アインズ様が「エボルトォオオオオ!」と叫ぶ話   作:月光舞詐称者姫

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 お気に入り登録が過去1番の勢いで増えていく、みんなエボルト好きすぎない?俺もだよ。

 一回作成途中のものを誤爆してしまい申し訳ありませんでした。以後気をつけさせていただきます


サイエンスの無い世界

「はぁああああっ!」

「ふんっ!」

 

 槍を片手に、1人の中性的なあどけない顔立ちの青年が、盾と剣を持った男と互いの武器をぶつけ合う。2人の名前はニニャとペテル。漆黒の剣という冒険者チームのメンバーだ。特にニニャは異能(タレント)と呼ばれる特別な力を持ち、"術師(スペルキャスター)"という異名を持つ、都市の有望な成長株としてちょっとした有名人でもある。

 

 神話の英雄である"暗黒騎士"が振るっていたとされる四つの暗黒剣、漆黒の剣シリーズを集めるという夢の元に集まった仲間たちである彼らがなぜ戦ってるのかと言えば

 

「そうだ、盾相手に怯えるな!リーチの差を活かして隙を作れ!」

「はい、()()()()さん!」

 

 そこで腕を組み、2人の組み手を眺める血のような赤いアーマーにコブラの意匠をあしらった男、ブラッドスタークこと、エボルトが原因に他ならない。

 何故彼が完全体としての姿ではなく、このような格好をしているのか、何故漆黒の剣にトレーニングをつけているのか、それを遡れば、かなり長い話になってくる。

 

 

「ハッハッハッハッ!いいねぇ、青々とした空!広がる緑!澄んだ空気!これこそ滅ぼしがいのある世界ってもんだ!」

 

 最初こそ、エボルトは転移後に広がる世界にテンションが上がっていた。

 有毒なスモッグが広がっていない空からは燦々と太陽が照りつけて、汚染物質なんて存在しない栄養満点の土壌には日光を受けて成長した植物が生い茂っている。

 空気もうまい。地球外生命体であるエボルトにはなんの影響もないが、汚染されきってマスクがなければ外出もままならない向こうの空気とは大違いだ。

 あとは成長した仮面ライダーが自分を阻みにくれば何も言うことがない。その時こそ幾つもの星を滅ぼして得たこの力を見せつけて……そこまで考えた時に、気付いたのだ。

 

「ん?あら?なんで俺は石動惣一の姿になってるんだ?」

 

 そう、今になって、自分の姿が地球外生命体としての真の力を取り戻した、言わば完全体としての姿ではなく、かつて力を取り戻すために乗り移っていた地球人、石動惣一の姿である事にようやく気付いたのだ

 

「おいおいおいおい、 どうなってる?エボルドライバーはどこ行った!?」

 

 慌てて辺りを見回すが、自分が仮面ライダー、そしてその先の姿である完全体に変身するためのキーとも言えるエボルドライバーはどこにも無い。

 辺りを見回しても、ポケットを弄っても、久々に人間体になったせいで間違えて飲み込んじゃったのかなと、念じながら腹に力を込めてもエボルドライバーは現れなかった。

 必死こいて周囲を探し回った結果見つかったのは

 

「ボトル6本にビルドドライバー、それからコイツ……だけかよ……」

 

 トランスチームガン。かつて力を取り戻すためにあれこれ暗躍していた時利用していた懐かしの変身アイテムに、エボルトはがっくりと項垂れる。

 

「またスタークからやり直しかよぉ……」

 

 かつて仮面ライダービルドに敗れた後復活した時も、このトランスチームガンを利用して変身する姿、ブラッドスタークの姿で初めは復活していた。300年もの月日を経て力を蓄えた今の自分であれば、ブラッドスタークへの変身でもそれ相応のパワーが出せる。

 だが完全体に程遠い事は間違いない。またエボルドライバーを取り戻すためにあれこれしないとなると考えるだけで気が滅入る。

 

「まぁ起きちまったことはしょうがない……か。精々、俺に手が届く程度には強くなれそうな奴でも探すかねぇ。」

 

 ため息をついたエボルトは、散らばっていたアイテムをしまい、歩き出す。この世界を、まずはじっくりと見てみようと、エボルドライバーを取り戻すまで自分のモチベーションを保つための言い訳を探しながら。

 

 

「思えば、なかなかいい拾い物をしたもんだ。」

 

 そんなエボルトが漆黒の剣の面々と出会う事になったのは、ほんの偶然だった。

 その時彼らは馬車に積んだ荷物を背に、汚れた武器と鎧姿の男達と戦っていた.後で聞いた話によると、商人の荷物を護衛する依頼を受けていたのだが、そこを盗賊に襲われたらしい。

 目の前に広がるのは、かつて自分が訪れた300年前の地球と比べてももう600年は昔だろうと言うあまりにも"古すぎる"光景。だがなによりもエボルトが目を引いたのは、ニニャが放った光で出来た矢だった。

 これも後で聞いた話だが、これは魔法の矢(マジック・アロー)という第一位界の魔法らしい。

 魔法、そう。自分のような地球外生命体が放つエネルギー弾に比べれば威力は大した事はない。だが人間が持つ全く新しい技術体系にエボルトは興奮した。それがこの世界にはまだ存在しないであろう多種多様な科学技術や機械より遥かに優れているとは思わないが、その代用になるかもしれない。

 もしかしたら、フルボトルやライダーシステムが面白い進化を遂げるかもしれない。仄かな期待と共に、彼はトランスチームガンを利用してブラッドスタークとなり、彼らの戦いに乱入したのだ.

 

 

「よう、お疲れさん。」

「は、はい……スタークさん。」

 

 時は戻って現在、休憩中のニニャにスタークことエボルトは話しかけに行く。

 

「お前も頑張るねぇ。今の今までやってこなかったんだろう?武器使った近接なんてよ。」

「はい……でも、もっと強くならないといけないですから。これも使いこなせるようにならないと……」

 

 そう言いながらニニャはその手の槍を見る。刃とは反対側、石突と呼ばれる部分に青い宝玉が嵌められたそれは、魔法の杖と槍、両方の特性を持つ武器らしい。

 ニニャの魔法をブーストするだけでなく、魔力を力に変換し、突きの一撃を放つ『魔槍』という武技と呼ばれる技を放つことが出来るらしい。エボルトがのした山賊が売ろうとしていた品物だ。おおかた、どこかの商家から隙をついて奪ったのだが換金先に困っていたのだろう。

 武技と言われてもピンとこなかったエボルトは、俺たち(仮面ライダー)でいう必殺技のようなものと勝手に解釈している。

 

「そんなに強くなりたいか。」

「はい……強くなって……いつか……いえ、なんでもありません。」

 

 一瞬思い詰めたような表情をしてからとりつくろうニニャの姿に、エボルトはため息をつく。

 

「知ってるよ。お前の姉のことだろ?」

「な、なんでそれを!?」

「寝言だ。お前、しょっちゅう涙流しながら姉さん姉さん言ってるんだぞ?自覚なかったのか?」

 

 そう言えば顔を赤らめてプルプル震えるニニャの肩を叩き、エボルトは言う。

 

「それに聞いたぞ?貴族嫌いで有名なんだってな。」

 

 そんな話が来れば、彼女の出自についておおまかな察しがつく。

 

「姉さんは……地元の貴族に妾として連れて行かれたんです。」

「妾……ね。」

 

 この世界の治安は、エボルトが元いた地球に比べて遥かに悪い。戦争の影響で治安が悪化し、多くの死人が出たかつての世界の方がまだマシだと言いたくなるくらいには、だ。

 十分な食べ物が得られるかは天候に左右され、空調なんてものがないから冬場の寝床は酷く冷える。何より貴族だ。被支配者層が飢えれば飢えるほど、縛り上げた富で豊かになっていく。

 

「いつの時代も、人は変わらないってことか……」

「スタークさん?」

「気にすんな、独り言だよ。」

 

 世の中が発展し万人が便利になれば、人は考える事を放棄していく。だが化学のない今の世界でも、一部の便利さを金で買える人間は自分の欲を満たすことしか考えていない。

 この世界に戦争はない。だが多くの人が苦しんでいる。そう言う人の愚かな部分を眺めて、嘲笑い、好んでさえいた筈なのに、あんな世界を見てしまうと、人は愚かなだけじゃないと吠え、足掻き、戦っていた戦兎(宿敵)達が、その愚かさに負けてしまったように感じて、どうも虚しくて仕方がない。

 

「ま、その為にはまずはもっと肉を付けないとな。」

「ちょ、ちょっと、やめてくださいよ!スタークさぁん!」

 

 そんな感傷を誤魔化すようにバシバシとニニャの背中を叩くのだった。

 

「(ハザードレベル2.3……ってところか。やっぱ難しいな。)」

 

 彼女の背に触れる感覚を試し、マスクの下で笑みを浮かべながら。

 

 

「あ〜やれやれだ、冒険者生活ってのも楽じゃないねぇ。」

 

 借りている宿のベッドで、変身を解除してエボルトはごろりと寝転んだ。

 

「しかし、本当に思わぬ拾い物になったもんだ。」

 

 ニニャとの出会いは本当に偶然だった。助けてもらったお礼にと握手を求められ快く応じたところ、自身のハザードレベルを測る能力が偶然、ニニャの他より高い適性を見出したのだ.

 ペテル達は残念ながら2.0止まりだろう。このトランスチームガンを利用したネビュラガスと呼ばれる物質を注入したところで、スマッシュと呼ばれる怪人になり、理性を失って暴れ出すのがオチだ。

 だがニニャは違う。もし仮に彼女がハザードレベル3.0を越えるのなら、手元のこのアイテム、ビルドドライバーを使って仮面ライダーに変身することができるそこから更に成長すれば……

 

「その為にはやっぱ壁がいるな……どうするか……」

 

 だが、今のニニャのハザードレベルの上がり方は芳しくない。強くなりたいと言う渇望や、姉を取り戻したいと言う感情以上に、貴族が憎いという憎悪が巣食っているのだ。

 負の感情ではハザードレベルは変わらない。誰かを守りたい、助けたいと言ったプラスの感情でなくてはならないのだ。それを与えるにはどうすればいいか……

 

「やっぱ、俺の相手をするヒーローが居てくれないとなぁ。」

 

 待ちに待った上、一度お預けを食らったメインディッシュだ。滅ぼすならやはり、宿敵との決着をつけてからにしたい。その為には

 

「期待してるぜ、ニニャ……」

 

 エボルトは隣の部屋で寝ているであろう、このチーム唯一の少女に、密かにそんな思いを馳せるのだった。




キャラクター解説

エボルト

数多の星を滅ぼしてきた星狩りの宇宙人、ブラッド族の末裔
火星を滅ぼそうとした際に火星の女王、ベルナージュの死力を尽くした一撃で相打ちになってしまい、滅びた火星から抜け出せずに居たところ、火災にやってきた宇宙飛行士、石動惣一に寄生して地球で力を取り戻す為に暗躍した

 最終的に仮面ライダーに敗北し、また復活するが、その後仮面ライダーを倒す為にと力を蓄えている内に300年もの月日が経ってしまい、
 もう滅びかけてる地球を前にして燃え尽き症候群に。荒廃して周囲に誰も居なくなったカフェnascitaの跡地で思い出のアイテムをいじいじしながら過ごしていたら、電脳世界への転移現象に反応した白いパンドラパネルに誘われてオーバーロードの世界に

 現在はやっぱりもう一度仮面ライダーと戦いたいので仮面ライダー育成計画中。

エボルト
「ニニャちゃ〜ん、おじさん期待してるよ?」

ニニャ
「なんだか寒気が……」

 次回はいよいよ桃と鍋が登場します。お楽しみに

この中で一番好きなキャラは誰ですか?一位のキャラには見せ場を用意、最下位には酷い目にあってもらいます

  • アルベド
  • シャルティア
  • コキュートス
  • アウラ
  • マーレ
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