ミーンミーンミーン
「暑い・・・」
秋葉でのライブが終わり、時間も経ち季節は夏真っ盛りだ。
「連日この暑さですと、流石に披露も溜まりますね」
「ことり暑いの苦手・・・」
「はい、スポドリ」
練習場所が屋上と言うこともあり、ここ最近では練習するのにも厳しくなってきている。
「他に練習できる場所ないのかにゃ~」
「凛ちゃん、あればそこ行ってるはずだよ」
「だらしないわねーあんた達!」
「そう言うにこ先輩だって汗だらだらじゃない・・・」
日陰で休んでる皆んなを見ると、全員が疲れた表情をしている。
「これは何とかしないといけないかもね、えりち」
「そうね、何か良い方法はないかしら」
「・・・そうだ!!」
「穂乃果ちゃん?」
「合宿をしようよ!!」
「合宿?」
「海とかある所で合宿するの!楽しそうじゃない!?」
「確かに合宿するのは良い案だとは思いますが、場所や費用など問題もありますよ?」
「うっ!確かに・・・」
「今からってなると、大体の所は埋まってそうだけど・・・」
「良い考えだと思ったんだけどなー」
合宿か、確か原作ではこれを機にまた皆んなが仲良くなるイベントだった気がする。
「・・・あの」
「真姫ちゃん?」
「家の別荘、使わせて貰えないか聞いてみる?」
「えぇー!真姫ちゃん家別荘あるの!?」
「まぁ、一応」
「真姫ちゃん家お金持ちにゃー!」
「真姫、お願いできるかしら」
「分かったわ、確認してみる」
合宿が出来るかも知れないとのことで、全員のテンションが上がった。
そして後日真姫からOKが出たことにより、正式に合宿を行うことが決まった。
やってきた合宿当日。
「合宿楽しみだなー!」
「別荘どんな所だろう!」
「天気も晴れて絶好の合宿日和だにゃー!」
駅に集まった皆んなは和気藹々としている。
「皆んな、ちょっと良いかしら」
「絵里先輩?」
「出発前に話しておきたいことがあって」
「なんでしょうか?」
「前々から希と考えていたのだけれど、私たちの間では先輩後輩って言う関係を取り除きたいと思っていて」
「つまりどういうことでしょう?」
「学年を気にすることをやめる、その為に名前を呼ぶときに先輩を禁止しようと思うの」
「ほら、ウチらは一つのチームなんやし、先輩だからって気を遣ったりすることをやめようってことやね」
「ほへー」
「ということで穂乃果、私のことを呼んでみて」
「・・・えっと、絵里ちゃん?」
「ふふっ、いいわよ」
「じゃあ凛も!希ちゃん!」
「はーい、希ちゃんやで」
「これ、いいと思う!なんだか仲良くなれた気がする!」
「真姫ちゃんも呼ぶにゃー!」
「私は別にいいわよ・・・」
「なによ!にこの事呼んでみなさいよ!」
「・・・にこちゃん・・・これでいい!?」
「・・・悪くないわね」
先輩禁止にしたお陰で、今まであった上下関係みたいな物もなくなったような気がする。
団結を深めるために絵里と希はよく考えてくれたな。
「関係なさそうな顔してるけど、滉季もよ?」
「え?俺もですか?」
「貴方もμ'sの一員なんだから当然よ」
「・・・」
「ほらほらウチらのこと呼んでみ?」
急に自分にも適応されることになり少々驚きはしたが、自分も認められてるってことが嬉しくもなった。
「絵里」
「・・・!!えぇ」
「希」
「わぁお」
「にこ」
「にこちゃんでもいいのよ?」
「それは勘弁・・・」
ともかく、俺もこれからは名前で呼ぶことになった。
「なんか良い感じになってる・・・」
「まぁまぁ穂乃果ちゃん」
「それじゃあ、出発しましょう!」
電車に乗り別荘がある目的地へと向かう。
電車では四人がけのボックス席に二年生組で座った。
「ところで何だが」
「こうきくん?」
「この合宿、俺も参加して良かったのか?」
「どういうことです?」
「普段の練習とは違って、今回は合宿。つまりは泊まり込みって事だ。全員が女子の中で男の俺が一緒に泊まって良い物かと」
「そんなことを気にしていたのですか」
「私は滉季君いないとつまんないよ!」
「ことりも!」
「ただ、親御さんからすればどう思うかと」
「ことりのお母さんはこうきくんなら大丈夫って言ってたよ!」
「私のお母さんも!」
「我が家も問題ありませんでした」
「おぉ、そうか・・・」
これは信頼されてるって事だよな、なら行動には気をつけないとな。
「「「おおー!!」」」
到着した別荘を前に皆んなが声をあげる。
大きさも綺麗さもかなり立派な物だ。
「すごーい!!」
中に入り一通り見て回る。
皆んながそれぞれ感想を挙げている。
これに泊まらせて貰うのは感謝してもしきれないな。
「では各自荷物を置いたら着替えて練習開始です!」
海未の一声でそれぞれが準備を始めた。
「これが今回の練習スケジュールです!」
着替え終わって別荘の入口で集合。海未が練習開始を宣言する。
「なかなかハードなメニューだな」
「えぇ、折角の合宿です。徹底的にやりますよ!」
「そのはずなんだが・・・」
並んでる列の端、具体的には穂乃果、凛、にこの方を見る。
「どうしたの滉季君?」
「水着??」
他のメンバーは練習着なのだが、三人は水着を着ていた。
「だって目の前に海があるんだよ!」
「泳がないともったいないにゃー!」
「こんな良いところでいきなり練習なんて!」
「貴女たち・・・」
「まぁまぁ海未ちゃん、ええんやない?」
「そうね、練習はしっかりやるとして、交流を深めるためにも遊ぶことも必要だと思うわ」
「絵里、希・・・」
「それにほら、滉季くんだって皆んなの水着姿見たいやろ?」
「・・・見たいです」
「男の子やね~」
正直皆んなの水着姿はめちゃくちゃ見てみたい。
しょうがないじゃん、男なんだから!!
「それに」
そう言うと希は海未に対して何かを耳打ちしにいった。
その直後海未の顔を赤くなった。
「・・・分かりました、その代わり練習もしっかりやりますからね!」
何を言ったのかは気になるが、海未もその気になってくれて良かったな。
「海だーーー!!!」
全員が改めて水着に着替えた後海にやってきた。
プライベートビーチらしく、俺たち以外に人はいない。
「すごーい!」
「これはなかなかのものだな」
ビーチについた皆んなはテンション上がっている。
「滉季くん」
「なんだ希」
「皆んなに何か言うことあるんやない?」
そう言われて皆んなを見ると何かを期待しているような目をしている。
「皆んな、水着よく似合っている」
「やった!」
「ありがと~!」
「あまり見ないでください・・・」
「嬉しいにゃー!」
「ありがとうございます!」
「・・・ふん」
「ありがとう滉季」
「ウチの水着姿にメロメロになってもいいよ」
「当然じゃない!」
「今回の為に水着新しくして良かったね、穂乃果ちゃん!」
「あっ、それ秘密だよー!」
「ふふっ」
それぞれ反応は違うが、褒められた悪い気はしていないようだ。
美少女達の水着姿・・・眼福です!!
「滉季くんもなかなかやなー」
「?」
「結構良い体してるやん」
皆んなが水着って事は当然俺も水着なわけで、全員から視線を集める。
「男の水着姿なんてたいした物じゃないですよ」
「どうかなー?」
改めて皆んなを見ると、じーと俺の姿を見る人や隣の人となにやらぼそぼそ言い合っている姿が見えた。
「まっ、とにかく遊ぼう!!」
そうして俺たちは海で遊び始めた。
海水浴、ビーチボール、スイカ割りなど色んな事をやって大はしゃぎした。
途中、PVの撮影もしたりした。
当然俺が映り込むことは無いが、その代わり皆んなから一緒に写真を撮ろうと言われ沢山の写真を一緒に撮ったりもした。
皆んなと海で遊んだことはこの先も忘れないだろう。
楽しい時間はあっという間に過ぎて、後片付けをして海から撤退。
唯一気になったことが、真姫だけはあまり積極的に参加しなかったことだ。
以前のカラオケでもそうだったが、真姫は集団での時に遠慮してしまうのかもしれない。
その後シャワーを浴びて私服に着替えた。
その時には時刻は夕飯前になっていた。
「それじゃあ買い出しだけど」
別荘にキッチンはあるが、食材は用意されていないため自分たちで近くのスーパーまで買いに行く必要があった。
「私が行くわ、場所知ってるの私だけだろうし」
「それならウチもいこっかな」
「希?」
「よろしくね、真姫ちゃん」
「俺も」
「ウチらだけで大丈夫よ」
「そうか・・・」
「(ウチにまかせとき)」
希は口パクで俺にそう言ったような気がした。
それに対して俺も一つ頷いておいた。
二人を見送った後は各々寛いでいる。
海での出来事を楽しそうに話していたり、撮った写真を見返したりなど。
俺も少し疲れたし、休ませてもらおう。
「ただいまー」
そうして各自過ごしていると、買い出しに行っていた二人が帰ってきた。
さて、希の方はっと。
俺が希に視線を向けると、希はウインクを返してくれた。
この様子なら大丈夫そうだな。
「お腹減ったー!!ご飯だー!」
合宿はまだ始まったばかりだ。