アインズ様が「エボルトォオオオオ!」と叫ぶ話 作:月光舞詐称者姫
それもあって投稿頻度が落ちてきていますが、暖かく見守っていただけると幸いです。
「そうか、そんなことがあったか。」
「はい。勝手な判断でアインズ様のお手を煩わせてしまい、申し訳ございません。」
館の中でセバスは転移によりやって来た自身の主人たるアンデット、アインズ・ウール・ゴウンの前に跪いていた。
「ではやはり、ニニャはスタークに利用されているのか。」
「はっ、仮面ライダーの力を完成させる。彼女は、その為のパーツにすぎないということかと。」
「そんな事のために仲間を利用する……いや、仲間と思える奴など居なかったのだろうな。」
可哀想な奴だ、と内心でアインズは嫌いなスタークを嘲笑った。
「そしてセバス、この館に仮面ライダーを狙って襲いかかったのが、この王国の警備隊長だとか。」
「はっ。しかし、警備隊長とは名ばかり。実際は腐敗した貴族の私兵にございます。」
「そんな男が,スタークと同じアイテムを……か。」
「えぇ、どうやら、スタークの手を離れたアイテムとは、あのフルボトルとか言う物だけでは無いようです。
彼女の扱うベルトと似たようなものも、数点行方不明になっているとか。」
その言葉を聞いて考え込む。仮面ライダーの技術を扱うには、ネビュラガスやハザードレベルと言ったユグドラシルには無い技術が必要になってくる。オマケに、スタークの物言いからしてそもそも自分のようなアンデットには効果がないと来た。
「(けれど、これ以上スタークに渡すわけにはいかないし、ナザリックから使えるものが現れれば、それはあいつに対する対抗策になる。)」
そこまで考えたアインズは、セバスに向き直り賞賛する。
「ならば、王国以外の各地も探索する必要があるな。よくやったセバス、この情報には千金の価値がある。」
「もったいなきお言葉にございます、アインズ様。」
セバスはそう言って恭しく頭を垂れ返すセバス。
「それで、お前が保護したと言うツアレという娘だが……」
「はい、彼女は間違いなくニニャ……仮面ライダーの姉であるようです。」
「ナザリックで人質として保護すれば、スタークはともかく、仮面ライダーは迂闊にこちらに手が出せなくなる……と言うわけか。」
考え込むアインズに、デミウルゴスが口を開く。
「アインズ様、発言の許可を頂いてもよろしいでしょうか。」
「デミウルゴス?なんだ、言ってみるといい。」
そう発言を許可すれば、頭を下げてこう言った。
「この王国でアインズ様のお手を煩わす事態を、全て解決する策がございます。」
「全てだと?面白いな、デミウルゴス。話してみるがいい。」
そう言われれば、デミウルゴスは宝石の瞳をメガネの奥で輝かせて言う。
「はい、王国におけるアイテムの回収、愚かにもナザリックの僕たるセバスの居る屋敷に攻め入った八本指の誅殺。そして、愚かにもプレアデスの一角たるナーベラルを不意打ちで下し、アインズ様の名声を掠め取り、勝った気である大罪人、ブラッドスタークを暗殺し、仮面ライダーをアインズ様の支配下に置き、アインズ・ウール・ゴウンの名声を不動のものとするこの計画、どうぞお聞きください。」
王都に悪魔を解き放ち混乱を生み出すことを前提とした、災害ともとれる計画が。
一方、当のニニャはセバスの屋敷を飛び出した後、必死になって走っていた。
「(なんで……)」
フラッシュバックするのは、あの日の記憶。
『そこのお前、なかなかの美貌よな。』
たまたま目についた姉にそう声をかけたのは、金のかかった装備をした連中を引き連れた太った男だった。
我が輩の館に招いてやろう。そう言って連れ去られる姉を前に、若かった自分は黙っていられなかった。
「(どうして……!)」
あの人姉さんを連れていくなと声を上げた自分は、周りに控えていた騎士の一角に思いっきり殴られて倒れ込むことになった。
『貴様ッ!この方が子爵閣下としっての狼藉か!』
『無礼者!』
『やめてください!行きます、行きますから……!』
金属の鎧で殴る蹴るの暴行を受けた時は死にそうになった。痛かった。だがそれ以上に姉にあんな悲鳴をあげさせてしまったことを悔やんだ。
「(僕の存在が……!)」
『貴方を見ると、どうしても浮かんでくるの』
『女がいると揉めたりするって聞くぜ?』
『調子に乗りすぎたな、仮面ライダー』
「(いつも周りを苦しめる!)」
今思えば、あの時に自分の存在は使えると思われたのかもしれない。ツアレを縛る為の鎖として、そうなったら彼女が余計に苦しむことになったのは自分のせいと言うことになるじゃないか。
ツアレ、ルクルット、ナイトローグ。それぞれの言葉がこだまする。自分が自分のままチームに加われば問題が起きるのではと、常に自分を仲間の為に偽り続けていた。その結果、漆黒の剣はいいチームになった。
だが、仮面ライダーとなって自分を曝け出し、自分の目的に仲間を巻き込んで、立ち所にこんな風になってしまった。
「はぁっ……はぁっ……どうして……」
いつの間にか訪れていた人気のない裏通りでそうぼやいた時だった。
「ッ!?」
「ほう、避けたか。それだけ息が上がっているのによくやるな。」
飛来した針。咄嗟に避けたはいいものの、上を見れば建物の天井から男が見下ろしている。
「八本指!」
「その通り。俺はサキュロント。六腕の一角を担っている。」
その言葉を聞いて戦慄する。幻魔サキュロント、悪名高い王国の犯罪組織、八本指の幹部であり、一人一人が英雄級の実力だと言う。
「本当ならまだ待ち構えている予定だったんだが……一人でこんな場所に転がり込んでくるとは、何か辛いことでもあったか?ククッ」
「何がおかしい!?」
笑うサキュロントに吠えるニニャ。ビルドドライバーを装着し、ボトルを振ってセットする。
選んだのは、上空にいるサキュロントに近づく為のホークガトリング
翼を広げてそのままサキュロントの元に近づこうとした時だった。
「ガァアアア!」
「うわっ!?」
上から吠え声を上げながら人が組み付いてくる。常人を明らかに超えた厄介なパワーに手間取るが、飛び上がって壁に背中をぶつけることで落下させる。
「ウゥウウウウ……」
「アァアアアア!」
「この人たちは、あの時の……」
いつぞやのツアレを救い出した時にも見た、謎のオーラを纏い暴走した人間たち。
「流石の正義の仮面ライダー様も、相手が無辜の市民となれば手を出さないだらう?」
何せこいつらは俺たちの手で黒粉漬けにされた被害者だからな。とサキュロントは語る。その言葉に,彼らにホークガトリンガーを向けようとしたニニャの動きが止まった。
「アァアアウ!」
「ぐあっ!?」
その瞬間、浮浪者の一撃がニニャを襲う。黒いオーラの散るその一撃はまるで仮面ライダーの装甲が意味をなさないかのような大ダメージを与える。
「な、なんで……」
「対仮面ライダー用とは聞いていたが……流石は今一番風に乗っている麻薬部門の新商品。想像以上の効き目だな。」
対仮面ライダー用、きっと何か特殊な薬品な魔法を黒粉に混ぜたのだろう。その結果、彼らはこのような姿になってしまった。
これもまた、八本指に喧嘩を売った自分のせいか、何度も何度も、理性を失った浮浪者の乱雑な攻撃の痛みにさらされながら、そんなことを思ってしまう。そうするとどうしても、体に力が入らない。彼らを傷つけることを恐れてしまう。もはやこれまでか、そんなことを思った時だった。
「確かに、仮面ライダー相手には有用な策なんだろうな。」
「だが俺には通じないぞ。」
光弾により無数の浮浪者を吹っ飛ばし、残りをトランスチームガンの弾丸で次々と屠り、群がられていた仮面ライダーを救い出したのは、ブラッドスターク。
「す、スターク……さん……」
「お人好しは結構だがな、お前に牙を向いてる以上、こいつらは敵だぞ。」
スチームブレードで切り払い、トランスチームガンで向かってくる浮浪者の脳天を撃ち抜く。
そしてその毒牙が、浮浪者の中でも一際小さく小柄な者に向かおうとした時
「待ってください!」
「うぉ!?お前そこまでやるか!?」
思わずニニャは、スタークにしがみついて止めた。
「あの子は子供です!せめて、せめてあの子だけでも……!」
その言葉に舌打ちするスターク。そう頼まれてはやるしかない。
「仕方ねぇ、今回だけだぞ?」
そう言うと、今にも飛び掛からんとした子供の首筋に手刀で一撃。それで昏倒させ、ニニャに抱えさせる。
「ほら、持ってろ。ズラかるぞ!」
そしてトランスチームガンのワープ機能を起動。煙に巻かれて消えていく。
「見せてもらおう、仮面ライダー。お前たちが足掻く様をな。」
その様子を見たサキュロントは不敵に笑い、自らが護衛する裏娼館へと戻るのだった。
「大丈夫、大丈夫だから落ち着いて……!」
「アァアアアア!!」
ワープした城の倉庫では、暴れる子供を必死で押さえ込むニニャの姿があった。目が血走り、人とは思えない凶暴な表情と痩せ細った体躯も相待って、屈強な女戦士のガガーランですら身構えた相手に、暴れられながらも必死に抱えてそれを抑える。暫くそうしていた時だった。
「アァ……」
「ッ!?君、大丈夫!?ねぇ!?」
ぷつりと糸が切れるように、今まで暴れていた子供から力が抜けた。ほっとしたのも束の間、先ほどまで放っていた黒いオーラとは打って変わって、体から白い煙を吹き出しているのだまるで家事の後、火を消された燃え滓が燻っているかのようなその煙に、ニニャは慌てて声をかける。
「あ……仮面……らいだー?」
「そうだよ、仮面ライダーだ!君を助けにきたんだ!」
朦朧とした意識のまま、変身したままのニニャを見てそう言う子供に、ニニャはもう大丈夫と声をかける。するとその子供はくすりと笑っていった
「よかった……院長先生にへんなおくすりをのまされてから……なんなも、おぼえてないの。」
「院長先生!?それはどんな人!?」
この件を仕込んだ黒幕かと、近くで様子を見ていたラキュースが問いかける。
「院長先生は……すごいひと。お父さんお母さんにすてられた私たちをひろってくれた、やさしいひと。
でも……ちょっとこわい。だからいい子になりなさい、ひろってよかったとおもえる"はたらき"をしなさいって、いつもいってるの。」
「……自らを優しいなどと言う者に碌な奴はいない。大方、そうやって自分の存在は絶対だと子供に刷り込んで、従順な奴隷に育てようと言う魂胆だろう。」
少女の説明を聞いたイビルアイは、そんな風に当たりをつける。
「それで、院長先生がね、へんなおくすりをもってきたの……あなたはびょーきだからのみなさいって……」
「それで黒粉を……?」
「酷ぇ……」
その所業が信じられないのか、ペテルとルクルットは戦慄するが、ダインがとある事実に気づく.
「待つのである。まるで孤児院のように振る舞っていると言うことは、他にも子供がいるのでは?」
「「「「!?」」」」
「え?みんなは……たすかってないの?」
ダインの言葉を裏付けるように、子供はそんな問いを投げつける。その言葉に一同は息を呑む。
「見つかったのは……お前だけだ。」
「そんな……いやだよ……私だけなんて、それじゃあみんなは……」
「大丈夫!必ず助ける!」
不安に呼応するかのように、子供から吹き出す煙の量が増える。それに慌てて、ニニャがそう言う
「だから教えて!その"孤児院"はどこにあるの!?」
その必死の問いに、震える声で場所の名前を語る子供。スタークがその場所を地図を開いて確認する。
「ねぇ、仮面ライダー……おねがい、みんなを……たすけて……」
「勿論だ!必ず助ける!だから……」
君も死なないで、そう言う前に、安心したのかふっと最後に笑った子供の手から力が抜けた。
「あ、あぁそんな……どうして!?」
延命措置をしようとするが、寝かせた子供は、そのまま蒸気と共に溶けるように消えていき、遺品の一つすら残さず消えてしまった。
「なんで、落ち着かせたのに……!」
「ハザードレベルが肉体の限界を超えたのさ。」
ニニャの疑問に、スタークが答えた。
「ハザードレベルが!?それって……」
「ハザードレベルの限界には個体差がある。ニニャの場合は他より高いが、他より低い場合ってのもある。体が弱かったり、まだ小さかったりする奴らが該当しやすいんだが……そう言うやつにネビュラガスを投与すると、スマッシュっつう怪人になったあと、肉体が限界を迎えて死に至る。」
あんなふうにな。と、子供が寝ていた場所を指して言う。
「ハザードレベルを上げるだけなら、追加でネビュラガスを投与するのが一番手っ取り早い。だが、お前にそれをしてない理由もこれだ。手っ取り早くハザードレベルを上げれる代わりに、負けて変身が強制解除されれば消滅する体になっちまう。」
「待て、でもその場合、スマッシュっていう怪人になるんだろ?あの子供の体は普通だったぜ?」
その相違点に気づいたガガーランが指摘すると。
「あぁ。だが変なオーラを発して、ビルドの防御力を貫通してただろ。そう言う効果をもたらすアイテムに、一つ心当たりがある。」
「そのアイテムとは一体……」
本来なら、ビルドの強化アイテムなんだがな……とぼやくスタークにラナーが恐る恐る問いかける。
「ある男が作り上げた、仮面ライダービルド史上最も危険な、禁断のアイテムだ。」
それが、八本指の手に握られている。敵の厄介さは増すばかりだ.
最新の黒粉はどこぞのやべーいアイテムによって強引にハザードレベルを引き上げて肉体をパワーアップさせつつ、理性を麻薬の作用と合わせることで飛ばして見境なく周囲を襲うバーサーカーを作り上げます。
そんなの飲んだ中毒者は当然効能が切れた途端に死にます。紛うことなきクソアイテムです。
スタークはどうする?※注意!このアンケートの結果でストーリーが分岐します 分岐によっては取り返しのつかない結末に至るのでご注意くだ
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ニニャとンフィーレアだけを確実に逃す
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一か八か、全員を逃す