遊びは程々に (リメイク版) 作:凍結中の人
side:フリー
優弥たちは気を落としながらも、万全の注意をしてアザディスタン王国の秘密基地に帰ってきていた。
「もう大丈夫みたいね」(相変わらず、立ち直りは早いのね)
「あぁ、やることも思いついたしな。ちょっとこもるから、あいつらのことは頼んだ」
「それなら問題ないわ、今の優弥の顔見て察せないほど子供じゃないのよ」
秘密基地の子供たちは帰ってきた優弥たちの様子を見ると、すぐにいない時と同じような生活に戻っていた。
「じゃ、私も少し休んでいるから。…ほどほどにね」
その場からエミリーが離れると、優弥は一人、作業を開始するのであった。
.............
side:優弥
ふふふ…はははハハ…アーハッハッハッ!できた、できたぞ、これがあればもう何も怖くない。
カミナのことでは、俺に油断があった。
この自分が好きなモノだらけの世界に来て、舞い上がっていたことを認めよう。
そして俺は考えた、今回のような失敗を二度と犯さないためには何が必要なのか。そう、それは情報だ。
今までは必要なものを自分から調べたりしてたけれど、一人では限界がある…というか全部の情報を網羅している余裕なんかない。
そこで俺が作ったのがこれ、情報収集集積整理装置ヴェーダ!…はモノホンがここにあるから…えーと、ムーンセル!はなんか違うし…面倒だからメティスでいいか、うん。
このメティスのすごいところはなんといっても大きさ、なんとびっくりポケットに入っちゃう。見た目はまんまスマホだ。そんなサイズならできることもたかが知れてるって?ハハハ、甘く見ないでもらいたい。なんとこれ一つで世界中の軍隊の動きが丸分かり、地図上にその所在予想地を自動で表示してしまう優れものだ。
これさえあれば、今回のように予期せぬ会敵をほとんどなくすことができる。
さて、どうしようかな。もう深夜一時、本当なら寝ないといけないが…なんか全然!眠くないっ。
何か、やること…ん、待てよ。これからアレとか、アレとか他にもアレとか必要になるんじゃないか?
でも自重はしないといけないし…いや、必要になった時になかったなんてなる方がヤバイな。よし、やるか。
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side:フリー
朝の七時過ぎ、ふと目がさめたエミリーは優弥の部屋に向かっていた。
「優弥~いる~」
人間形態のエミリーがドアをノックするが何も反応がない。
「あれ…もしかして、まだ何かやってんのかしら」
部屋に優弥がいないことを確認すると、作業場の方へと向かう。すると何人かの声が聞こえてきた、その中には優弥の声も混ざっている。
「あれ取って、ああ違う違う。それだよ」
「はいっ」
「ちょっとこれ抑えてて」
だいたい何が起きているのかはわかっていたが、急いでその場に向かうエミリー。
作業場のドアを開けるとそこには、子供らに手伝ってもらいながら何かの機械を作っている優弥がいた。
「ちょっと、なにや「おお、ちょうどいいところに」え?」
「エミリーも手伝ってくれ、ちょっと手が足りなくなった」
「あんたひどい顔よ、もしかして徹夜!?」
「いいから、いいから。ちょっとこの設計図を見て欲しいんだけど……」
結局、優弥の作業はエミリーをも巻き込み、それが終わるまで続けられるのであった。
ついでに、完成と同時に優弥がぶっ倒れたことは言うまでもない。
.............
優弥がぶっ倒れてから数日後、二人は日本に戻ってきていた。
それというのも、この数日の間に二人は二つの重要な情報を入手し、それに対応するには日本が一番近くちょうど良かったからだ。
その情報というのは、行政特区日本と早乙女研究所について、である。
「さて、エミリー。とりあえず行動を起こす準備は住んだわけだが…情報を整理しよう」
「そうね」
両肘を机に立て腕を組み、グラサンから下をその手で隠すようにした二人は、暗い部屋の中で向き合っていた。
簡単に言うと碇ゲンドウの真似だった、紛うことなき遊びだ。
ちょっとした変装用のグッツを揃えた二人はその中にあったグラサンを見てついやってしまっているようである。
「物語の分岐点、二つの物語のそれが同時期に起ころうとしている」
「えぇ、本来は交わるはずのないシナリオ…けれどこの世界の設定は交わることを許容しているわ」
「そして片方は、未知の部分が多い」
「ゲッター、いくつのもの平行世界が存在する物語。
でも私はそのほぼ全てを知っている、そしてこの世界のものはその中でも異質なもの、彼女が死んでしまう」
「こちらは我々に臨機応変な対応が求められている」
「幸いなのは片方、行政特区日本についてはほぼ確定要素で構成されているということ」
「この世界の主人公たりうる人物が宙に行ったことは確認済み、不幸なことだ」
「世界の法則、集められたシナリオは影響し合いながらも変化を拒絶する。
彼がいなければ、いなかった英雄がいたとしても、それが変わる確率は小さい」
「あの悲劇は起こるだろうな」
「どちらも私たちが関わる必要があるわね」
「いや違う、必要があるからではない。関わりたいからだ、自分がそうしたいからそうするのだ」
「全く、傲慢なことね」
「その通り、だが『それでいい』
「ふぅ、じゃあ行くかエミリー」
「はぁ、面倒な言い回しはたまにやると楽しいわよね」
「だな、とりあえずはゲッターロボから始めようか。事件が起こる前に止められるかもしれないし」
「そうね、いつ起きるかわからない事故に備えるのは難しいしね」
「今回はなんとかできればいいんだけど」
「私、あんたが自重なしで作ったチート道具やら装置やらがあれば大抵どうにかできると思うわ……」