貞操観念逆転ラブライブ!   作:奈落ナド

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スクールアイドル

 

「海未ちゃん、ことりちゃん!良いアイデアが浮かんだよ!」

 

学校に着き最初の休み時間、俺の席に集まった皆んなに向かって穂乃果が言った。

 

「良いアイデア?」

「それって穂乃果の朝の用事と関係あるのでしょうか?」

「うん!スクールアイドルって知ってる?」

「スクールアイドルですか?」

「ことりは少し知ってるよ、確か学校で結成するアイドルだっけ」

「そう!今いろんな学校で結成してて、すごく人気なんだって!」

「俺と穂乃果は朝UTXに行ったんだ。そこでUTXのスクールアイドルを見て感化されてな」

「そうだったんだ」

「だからね!私たちもスクールアイドルやろうよ!」

 

穂乃果が何かを言い出し、それに海未とことりが賛同する。

こんな展開が多かった気がする。

 

「私は・・・」

 

だがしかし海未の顔を見ると渋い顔をしていた。

 

「海未ちゃん?」

「他の学校の人たちはきっととても努力してスクールアイドルをやっているはずです。それを素人の私たちが簡単にできる思いますか?」

「うっ!」

「確かにアイデアとしては悪くないかも知れません、ですが私たちには無理です」

「海未ちゃん・・・」

 

このまますんなり三人でやるって流れかと思っていたが、違うみたいだ。

だがしかし、海未の言っていることは最もであり反論は難しい。

 

「他の事を考えましょう」

 

そしてその場は解散となった。

 

 

結局その日も特に思いつくことは無く放課後となった。

海未は弓道部へ、ことりは先生に用事があるとかで教室からは早々にいなくなった。

そして穂乃果はと言うとふらふらとした足取りで教室から出て行くのが見えた。

 

「フォローくらいはしてやるか」

 

穂乃果が教室から出て行ってしばらくした後、俺も後を追うことにした。

 

 

 

「のぞき見ですか?」

「ん?キミは?」

 

穂乃果が向かった先は屋上。

俺も階段を上り屋上への扉の前に来ると紫髪の女生徒が穂乃果の様子を見ていた。

 

「俺は2年の安藤滉季と言います」

「ご丁寧にどーも。ウチは東條希。3年生」

「知ってします、副会長」

「おっ、ウチの事知っとたんや」

「まぁ一応、それでここには何用ですか?」

「うーん、特に用事ってのは無いんやけど彼女のことが気になって」

 

そう言うと希は穂乃果の方に目線をやった。

 

「君たち、廃校を阻止するために色々動いているみたいやね」

「そうですね」

「ふむふむ、なるほどな~」

 

希は一人でなにか納得したかのような素振りを見せる。

 

「と言っても、なにも決まっちゃいないですけどね」

「でもきっと、物語は動き始めた」

「!!」

「ウチの感がそう言ってる」

「東條先輩・・・」

「ウチはこれで行くね、またね安藤君」

 

その言葉を最後に希は扉から手を離し階段を降りていった。

初めて言葉を交わしたけど、スピリチュアルって感じがしたな・・・

 

「っと、穂乃果は」

 

意図せず希とエンカウントしたがここに来た目的は穂乃果だ。

 

「どうした黄昏れて」

「滉季くん・・・」

 

柵から校庭を見ていた穂乃果に声をかける。

 

「スクールアイドル無理なのかな・・・」

「・・・」

 

海未に言われた言葉が引っかかっているのであろう。

 

「私の考え、甘かったのかな」

 

明らかに落ち込んでいるのが見て取れる。

 

「穂乃果はそれでいいのか?」

「えっ?」

「穂乃果のスクールアイドルをやりたいって気持ちはその程度なのか?」

「私は・・・」

「誰だって最初は素人だ、そんなのは当たり前。そこからどれだけ輝けるか、それはその人達の頑張り次第だ」

「・・・」

「俺はな、穂乃果なら輝けるって信じてる。今は素人でも本気で頑張ればなれるって思う」

「・・・」

「可能性はな、誰にだってあるんだよ」

「・・・やる」

「穂乃果?」

「やるったらやる!スクールアイドルやる!」

「そうか、応援するよ」

「うん!滉季くんの応援があれば絶対頑張れる!」

 

ここで俺が背中を押さなくても穂乃果は突き進めたかも知れない。

だが目の前で暗い顔をしている穂乃果を見過ごすことは出来なかった。

 

「滉季くん、ありがとう!!」

「穂乃果自身が決めたことだ」

 

何はともあれ穂乃果がやる気になってくれて良かった。

 

「~~~♪」

 

「あれ、何か聞こえない?」

「ほんとだ」

 

話が一段落したタイミングで扉の方からなにやら歌声の様な物が聞こえてきた。

 

「気になる!行ってみよう!」

 

二人して屋上から校内に戻り音の発生源を探す。

少し歩くとどうやら音楽室から聞こえてくることが分かった。

 

「~~~♪」

 

音楽室の前に来ると赤髪の女生徒がピアノを弾きながら歌っているのが見えた。

 

「上手・・・」

 

流石に歌っている途中で扉を開けるようなことは穂乃果もせず、歌い終わるのを待つ。

 

「~~~」

 

どうやら終わったようだ。その瞬間に

 

「今のあなたが歌ってたんだよね!?すっごく上手だった!」

 

扉を開けて例の女生徒に穂乃果は声をかけた。

 

「!!」

「ピアノも上手いし、何より歌すごかった!」

「・・・なんですかいきなり!」

 

俺と穂乃果の登場に驚いたのか女生徒。

いや、真姫は声を荒げた。

 

「遠くから声が聞こえてね!それで来ちゃったんだ!」

「・・・そうですか」

 

ネクタイとリボンの色から俺たちが上級生だと分かったのか一応話してくれる。

 

「それにすっごく可愛いね!滉季くんもそう思うよね!?」

「あぁ、そうだな」

「っ!!」

「ねぇねぇ、アイドル興味ない?」

「何それ意味わかんない!」

 

それだけ言うと真姫は席を立ち俺たちの隣を過ぎ去り音楽室から出て行ってしまった。

 

「振られちまったな」

「ぶー、あの子絶対アイドル向いてると思うんだけどなー」

「焦ってもしかたない、今は諦めよう」

「そうだね」

 

こうして俺たちも音楽室を後にした。

 

 

 

「まずは練習だー!」

 

音楽室を後にした俺たちは校舎裏の空きスペースにやってきた。

 

「まずは動画とか見ながらダンスの練習でもすればいいんじゃなか」

「うん!やってみる!」

 

穂乃果はスマホを取出し、ダンス動画を開き見よう見まねでダンスの練習を始めた。

 

「ほっ!はっ!」

 

流石に初めてやることだからか全然上手くはいかない。

途中で何度も転んだりしながらも穂乃果は何回も立上がり練習を続けた。

 

「穂乃果、頑張れ!」

 

その姿を見ていると思わず応援の声が出た。

 

「ありがとう!はっ!よっ!」

 

この姿を見るのは俺だけではダメだ、そう思い穂乃果に一言かける。

 

「すまん、少しだけ席を外す、すぐ戻ってくるから!」

 

海未!ことり!二人も見てくれ!

 

 

そうして校内でことりを見つけ、次いで武道場で海未を見つけ連れ出す。

 

「こうきくん、一体どうしたの?」

「そうです!理由を話してください」

「いいから、とにかく今はついてきてくれ」

 

言葉で語るよりも実際に見て貰った方が早いだろう。

そして二人が校舎裏に到着した。

 

「あれは、穂乃果!?」

「穂乃果ちゃん」

「穂乃果は本気でスクールアイドルをやるって決めた」

「・・・」

「・・・」

「二人はどうする?」

 

先に口を開いたのはことりだった。

 

「今まで、穂乃果ちゃんと何かをやって後悔したことってないんだ」

「ことり・・・」

「それに・・・こうきくんはことりにスクールアイドルやってほしい?」

「もちろんだ、穂乃果とことりとそれに海未、三人がやる姿を俺は見たい」

「だってさ、海未ちゃん?」

「・・・負けました」

「じゃあ!」

「分かりました、私もやりますよ」

「あっ!海未ちゃんことりちゃん!」

 

丁度そのタイミングで穂乃果がこちらに気づき向かってきた。

 

「穂乃果、私たちもスクールアイドルやります」

「うん!一緒に頑張ろうね!」

「二人とも・・・ありがとう!!!」

 

こうして無事三人がスクールアイドルをやることが決まった。

 

 

 

「認めるわけにはいかないわ」

 

先ほどの勢いのまま生徒会室にアイドル部創設の申請書を出しに行った。

だがしかし、廃校阻止のためにスクールアイドルをやることは認めて貰うことは出来なかった。

部員不足は正当な理由だが、スクールアイドルについては絵里の私見マシマシだな。

今の時期の絵里はかなりピリピリとしていたはずだ、この対応も仕方が無いだろう。

ちなみに同席していた希が意味深な表情で俺にウインクしてきた。

 

まずは部員不足をどうにかすることを当面の目標とすることにした。

俺も乗りかかった船だ、部員に名を連ねることになった。

マネージャーでも小間使いでもなんでもやるつもりだ。

 

 

様々なことがあった放課後もこれで終わり。

俺たちは校舎から出た。

 

 

「どうすれば」

 

 

誰かが言った。不安はたくさんある。

この先上手くいく保証なんてどこにも無い。

だけどそんな時、彼女は必ず前を向く。

 

「~~~♪」

 

その明るさに人は惹かれる。

 

「「「~~~♪」」」

 

スクールアイドルとしての彼女達はまだ始まったばかりだ。

 

 

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