貞操観念逆転ラブライブ!   作:奈落ナド

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ライブ前日

 

とうとうライブが明日に迫った日の朝。

校門から先の所で上級生から声をかけられた。

内容は、貴女たちがスクールアイドルやってるんだよね、少し踊ってみてよとの事。

 

「先輩方、ぜひ明日ライブを見に来てください。そこで見ていただきたいです」

 

往来の場所で晒し者みたいになるのが嫌だったので、明日のライブに誘致する。

 

「分かったー、明日行くねー」

 

そう言うと先輩達は行ってしまった。

口では行くと言っていたが、本当に来てくれるかは怪しいな…

 

「海未…?」

 

そのやり取りの後、三人の顔を見ると海未だけが強張った顔をしていた。

 

「どうした?」

「改めて私たちは人前でライブをするんだなと思いまして」

「もしかして、緊張する?」

「はい…パフォーマンスはここまでやって来たので自信がありますが、それをお客様の前でとなると緊張してしまって…」

「海未ちゃん照れ屋さんだもんね…」

 

穂乃果とことりは気にしていない様だったが、海未は気にするタイプだったな。

 

「それなら!とにかく慣れてみようよ!」

「穂乃果…?」

「放課後、ライブのチラシを配ろう!」

「良い考えだと思う!」

「そうすれば海未ちゃんも慣れて緊張しなくなると思う!」

「分かった、チラシは俺が用意しておくよ」

「ありがとう!」

「海未ちゃん、一緒に頑張ろうね!」

 

 

放課後、休み時間に作ったチラシを持って俺たちは校門にいた。

 

「明日の宣伝と海未の克服を目的に、配りまくるぞ」

「海未ちゃん、それ全部無くなるまで帰っちゃダメだからね?」

「うぅ…緊張します」

「じゃあ始めるよ!」

 

「明日私たちライブやりーます!」

「是非来てください!」

 

開始して早々、穂乃果とことりはどんどんとチラシを配っていった。

だが海未の方はと言うと…

 

「あっ、これ…」

 

全然上手くいってないな…

 

「明日ライブやります、お願いします!」

 

海未の方も気にはなるが、俺もまずは配る事にしよう。

 

「お願いします!」

 

三年生のチラシを渡す。

 

「ライブ?君がやるの?」

「いえ、俺ではなく彼女たちです」

「ふーん、そっか」

 

一応チラシは受け取ってもらえるが、その反応はまちまちだった。

 

「どうぞ」

 

下校中の人数が多いため、顔もよく見ずに渡していると、チラシを受け取った後そのチラシをじっくり見てくれた生徒がいた。

 

「ライブ、やるんだ」

「はい」

 

するとその生徒はチラシから俺に視線を移していった。

 

(って、にこか)

 

渡したのはどうやらにこであった。

 

「ま、頑張れば?」

 

それだけ言うとにこは去っていった。

いずれはにこも何て考えたりもしたが、今は配る事優先だ。

 

手持ちのチラシが一通りなくなったので、海未の様子を見にいく。

 

「調子はどうだ?」

「滉季…全然上手く渡せません…」

「やっぱり緊張するか?」

「はい…」

 

このまま明日を迎えるのは良くない、なんとか海未には克服して欲しい。

 

「ここまでさ、頑張って来たよな」

「はい?」

「三人で沢山練習して、明日のライブのために必死でやって来た」

「…」

「その努力は裏切らない、海未は人前でもちゃんと出来るって俺は信じてるよ」

 

無責任な事を言ったかもしれないが、海未なら大丈夫だと思っている。

 

「ですが…」

「もしステージに上がってそれでも緊張するなら、その時は俺を見てくれ」

「滉季をですか?」

「ああ、普段から俺に見られるのは慣れてるだろ?だから本番でも俺だけを見てれば良い」

「確かにそれなら」

「穂乃果とことりを引っ張っていくんだろ?こんな所で躓くわけにはいかないだろ?」

「…そうですね、滉季にそう言われるとやるしかないと思えて来ました」

「もう、大丈夫か?」

「はい!ありがとうございます!」

「よし!じゃあ配ってこい」

 

「ライブやります!来てください!」

 

俺とのやりとりの後、海未は吹っ切れたのか大声を出しながらチラシを配り始めた。

 

「海未ちゃんに何か言った?」

「ことり」

「こうきくんと話してるのが見えて」

「ちょっと背中を押しただけだよ」

「すごいね、こうきくんは」

「そんな事はないよ、元々皆んなが持っている力だ」

「こうきくん、そういうところだよ」

 

ことりは微笑むとチラシ配りに戻った。

 

チラシ配りも終盤、穂乃果の元に花陽が来ていたのが見えた。

何やら話しているのが見えたので、俺たちも集まる。

 

「この子、明日来てくれるって!」

「ありがとうな」

「あっ…はい!失礼します!」

 

その後全員の分が無くなるまでチラシ配りを続けた。

 

 

夜、明日のライブに向けて最後のミーティングをしていた。

ことりが作った衣装も持って来て、それについても皆んなでワイワイ。

 

「とうとう、明日なんだね」

「そうだな」

「ここまであっという間でしたね」

「色々やるの、楽しかったね」

「絶対、明日のライブ成功させたいね」

「皆んなでやって来た事、良かったと思える様にしたいです」

「後悔だけはしたくないかな」

「大丈夫、三人は本当によく頑張ったと思う。俺はその姿ちゃんと見ていたからな」

「滉季くん…」

「滉季…」

「こうきくん…」

「俺は三人の応援が出来て良かったよ」

「滉季くん!ありがとうね!滉季くんがいなかったら私たちここまで頑張れなかったかもしれない!」

「うん!」

「ですね」

「お前たち…」

「だからね!明日の私たちの姿ちゃんと見ててね!」

 

思わずその言葉にうるっと来てしまった。

少しでも彼女たちの力になれたのだと思い、嬉しく思う。

 

「じゃあ最後に、神社にお参りにいこう!」

 

 

「…」

「…」

「…」

 

皆んなでお参りをする。

原作の展開を知っている俺からすれば、明日は中々厳しいものになるかもしれない。

だが、ここまで頑張って来た姿を知っているので、何か変化があれば良いんじゃないかとも思ってしまう。

少なくとも、終わった時には笑顔でいて欲しいと思う。

 

(頑張れ、皆んな!!)

 

神様に強くお願いをした。

ライブはもう、明日に迫っていた。

 

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