アインズ様が「エボルトォオオオオ!」と叫ぶ話 作:月光舞詐称者姫
強化フォームはやっぱ強力だけど各ペストマッチフォームはそれに出来ないことをできる相互互換という形にしたいこの気持ち
「お待たせしてしまい申し訳ありません。紅茶で宜しかったですかな?」
「すみません、逃げ込んでしまった上に、ご馳走にまで……」
「お構いなく。客人に紅茶を出すのは執事の責務ですから。」
セバスと共に逃げてきた屋敷。そこの客間で待っていた彼らに、セバスは紅茶を提供していた.
「あの、姉さんは……」
「貴方の姉君たら、お嬢様が治療しておられます。あぁ見えて治癒の魔法が得意なお方なのですよ。」
セバスは現在、プレアデスの1人、ソリュシャンを令嬢役、自分はその執事の役としてこの街に潜り込んでいる。そんなソリュシャンに、連れてきた男とニニャの姉、2人の治療を命じたところなのが実態だが、馬鹿正直にそういうわけにもいかないため、そんなカバーストーリーを話す。
「それは……あの男の人もですか?」
「はい、受け入れられませんか?」
ニニャの疑問に、セバスは肯定で返す。ニニャがカップを持つ手に、僅かに力が入る。
「あの男は……姉さんをあんな風にした一味の一人です。それだけじゃない、黒粉をばら撒いて、あんな人たちを生み出して……自業自得ですよ。」
「ふむ……」
吐き捨てる様に言うニニャを前に、セバスは考え込む。
「その、証拠はございますかな?」
「え?」
「ですから、証拠です。貴方はあの御仁が貴方の姉君を傷つけられたところを目撃したのですか?
あるいは、彼らのうちの誰かに、その黒粉という物品を渡されるところを目撃したのですか?」
そしてそう問いかけた。確かにニニャの姉、ツアレの傷の状態はひどいものだ。前歯は抜かれ、薬物を打たれ、骨は折れ劣悪な環境にいたのか身体は病魔に侵されていた。
聞けばあそこはおそらく八本指が運営する闇娼館だという。家族などの金持ちに向けて、あぁいった捉えた女性を提供する場所だ。全てあの男一人の仕業ではないだろうが、全くの無関係だとは言えない。だが、明確に男が何をしたという証拠は、それこそツアレか男の記憶以外のどこにも無いのだ。
「それは……でも、あの人はあの店の従業員で、姉さんのそばに……」
「えぇ、貴方は真っ先に、姉君の側に居た私に殴りかかりました。」
「うっ!?それは……ごめんなさい……」
そう、今回ニニャは決めつけで
「姉君を見て冷静でいられなくなる気持ちは分かります。ですが、それで視野まで狭くなってしまうのは、感心しませんな。」
「……おっしゃる通りです。」
頭では分かっているが、感情はそうでは無い。そんな感じの返答だった。無論セバスもそれを大いに理解出来る。だが
「バァッカじやないの?」
それを否定する声があった.クレマンティーヌの物だ。
「おいミカン、いくらなんでもそれは……」
「だって、アンタはアタシ相手に特赦を申し出てきたのよ?あの墓地の騒動で手に入れた仮面ライダーとしての功績を使ってまでね。」
先ほどまでソファの端で紅茶をちびちびと飲みながら空気に徹していたというのに、余程ニニャの物言いが気に入らなかったのか、首の己を縛るマジックアイテムを見せてそう言う。
「分かってないかもだから念の為言っとくけど、あんな小悪党が可愛く見えるくらいの大罪人よ?
法国を裏切って、何人も殺して殺して殺しまくって、拷問だって数えられないくらいやったわ。アンタも見たでしょ。」
「………………」
実際、ガジットの儀式から救い出したンフィーレアの容態は酷い物だった。手は奇妙な方に折れ曲がり、くり抜かれた瞳から血の涙を流していた。付けられていたマジックアイテムの効果で自我を奪われ、直近の記憶が無くなっていたのは幸いだろう。そうでなければ、彼は今も元気な姿を見せられずにいたかもしれない。
「でも、それは……」
「もうその理由は聞いたわ。絆された身だしとやかくは言わないわよ。でも要は勝手な同情でしょ?それで救おうとしてくれたことはありがたいんだけどさ。」
カップを置いて立ち上がり、ニニャの元まで行く。腹立たしげに机を叩きながら、座るニニャを覗き込んだ
「自業自得だなんだとか、いつから罪まで決めれるくらいに偉くなったんだよ、テメェ。」
「ッ!!!」
ドスと睨みを効かせたクレマンティーヌのその声に、ニニャは目を見開く。
「カラフルな面白アーマー着てるうちに頭まで面白くなっちまったのか?あんま調子乗ってんじゃねぇぞ。」
その言葉に、ニニャは深く俯いた。クレマンティーヌは怒ってるのだ。今の自分の醜態に。姉のことで冷静じゃいられなくなってる、まるであの夜覚悟を決めて変身する前に退化した様な自分に。
「そうですね、私の聞いていた仮面ライダーとは、悪人を裁く為にあるものでは無かったはずです。」
話の大元はスタークだ。彼は常に仮面ライダーとは悪を裁く戦士ではなく、民を守るヒーローだと酒場などで触れ回っている。彼の調査も命じられているセバスは、それをよく理解していた。
「傷が癒えたら、姉君と話をしてみてください。じっくりと考えて、気持ちに整理をつけた方がいいでしょう。」
「はい……ありがとうございます。」
飲みかけの紅茶に映る自分の表情を見ながら、ニニャはそう返すしかなかった。そんな様子を見かねたセバスは口を開く
「誰かが困っていたら、助けるのは当たり前。」
「え?」
「私が最も敬愛する、さる御方のお言葉です。」
なんであんな奴を助けたんだ。そんな、口に出していない様でずっと物言いで投げかけてきたニニャの問いに答える様に、そう言った。
「私は執事失格です。独断で
どちらも、主人に使えるものとしてあるまじき行為です。ですが……」
自分の作り主、かのユグドラシルでも最強の一角と謳われた人物。自分の意思で体を動かせず、担当している階層でじっと佇んでいることが多かったが、そんな人生の中でも、正義を真っ直ぐ追い続けた彼のことは脳裏に焼き付いている
「あのお方の言葉が脳裏に響いた瞬間、身体が動いていました。」
「途中で、放り出してしまえとは思いませんでしたか?」
その場の判断を後悔したことはないかと、そう問い掛ければ、セバスは目を瞑り少し考え込んでから
「いえ、執事としてあるまじき行為をしたという自覚はあります。ですが、後悔はすれど、一度背負ったものを放り出すなどあり得ません。」
そう答えた。
「そんな勝手な行動をしてしまうほど私の心に強く刻まれた言葉は、もしかしたら呪いなのかもしれません。
ですが、呪いだからと捨てて仕舞えば、その時点で私はその程度の男に成り下がります。必要だからとその方が大切にしていた信念に、私までも背いて仕舞えば、その信念が汚されてしまいます。」
だから抱えますと、セバスは言う
「その結果ついてくるものも後悔も、全て背負って生きていきます。後悔のない人生など、ありませんから。」
そうして俯くニニャに問いかける
「貴方のその、仮面ライダーというものは、かのブラッド・スターク殿に押し付けられたものですかな?」
「いえ、自分で選んだものです。でも……その意味は、まだよく分かっていません。」
ニニャのその言葉に、セバスは微笑みかけて言う
「ならば、私から答えはこうだと言うわけにはいきませんね。」
「え?」
「安易に答えを出してしまえば、今の貴方はそれをそのまま
そう言って老人らしく笑いかければ、ニニャは俯いて考えだした。まだまだ、未熟ですなとその様子を見ていた時だ。
「セバス、ちょっといいかしら。」
「お嬢様、いかがなされましたか?」
顔を出したソリュシャンが、セバスを呼びつける
「こっちにきてちょうだい、話したいことができたわ。」
「はい、直ちに。」
「ちょっと、厄介なことになったみたいなの」
そんな言葉に、一抹の不安を残しながら
「随分と派手にやったな。おかげで貴族連中は大騒ぎだ。」
「肩書が多いと大変だねぇ。それとも、なんか迷惑になったか?」
「多少はな。だが、お前達になんの後ろ盾も無いのが味方した。どいつもこいつも仮面ライダーは好き勝手に叩いちゃいるが、なんの接点もないこっちにその火が広がることはない。」
そいつは何より、というスタークと会話するのは、この世界最高峰の冒険者チーム、青の薔薇最強の魔法詠唱者、イビルアイだ。
握手を求めて手を伸ばすが、そっけなく断られてしまったせいで未だハザードレベルを測れていないが、この警戒心の高さと物言い、小柄で子供の様にも感じる見た目相応の年齢ではないのだろう。そんな彼女が来たのは、てっきり彼女たちのチームのリーダーにしてアインドラ伯爵家の令嬢、ラキュースと懇意にしている王女、ラナーに協力しないかという勧誘だと思ったのだが
「だが、お前達は派手にやりすぎた。」
今回イビルアイが来たのは警告のためだった。
「となると、例の六腕に目をつけられたか?」
愉快そうに言うスタークに、イビルアイは
「それだけなら、良かったんだがな……」
神妙な声で、取り出した一枚の羊皮紙を見せる。
「へぇ。」
それを見たスタークは、興味深そうにそれを吟味し始めた。
「よく書けてるじゃねぇか、俺たちの
そしてそこに書かれた仮面ライダーや自分の人相書き、そして白金貨50枚という破格の懸賞金に、そうコメントする。
「あぁ、お前達が襲った闇娼館や取引現場は、表向きには全く別の店舗として合法的に登録されている。
それを利用して、お前達を正義を騙る強盗団として指名手配する気だ。近々冒険者としての肩書も抹消されるだろう。なにより……」
「なんだ、何か問題があるのか?」
「王国警備隊長だ。」
スタークの問いに、全く聞いたことのない単語が出てきて首を傾げる
「警備隊長?そんな役職が王国にあったのか?」
「いや、正式には無い。だが街の警備などに関係のある貴族が、個別に雇い入れた戦力で、その実力はあの王国戦士長を上回るらしい。」
「……そんな奴がいんのか?」
「おそらくだが、お前達が探しているそのアイテムが関係している。」
眉唾物の話を疑問に思うスタークに、イビルアイが挙げたのはフルボトルの話題だ。
「アレは、お前達が探し始める少し前から、裏社会で取引されていたんだ.力を得るマジックアイテムといってな。」
私も一本現物を抑えた、とハリネズミボトルを机の上に置く。それを見て一瞬奪うか迷ったスタークだが、交渉次第で手に入れられるかとこの場は控えることにした。
「それを最初に使い始めたのが、この王国警備隊長という話だ.しかも、今王国の警備を担当している伯爵は、八本指とのつながりを噂されている。」
その話を聞いて読めて来た。
「じゃあその王国警備隊長ってのは、八本指への邪魔者を法律を盾に堂々と潰しに行く、連中の切り札ってわけか。」
「あぁ、」
「んで、話を聞く限りフルボトルを使うみたいだが、そいつはどんな姿なんだ?」
もしかしたら、ボトルだけでなくアイテムも持っているかもと、そう問いかけるとらイビルアイは頷いた
「あぁ、そいつの姿は……」
「えぇい、スタークめ……」
忌々しそうに呟く太った男は、あの時スタークによって扉でハムサンドにされた治安官だ。まだ痛む顔を辛そうに抑えている。
「まったく、この俺がこうも忙しくなるとはな。」
馬車の中で怒る男の隣に腰掛けているのは、スキンヘッドの巨漢だった。全身に刻まれた刺青が厳つさを感じさせるその男は、腕を組んで笑みを浮かべている。
「頼むぞ、あの忌々しい仮面ライダーに、その強さを見せつけてやってくれ!」
「分かっている。聞けば、奴の中身は魔法詠唱者なのだろう?」
男はそう言いながら
「ならば、
スタークはどうする?※注意!このアンケートの結果でストーリーが分岐します 分岐によっては取り返しのつかない結末に至るのでご注意くだ
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ニニャとンフィーレアだけを確実に逃す
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一か八か、全員を逃す