アインズ様が「エボルトォオオオオ!」と叫ぶ話 作:月光舞詐称者姫
エボルト「気分はおやっさん枠にして仮面ライダーの大先輩、鳴海さんちのS吉さん」
「はぁっ!やぁっ!」
「アッハハハハ!素人丸出しの蹴りじゃん!いくらパワーがあってもそれじゃあさぁ!」
自在に動き回るクレマンティーヌの突きを、スピード自慢のラビットボディの反応速度でガードする。だがそこまでだ。そこから先が続かない。
ひらりひらりと、武技も使っていない相手に攻撃を避けられ続けている。
「(攻撃が当たらない……いや、そもそも……!)」
変身したところで、彼女は魔法詠唱者。多少槍の扱いを覚えてきただけで、徒手空拳の扱いなんて知らないのだ。力に任せて手足を振り回しているだけ。読みやすいし隙も多い、生体装甲という仮面ライダー特有の防御力がなければ、既に500は殺されているだろう。
それがないのは、クレマンティーヌの攻撃力の低さに助けられているに他ならない。
「(チッ、空気穴も無いのかよ……どうなってやがる。)」
一方のクレマンティーヌもそれがわかっているからこそ、無闇にスティレットを突き刺していないのだ。仮面ライダーは全身が装甲に覆われており、いくらスティレットを突き出しても手応えがない。関節や装甲の隙間と思わしき場所を狙っても、肉体まで武器が届かないのだ。
ならばベルトのボトルを取ってやろうと自慢のスピードで迫れば、それこそ反応速度で防がれる。パワーは相手の方が格段に上、揉み合いでベルトを外しに行くのはいくら英雄級の実力を持つクレマンティーヌでも自殺行為だ。
「(あの様子じやモーニングスターも効かなさそうだよねぇ。なーんかないかなぁ。)」
一応そう言う重装甲を相手にするための武器もあるのだが目の前のナニカに通用するかと言われればNOだろう。そう考えていると
「クレマンティーヌ!」
ガジットが、ローブの懐から何かを取り出して投げる。受け取ってみれば、
「これって……」
「なっ!?フルボトルだと!?」
スタークが驚きの声を上げた.
「この墓地で最近転がっているのを見かけたのだ。見たこともない形状だからと持ち帰ってみたが、そこの奴のように振って使うのだろう?やってみろ。」
「へぇ、じゃあ早速……」
クレマンティーヌがボトルを振れば、軽快な音と力が溜まっていく感覚がクレマンティーヌを包む。
「確かにこれなら……」
「なっ!?速……」
直後、クレマンティーヌが一気にビルドの元まで加速する。ラビットボディの反応速度でも防御を構えるのが精一杯だ。直後、クレマンティーヌの拳の連打が飛ぶ。
生身の人間の拳など今のニニャにはまるで通用しない……はずだが
「うわあぁああああ!?」
「ニニャ!?そのフルボトル、ガトリングか……!」
一発一発ごとに加速する拳の連打が、ビルドにダメージを与えた。先ほど一瞬見えた色、拳がぶつかる瞬間に響いた装甲に弾丸が当たるような音から考えて、まず間違いなく今のクレマンティーヌが持っているのはガトリングフルボトル。あの一撃はまさしくガトリングの乱射のようだっただろう。
「へぇ〜いいねぇこれ。」
手元でフルボトルを弄び、クレマンティーヌは笑みを浮かべスタークの方を見る
「アンタの考えは、こいつのアーマーの突破手段を持たないアタシを、こいつの当て馬にして経験値を稼がせることなんだろうけど……ざぁんねぇん、手に入れちゃったねぇ、ダメージを与えるしゅ・だ・ん♪」
「(しまったな……自分で英雄の領域に届いたって言ってるだけはある。)」
敵なので念のため、本当にあくまでついでの感覚で測った彼女のネビュラガスへの適性は……高い。さらに言えば肉体のスペックが、戦士であるクレマンティーヌと魔法詠唱者のニニャでは隔絶した差が存在している
ハザードレベル3.2の目覚めたての仮面ライダーくらいならば、生身でもフルボトルを手にすればニニャにダメージは与えられる。何より
「(ずっとコイツは武技を使っていない。ビルドの装甲を抜けるかどうか試すだけでも、攻撃系の武技を使う価値はあるだろう。となるとそもそも持ってない。つまり)」
クレマンティーヌはニニャが使う
「ニニャ、フォームを切り替えろ!」
「えっ!?でもあれは……」
「いいから使え!それで勝算が出来る!」
「わ、分かりました!」
スタークの指示に、ニニャはボトルを取り出して振る。
「させる訳……」
「無いってのは、こっちのセリフだな!」
迫るクレマンティーヌ。しかしそこに迫るスティングヴァイパー。
「"流水加速"」
だが、突如クレマンティーヌが加速する。スティングヴァイパーを飛び越え、ボトルを振るビルドの手を狙って迫るが……
「なっ!?」
「危ねぇ危ねぇ。今のがアンタの武技か。ようやく見れたよ。」
「テメェもかよッ!」
エボルトの高速移動能力によってスチームブレードでクレマンティーヌのスティレットを受け止める。その隙に
ベルトのボトルを入れ替え。そのままハンドルを回す
生成された色違いのフレームがビルドを挟み込み、新しい姿へと変貌させる
右腕に大きな拳、左目に宝石を模した衣装を持つフォーム、ゴリラモンド。ゴツそうな右腕が示す通り、あからさまなパワー特化フォームだ。
「ゴリラと宝石って、だからそれどう言う組み合わせな訳?」
「さぁな、俺もよく分からん。」
正確にはかつて自分が乗っ取った石動惣一に、まずこの世界の生き物を挙げさせ、次にそれを殺すものを挙げさせた結果だ。それがなぜダイヤモンドなのかと言えば、途中まで戦車だのガトリングだのと挙げていた惣一が反発して彼の娘、石動美空の好きな物を上げていったからだろう。
つまるところ子供の好きなもの詰め合わせ(一部例外を含む)だ、法則性なんてない。
「ふぅん……まぁいいや。ダイヤモンド、ダイヤモンドねぇ……」
明らかに防御力が高そうな名前をしている。つまりアイツが狙っているのは
「一丁前にカウンター決めようってぇの?いいよ、じゃあ試してあげよっか!」
腰元のスティレットを一本抜き、ボトルと同じ手に持って振る。振りながら
クレマンティーヌは呟く。己の最強最速の武技の名を。武器を持たない方の手を地面につき、限界まで体制を低くして身体のバネに力を貯める
身体強化系武技の重ねがけ。その上でフルボトルを振るった手に力を込める。その直後
絶叫と共に、クレマンティーヌはスタートを切る。一直線で、最短距離を、一陣の風の如く駆け抜ける。ニニャはもう、それを対処できるだけの反応速度を失っている。そんなクレマンティーヌが狙うのは
「ダイヤなら炎に弱いよねぇ!」
スティレットにこめられた、
「おいおい」
「あん?」
炎の中から響いてくる、ビルドドライバーの音に阻まれた。
「ゴリラさんを忘れてもらっちゃ困るぜ。」
炎の中から、ゴリラアームによって打ち出されたダイヤモンドが散弾の様に飛来する。
「んなぁっ!?」
咄嗟に後ろに飛んで回避しようとするが、無数のダイヤがクレマンティーヌの身体を打ちつける。
「ぐっ!?がっ!?ごっ!?がぁああああ!?」
手にぶつかったダイヤが鉤爪のような籠手を砕いて獲物を取り落とさせた。それだけじゃない。アーマーにつけていた冒険者たちのプレートも、音を立てて砕け、落ち、剥がれていく。
さらに、そのダイヤはまるで竜巻の様にボロボロになったクレマンティーヌの身体を空中へと持ち上げて、
「ぎゃあぁああああ!?」
そのまま落ちてきたクレマンティーヌの足を、トドメと言わんばかりのゴリラアームによるアッパーでへし折った。砕け散るダイヤモンドの結晶と共に散らされた無数のプレートが、この墓地に、まるで持ち主を鎮魂するかのように散らばることとなった。
「はぁ……はぁ……ぐっ!?」
「おっと、流石にさっきの攻撃はこたえたか。」
膝をついて倒れ込むビルドの体を、スタークは支える。ニニャのハザードレベルはまだまだ低い。先ほどのガトリングで強化された火球の魔法は効いたのだろう。一方で
「随分な有様だな、クレマンティーヌよ。」
ガジットは、ボロボロの彼女をそう嘲笑い、片手に持つ禍々しい紫の球体を掲げる
「え?ガジっちゃん?ちょっと、何してんの……?」
そうすれば、生み出されたスケルトンがその槍を持って、クレマンティーヌに接近していた。
「お前ほどの実力者だ。アンデットとなっても、そこそこの格にはなるだろう。そうすれば、死の儀式の完成に一歩近づく。」
「は、はぁ!?本気で言ってるワケ!?」
「あぁ本気だとも。」
ぎょっと目を見開くクレマンティーヌに、ガジットは歪んだ笑みを浮かべて言う。
「最後に死の宝珠の礎となるがいい、
「ッ!!!」
その言葉を聞いて、ぎゅっと奥歯を噛んだ後、彼女は諦めた様に力を抜いた。
「ちくしょう……」
その言葉に、ニニャは、何かに気付いたのかハッと顔を向けた。今にも槍が振り下ろされんとした時だった。何かが、スケルトンの槍を弾き飛ばしたのだ。
「は?」
その様子に、クレマンティーヌは唖然とした。ガジットは驚いた。スタークは、何が起きたか理解するのに数秒かかった。槍を弾き飛ばしたのは、ビルドの基本武器であり、剣にも銃にもなりフルボトルの力を充填できる万能武器、ドリルクラッシャー。それを投げつけたのはビルドだ。
「お前、どうやって……」
だが、スタークは、その呼び出し方をニニャに教えていない。
「え、えっと……なんとなく?直感的に、出さないとって……」
「フッ………ハッハッハッ!敵を助けるか!面白いねぇ!……っと、来ちまったか。ニニャ、」
「は、はい!」
「使え。」
そう言ってスタークが放り投げたのは、先ほどクレマンティーヌが落としたガトリングフルボトル。
「これって……」
「そいつは確か、タカフルボトルと相性が良かった筈だ、とりあえず使って、そこの爺さんを倒してみろ。」
「え、スタークさんは?」
「俺がアドバイスするのはここまで。ちょいと野暮用を片付けてくるよ。チャオ♪」
そう言うとスタークは去っていく。
「……ここからは、アドバイスなし。」
ニニャは、そのスタークの言葉を胸に、覚悟を決めてもう一度アンデットでクレマンティーヌを殺そうとするガジットに向き直った
「(しまった、完全に出遅れたか?)」
さて、いったんハムスケの登録の為にスタークたちと別れたモモンだったが、訪れたンフィーレアの作業場は争った形跡があり、スタークたちも影も形も見当たらなかった。誘拐されたのかと思い、彼の祖母から依頼を受ける形でンフィーレアを捜索することになった……はいいものの、ンフィーレアの衣服を元に散策の魔法を使うと、衣服は街のはずれに捨てられており空振り。
騒ぎを聞きつけて墓地に来たはいいものの、土地勘のない場所の広い墓地ではどちらに向かえばいいのかわからず、アンデットにハムスケが狙い撃ちされたこともあり進行が遅れてしまっていた。だが、盛大な爆発音---クレマンティーヌの火球の連打であるーーーを聞きつけ、そっちかと慌ててナーベと向かっていたところ
「よう、お二人さん。」
アンデットが一掃された場所で、見知らぬ中年の男が墓石に寄りかかっていた。モモンは、その男の顔立ちを見て思わず止まる
「(……日本人?)」
この中世ヨーロッパ風世界に似つかわしくないアジア系の顔立ちに、この世界にはない機械を使って縫われているであろう、デミウルゴスの来ているスーツの様に現代風の洒落た衣服と帽子。モモンガにとっては300年前の人物、石動惣一である。
「何者だ?その姿は……」
「おっと、この姿じゃ、わかりづれぇよな。」
そう言って、惣一が取り出したものに目を見開く。
「それは……」
スタークが使っていた特徴的な銃、トランスチームガンだった。そこに、一本のフルボトルをセットする
仮面ライダーの使う「変身」とは異なるワードを発してトリガーを引く
銃口から発せられるのは、弾丸ではなく煙、壊れたレコードを再生する様な不気味な音声が響く
煙に包まれた惣一の姿が、中から発せられる赤い光に照らされる。その光が点滅したとき、中年の伊達男の影は、鎧姿へと変化していた
中から火花が散り、煙が張れる。血の様に赤いアーマーに、胸に輝くコブラの模様。
「なっ!?ブラッド……スターク……!?」
「石動惣一、それが俺の本名だ。前回明かしてやれなかっただろ?」
いつもと声が違う。そう言おうとしたとき、スタークが咳払いする。
「今ちょっとあっちは立て込んでてな、邪魔しないでほしいんだよ。」
いつもの声に変化しそう言う姿が、モモンには邪悪な笑みを浮かべているように見えた。
現地の人たちはネビュラガスの代わりにMP的なサムシングを利用してフルボトルを振れば万丈とかみたいにフルボトルの力を利用した一撃が可能です。
とはいえ今ニニャのハザードレベルが低いから通じるのであってハザードレベル4.0とかに達する頃には多分仮面ライダーには通じなくなるしそれと同格の相手にも通じなくなると思います。
今のニニャの状態で現地の英雄級に劣勢(クレマンティーヌには相性勝ち)だったのでプレアデスとかの相手はまだ厳しいです、これからも頑張ってほしいですね。
そしてまたアインズ様をおちょくりに行くスタークさん。次回、アインズ様の地雷の上で盛大にダンスしますお楽しみに!
スタークはどうする?※注意!このアンケートの結果でストーリーが分岐します 分岐によっては取り返しのつかない結末に至るのでご注意くだ
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ニニャとンフィーレアだけを確実に逃す
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一か八か、全員を逃す