遊びは程々に (リメイク版) 作:凍結中の人
side:優弥
そこらじゅうで爆発が起こり、あるものは怪力にて吹っ飛ばされ、またある者は切り裂かれている。
電撃や衝撃波が飛ぶも、それをかいくぐって格闘戦を始める者もいる。
そしてよくわからんが糸?明らかな年齢差なのに…おばあさん、えげつねぇな。
距離を取ろうとしても狙撃、反対側の森から…それに撃ち漏らしゼロとかまじかー。
他にも次々と参戦していき、もともとあった数の差なんてないようなものとかしていく。
うっげほっげほ、呆然としていて飲み込み忘れていた唾で、むせた…あれはハンドガン?ハンドガンで飛んでる輸送機を撃墜できたっけ?
「信じられるかエミリー?これ全部、生身の人間がやってるんだぜ」
「いつからこの世界は格ゲーの世界になったのかしら…」
「同じ人間とは思えないな…」
「私は人間じゃないからあんなことは無理ね…そうよ同じ人間なんだから優弥も混じってきなさいよ、流派東方不敗の技ができるんだから行けんじゃない?」
「いや、それは機体に乗ってる時だけだから…つか人間じゃないから無理ってなんだよ。普通逆じゃ…」
双眼鏡の向こうを見ながらそんなことを話す。
ZEXISを追跡してこの場所に来た俺たちは今、現場近くの森に隠れながら介入するタイミングを伺っていた。
機体は傍にしゃがませている、こういう時に隠しやすいのも小型機の利点だ。
「あっ優弥、状況が動いたわよ」
ZEXISのメンバーに(生身で)ボコボコにされてた奴らが撤退し、そこかしこにロボットの軍勢が出てきた。
やっと地球人(仮)を相手に生身では勝ち目がないとわかったのだろう…ん?何か違和感が、変なことでも思ったか?
「機体が出てきたな、俺らもそろそろ乗っておいたほうがいいんじゃないか?」
「待って、今いいところ!」
いいところって…ゴットマーズの合体シーンか!これは確かに見ていたいかも、おぉ~スゲー。
そういえばさっきまではそこで戦っていたZEXISメンバーはいなくなっている、機体での出撃準備に行ったんだろうな。
「やっぱり実際に見ると迫力が違うな」
「戦闘に入ったようだし、もうすぐZEXISの本隊も来そうね。じゃ、乗りましょうか」
今回はあの掛け声は無しだ、近くに機体があるからやっても意味ないし大声を出すわけにもいかないからだ。
恥ずかしい思いはしたくないから、これからも今回のみたいにできないような状況を作るようにしよう。
「よし、いいな…とりあえず静かに機体を起こすぞ」
「ちょっと待って!」
「今度はなんだよ」
「なにか近づいてくる……ほらあっち」
「あれはなんだ、像?」
「あれはっタロス像!ならもしかして…」
エミリーが何か考え込んでいるけど、あの像がどうかしたのだろうか?
タロス像とか言ってたけど、聞いたことがあるような~ないような、思い出せないな。
「なぁ、それって何に出てくる敵なんだ?」
「ええと、マジンガーZだったことは覚えてるんだけど…どのマジンガーZ作品だったか思い出せないの!
ああもう、モヤモヤするわ~」
まさに、うが~という感じのエミリー。わかる、確かに出かかっているのに思い出せないとそうなるよな。
「そんな考えててもしょうがないだろ…それよりもほら、その像の向こうにいるのあしゅら男爵じゃないか?」
「えっ嘘、本物!?でも離れすぎててよく見えないわね…」
『ジジーズー…マーグとやら、よくぞ地球にいらした』
ん?どうやら広域通信を拾ったようだ。この二つの声が重なって聞こえる独特な声はあしゅら男爵のだな。
「やっぱり、声優さんとそっくりな声なのね」
「…確かに聞き覚えがあるな」
『就任の祝いとして我が主、Dr・ヘルより援軍を送らせていただこう』
『余計な事をしてくれる』
「ゴットマーズの兄の方、マーグね。これは向こうの戦艦かしら?」
「…よく声だけで誰かわかるな」
「ま、まぁね。結構好きなキャラでもあったし」(でゅふふふふ…)
「顔が気持ち悪いことになってんぞ」
「!」
『…はり、ギシン星人はDr・ヘルと手を組んだのか!』
この声はゴットマーズの操縦者、明神・タケルか?、この世界は同じ声の人が何人かいるから怖いんだよなぁ。
ギシン星人ということは、ギシン星もこの世界にもあるんだ。
そしてあしゅら男爵がいるなら、その親玉Dr・ヘルもいると……正義の味方が多い世界は敵も多い、正義陣営が手を組むならゴットマーズの敵とマジンガーZの敵が手を組んでもおかしいことはないな。
「来たわね、ZEXIS!」
「どうする出るか?」
『ーズ、これを見ろ!』
「焦んないでよ…!あれは、人!?」
エミリーの目線の先に目を向けると、マーグが乗っていると思しき戦艦から女性が吊らされていた。
「優弥!どうにかできる?!」
「無理だ!ここじゃ場所が悪すぎる!」
まずいなあれは、このままだと下手に手を出すことができない。
目の前の欝イベントに何もできないとは…情けない、だが状況が進退窮まったときは突貫してやる。
それまではスパロボのご都合主義を信じよう。
「マジな状況になったら派手なことをするぞ!それまではご都合主義を信じて待つしかない」
「そうね…」
何かしら会話でもしているのか状況に変化はない、通信を全て拾えたら良いのだがこの機体に積んである傍受装置はこの位置ではうまく機能してくれない。
『…決めろマーズ!我等と共に行くか、母の命か!』
あの吊るされている女性はマーズの母親か、あんなに急いで基地を離れるわけだ。
人質を取られてしまったのだから、もしかして生身で戦っていたのもそのせいか?
「優弥!何か来るわよ!」
「何かってなんだ…うわっでかいガンダム!?」
「知らないの!?あれはガンダムじゃないわ、スーパーロボットのバルディオスよ」
「消えたっと思ったら出た!?」
「バルディオスは亜空間を通ってワープできるのよ」
「すごい、一瞬で人質を救出した。ワープもだが、あの大きさで…でも」
でも敵の真ん中で一人、そして助けた女性がいるため戦うことは難しい、俺がここから出て行って間に合うか?
「エミリー備えろ、急発進する!」
「いえ、その必要はないみたいよ」
「え?」
赤い機体がバルディオスの前に出てそのカバーをする。
「二機で来ていたみたいね、あの赤い方はゴットシグマ」
「随分とあっさり解決したな……これがご都合主義」
「それは確かにね」
出番がなかったことを喜ぶべきなんだけど、この展開には呆れを感じる。
エミリーの方が優弥よりもいろいろ詳しいです。
エミリー:オタク L5
優弥:オタク L2
みたいな感じ。