奇械姫と騎士   作:水氷(ばっかり手に入る)

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お待たせしました。遅くなりましたー

一度はね、書けてたんですよ?でもオリキャラ同士がずっと話してて、これサンドローネから遠ざかるよな?と思い、前回の後書きであったオリキャラ出すよー、をちょっと変えて書き直してました

結局サンドローネ出てないけど、原神キャラは出てるよ!




8話 あぁ、初めてだ

 

 

「帰ってきたな...フォンテーヌへ」

 

 

ウサギの愛らしさを世界へ知らしめるというアーガスの企み(違う)の手伝いを始めてから、ナタからスメールへ行ってウサギを放って、そしてスメールから自分のもうひとつの故郷フォンテーヌへときた。この国にウサギを放てばはやくも進捗が半分完了する

 

ちなみにスメールでは変わったヤツと友人になった。出会いはスラサタンナ聖処前で、いきなり背後から襲いかかられそうになるという穏やかではないものではあったけどな。その後は和解してなんだかんだ仲良くなった。最後別れる時に<これでアスターも草神の信徒っすよ!>と言われながら『草神様と草神ちゃんのここが凄い』という冊子を貰った

 

内容に関しては、先代草神マハールッカデヴァータの功績をつらつらと書かれていて、最後には必ず<マジ神っす>と私情があったり。現草神クラクサナリデビの成長について書かれていたり(優秀な娘を自慢する親みたいだった)、こっちにも最後には必ず<マジ神っす>と書かれていた。これ、いつかは一般人に配布したいとか呟いていたが、多分やめといた方がいいだろ

 

 

「まぁ親バカならぬ神バカは放っておいて、エピクレシス歌劇場に行くとするか」

 

 

せっかく故郷に帰ってきたのだから実家にも帰りたいという思いはあるが、残念ながらその家は海の中に沈んだため断念する

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「キュー」

 

「よしっ、ウサギ放出完了」

 

 

歌劇場についてから大した時間もかからずに人気のない場所を発見し任務完了した。やっぱり地元だからな、人気のある場所や普段ならひと通りがない場所もいまだに覚えてるな...まぁ時間による変化で当てが外れたら最悪だからしっかりと注意はしたが、幸い何事もなかった

 

 

「さて、残るは璃月と稲妻にモンドだな。ただせっかく帰ってきたんだし軽く散策をするのもいいな...そういや、俺って十数年前の水害からどういう扱いになってるんだ?」

 

「死体は見つからない状態だったため行方不明扱いになってはいるが、君と関わりのある者たちは、君は死亡したものだと捉えているだろう」

 

「あー、まぁそうだよな...ん?」

 

 

いま、会話が成立してたか?さっき確認したときは周りには誰もいなかったよな...あ、でもウサギ放出してその子を見送ってからだいぶ時間経ったし、さっきの確認はもう無意味と化してるか

 

ウサギ放出の場面を見られなかったことに安堵しながら声がした方へ振り返ると、そこには

 

 

 

 

「ご、ごきげんよう...<ヌヴィレット>さん」

 

 

「あぁ、ごきげんよう」

 

 

フォンテーヌの最高審判官ヌヴィレットさんがいた

 

なんでここに最高審判官が...とはならないな。何故ならここはエピクレシス歌劇場であり、この施設は裁判所も兼ねているからヌヴィレットさんの仕事場でもある。彼がここにいることは何ら不思議ではない

 

 

「ヌヴィレットさんは仕事終わりですか?」

 

「あぁ。裁判が終わり、後処理を少し済ませていた」

 

「お疲れ様です」

 

「ありがとう。にしても、元気そうでなによりだ。こう言っては不謹慎だが、もう会えることはないのだろうと思っていた」

 

「まぁそう考えるのが普通でしょうね」

 

 

俺とヌヴィレットさんは、じいちゃん繋がりで多少関わりがあった。じいちゃんは若い頃ヌヴィレットさんの近くで働いていたらしく、隠居した後も少し交流があった。水害とかナド・クライ転送がなかったら、俺もヌヴィレットさんの職場であるパレ・メルモニアに就職してたかもしれないな

 

 

「だが...あれから十数年が経ったが、君の姿は当時と変わっていないのだな。年齢的には既に君は50近くと記憶しているが、見た目は20代のままだ」

 

「あー、まぁそれに関しては簡単に言うと...俺、ここに住み始めた時にはもう人間じゃなかったらしいです」

 

「ふむ、なるほど。確かに君の内に秘めるモノは人間のものではないと思っていたが、納得したよ」

 

 

俺はヌヴィレットさんの前では戦ったりとか人間離れのようなことは起こしてない─もちろん彼がいない時も、そもそも人外だと自覚してない─というのに勘付いてたとは、流石は最高審判官様だ

 

 

「あ、そうだヌヴィレットさん。水害時に俺カバンを他の避難してた人に預けてしまってたんですけど、まだありますかね?」

 

「水害時に発見し回収された落し物等は基本的にパレ・メルモニアが管理しているが、申し訳ないが私は把握しきれていない」

 

「あはは、そうですよね」

 

 

結構時間経ってるし、それにパレ・メルモニアの最高権力者のヌヴィレットさんといえども流石に落し物や忘れ物管理は管轄外か

 

 

「これから私はパレ・メルモニアに戻るが、ついでに水害時の落し物関連の記録を漁ってみよう。その際、君にも同行してもらえると助かるのだが」

 

「えっ、それは願ったり叶ったりですけどいいんですか?ヌヴィレットさんも仕事がありますよね」

 

「構わない。現状はそれほど急ぐ必要のある仕事はないから遠慮はしなくて大丈夫だ」

 

「それじゃあ、お言葉に甘えます!」

 

「あぁ、では行こうか」

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

ヌヴィレットさんと共に雑談も交えながらパレ・メルモニアへ向かい到着した後、彼は水害時の忘れ物等の管理関連書類を確認してくれた

 

 

「アスター君、どうやら水害時に預けたという荷物は確かにパレ・メルモニアが管理していたが、今はもう預かっていないそうだ」

 

「え、それって時効で処分したってことですか?」

 

 

ヌヴィレットさんのその言葉を聴いて、俺は特に落胆の気持ちは少なかった。あれから十数年も経っていて持ち主である自分も行方不明扱いとなっていれば処分される可能性は高くなる。むしろ誰にも盗まれずに済んだと安堵すべきか?いやまあそんな大した物は入れてなかったけどな。じいちゃんから託されたものは手元にあるし

 

 

「いや。こちらで預かってから少ししてから、とあるお嬢さんが君の荷物を回収したそうだ」

 

「えっ?」

 

「名前はマリアネッテ・ギヨタン。住民票の書類や君の荷物の中にある写真からも身内と判断して、彼女に引き渡したと記録されていた」

 

「そ、そうですか。まぁ、マリーなら大丈夫か」

 

 

そっか、マリーが旅に出て数日後に水害が起こったから心配で来てくれたのか。距離的にはおそらく隣国まで行ってただろうに...まぁ、当時はじいちゃんが亡くなってから1ヶ月も経ってない状態で、更に家族である俺が死んだとなっ─待て

 

ここで俺は初めて...いや、今更気付いたのだ

 

彼女からしたら、当時どんな感情だったと思う?親に続いて兄的存在も消息を絶った。例え傍に頼もしい弟分がいたとしても、こうも連続で失ってはその子もいつか突然居なくなるかもしれないという不安に押し潰されるんじゃないか。そうなったらどうなる...最悪の場合、エラーの過剰蓄積でその部分を消してしまうんじゃないのか?

 

 

「...」

 

「ちなみに、このお嬢さんには君が無事だということは伝えているのだろうか?」

 

「い、いえ...」

 

「なら伝えた方がいいだろう。当時受付を担当した者から少し話を聞いたが、随分と焦燥としていた様子だったらしい」

 

「そうです、か...わかりました」

 

「ふむ。アスター、君は彼女がいま何処にいるかはわかっているのだろうか?」

 

「いえ、旅に出たっきり連絡はとってません」

 

「そうか。なら─」

 

 

ヌヴィレットさんからマリーの様子を聞いた途端、彼女の当時の心情がますます俺が推測するものへと近付いてしまった。

 

その後、少しヌヴィレットさんと会話して別れたが、話の内容とかはあまり覚えてないし俺がなんて返したかも、そもそも返せてたかもわからなかった。俺がその間に頭の中を廻っていたのは、これまでの自分の行動の愚かさだ

 

 

何故、すぐに気付かなかったのだろうか

何故、少しでも彼女のことを考えなかったのか

何故、自分のことばかり考えていたのか

 

 

あぁ、初めてだ

 

こんなに強く自分に怒り、恨み、憎しみを持ったのは

 

 

 

「...ふぅ、ダメだ。冷静になれ」

 

 

だがここでその感情に支配されてしまえば、バカな行動に出て何の得にもならない結果を招くだけだ。ならばどうするか?簡単なことだ

 

 

「ウサギを放ちながら、聞き込み等をしてマリーの居場所を突き止める。傍にはプロンニアもいるはずだし、背中にゼンマイを付けた女の子と言えば、彼女たちを見かけた人の印象は強く残ってるだろう」

 

 

自分に対して負の感情はあるが、それで自分に罰を与えてもただの自己満足に過ぎないし、俺のやりたいことではない。俺のやりたいことは、マリーを探して自分の無事を知らせて彼女を安心させたい

 

まぁ、正直これに対しても思うところはある

 

この行動も自己満に過ぎないことはいいとして、強い感情を負った彼女が多大なるエラーで感情を捨ててないか、心がまだあるのか...いや、関係ないか。感情を失ってもマリーやプロンニアは家族に変わりないのだから。家族に無事なことを知らせるというのは大事なことだからな

 

 

 

「家族、か...」

 

 

自分で口にして思い出すのは、かつての家族。俺の、血の繋がった家族にも無事を知らせるべきだろうか。例え厄災によって死んでしまっていてもお墓はあるはずだから、そこで知らせることはできる

 

 

「そういや、姉さんは無事だったのかな」

 

 

スメールの教令院に留学したっきり会わず仕舞いで、安否がわからないままだったな。世界中で起きた厄災から例え生き残っていたとしても百年以上経ってる今では、親と一緒にいるか...

 

 

「ふぅ...よし、モンドに来たときは墓参りもするか」

 

 

ひととおりの整理がついた俺は、次の目的地である璃月へ向かうために足を進めたのだった

 

 

 

 

 

 





はい、残念ながらスメールは地文で終わり
スメールでの友人というのが、書き直す前に出してたオリキャラです。設定としてはオリキャラのアーガスと同じ立ち位置になってます。要は神のお世話係的な感じ

そして稲妻も今回のスメールのように地文終わりだと思います。璃月はわからない。正直、璃月で考えてたオリキャラが自分の中では一番面白いと思ってるから、書きたくなるかも

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