遊びは程々に (リメイク版) 作:凍結中の人
side:優弥
これは…あまりにも多すぎるだろう。
四日前、エミリーを戒めていたらうまく躱され料理を作ることになってしまった。
まぁ別にそれはいいんだ、よくあることだし、いくらふざけたって結局はどうにかなった。
それに振り回されるのは嫌いじゃない、向こうもそれを理解しているのか許容範囲を超えるようなことしない……するときは先に話をしてくる。
でそのための材料が目の前にある荷物なのだが、とんでもない量である。
エミリーに言われるがまま買ったが絶対に一人じゃ食べきれない量だ、一体どうするつもりなんだろうか…いや100%何も考えてねー、俺が処理するしかないのか?
あれから四日おいたのは俺の休みの事と、厨房を借りるためだ。
厨房はここ、マクロスクォーターの食堂を使わせてもらえることになった。
少し入り組んだところに有るため停泊中は外に食べに行ってしまったり、こことは別の売店で買って済ます人が多いためか、頼んだら快く貸してもらえた。
そして昨日のうちに材料も買い込み、下準備も済ませてある。
買い物の時は何回かに分けて買ってきたからこんなに多いとは思わなかった。
冷蔵品は冷蔵庫を空にして詰めたら何とかなった。それを今いっぺんに運んでいるわけだ
エミリーについては人間バージョンで知人だと紹介すると一部立ち入り禁止だが出入りが認められた。ほんとそんなんで警備は大丈夫なんだろうか?……ま、いいか。
「ちょっとー、遅いわよ。あと少しなんだから頑張りなさいよ」
「おいおい…、こんなに荷物を運ばせてるのはどこのどいつだよ。
つか人間バージョンなんだから少しくらい持てばいいのに」
「なに?女性にそんな重いものを持たせるつもり?うわー恥ずかしいと思わないの」
「はぁ、なら急かさないでくれよ」
それで今日こうやってエミリーとクォーターの中を歩いているわけだ。
さて着いたな、従業員は…昨日と同じくおじさん一人だけみたいだ、いつもはもっと多いらしいんだけどな。
「本日は厨房をお貸しいただき、ありがとうございます」
「そのことについては気にしなくていい、見てのとうり暇だからね。
それより後ろの人が…昨日言っていた知人だね。やけにべっぴんさんだ、彼女だったりするのかい」
「い、いえそんなことは「優弥、私はそこのテーブルに座ってるから頼んだわよー」
すいません、少しせっかちなところがあって。とにかく借りさせていただきます」
「気にすんな、待たせたらいけないしな。じゃんじゃん使ってくれ」
作って欲しい言われたものは確か……ラーメンにピザ、カレー……まだまだある。
材料は……ん?不思議なもんが混ざってるな…飲み物はいいとして…お菓子に…金色に光るリンゴに……あ、ここからが材料か。
.............
「う~ん!最高、本当に料理うまいよね。これで特に何かしていたわけじゃないっていうのが信じられない!
どんどん持ってきちゃって」
「確かにうまいな、口きいてやるからここで働かないか?」
そんなになのだろうか?自分では普通に作っているつもりなんだけど。
エミリーの言うとおりどんどん作っていたがくいきれることなど当然あるわけがなく、せっかくなのでおじさんにも食べてもらっている。
それでも追加し続けているのでバイキング状態だ。
「いや、ちょっと。すいません」
「それは残念だ」
さてお次はこれを作らないと…足音?誰か近づいてきているな珍しい、けど少しおかしい。足音が安定していない。誰だ……来た、え!?クロウ・ブルースト!?しかも入ってきて早々倒れとる、何があった。
できれば直接関わりたくなかったけどそうもいかないか、よし諦めた。
とりあえず何か飲み物持って様子見に行くか、エミリーたちからは見えてないみたいだしな。適当にとったが奇跡の天然水?なんか詐欺くさいけどただの水みたいだからまぁいいか。
「あのー、大丈夫ですか?」
「う゛、ぐ」
「とりあえずこれ水ですが、よかったら」
ただの水?を渡すと一口飲み、そのまま猛烈な勢いで飲み干してしまった。
そんなに美味しかったのだろうか?
「ぷはーっ、なんだこれは。随分と美味い水だ」
「それで何だってこんなところで倒れたりしたんです?」
「情けないんだが、空腹で倒れちまったみたいだな」
「え?空腹?」
「砂糖水で済ますのにも限界があったか…しかし金が」
なにこれ?ほんとに主人公?せっかくのキレ顔なのに貧乏キャラか何かなのかよ、なんか残念だ。つか砂糖水っておいおい、無理に決まってるだろ。
「すまん、どうやらここのいい匂いに惹かれてきてしまったみたいだ」
「ええと、なら食べていきませんか?」
「ああ、でも今は金がなくってだな「無料でいいですよ」無料!!ほんとか!」
「はい、この前は迷惑もかけてしまいましたし……何より食べきれない量があるので」
戦闘中に調子を崩されてもたまらないしな。
「あのコーヒーの時のか!思い出したぜ」
「はいあの時は迷惑かけました、その謝罪も含めてどうぞ」
「まじか!そうゆうことならありがたい、いただく」
そう言うと、クロウ・ブルースト……もうクロウでいいか。は料理の方へとすっ飛んでいった。
.............
途中からは俺も加わり料理は無事に食べ尽くした、そのほとんどがエミリーとクロウの腹に収まったが、かなりありえない量を食っていた気がする。
「今回ばかりは本当に助かったぜ……こんなにうまいもん食べたのは何年ぶりだ?借金背負う前にも何回かしかってほどだ。
この恩はいつか必ず返す、何かあったら言ってくれ」
と言って帰った彼の顔は倒れた時とは打って変わり、とても気分がよさそうに見えたので良かったとしよう。買っていたらしいデザートを食べ始めているエミリーも十分に満足してくれたようだしな。
もう午後の七時、もうかれこれ八時間立つが俺はこれから後始末だ。その後でゆっくりと休ませてもらおう。
ん?何か通路の向こうが騒がしくなってきたような。
「すごくうまいもんが食えるんだって?」「そうそう今日は特別らしいよー」「マジかよ」「確かな情報だ」
「そいつは楽しみだな」
もしかして……
「なぁ、兄ちゃん。今回の礼がしたいって言ってたよな、手伝うからよ頼めないか?」
おじさん…、俺の休みが~
飲んだだけで状態異常を治せるが出来る水、本当に水か怪しいものです。
奇跡の天然水って明らかに胡散臭いですよね。