アインズ様が「エボルトォオオオオ!」と叫ぶ話 作:月光舞詐称者姫
正直参考にするために見返してるけどメンタル面とかも考えるとこいつらがアダマンタイト級は無いんじゃないかと思わないでもない。
セバスの力量を見抜けないのは仕方ないとして殺しのプロがターゲットを相手に舐めてかかってどうする。
「う……」
ヒルマ・シュグネウス。八本指の麻薬部門を取り仕切る幹部である彼女は、妙な気配を感じで深夜に目が覚めた。
「深夜に目が覚めるなんて、いよいよアタシも歳かね……」
「なら、バスローブ一枚で寝るのは辞めとくんだな。」
「ッ!?」
今までなかった事態に、不安を紛らわすようにぼやく。当然、独り言だ.まさか誰かが返して来るとは思わなかった。慌てて見れば、自室のソファに足を組んで腰掛ける、血のように赤いアーマーの男。
「よぅ。アンタがヒルマ・シュグネウスか?」
「ぶ、ブラッドスターク!?なぜここに!?」
手を振って来る余裕を見せる男に声をあげるが、そこで向けられたトランスチームガンに押し黙る。
「あのお姫様はなかなか優秀な切れ者だな。コッコドールだったか?あの男女を捕まえた後、水面下で進めてた計画を前倒して見せた。」
「馬鹿な……!」
腐敗塗れの貴族連中を出し抜いてそれほどのことを、ましてや、善人ではあるが掲げる政策は失敗続きの優しさだけが取り柄の王女、彼女の本性を知らずそんな前評判のみしかしらないヒルマ仕立て人の名前に耳を疑った。
「ま、能ある鷹は爪を隠すって奴なんだろうな。お陰でこいつらを楽に回収できた。」
「それは……!」
机の上に並べられていたのは、フルボトルと赤い色のとあるアイテム。ヒルマが集めていた仮面ライダー由来の数々だ。それも抑えられてしまっている今、自分を取り囲む状況が詰みであることを彼女は悟る。だが、同時に活路も見出した。
「待っとくれ、アンタの目的は、そのボトルなんだろう?」
「その通りだが、どうした?」
「まだ他にも、同じものを持ってるんだ。屋敷の中に隠してある。隠し場所に案内するよ、だから……」
「悪いが逃してくれって意見は聞かないぞ。アンタが懇意にしていた
その言葉に、忌々しそうに歯噛みする。ラナーやザナックとは違い、第一王子のバルブロは太鼓持ちの貴族に囲まれて過ごすうつけ者だ。取り入り甘い蜜を吸うにはもってこいの相手だったが、裏を返せばこう言うことになりやすいと言うことでもあった。
「分かった……ならそっちにも協力する。だから」
「そう言うことなら簡単だ。俺の方から取り計らってやるさ。」
「……感謝するよ。」
その言葉に頭を下げるヒルマ。ゼロが集めていると言うこともあり,交渉材料になるやもと思っていたが、こんな形で命を拾うことになるとはと安堵していたのも束の間。まともに羽織れる格好へと着替え、部屋を出れば
「……どうなってんだいこりゃ、アンタの仕業かい?」
「いや、どうやら厄介な"お客さん"みたいだな。」
木々によって覆われ、封鎖された窓を見てヒルマは怯え、スタークは警戒するようにそう言う。
「場所は?」
「えっ?」
「ボトルの場所だ。さっさと回収してズラからないと、マズいかもな。」
自分の予想通りであればだいぶ面倒だと、そんな事を考えながら。
「それ、そぉれ!逃げないと3枚に降ろしちまうよ!」
「くっ!分かっちゃいたが近づけねぇ……!」
一方、館の正面で六腕と戦うルクルット。彼の相手を務めるのは
合計8本の三日月剣が多方向から襲ってくるのを、走り飛び上がり地面を転がり回避する。
八本もの剣を同時に操る思考の並列処理と、三次元的な空間を自在に飛び回る動きを作れる空間認識能力の成せる技だ
「(ミカンちゃんはあぁ言っちゃいたが、やっぱりそれでも格は違うな……!)」
アダマンタイト級には届かない。精神的な油断がある。なるほどそんな評価は、今自分が死んでない事を見れば確かに正しいのだろう。それでも劣勢なことにはかわりない。
「これで……!」
「ハッ!苦しいねぇ。」
矢筒から取り出した矢をショートボウにつがえて放つ。だがそれは途中で失速し、エドストレームの足元に落下する。それを見たエドストレームはそう言って笑った。
「(苦しい苦しい、まったく演技が苦しいねぇ。私を相手にここまで踊れるレンジャーが、この程度の距離を外さないわけ無いじゃない。)」
風を切り飛び回るエドストレームの刃、その全てを不規則に動かすなど、いくら彼女が卓越した能力を有してるといえど不可能だ。人間は自分に出来ないことをイメージするのが難しい。普通の人間が彼女と同じような戦法を使えば、真っ直ぐ剣を突撃させたり回転しながら向かわせたりと、どうしても単調な動きになりがちだ。
連撃を繰り出せるような人間も、まるで見えない手が剣を振るっているかのような動きになる。これなら剣士として特化した修行を積みら両手で剣を振るった方が強い。そこでエドストレームがたどり着いたのが踊りだった。ステップに、手の動きに、身体の動きに、脳内でイメージした剣の軌道をリンクさせる。
頭の中で組んだ即興の楽譜で、複数の角度から相手を切り刻む剣の舞踏を踊る。そんな絶技、他の誰にも真似できない。故に六腕、踊る三日月剣。そんな彼女の攻撃を掻い潜るのは、ルクルットの素早さもあるが目と耳だ。
視界に映る剣の軌道を予測するのは勿論、優れた耳が飛翔する剣の風切り音を捉え、死角からの攻撃を致命傷から切り傷程度に和らげている。そんなことが出来るのは己の素早を武器にする
何度か離れた場所から牽制のつもりか矢を放っているが、自分に届かず足元に落ちる。優秀なレンジャーが、得意武器の弓でそのような無様を何度も晒すだろうか。否だ。つまりこれは罠。ルクルット自身の射程の限界を誤認させ、この距離なら届かないと油断したところを狙う為の罠。
「(サキュロントの奴ならハマったかもしれないけど、私には通じない。)」
だが、今は指摘しない。罠を作動させ買ったと思わせた瞬間、それを食い破って勝利する。そうすることで奴の希望ごと粉砕して勝利する。
この戦いは、上で見ている
「(この世界は、多少頭が良かったって生き残れない。)」
頭が良くても、力がなければ持っている押し入られた時にどうしようもない。金勘定であったり.作戦立案であったり、そうした事に長けた頭のいい人間を、金を持ってるだけのそんな人物より遥かにバカそうな奴らから頼まれて殺したのは、一度や二度じゃない。
「(力があるだけでもどうにもならない。)」
たとえ力があったとしても
「(だが私は今目の前のコイツよりも強く、賢い!負ける通りなんて……)」
八本全ての三日月剣を飛翔させる。そうすればルクルットは弓を構える。計算通りだ。防御を捨てたと見て、逆に状況を打開する一手を切ってくると。
「(ありはしない!)」
先ほどとは違う、こちらの眉間を狙った矢。それに対応するように、彼女の腰裏の二振りの小刀が飛翔する。
金属と金属がぶつかり合う音が響き、矢が宙を舞う。
「これで……」
「武技……」
「なっ!?」
「《加速》!!」
「ここでか!?」
終わりだと思った瞬間、ルクルットはその手の弓を捨て
肩や腕から熱さを感じる。自身の敏健を上げる武技で強引に潜り抜けた結果、複数の三日月剣からの斬撃を受けることになった。エドストレームの操作技術は高い。傷は決して浅くないわけじゃない。
「(やっぱ、強いんだな。)」
本来の自分なら届かないレベルで、それを全身の痛みが感じさせる。クレマンティーヌとの特訓がなければとうに十回は殺されていただろう。
「(けど、やっぱ足りねぇ)」
チームの中で実力の無さを一番実感しているのは多分自分だと、ルクルットは思う。今回、二重の罠として利用した弓矢は、いつもチームの牽制役として先鋒を務めてきたルクルットの自慢だ。
だが、トランスチームガンを見てその誇りはない砕け散った。射撃だけじゃなく逃走にも使えて、己をより強い怪人の姿へと変貌させることもできる。科学の生み出した叡智の結晶に比べれば、ルクルットの弓などおもちゃ遊びに等しいだろう。
それに加えて仮面ライダーに変身すれば、探知能力の上がるフォームなども存在する。ルクルットの目と耳に頼らずとも、昔と変わらない探索が出来なくもない。
ダインの様に、治癒ができる訳ではない。ペテルの様に真正面から戦うのは得意じゃない。2人に負けずニニャに追いつける、新たな武器が欲しかった。
『その手の気持ちが理解できない訳じゃないからね。』
そう語ったクレマンティーヌは、彼女の最大の武器たる"足"をルクルットに教えることにした。
スカウト職である以上、全く適性が無いわけではなく、クレマンティーヌの持つ武技、流水加速の下位互換ともいえる加速の武技を会得するに至った。
「(まだまだ足りねぇ、こんなじゃアイツに追いつけねぇ。)」
仮面ライダーは100mを数秒で駆け抜ける健脚の持ち主だ。その領域にルクルットはまだまだ至っていない。だが、それでも見据えて、追いつきたい.,
「この場を切り抜けるには十分だ!」
「舐めるなァッ!」
エドストレームが吠え、矢を弾いた小刀が飛来する。だが
「(動きが単調!狙いを崩され焦った……いや、そもそもそいつを使いなれてないな!!)」
先ほどエドストレームも内心で褒めたルクルットの目は、その小刀の軌道を捉えていた。先ほどの様な踊りと合わせて綿密に作られたパターンではない。殴られる時に咄嗟に手で顔を覆う様な、相手の攻撃に反応しての、咄嗟の迎撃。
そもそも、八本同時操作すら彼女の卓越した脳と練られた動きのなせる技なのだ。それがさらに二つ増えるとなれば、消費する魔力は大きくなり一本一本に割く思考力も当然減る。もし彼女が冷静であれば、八本の三日月剣を捨て、小刀の操作に集中、ルクルットを切り刻むと言う選択肢も取れただろう。
だが、格下と考えていた相手に、勝ったと思った瞬間出し抜かれたことが彼女から冷静さを奪った。とはいえ
「(この程度のスピードなら迎撃が間に合う、切り刻んで終わりよ!)」
自在に飛び回る剣を避け切るには、まだ速さが足りない。腐ってもアダマンタイト級と称されてきた相手だ。そこに届くには、ルクルットは僅かに遅い。
「だから、足りない分は……」
そこでルクルットが前進し、片手でショートソードを抜きながら振るのは、オレンジのフルボトル。
「補って、加速ッ!!」
「なぁっ!?」
タカフルボトル。屋内でナイトローグを相手にするにはホークガトリングは不利だと候補に挙げられたそのボトルはただ一瞬、この一瞬だけ、ルクルットの背に翼に似たオーラを広げ、勝機を掴む速度を与えた。
「(今、俺にアイツらみたいな誇れる一芸なんてありはしない。けどニニャよぅ、そうな俺でも、他の奴らと気持ちは一緒だ。)」
誰かに誇れる自分でありたい。仮面ライダーの仲間として、ニニャのパーティーメンバーとして、だから
「俺は、全部を使って取りに行く!」
培ってきた
「はぁあああああっ!」
「がっ!?」
振るわれたショートソードが、エドストレームの胸を切り裂く。
「ありえ……ない……」
「あぁ、夢見たいだよ。本当にな。」
鮮血を吹き出しながらそう言い倒れるエドストレームに、ルクルットはそう答える。自分もほんの少し前までそう思っていた。世界は無慈悲だ。弱者は強者に踏み潰される運命にある
自分が今生きてるのも成長できているのも、奇跡の積み重ねだ。いつかこの奇跡が終わり、1人置いていかれるのではないかと、恐れずにはいられない夢物語
「だけどどこまで行っても現実だ。だったら、そのさきにある夢を見据えてもがき続けてやるさ。」
そうした先に、夢見て仲間と語り合った未来があると信じて、パーティーメンバー最弱を自称する青年は、そう言ってまず掴み取った、ヒーローとしての第一歩を噛み締めるのだった。
スタークはどうする?※注意!このアンケートの結果でストーリーが分岐します 分岐によっては取り返しのつかない結末に至るのでご注意くだ
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ニニャとンフィーレアだけを確実に逃す
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一か八か、全員を逃す