アインズ様が「エボルトォオオオオ!」と叫ぶ話   作:月光舞詐称者姫

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前回のあらすじ

エボルト「俺の本名は石動惣一っていうんだ(大嘘)」


第八話 輝くスターは誰

「痛いっ!?痛ただだだだだだだ!?ちょ、助けるならもう少し優しく運んでくんない!?こっちはアンタのおかげであちこち折れてんのよ!」

「そうは言われても……!」

 

 タカフルボトルとガトリングフルボトルを利用したフォーム、ホークガトリングへと変身したニニャは、クレマンティーヌを抱えて逃げ回っていた。

 

「ふふふ……せいぜい逃げ惑うがいい。このスケリトルドラゴンからな!」

 

 ガジットがほくそ笑み、ニニャを追いかけ咆哮を上げる巨大なモンスター、骨と腐肉でできた巨大なドラゴン、魔法を無効化する強大な能力を持ったその怪物、スケリトルドラゴン。しかもそれがガジットの周りに護衛の様に一体、ニニャとクレマンティーヌを追いかけ一体、と言う形だ。

 しかもクレマンティーヌは先ほどの戦いで自分では身動きが取れないほどボロボロなのでニニャに捕まれやられる以上、折れたままの足などが悲鳴をあげている。せめて添木が欲しい。そんな余裕は無かったが。

 

「あれ?スケリトルドラゴンが……」

「あー、あれ以上離したくないんでしょ。制御失っちゃ困るもんね。」

 

 だが、飛び回って逃げるうちに、急にスケリトルドラゴンが追跡を辞めたその場に滞空し、忌々しそうに吠えるだけだだ。それを見て、クレマンティーヌはガジットの持つ死の宝珠の操れる限界点がここだとアタリをつけた。

 

「(まーブラフの可能性もあるけど、十中八九夢中で追いかけてたら限界点が近づいてきて慌てて止めたって感じだよねぇ。)」

 

 ガジットは戦闘に関してそこまで詳しいわけではない、どちらかと言えば目的の為に魔法を研究する魔法詠唱者だ。クレマンティーヌの様に数多の戦場を経験してきたわけではない。それ故に、そんなふうに当たりをつける

 

「ということは、やっぱりあのマジックアイテムが?」

「そうそう、死の宝珠っていうらしいよぉ?」

 

 こっちを殺しにきた相手だ、いまさら仲間もくそもない。それ故に情報をペラペラ喋るクレマンティーヌだが

 

「てかさ、なんでアタシを助けるワケ?さっきは貴方に殺された冒険者の仇を〜!って熱くなっちゃってた癖にさぁ。」

「アハハ……そうですね……」

 

 そんな言葉に、ニニャはマスクの奥で苦笑いする。ボロボロになっても、その挑発的な言動は変わらないらしい、

 

「なんて言うんでしょうかね、僕とクレマンティーヌさんは、少し似てるところがあると思うんです。」

「は?」

 

 その回答に、クレマンティーヌは困惑した

 

「アタシが……アンタに?いや、ないない。アンタみたいなやつのどこと……」

「それはまた後で。」

 

 そう言いながら、ニニャは担いでいたクレマンティーヌを墓地に点在する高い木の広がった枝の上にバランスを取れるようにして寝かせた。

 

「ちょ、ちょっと何してんの!?」

「安心してください。アンデットの大半は門に向かって行ってますし、木を登れません。」

「いや、そう言う問題じゃないんですけど……」

「僕は、あれを倒してきます。」

 

 そう言って、戻っていくスケリトルドラゴンを指差す。

 

「正気?もう武功は十分稼いだでしょ。アタシはこれでも」

「英雄級の、凄い人だっていうのは分かります。でも、スタークさんが、僕なら出来るって言ってくれましたから。」

 

 そう言って、ホークガトリングフォームの専用武器、ベストマッチウェポンであるホークガトリンガーを取り出した。それに、クレマンティーヌはため息をつく。

 

「なにそれ。そいつに言われたからやるってワケ?」

「そう言う訳じゃないですけど……今の僕は、仮面ライダーですから。」

 

 誰かを守る為に、戦わないといけないんですとニニャは言う。

 

「スタークさんは、今の僕なら、仮面ライダーならあの怪物に勝てるって言ってくれました。だったら、僕はそれを信じて、逃げずに立ち向かってみます。」

 

 その言葉に、クレマンティーヌは諦めた様に苦笑した。

 

「はいはい、それじゃ、アタシがアンデットに食われる前には帰ってきてよね。仮面ライダーさん。」

「……はい!」

 

 クレマンティーヌの言葉にそう答え、背中の翼、ソレスタルウィングを広げて飛翔した。

 

 

「スケリトルドラゴン……」

「ほぉ〜あれはそう言う名前なんだな。」

 

 ブラッドスタークの登場。それに困惑を隠せなかったモモンだったが、轟音と共に現れた巨大な屍のドラゴンに気を取られ、思わず名前を呟いた。

 そのスケリトルドラゴンから、オレンジ色の翼を広げて逃げる何かも、戦士化の魔法により高められた目で見える。その戦士が、何かを抱えてるのも。

 

「ハッハッハッ、アイツめ、本当に助ける気か?全く仮面ライダーって奴はいつも俺を驚かせてくれる。」

 

 それを見て、スタークも愉快そうに笑う。

 

「それで……さっきは邪魔をするなど言っていたが、どう言うつもりだ?ブラッド・スターク。」

 

 愉快そうに笑うスタークを前に、一瞬呆気に取られていたモモンだったが、一度状況に脳内で整理をつけ、そうスタークに問いかけた.

 

「さて、どう言うつもりってのはどう言う意味だ?邪魔をするなって話に対する話なのか、今ここに俺が変身してみせたことについてなのかそれとも……」

「両方だ。」

 

 スタークの会話をバッサリ切り落としてそう続ける。この男の会話ペースに乗せられてはまた大事なことをはぐらかされる。そう考えたからだ。

 そんなモモンに、スタークはヒュウ♪と口笛を吹く。

 

「厳しいねえ。けど、答えるのは一つだけだ。前回、話を切り上げた借りはここで返したからな。ここからの質問は、アンタが俺に借りを作る形になる。2つも一気に作っちまうのは、ちょいと借りすぎじゃないか?」

「いいや、二つとも答えてもらうぞ。お前は私に借りがあるからな。」

 

 しかしまだ煙に巻こうとするスターク、それにモモンは食い下がる。

 

「ほぉ~、借りときたか。俺としたことが、お前にそんなことをしちまっていたとはなぁ。ちなみに参考までに、どんな借りだか聞いてもいいか?」

「決まっている。ナーベへの謝罪だ」

 

 そう、あの森での一戦。アウラと自分に対しては攻撃したことの謝罪があったのに、ナーベはおちょくるようなアドバイスをして煽っただけ。スタークであれば、それにナーベがどう思うかは想像がついたはずだ。

 

「あの場で私とアウラには謝罪があったのに、ナーベには何もなかっただろう」

「アウラ?」

「あのダークエルフの子だ」

 

 初見の名前に首をかしげるスタークに、モモンは声を上げる。そんなことも分からないのかと。

 

「あ~、あのおチビちゃんか……ん?ちゃんとアドバイスならしなかったか?」

「だが、謝罪ではないだろう……!」

 

 いちいちわざとらしく首をかしげて時間を稼ぐスタークの姿に、モモンは段々と胸に怒りがこみあげてくるのを感じた。冷静になっても、この様子では本来の目的であるスケリトルドラゴンの対処から、スタークの方に完全に目が行ってしまっているだろう。

 

「ナーベは、お前への態度に一度謝罪をした。お前の方からも、あのようなことがあったのだ、謝罪の一つくらい、あってしかるべきじゃないか?」

 

 続くその言葉に、ふむふむ、とスタークは考えこむ。

 

「どうしても謝罪するのが嫌だというのなら、その分情報を喋ってもらう」

「俺の答えはどちらもNOだな」

「なぜだ!?どちらも道理だろう!!」

 

 ついにモモンの怒りが爆発し、即座に抑制される。だがスタークはやれやれと肩をすくめて

 

「簡単だ」

 

 そういって、ナーベの方を見て言う。

 

「俺は、相手の力量も正しく見切れない阿呆に下げる程、安い頭を持ってないってだけだよ」

「あ゛?」

 

 ブチィッ!とナーベの頭の血管が切れる音がした。スタークはくつくつと笑いながら墓石に寄りかかって言う。

 

「あのおチビちゃんは、少なくとも俺を敵として認識していた。鞭から殺気を感じたからな。アンタも、俺を警戒してたようだが、ちゃんと人と話す気で接していた。だからそれ相応の詫びくらい返すさ。

 けど、口を開けばヤブカカスムシガガンボ、意地張ってるだけかもしれないが、そういう相手に負けてるってんだから、笑えるよなぁ」

 

 そして、ナーベを指さして断言する。

 

「アンタが一番大したことない。実力的な意味じゃないぞ、そんな奴に下げてやるほど、俺の頭は軽くないって話だ。分かったか?」

「あぁ……よく分かった……」

 

 ナーベの態度は確かに目に余る。そして、スタークはそれなりに強い。特にスピードに関しては目を見張るものがある。その手に持つ奇妙な武装も厄介だ。だが、

 

「存外、お前の精神も、大したことがないようだ」

 

 会話の主導権を握り、主役は自分であるかのように振舞う横暴っぷりは、もう我慢ならない。

 

「ほほ~、そう来たか。参考までに理由を聞いても?」

「お前の話を聞けば、確かにナーベに非があるのかもしれない。だが、それでも自分のしでかしたことに頭を下げないのは、お前自身が、子供じみた意地を張っているからだ。」

「なるほどなるほど、確かになぁ。そう考えると俺もナーベちゃんと同類って訳だ!それで?」

「そんなお前だからこそ、同類のナーベに負けるのが一番お似合いだとは、思わないか?」

 

 先ほど石動惣一と名乗った目の前の男は、間違いなくユグドラシルのプレイヤーだとアインズは考察する。あの様な装備はユグドラシルで見たこともなかったが中身は推察できる。ガンナージョブだ。

 サイバーチックな銃器やメカメカしい自動人形(オートマトン)。ユグドラシルでも廃れてきたなと感じる後期のイベントアップデートで追加されたジョブだ。古参メンバーで固められたアインズ・ウール・ゴウン内に該当者がいないのは勿論、当時すでに確立されていた己のスタイルを捨ててまでガンナーに走る古参プレイヤーはおらず、上位プレイヤー名初心者狩りや身内ノリが横行してしまった後期のユグドラシルでは、新規はすぐに辞めて行ってしまう空気感が出来上がっていた.プレアデスにいる自動人形(オートマトン)、シズのレベルがプレアデス内で唯一レベル50を超えていないと言えば、ガンナージョブの厳しさが伝わるだろうか

 故にガンナージョブの最上位職やレベル100プレイヤーというものを、ついぞ彼は拝むことがなかったのだ.だが、そうした古参プレイヤーすら離れ、廃れて行ったユグドラシルで、そのガンナーの道を人知れず開拓して行った変人がいないとも限らない。

 そうであれば、説明がつくのだ。スタークの強さも、石動惣一という名前にも、そして

 

「(NPCだからって舐めるなよ、ナーベは弍式さんの宝物だ……!)」

 

 ナーベの様子を見てNPCだと当たりをつけているからこその、この態度なのだろうと考えるとアインズは怒りを抑えられなかった。無論鎮静されるが、抑えられてもなお、我慢できる物ではなかった。プレイヤーの方がNPCより偉いなんて誰が決めた、アインズ・ウール・ゴウンの面々が残したナザリックのNPC達は彼らの誇りで、忘れ形見だと。そんな存在を馬鹿にされるのがどうしても許せなかった。故に、

 

「ナーベラル・ガンマ!ナザリックが威を示せ!」

「そのお言葉、心待ちにしておりました。」

 

 モモン、いやアインズとして、声を上げる。この目の前のコブラ男を、お前を舐めている相手に、ナザリックがどういうものかを見せてやれと。

 その言葉に、恭しく首を垂れ、嬉々とした表情をスタークに向ける。

 

「こうしよう、お前とナーベでPVN(プレイヤー対NPC)だ。」

「ぴーぶい……なんだって?」

 

 初めて聞く単語なのか、首を傾げるスタークに、そんなことも分からないのかとアインズは内心で嘲笑う。

 やはりこの男はガンナージョブの開拓者なのだろう。だが運営の用意した敵とばかり戦っていて、プレイヤーが用意したNPCの恐ろしさ、それどころか初歩的なオンラインゲームの用語すら分からないズブの素人が、ユグドラシルを知った気になって粋がっているのだと。

 そんな奴が、自分に対して手柄は俺達のものだから引っ込んでいろなど、片腹痛いと。

 正確にはユグドラシルの存在すらスタークは知らないのだが、その話は傍に置いておく。

 

「ナーベが勝てば、お前にはナーベに謝罪をした上で、持っている情報を話してもらうぞ。」

「そういうことか。わかりやすくていいねぇ。」

 

 そう言って、右手にトランスチームライフルを持つ。

 

「ナーベ、ここは任せるぞ。」

 

 そんなスタークから目線を逸らし、ナーベ、否。今までの冒険者風の装束から、白と黒のメイド服の様なアーマーに着替え、右手に杖を持つナーベラルに、そう言って歩いて行く。

 

「あの方の御心のままに、これよりナーベではなく、ナーベラル・ガンマとして対処を開始いたします。」

 

 覚悟してもらいましょうか、と笑みを浮かべるナーベ。それに対してスタークは

 

「なるほど、そういうことなら……」

 

 コブラのボトルをトランスチームライフルに装填

 

「ちょいと待ってもらおうか。」

 

〈スチームアタック!コブラ!〉

 

 振り返りながら照準を合わせ()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「なにっ!?」

「アインズ様ッ!!」

 

 咄嗟に転移したナーベラルが、常時張り巡らせている防御の魔法と己の体を盾にして割って入ったおかげで、アインズは無事で済んだ。

 

「ぐあっ!?」

「ナーベっ!?」

 

 だが、光弾が直撃し、大爆発。その中心にいたナーベラルは、大ダメージを受けて戦装束であるメイド服のようなバトルドレスをボロボロにしながら地面を転がることになった。

 

「お前ぇえええ!?なんのつもりだ!?」

「何のつもりって……そりゃお前の足止めだろ。最初に言ったぜ?アイツが戦ってるんだ、邪魔をしないでもらうってな。」

 

 部下に任せて自分は行くなんてつれないことしないでくれよ。とスタークはケロリとした顔で言う。

 

「お前はこれからナーベラルと戦うんだろう!?」

「戦いながらだとお前の足止めをしちゃいけないなんてルールはなかっただろ?」

 

 あくまでけろりとしたスタークの物言いに、アインズは烈火の如く怒った。例えすぐに鎮静されるとしで、抱かずにはいられない。そんなあまりにも身勝手な物言いで、こんな卑怯な真似をしたのかと。

 それから庇ったせいで吹き飛ばされたナーベ。これは一体どう言うことだ。自分たちは、できるだけ揉め事を起こさず、アインズ・ウール・ゴウンの名前を世界に轟かせたかった。なのに、こちらの正体をわざわざ暴きにかかり、あろうことかこちらの目的を妨害して来て、

 こちらを侮り挙げ句の果てにはナザリックの大切な部下を傷つける。こんな理不尽が許されるのか?いいや、許されていいわけがない。

 

三重魔法強化(トリプレットマキシマイズマジック)重力渦(グラビティ・メイル・ストローム)!!」

「おぉっと!」

 

 思わず、姿を変える。漆黒の鎧姿から、豪奢なローブを見にまとった死の支配者へと。そのまま放った重力の球体は、その持ち前のスピードで回避される。

 

「それが、お前の本来の姿ってところか……」

「黙れ!よくも、よくもナーベラルを!」

「おいおい、それは勘違いって奴だ。俺はアンタを攻撃したんだぞ?それを庇ったのはそこのナーベちゃんの自己責任ってもんだろ。」

「彼女の忠義まで馬鹿にするかぁ!」

 

 怒りの感情が抑制されてはそこにスタークが油をぶちまけ、さらに飛んでくる弾丸がアインズから考えさせる時間を奪う。

 

「いやぁ、場合によっては称えてやっても良かったんだけどな。」

「ほざけえぇえええええ!」

「(いいぞ、そうやって俺にどんどん意識を向けろ、アンタの底を見せてくれ。そしてニニャ、俺がここまで体張ってんだ、しっかり成長してくれよ)」

 

 激昂して様々な魔法を乱射するアインズ。その攻撃をスレスレで躱しながら時間を稼ぐエボルトは、そう考えながらニニャの成長に思いを馳せるのだった。

 

 

 さて、時間は少しばかり戻りまだスタークとモモンの会話がまだ穏便だった頃ニニャはガジットの元まで飛翔して戻っていた。

 

「お主……クレマンティーヌはどうした?」

「アンデットの来なさそうな場所に、置いて来ました.」

「そうしてわざわざやられに帰って来たわけか。」

「いいえ。」

 

 嘲笑するようなガジットの言葉に、ニニャはそう言ってホークガトリンガーを構える。

 

「貴方を倒しに来ました。」

「フッ、馬鹿が。」

 

 それにガジットはできましないことを、と嘲笑う様に死の宝珠を片手に嘲笑する。

 

「ならばひれ伏すがいい!このスケリトルドラゴンの力を前になぁ!」

 

 ホークガトリングフォームは遠距離攻撃手段があるが、あまり距離が離れていては射撃の威力が落ちる。クレマンティーヌを抱えながら牽制射撃を放っていた時に学んだことだ。

 

「(つまり、攻撃を掻い潜って反撃する必要がある……!)」

 

 意を決したニニャは、初手にて突撃。弾丸をばら撒きながら接近すれば、鬱陶しそうに一体目のスケリトルドラゴンがその前足を振り下ろしてくる。その横をすり抜ける様にして回避。鼻先にホークガトリンガーを乱射し、噛み付いて来たところを上昇。頭頂部を構成する腐肉と骨にダメージを与える。だが

 

負の光線(レイ・オブ・ネガティブエナジー)

 

 ガジットがそう言って宝珠を掲げれば、崩れ去った部分が再生していく。負のオーラで回復する。それがアンデットの厄介なところだ。だが、先にガジットを狙おうとすればスケリトルドラゴンに阻まれることは想像に難くない。

 

「(もう一度必殺技(ボルテックスフィニッシュ)を……いや、だめだ!)」

 

 ガジットも警戒しているだろう。スケリトルドラゴンを倒し切った後、ガジットまでまとめて一撃で倒せると言うのは楽観がすぎるつまり、必要なのは

 

「二つの必殺技……でも、どうすれば……」

 

 頭を回すニニャ。そこで、ふと気づく。そう言えば……あの時……

 最初にクレマンティーヌを庇った時に投げつけた武器。あれを自分は、どうやって出した?そもそもなんでそんなことを知っている?

 

『』

「ッ!!それなら……」

 

 そんなことを思った時、脳裏で何かが自分に呼びかけた気がした。それが何か、そもそも言葉だったのかすら分からないが

 

「勝利の法則は……決まった!」

 

 自分が勝つための一助となった。それだけは、間違いない。口をついて出て来た言葉をそう発したニニャは、片手をホークガトリンガーの弾倉部分、リボルマガジンに当てて回転させる

 

Ten(10)……!Twenty(20)……!Thirty(30)……!

 

「貴様……何か企んでいるな!?」

 

 鳴り響く機械音声に、ガジットがスケリトルドラゴンに指令を出す。だが、飛翔してその攻撃を避けながら、さらにマガジンを回す

 

Forty(40)! Fifty(50)! Sixty(60)

 

 マガジンが回転するたびに弾丸がチャージされていき、さらにガジットを中心に、数式の刻まれた球体が形成されていく

 

「むっ!?これはっ!?」

 

 さらに、まるで無重力に包まれたかの様に浮遊していくガジットの体。なんらかの魔法かと焦るガジットだったが、考えさせる時間は与えない

 

seventy(70)!! Eighty(80)!! Ninety(90)!!

 

 咄嗟の判断で、ガジットは自分の周囲をスケリトルドラゴンに固めさせる。さらに

 

負の光線(レイ・オブ・ネガティブエナジー)!!」

 

 片手に握る死の宝珠に力を込め、負のエネルギーを凝縮した光線でスケリトルドラゴンを強化して何が来ても盤石にしようと言うのだが

 

One-Hundred!!!

 

Full-Bullet!!

 

 ホークガトリンガーにチャージされた弾丸が、一斉に解き放たれる。

 

「む……ぐうっ!?ぐおぉおおお!?」

 

 その威力に、段々と悲鳴を上げ始めるスケリトルドラゴン。ガジットも在らん限りの力を込めて死の宝珠でエネルギーを注ぎ込むがスケリトルドラゴンの再生が追いつかず……

 

「ぐあぁあああああああ!?」

 

 スケリトルドラゴン諸共、着弾を示す緑の爆発に包まれた。しかし……

 

「ぐっ……ふ、ふふっ、ヒヒヒッ!これさえあれば………!!」

 

 ガジットは無事だった.スケリトルドラゴンの分厚い骨と腐肉が盾になり、そこまで深いダメージを負っていなかったのだ。これならば死の宝珠があればさらに強力なアンデットを呼び込める。そうなった時こそ奴に復讐を……と、狂気に魅入られた意味でアンデットに着地のカバーをさせようと指示を飛ばすが

 

「そうは……させない!」」

 

ラビット! タンク! ベストマッチ!!!〉

 

 それを阻む音が、空中で響いた。

 

鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イェーイ!〉

 

 空中でホークガトリングからラビットタンクへとファームチェンジしたビルド。そのまま、体をまっすぐにしてガジットより速いスピードで落下していく。

 

「貴様、何を……!」

 

 その答えは、そのまま突き破られる地面だった。自滅か?と一瞬訝しむガジットだったが、そこで、もう一つ疑問に思う。ここは墓地だ。穴には事欠かないだろう。だが、果たしてあの様な、仮面ライダー1人がすっぽりと収まる深い穴があっただろうか

 

 

〈Ready?Go!〉

 

 その疑問の返答は、突如として現れた白いグラフの様な標的固定装置にがっしりと挟まれることだった

 

VoltexFinish!イェーイ!〉

 

 さらに、先ほど開いた穴から高く飛び出して来たビルドが、固定装置の滑り台の様になった部分をなぞり、ライダーキックの姿勢で迫ってくる

 

「なぁっ!?」

「はあぁあああああ!!」

 

 慌ててもがこうとするが、もう遅い、そのキックはがっしりと抑えられたガジットの手に持つ死の宝珠へと吸い込まれていき、そのまま直撃した

 

「馬鹿な……5年の年月を費やした準備が……儂の儀式が……大望が……!!」

 

 こんな珍妙な存在に阻まれるのかと、嘆く己の人生が、走馬灯のように過ぎる。

 

「母……上……」

 

 かつて病で若くして死んでしまった、自分の原点を思い出し、悲願の未達を、それに侘びながら、ガジット・デイル・バダンテールは砕け散った死の宝珠と共に爆散した。

 

 

「あっちも、終わった様だな。」

 

 いやぁ疲れたと、スケリトルドラゴンが爆散する様を眺めたスタークはそう言って墓石に寄りかかった。

 

「待て……!こちらの話はまだ終わってないぞ……!」

 

 それに怒り心頭のアインズが追撃の魔法を放とうとするが

 

「いいや、終わりだよ。黒幕は仮面ライダーが倒したからな。」

「仮面……ライダー……だと?」

 

 スタークの言葉から出て来た知らない単語に、スタークはその通り、と指を向ける。

 

「300年前、俺の故郷で活躍した伝説の戦士さ。俺は、そのアイテムの守り手でね。」

 

 ビルドの開発者が聞けばむしろ貴様を倒すためだとキレそうなエボルトの嘘。だが、アインズからしてみれば、300年前という言葉にはちょっと待てと言いたくなる

 

「300年前……だと?お前は、ユグドラシルのプレイヤーじゃないのか?」

「ユグドラシル?プレイヤー?なんの話だ?」

 

 エボルトからしてみれば聞き覚えのない言葉に初めて、素で困惑した様な返答を返す。

 

「まぁとにかく、今日ようやく、その適合者が見つかったって訳だ。しかも、おあつらえ向きな大事件!コイツは、仮面ライダーのデビューには丁度いいってな!」

 

 そして、その思惑通りになった。まんまと足止めされたと歯噛みするアインズだったが、沈静化された感情は、これ以上この姿で居るのは不味いということを冷静に告げていた。

 黒幕が倒れた今、騒動が治るのは時間の問題だ。まだこのアインズ・ウール・ゴウンとしての姿を晒すには早すぎる。こうなった以上、モモンの姿でアンデットの残党狩りに明け暮れた方がいいだろう。

 

「あ、そういや、攫われたンフィーレアの奴だが、拷問されたって話があってな、多分深い傷を負ってるはずだ。アンタの魔法やアイテムなら、治療できるんじゃないか?」

「言われずとも……そのくらいはしよう。だが!」

 

 冒険者モモンとしての姿になりながら、モモンは厳しくスタークに言う。

 

「今日この日の借りは、必ず返すぞ……!ブラッド・スターク!!」

「いっつも思うんだが、アンタの呼び方はちょいとイントネーションが違う気がするんだよなぁ。ま、楽しみにしておくよ。チャオ♪」

 

 敵意の含まれた視線を前に、スタークは笑いながらそう言って姿を消した。




 ブラッドスターク名物不意打ちスチームアタック。そりゃアンタら2人を足止めするって言ってるのにナーベに任せた気になって背中を見せたら狙うよ。

 そしてアインズ様、しもべを馬鹿にされた怒りで大事なことを聞き逃す。スタークの方にもあまり情報が行きませんでしたが、マイクパフォーマンスはスタークの方が上手です

 そして出オチ鍋。純粋に戦わせるかも迷ったんですがもう少し良さげな機会がこのあと待ち受けてるので今は一旦スキップです。それに対してクレマンティーヌさんは生存ルート。あの人は噛めば噛むほど味がするガムみたいなキャラしてると思うの。まぁ極悪人ではあるので悪党に相応しい地獄を味わってはもらう予定です。
 それとシャルティア戦はカットの予定です。モモンさんにも見せ場はあげないといけないからね。ナザリックの内輪揉めはまるまる端折ります。なので次はリザードマンの集落ですね。必ず報いを受けさせたいけどタイミングと場所が悪いのでまだ狙われてるだけなスタークさん。一体どうなっちゃうんでしょうね。こらからもお楽しみにしていただけると嬉しいです
 そろそろコキュートスの見せ場が近づいていますね。

スタークはどうする?※注意!このアンケートの結果でストーリーが分岐します 分岐によっては取り返しのつかない結末に至るのでご注意くだ

  • ニニャとンフィーレアだけを確実に逃す
  • 一か八か、全員を逃す
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