タンタンタンッ!!
「ほわー」
「にこちゃんすごい!」
「にこにかかればこの程度お茶の子さいさいよ!」
夕ご飯の時間になり誰が食事を作るかで相談になったところ、にこが手を上げてくれた。
「すごいわね、にこ」
この中で料理が得意な人はいなかったために、にこがやってくれたのは大助かりだ。
「俺も何か手伝おうよ」
「あらそう?ならサラダ用の野菜を切ってくれるかしら」
「わかった」
にこ一人にやらせるのも申し訳ないと思い、俺も手伝うことにする。
カレー鍋に集中しているにこの隣で野菜を切る。
「あんた、意外と手つきいいわね」
「そうか?まぁ偶に料理することがあってな」
「なんだかこうやって一緒に料理していると、新婚さんみたいね♪」
「っ!!」
「あら?動揺しちゃったかしら?」
急ににこがぶっこむ物だから手が滑りそうになった。
「いきなり何言うんだよ・・・」
「べっつにー!ただ、その顔が見られたから満足だわ」
「・・・」
「滉季?」
「そう言うにこは良いお嫁さんになりそうだよな」
「っ!!」
「料理もこれだけ出来るんだし」
「・・・///」
お返しにだと思い、反撃したが思った以上に効いたようだ。
「じゃあ、本当ににこと・・・」
「ストーップ!!」
「穂乃果?」
「これテーブルに運んでおくよ!!」
「あぁ、頼む」
「ことりはご飯よそっておくね」
「私はお茶を出しておきます」
「・・・まぁ、今はいいわ」
何かにこが言い出しそうな気がしたが、有耶無耶になってしまった。
「完成よ!」
そして料理の方も完成した。
「おいしかったにゃー!」
「はい!ご飯の炊き具合も完璧でした!」
にこが作ったご飯は好評で皆んな美味しいと言っていた。
勿論俺も堪能し、なんならおかわりまでしてしまった。
「それではこの後ですが」
食後しばらくした後、この後の予定について海未が切り出した。
「昼間にたくさん遊んだのですから、この後練習しましょう」
「ええー!お腹いっぱいでもう動けないよー」
「こら穂乃果!何のために合宿に来たと思っているのですか」
「まぁ海未、気持ちは分かるけど皆んなの様子見たら今日はもう無理みたいね」
見ると皆んなくつろぎモードとなっていた。
今日は練習するのは無理そうだな。
「はぁ、分かりました。ですが明日はみっちり練習しますからね!」
「はーい!!」
威勢の良い声が皆んなから返ってきた。
「じゃあお風呂いこ!」
この別荘には外に露天風呂が付いていた。
「俺は中のシャワーで済ませるから皆んな行ってきてくれ」
「おや?滉季くんも一緒に入らないの?」
「「「!!!」」」
「はい??」
希がいきなり変なことを言い出した。
「ウチ、滉季くんに背中流して貰おうと思ってたんやけどなー」
「希!ダメに決まってるじゃ無いですか!」
「ええー、滉季くんダメー?」
「・・・」
一瞬、皆んなの裸を想像してしまった。
「おやー?何を考えてるのかなー?」
「・・・はっ!!流石にダメですよ!!」
「ざーんねん!」
からかわれてるだけとは思うが、中々来る物があったな・・・
「じゃあお風呂行ってきまーす」
希はそのままお風呂の方に向かっていった。
「あれ?」
希は行ったが、他の皆んなはまだその場にいた。
「あれ、どうしたんだ?」
「ううん!なんでもない!行ってくるね!」
そうして皆んなお風呂に向かったが、各自顔が赤くなっていた気がした。
「さて、俺もささっとシャワー浴びてくるか」
「温泉気持ちいいにゃー」
「極楽極楽」
「希!先ほどのは何なんですか!」
「んー?」
「滉季と一緒にお風呂なんて破廉恥です!」
「ウチはただ、裸の付き合いをして仲を深められたなって思っただけよ」
「ですが!」
「そうよ希、流石に裸を見せるのは恥ずかしいわ」
「えりち、こんなにスタイルいいんやから」
「きゃっ!」
「おお、これはこれは素晴らしいですなー」
「希っ!」
「確かにえりちゃんのスタイルすごい・・・」
「流石三年生・・・」
「・・・なによ!皆んなしてにこの事見て!」
「にこっちにはにこっちの良さがあるよ」
「でも皆んなでお風呂って楽しいね!」
「ことりちゃん肌綺麗」
「そうかな?ありがとう!」
「かよちんも立派だにゃー!」
「ふええ、凛ちゃん!?」
「改めてだけど、合宿に来られて良かったね!」
「真姫ちゃんありがとう!」
「・・・別にいいわよ」
「おやー、真姫ちゃんも良いお尻してますなー」
「ちょっと希!」
「ふふっ」
「なによ」
「ちゃんと楽しまないともったいないよ」
「・・・ふんっ」
「滉季も待っていることだろうし、そろそろ上がるわよ」
「はーい!」
「おまたせー!」
俺がシャワーを浴びてリビングで寛いでいた頃、皆んながお風呂から戻ってきた。
「外のお風呂すっごく気持ちよかったよ!」
「お、おう・・・」
「滉季君?」
「いや、何というか見惚れてた」
「お風呂上がりのウチら、セクシーやろ?」
「あぁ」
お風呂上がりの皆んなは色艶が良くて、普段髪を縛っている人が髪を下ろしているなど見慣れない姿だった。
「次は一緒に入ろうね!」
「・・・善処します」
何かいつもより皆んな良い匂いするし、顔には出さないようにしたが内心は結構ドキドキしていた。
「それでは明日に向けて寝ますよ」
「ええー!もうちょっと夜更かししようよー!」
「ダメです!朝は早いんですから」
「海未ちゃんのケチー!」
「ところで寝るところってどうするんだ?」
この別荘は広く、部屋も沢山あったため学年毎に別れて部屋で寝るのかと思った。
「折角の合宿なんだし、ここで皆んなで寝ようよ!」
「皆んなで寝るのなんて楽しそうだにゃー!」
「じゃあ俺は上の部屋いくわ」
「「「えっ???」」」
「ん??」
「こうきくんは行っちゃうの?」
「・・・俺がいるとあれじゃないか?」
「全然気にしないよ!」
「滉季だけ仲間はずれって言うのは無しよ」
「滉季さんも一緒にいて欲しいです!」
「そうか・・・」
思わぬ形で俺もここで寝ることになりそうだ。
「真姫はいいのか?」
「・・・好きにすれば」
「皆んなOKって言ってるんだし、滉季君もここだよ!」
「じゃあ布団も敷いたことだし、寝るか」
結局俺もここで寝ることになった。
ちなみに場所は穂乃果とことりの間になった。
俺はどこでも良いと言ったが、皆んなが離れたところで何やら話し合いをしてその結果がこれと言うことだ。
「ちょっと待った!」
「希?」
「折角の夜なんだし、このまま寝ちゃうのは勿体ないやん?」
「ですが!」
「まぁ海未、少しくらいならいいんじゃない?」
「・・・絵里がそう言うなら」
「でも希、何をしようって言うの?」
「ふっふっふ!これ!」
そう言うと希は鞄から何かを取り出した。
「これは?」
「王様ゲーム!!」
「王様ゲーム?」
王様ゲームとはよくあるパーティーゲームの一つだ。
「合宿の夜、普段とは違う場所雰囲気でやるにはいいやん?」
「おもしろそう!」
「全員参加ね!」
希もなかなか面白いことを考えるな。
皆んなでワイワイやるには丁度良いゲームだ。
こうして王様ゲームが始まった。
「凛このゲームやるの始めてにゃ!」
「私も・・・!」
「じゃあ皆んな割り箸引いてー」
紙コップに入った割り箸から一本引く。
番号は3だった。
「ことりが王様みたい!」
「じゃあことりちゃん、命令をどうぞ!」
「んー、3番が7番を目一杯甘やかす!」
いきなり来るとは驚きだ、さて7番はっと。
「3番は俺だ、7は誰だ?」
「私よ」
どうやら相手は絵里のようだ。
「あっ!」
「どうした希?」
「命令には精一杯答えること!中途半端にやったら盛り下がるから、出来る限りの事をするように!」
「お、おう」
まぁ確かにやるならちゃんとやった方がいいな。
皆んなとは良い関係を築けていると思うし、よほど変な事をしなければ大丈夫だろう。
「それじゃあ滉季、私のこと甘やかしてくれるかしら?」
絵里と向かい合うように座り直す。
さて、どう甘やかすのがいいかな・・・
「絵里、もうちょっと俺の方に寄ってくれるか?」
「これくらいかしら?」
「もうちょっと」
そうやって絵里を俺の目の前まで寄せる。
「近いわね・・・」
「失礼します」
「えっ?」
目の前の絵里を肩を持って、布団に横たわらせた。
その際、頭は俺の膝の上に来るようにした。
所謂膝枕の体勢だ。
「っ!!」
「絵里はいつもえらいな、皆んなのことをよく見ていて」
「私は別に」
「生徒会長と両立するの、大変だと思う」
「・・・」
「すごく頑張っていると思う」
「・・・」
「ダンスのレベルが上がったのも絵里のお陰だ」
言葉を言いながら、絵里の綺麗な金髪を優しく撫でる。
「んっ」
「絵里の髪、すごく綺麗だな」
「・・・」
「μ'sに入ってくれて、本当にありがとう」
「・・・」
「これからも、皆んなの事を頼むな」
「・・・えぇ」
一通り言い終わり、絵里を起こす。
頭がこちら側にあるためにその表情は見えない。
「絵里ちゃんの顔、すごい・・・」
「滉季くんやるなー」
「膝枕、羨ましい・・・」
「見てる方もドキドキしたわね・・・」
「えりち、感想は?」
「・・・ハラショー」
その顔は見られないが、この反応なら悪くは無かったんだと思う。
普段だったら絶対出来ないが、王様の命令だから仕方が無いのだ。
「私、少し涼んでくるわ」
「いってらー」
そのまま絵里は俺に顔を見せないまま外に行ってしまった。
その後絵里が戻ってきたのは15分後だった。
「よーし、次行くよー」
「こい、こい!!」
なにやら皆んな強く祈っている。
王様ゲームと言えば、見てる方も楽しいが自分が絡んだ方が楽しいからな。
「あ、私が王様」
次は花陽が王様みたいだ。
「かよちん命令は何にするにゃ?」
「えーと、5番が2番にマッサージする?」
俺は5番。まさか連続で当たるとは。
「2番は私です」
「5は俺だな」
「滉季ですか、よろしくお願いします」
マッサージか、どうやるかな。
「じゃあそこにうつ伏せになってくれ」
「分かりました」
「上、乗るぞ」
うつ伏せになった海未の背中に跨るようにして、体勢を取る。
「痛かったら言ってくれ」
「はい」
マッサージと言っても本格的なものは分からないので、見よう見まねで行う。
「どうだ?」
「…気持ち良いです」
「この辺りはどうだ?」
「あ、そこ、いいです」
海未の良さそうなポイントを探りながら揉みほぐしていく。
「海未の体、程よく筋肉がついてて見事だな」
「滉季!?」
「悪い、ただ凄く均整の取れた体だなと思って」
「褒められるのは嬉しいですね…」
「海未も無理しすぎるなよ、弓道もあるんだし」
「大丈夫です、しっかりやってみせます」
5分程だろうか、マッサージをした。
「ありがとうございます、お陰で体が軽くなった様な気がします」
「なら良かったよ」
「海未ちゃんいいなー」
「次は当たると良いね、穂乃果ちゃん!」
「ほい、次いこか!」
その後何回かは俺が関わる事はなかった。
色々な命令があり、μ’sの皆んなが楽しそうにしている姿を見るのは良いものであった。
「そろそろ良い時間だし、次で最後にしましょうか」
どうやら次がラストみたいだ。
「おっ!王様はウチみたいやね!」
最後は希か、何を命令するつもりなのか。
「…んふ」
希は命令を言う前に、真姫と俺の方をチラッと見た気がする。
「それでは発表します!1番が全員にキスする!!」
「っ!!」
「わ!すごい命令!」
「希貴女…」
「まぁまぁ最後やしいいやん!」
「1番は誰?」
「私じゃないよ!」
「凛も違うにゃ!」
「にこでもないわ」
全員が顔を見合わせてると一人プルプルしている人物がいた。
「もしかして?」
「…私よ」
「いやー、まさか真姫ちゃんが引くなんて!」
そう言えばここまで真姫は命令に当たる事は無かった。
希がわざとらしく言っているがまさかな…
「じゃあ真姫ちゃん、王様のウチからね!」
「…なんで私が」
希のハイテンションと真姫のテンションはかけ離れていた。
「真姫ちゃん、ちょっとええ?」
「何よ」
真姫の隣に行き何か話をしている。
だがすぐに話は終わった様だ。
「皆んなは真姫ちゃんにキスして欲しい?」
「もちろん!」
「して欲しいにゃ!」
「ええ、して欲しいわ」
皆んな笑顔で答えている。
「おっと、滉季くんは?」
「え、俺もなの!?」
「全員にって言ったやろ?」
「確かに…」
真姫にキスして貰えるとか、そりゃ嬉しいに決まってる。
「嬉しいよ」
「っ!!」
「ほら、皆んなこう言ってるわけやし、さぁ真姫ちゃんどーんといこう!」
「…あーもう!分かったわよ!やれば良いんでしょ!!」
真姫の覚悟も決まった様だ。
「じゃあいくわよ」
「うん!」
チュッ
真姫が希の頬っぺたにキスをした。
「や〜ん、真姫ちゃんにチューされちゃった!」
「ふんっ!」
「じゃあ番号2番から順番にね!」
その後真姫は順番通りにキスをしていった。
「えへへ、真姫ちゃんありがとう!」
「わわ、真姫ちゃんからしてもらえるなんて!」
「真姫、情熱的なキスだったわ」
「真姫、ありがとうございます」
「ありがとうにゃー!」
「お返しに私もキスするー!」
「にこのほっぺにマーキングされちゃった〜」
それぞれとやり取りしてキスをした。
そして順番はとうとう最後9番の俺に回ってきた。
「「「…」」」
全員からの視線を強く感じる…
「じゃあ、真姫頼む」
「えぇ…」
「…」
「…」
「するわ」
チュッ
頬に柔らかな感触がした。
「…」
「…何か言いなさいよ」
「…凄く、ドキドキしました」
「そう…私からして貰えるなんてありがたく思うのね!」
そうして真姫は向こうを向いて髪の毛をクルクルした。
とても良い体験をさせてもらいました。希様、本当にありがとうございます。
「これで満足かしら、希!」
「ふふっ」
「なによ」
「真姫ちゃんはそっちの方が可愛いよ!皆んなもそう思うよね!」
「「「うん!」」」
「…ふんっ!…///」
この一件で、真姫も輪に溶け込む事が出来たと思う。
果たして希はどこまで考えていたのか、だが今回は助けられたな。
そして電気を消して布団に入る。
しかしすぐ寝る事は無かった、皆んなでお喋りしたりして楽しい夜を過ごしたのだった。
「ん…」
カーテンからの日差しで目が覚めた。
起きて周りを見渡すと誰もいなかった。
思ったよりも熟睡していた様だ。
「あいつらは…」
〜〜〜!!
海の方から声が聞こえてきた。
デッキに出て海の方を見つめる。
そこには9人が手を繋いでいる姿が見えた。
まだ合宿は続くが、合宿に来た意味があったなとこの時点で確信した。
「やっぱり9人揃ってこそだよな」
合宿の後にはラブライブが迫っていた。