「アイドルと言えば!」
「言えば?」
「ライブだよ!」
次の日、俺たちは集まって作戦会議をしていた。
「まずはこの学校でライブをしようよ!」
「ライブですか」
「でも、いつどこで?」
「うっ、それは」
「来月に新入生歓迎会がある、その日の放課後に講堂でやるってのはどうだ?」
「確かにその時間ならば人も来てくれるかも知れませんね」
「じゃあ講堂の使用許可を取らなくちゃダメだよね?」
「そうだな、また生徒会室に行く必要があるな」
「生徒会長、許可をしてくれるでしょうか」
「とにかく、紙書いて持って行こう!」
初ライブに向けて俺たちは行動を始めた。
「貴女たち、これは?」
「講堂の使用許可をもらいに来ました」
「何か良からぬ事を考えているんでいるんじゃないでしょうね」
「まぁまぁえりち、話だけでも聞いてみよ?」
「スクールアイドルとしてライブがしたいんです!」
「ライブ?」
「はい!私たちスクールアイドルをすることにしたんです」
「なら尚更認めるわけにはいかないわね」
絵里は頑なな態度で認めてくれない、まぁここまでは予想通りだ。
「生徒会長」
「なにかしら」
「規則によると、生徒が講堂を使用するのは問題ないとありました。内容は関係なく」
「よく調べてきてるやん、えりち内容に関してはウチ達がとやかく言うことは出来んよ」
希からフォローが入り、絵里は顔をしかめた。
「貴女たち、本当にライブなんて出来るの?」
「出来ます!」
穂乃果が強く言い切った。
「・・・分かったわ。講堂の使用は許可するわ。だけどどうなっても知らないわよ」
「ありがとうございます!」
ふぅ、なんとか使用許可を取ることは出来たな。
「失礼しました!」
「海未ちゃん!ことりちゃん!滉季くん!やったね!」
「穂乃果!アイドルの事は秘密にしておくって決めたじゃないですか!」
「まぁまぁ海未ちゃん」
「でも!やっぱり伝えたかったんだ、私たちは本気だって事を!」
「隠しててもいずれバレることだ、先に伝えておくことも悪いことじゃないさ」
「もう二人とも・・・ですがこれで後に引けなくなりましたね」
「よーし、頑張るぞー!」
「あっ穂乃果たちお知らせ見たよ!」
ヒフミたちが声をかけてきた。
「ライブするんだって、応援してるよ!」
隠しておく必要は無くなったために校内にライブの告知を張り出した。
早速見てくれた人から応援の声がかけられた。
生徒会に許可を貰った後、俺たちはそれぞれ出来ることを始めていた。
「ねぇねぇ、この後見てほしいものがあるんだ」
ことりが切り出した。
「見てほしいもの?」
「うん!」
教室に戻り、ことりは鞄からスケッチブックを取り出した。
「見てみて、ライブの衣装を考えてきたんだ」
画用紙にはピンク色のワンピースタイプの衣装が描かれていた。
ことりはファッション関係のことに詳しく、裁縫なども得意だったな。
「うわー!ことりちゃん、すっごく可愛いよ!」
「ああ、よく出来ていると思う」
「えへへ、ありがとう!」
「・・・少し派手では無いでしょうか?」
「そんなことないよ!これすっごくいいと思う!」
「ですが・・・足が」
「滉季くん、海未ちゃんの足変じゃないよね?」
ここで俺に振るんかい!!
「・・・綺麗な足だと思うよ」
「なっ・・・///」
「私は!?太ってないよね??」
「大丈夫だよ」
「ことりは~?」
「良いと思うよ」
穂乃果とことりは俺によく見えるように足を見せてきた。
スカートからすらりと伸びる二人の足を見てドキドキしてしまった。
「ほら!私たちならこの衣装でも問題ないよ!」
「うぅ・・・わかりました」
「ことりちゃん、衣装よろしくね!」
「任せて!」
ライブをするのにはいろいろな物が必要だ。
ことりに任せておけば衣装は大丈夫であろう。
「グループ名も決めようよ!」
「確かにアイドルとして立つなら名前が必要ですね」
「名前か~」
来たか、名前問題。
最終的には「μ's」となるが、それを決めるのは三人ではなかったな。
もちろん俺が提案するようなことはしない。
皆んなでうんうんと考えたが良い物は思いつかず、公募にすることになった。
「よーし!じゃあ歌とダンスの練習をしよう!」
「となると練習場所を探す必要がありますね」
「どこか空いている所あるかな?」
「とりあえず一通り回ってみるか」
原作だと屋上が練習場所になるのだが、ここではもしかしたら違う場所になるかも知れない。
俺たちは校内を探し回ることにした。
「グラウンド、体育館、空き教室、全部ダメだったな」
やはりというか、原作よろしく空いている場所はなかった。
「むむむ、こうなったら!」
「やった!空いてる!」
やってたのは屋上。
「ここなら他の部活もいないし、問題はなさそうだな」
「音も気にする必要はなさそうですね」
「でも、日陰が無いから暑いかも・・・」
「そこは気合いでなんとかするしかない!」
μ'sと言ったら屋上、この流れは変わらないみたいだった。
「早速歌の練習だ!」
穂乃果が先陣を切り三人が横並びになる。
俺はそれを眺めることにした。
「・・・」
「・・・」
「・・・」
だがしかし、いつまで経っても始まらない。
「歌の練習ってどうやるんだろう・・・?」
そりゃそうか、素人がいきなり練習なんて出来るわけ無いか・・・
「これは、今日は無理だな・・・」
とりあえず今日は練習場所が決まっただけ 良しとしよう。
その日の夜、穂乃果の部屋で作戦会議の続きが行われた。
「色々と考えなくちゃいけないことは多いな」
俺も同席して欲しいと言われ参加している。
「まず、なんと言っても曲だな、これが無いと始まらない」
「私たちの中で曲を作れる人はいませんが・・・」
「そうだ!」
「穂乃果ちゃん?」
「この前見つけたんだけど、1年生に歌とピアノが上手な子がいたんだ!その子らな作曲できるかも知れない!」
真姫のことだな。
「ですがその子が受けてくれるとは限りませんよ」
「そこはー、受けてくれるまで頼んでみる!!」
「あはは」
「だが、他にあてがないのも事実だ、俺も同席して頼んでみることにするよ」
「分かりました、そちらの方はお願いします」
「次に作詞だが」
「ことりは衣装の製作で手一杯かな」
「海未ちゃんがやればいいよ!」
「私ですか!?」
「海未ちゃん昔ポエムとか書いていたじゃん!」
「うっ!恥ずかしい過去です!」
「でも穂乃果ちゃんに任せると・・・」
「「「・・・」」」
「あっ、ダメなのね」
「嫌です!!」
「海未ちゃん!・・・お願い!!」
ことりちゃんの渾身のお願い、生で見ると圧倒的破壊力があった。
あれをされて断ることが出来るものはいないだろう。
「海未、俺からも頼む、引き受けてくれないか」
「・・・分かりました、私がやります」
「やった!」
ことりちゃんは俺に向かってハイタッチしてきのでそれに返す。
「こほん。後はなにより練習です。私が練習メニューを組みますね」
「お願いします!!」
「各分野の練習方法などは私が調べておきます」
「俺も手伝うよ」
「ありがとうございます」
「段々と決まってきたね」
「まずは最初に体力トレーニングが必要です、歌って踊るには相応の体力が必要です」
「ダイエットだと思って頑張ります!」
「では明日の朝からさっそく始めます」
「普段より早く起きて貰いますが、いいですね」
「うっ!そうだ!滉季くん朝起こして!」
「俺が?」
「滉季くんも一緒に運動しようよ!」
「分かったよ」
皆んなが頑張っている中俺だけ寝ているのも悪い気がして朝練にも付き合うつもりだった。
「よーし!明日から頑張るぞー!!」
その後は雑談をして解散となった。
自宅に帰り、風呂に入って自室に戻りスマホをチェックすると通知が複数来ていた。
【滉季くん、一緒に頑張ろう!穂乃果のこと見ててね!】
【滉季、色々と手伝って貰うことになり申し訳ないです。ですが信頼していますね】
【こうきくん、ことりが衣装作りとか困ったら助けてね】
それぞれ思うことはあるのだろう、俺が出来るのは皆んなが頑張れるように応援することだ。
俺の力がどれだけ影響するかは分からない、だけど俺に出来ることはやってあげたいと思う。
それぞれに返信をし、明日に備えて早めにベッドに入った。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【任せろ!穂乃果のこと、ちゃんと見ているからな】
滉季くんはやっぱり私の事思ってくれてるんだ。
昔からそうだもんね、私が困ってたらいつも助けてくれる。
スクールアイドル、始めて良かったな。
滉季くんと一緒にいられる時間が増える。
明日からは滉季くんが朝起こしてくれるし。
滉季くん、これからも私のこと見ててね?
【もちろんだ!海未の負担が軽くなるように俺も協力するよ】
やはり滉季は信頼出来ますね。
もし滉季がいなかったらスクールアイドルを始める決心は出来なかったかも知れません。
あなたのためにもやりきってみせます。
私と二人で穂乃果とことりを支えていきましょう。
大丈夫、私と滉季ならなんだって出来ますよ。
あなたの視線を私に釘付けにさせてみせます。
【いつでも頼ってくれ!ことりの衣装楽しみにしてるな】
こうきくん!優しいなぁ。
三人のために、そしてこうきくんのためにも衣装作り頑張るね!
こうきくんに褒められるとことりとっても嬉しいんだよ?
そうだ!いつかこうきくんの服もことりが作ってあげようかな。
今日はこうきくんとハイタッチしちゃった!
こうきくん、ことりの事大切にしてね?でないとことりのおやつにしちゃうぞ♪
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~