が良いとの結果を導き出しました。さあ、遠慮せずに僕の血を吸って体調を万全に戻してください。これもトレーニングの一環、純粋な医学的アプローチです。さあ、どうぞ!」

 

 大真面目な顔で、まるでプロテインを差し出す感覚の気軽さで自分の血を差し出してくる早人さん。

 

 この世界において男性が自らウマ娘に血を吸わせるなど、結婚の申し込みか、あるいはそれ以上の破廉恥な服従を意味する行為なのでは…!? 精神的BL!?

 

 いやしかし。

 

 それを彼は『アスリートの体調管理』という名分だけで、1ミリも動揺せずに寧ろ俺へ迫ってきている。色目なんてその瞳には微塵も宿っていない。

 

 (この人、真面目すぎて逆にヤバい! 担当ウマ娘に対してなら色々ぶっ壊れるとかマジでアプリトレーナーかよ!?)

 

 「い、いやいやいや! いきなり直接血を吸うのはハードルが高すぎるっていうか、俺の、私の心が追いつかないからぁ!」

 

 「何を言っているんですか。体調不良を放置してレースに勝てるわけがありません。なら慣れる為にまずは僕の手を握ることから始めましょう。さあ、早く効率的なエネルギーの吸収率を計測させてください!」

 

 グイグイと手を握らせようと迫ってくる早人さんと、その超真面目なプレッシャーに顔を真っ赤にして後退りする俺。

 

 そして案の定監視していた周囲の肉食系ウマ娘達。

 

 「あーマジで契約したのか…」

 

 「それどころかあの新入生、もうトレーナーを自分の部屋に連れ込もうとしてる……」

 

 「なんて手早い女なの……RTAでもやってるつもり…!?」

 

 「あばばばばば脳破壊ぃー」バタンキュー…

 

 と凄まじい誤解の目を向けられながら、中には俺達の様子を見てぶっ倒れる生徒さえいた。

 

 こうして周囲を魅了で振り回していた俺は、逆に早人さんの真面目さに振り回される事になるという奇妙すぎる関係性を築いてしまったのだ。

 

 

411:中身男だから怖くないよこっちおいで

早人トレーナーww

 

412:中身男だから怖くないよこっちおいで

アプリトレーナーの擬人化

 

413:中身男だから怖くないよこっちおいで

>>412元が人間なのにそのまんまだから擬人化という他無ぇ…w

 

414:中身男だから怖くないよこっちおいで

ヴィルシーナがキレそうなトレーナーやな

 

415:中身男だから怖くないよこっちおいで

早人トレーナー、通常であればクソボケまっしぐら生真面目人間なのにお相手がTSなので問題にならないという

 

416:中身男だから怖くないよこっちおいで

俺は精神的BLウェルカムやで

 

417:サキュバスホースくん

>>416やめいww

それはそれとしてやっぱスレ民の皆様から見ても良い感じですか?個人的な方針としては…

俺は早人トレーナーで行く

 

418:中身男だから怖くないよこっちおいで

状況にばっちし噛み合ってる人だから無問題

 

419:中身男だから怖くないよこっちおいで

寧ろGOサイン出せるわ

 

420:中身男だから怖くないよこっちおいで

貞操観念逆転世界でこの組み合わせは運命感じる

 

421:中身男だから怖くないよこっちおいで

良いよなぁ…こうやって成り行きがスレで語られて、こっちも語る事が出来るのって……

こんなライブ感、お金じゃ買えない!

 

422:中身男だから怖くないよこっちおいで

>>421それ言いたかっただけやろw

それはそれとして同意。スレの醍醐味よ。

 

423:カスの転生者

元チート持ちTS転生トレーナーです。

自分、元はトレセン学園で1年間だけトレーナーとして働いていたんですが、能力が見えた故の驕りで効率だけを重視してウマ娘と契約を結んでしまいました。

結局目に見える力と、人間の心というものは別なもので、大変優秀な娘であると能力透視で分かっていたからこそ能力を伸ばす為のトレーニングを一方的かつ頭ごなしにやらせた結果、チートでは見えないその娘個人の考えや方針とずっとすれ違っていてその精神的疲弊とストレスから不注意を生んでしまい怪我に繋がってしまいました。

その後はすぐに他のトレーナーの元へ移籍させ、その娘は無事復帰して活躍する事が出来ました。

その事もあって自ら学園を去りましたがあのまま自分が担当していたらと思うと今でもゾッとします。

効率が目に見える事から生まれた自分の傲慢さが全てを招いたと思っています。

本音を話せない関係性だった事も全てです。

 

その点、2人の今の気兼ねないやり取りや、特殊な状況下に置かれている事を考えてもサキュバスインプさんと早人トレーナーはその点すごく良い関係性に思えます。失敗の塊である自分だからこそ言える事です。

 

長文お目汚し大変致しました、スレの流れも切ってしまい最低ですね……それでも反面教師としてこの話を扱って頂けるならそれだけで幸いです。

 

424:中身男だから怖くないよこっちおいで

あんま自分を蔑むなや…

 

425:中身男だから怖くないよこっちおいで

「チート転生者だー!」と言ってキャッキャッしようと思ったらお労しやトレ上…

 

426:中身男だから怖くないよこっちおいで

貴方もその娘も1つの経験になったろうから自分だけを責めちゃいかんよ

 

427:中身男だから怖くないよこっちおいで

余計なお世話かもしれんけど「生きる」モードの切り換えが大事って両さん言ってたしコメ主が最終的に前を向いてくれる事を祈る

 

428:サキュバスホースくん

大変参考になりました。そのお話を頂けただけでも勇気を貰えました。

 

429:麗しきメジロの秘密兵器

私も辛い時期があったものですわ、最終的にテイオーを始めとして励まされて再度立ち上がったものです…( ꒦ິ^꒦ິ )

 

430:カスの転生者

皆、お通夜にしてしまってマジですまん。

ホントに反面教師のつもりやったんや、サキュバスホースくんにはどうか幸せな学園生活を送って欲しい……俺は今はなんとか生きようとしてるからその事は大丈夫よ

 

431:中身男だから怖くないよこっちおいで

気にする事ないで

 

432:中身男だから怖くないよこっちおいで

良かったぁ…

 

433:サキュバスホースくん

貴方が頑張ってると俺も頑張ろうって思えます。

貴重なお話ありがとうございます!

 

 

 

 夕暮れ時の学園、そのウマ娘以外誰もいないトレーナー室には、キーボードをカタカタと叩く音が静かに響く。

 

 デスクに座り、パソコンの画面を食い入るように見つめているのはメジロマックイーン。

 

 「ちょっと涙腺に来ますわ…これが『やさしいせかい』というヤツでしょうか…段々と慣れてきましたわ……」

 

 彼女が見ているのは、この世界とは違う歴史を持つ『転生者』が集う、非公開の『転生者掲示板』。

 

 彼女の専属トレーナー、マクトレのパソコンからでしかこの極秘掲示板に入る事は出来ない。

 訳あってマックイーンは自分のトレーナーからこの掲示板の存在を紹介され、今現在、画面に並ぶ書き込みをスクロールしながら目を通す内に彼女の心は激しく揺さぶられ目に涙を浮かべている状況だ。

 

 「思い出しますわ…天皇賞春初勝利に…ライスさんに敗れてしまった時の事……テイオーの有マ記念も………」

 「……う、うう……っ……これも歳というヤツですわぁ……」

 

 お嬢様としての品位も忘れ、マックイーンの目から大粒の涙がこぼれ落ちる。胸を締め付けるような感動に完全に心を奪われてノスタルジーな気分になっていた。

 

 別に彼女はまだ10代であるが

 

 彼女の没頭具合はウマ娘の優れた聴覚さえ機能しなくなるほど。そしてトレーナー室を施錠しているからこそゴールドシップ等のいたずら好きが侵入して来ないので安心しきって掲示板に浸っていた。

 だからこそ扉が開いて近付いてくる人物にも気付かない。

 

 「ただいま。マックイーン。別荘近くのホテルでマカロン買って来たよ」

 

 「泣けますわぁ〜……」

 

 「ただいマックイーン」

 

 「……ぐすっ……」

 

 「……」

 

 トコトコと椅子の真横まで歩み寄るマクトレ。涙をポロポロと流すマックイーンの頬を人差し指で…

 

 ツン、ツンと二刺し。

 

 「ひゃあーーーっ!?」

 

 不意に頬を伝った感触にマックイーンの心臓は爆発せんばかりに跳ね上がる。

 

 「ただいま」

 

 「……」

 「トレーナーさんッ!! 何をするんですのぉぉッ!!」

 

 涙で視界がにじむ中、マックイーンは怒りで反射的に椅子から跳び起きる。

 トレーナーの懐へ目にも留まらぬ速さで踏み込み彼の腋下へと滑り込むとポカポカと猫の肉球でじゃれつくように何度も叩いた。

 

 「取り込み中であれば人の部屋に勝手に入って来るのはモラルに欠けませんことッ!?」

 

 「ここ俺のトレーナー室」

 

 暫くして。

 部屋を支配する静まり返った空気。

 

 「……///」

 

 我に返った恥ずかしさと、男性に対する(ソフトな)暴行を働いた気まずさで顔を赤くしながら冷や汗をかくマックイーン。

 

 「ト、トレーナーさんが悪いのですわ……いきなりあのような事をするなんて……」

 

 「全然気にしてないよ。一応名前呼んだんだけどね」

 

 マクトレは何事も無かったかのようにケロッとしながらパソコン画面に目を向けようとする。

 マックイーンは慌ててその視線を遮るように立ちはだかり未だ掲示板のページが開いたままの画面をあわあわと赤面しながら必死に隠す。

 

 「な、なんでもありませんわ!  画面の文字が細かくて目がしょぼしょぼしただけですの!  『転生者スレ』なんてこれっぽっちも見ていませんわ!?」

 

 「ふふっ、そのパソコンからいつでも見て良いからね」

 

 「それより、その、先ほど『マカロン』とおっしゃいませんでしたこと!?」

 

 恥ずかしさを誤魔化すように声を荒げるマックイーン、その耳は忙しなくピコピコと動く。この状況でも彼女のスイーツ好きは健在だ。

 

 「我慢できなくなっちゃった?マックイーンは食いしん坊さんだね。はい。」

 

 「だ、誰が食いしん坊ですか……はむっ」

 

 言葉では否定しながらもマクトレが差し出したすぐさまマカロンを口に頬張って咀嚼し、目をキラキラさせながら甘い美味の余韻を楽しむマックイーン。

 

 「サキュバスインプ話題になってるね」

 

 「っ!?」

 

 そして即吹き出しそうになる。

 

 「早人って後輩がいるんだけどさ、さっき連絡が入って『先輩にもサキュバスインプを見て貰いたい』って来たから明日サキュバスインプ陣営と合同練習で良いかな?」

 

 「な、何ですかそれぇ!? 反則ですわッ!! 後輩とか聞いてませんわッ!? ちょっ!! ダメっ!! ダメですわッ!! 絶対にサキュバスインプさんと会ってはいけません!! 断じて認めませんッ!! その為にトレーナーさんを軟k…メジロのお屋敷に招待したというのに!!」

 「はっ」

 

 ここでマックイーンは気づく。

 軟禁の言い方を変えても彼をメジロ邸に遣わせた理由がサキュバスインプである事を知らせていなかったから。彼女は最後まで隠し通すつもりであった。

 

 「まあ何となく分かっていたけど」

 「今回は入学式もお呼ばれしてたのにパスしちゃったし今度はマックイーンが付き合う番ね。」

 

 「うぅ…およよ〜……」

 

 言い返す事が出来ずに耳をしょんぼりと下げながらもマックイーンのマカロンを取り頬張る一連の動作が止まる事は無く、ものの1分で全てを食べ尽くしてしまった。

 

 

 

 

○三鷹早人

 18歳。例に漏れずウマ娘の走りに脳を焼かれた男。年齢に反して非常に大人びた風貌。

 今年度は男性の受験者数が多かった中央トレーナー試験、男性トレーナー狙いで女性の受験者数も例年より非常多く、男性は別枠が設けられ合格率が高くなっていた中、女性受験者含めて首席での合格を果たした。

 しかし上記の渋い風貌の上に実際朴念仁気質なので中学時代から既にスーツも似合ってしまう様から『ガード固くて寧ろそれが緩んだ時にどれほどの色気を放つのか今から想起しただけでも鼻血が出てくる』と色目を向けられ続け、本人は気にせずトレーナーを目指していたものの、家族からいつか襲われてしまいかねないと非常に心配されている事に対して気を病んでいた。

 先輩の立場であるマクトレにその事を相談したところ、『さっき手に入ればかりの情報なんだけどサキュバスインプって娘を担当してみたら?』と勧められ彼女について事前に下調べし、その特殊な体質に興味を強く惹かれて現在に至る。

 

○マックイーンのトレーナー

 23歳。別に転生者でも何でもないこの世界で生まれた男。早人とは小学校時代からこどもレース研究サークルで連絡を取り合っていた先輩的立場。年上ながら見た目は早人と対照的におっとりとした少女のような風貌である。

 トレーナーではあるものの多方面で活躍しており、ウマソウル研究関連における男性初の国家最高学術賞、男性向け防犯システム基盤更新における功績、現代における男性参政権獲得に寄与、男性保護法の現代に合わせた刷新における発案・成立貢献、男性専門の作法雑誌『月刊Uman』主催栄誉金読賞(メンズ・ビューティー男の娘部門)受賞、トレセン学園主催最優秀バックアップ・パートナー賞受賞、ライツ博士主導ST-2共同開発およびそれを元に得られたデータから医療革新寄与更に男性のウマレーターフルダイブ補助貢献における聖ウマソナ・データアナリスト大賞受賞etc…

 経歴詐称コピペみたいな優秀さなので最近、転生者の存在までを把握し、興味が湧いてスレへ参加しようとするが、目を通す内に転生者独自のコミュニティを尊重するようになり断念。

 ただ担当のマックイーンが旧来の仲であるステゴのビジョンに対して正体を掴みかねて心配していた為に、ある程度ステゴと同じものを見ていると結論づけていた転生者達のスレを彼女に紹介したが、早速彼女がコミュニティにおいて迎え入れられた事に衝撃を受け彼女は前世で転生者と交流があったのではと考えている。





メアリースーみてーなオリトレ達はあくまで便利な舞台装置みたいなもんです。ストーリーラインの本筋には乗ってこないと思います。

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