ラブライブ!~奇跡と軌跡の物語~   作:たーぼ

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どうも、いよいよユメノトビラ編突入です。


では、どうぞ。





91.事前準備

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これがラブライブ専用のサイト……」

 

 

 

 

 

 

 

 屋上の日向にシートを敷いて拓哉、穂乃果、絵里、花陽がパソコンの画面を見ていた。

 

 

 

 

「これは?」

 

「予選が行われる各地のステージだよ。今回の予選は参加チームが多いから会場以外の場所で歌う事も認められてるの」

 

「え、そうなの?」

 

「ルールブックに載ってただろ。お前の部屋で4人で見てたの忘れたのか」

 

「えへへ~、文字を読むのが苦手で……」

 

「だから一々俺が音読してやったのすら忘れてやがるのか貴様は。いいぞ、そこに直れ。もう一度頭から読んで暗記できるまで唱えてやる!!」

 

 拓哉と穂乃果がギャーギャーと騒いでるのを尻目に花陽はページをスクロールしながら話を進めていく。

 

 

「もし自分達で場所を決めた場合、ネット配信でライブを生中継、そこから全国の人にライブを見てもらうんです」

 

「全国、凄いや!!」

 

「穂乃果の顔も今中々に凄い事になってるけど……」

 

 拓哉と揉みくちゃになっていたがやはり男女の差は大きい。思いっきり拓哉に顔を変形するくらいの勢いで押されていた。絵里が宥めてその場は一旦落ち着く。練習も大事だが、その結果を出すためのステージをどうにかしようという結論に至った。

 

 

 

「じゃあまずは全員で部室に移動だ。そこでミーティングを行う。海未」

 

「分かりました」

 

 拓哉の一言で他のメンバーの練習を見て背を向けていた海未が即座に反応する。練習も見ながら後ろの話も聞いていたのだろう。それを見越しての拓哉の声でもあったが、それで通じ合うのはやはりお互いの信頼感が為せる技だった。

 

 

 

 

 

 

 

 場所は変わって部室。

 メンバー全員を座らせて説明を手伝いの拓哉が請け負う形となる。

 

 

「各グループの持ち時間は5分。エントリーしたチームは出演時間が来たら自分達のパフォーマンスを披露する。この画面から全国に配信されて、それを見た視聴者が良かったと思ったグループに投票する。それで順位が決まる。至ってシンプルなルールだな。そして―――、」

 

「上位4組が最終予選に……ってわけね」

 

「ああ。言ってみればμ'sはまずここで4組の中に入らないと勝ち残る事すらできない」

 

「4組……狭き門ね」

 

「特にこの東京地区は1番の激戦区」

 

 東京と言えば、大体のイベントが東京という場所をメインに行われる事が多い。ラブライブもそれと同じなわけだが、そうなると必然的に東京地区に近いグループも多くなってくるし、倍率も高くなる。

 

 

「それに、何と言っても……」

 

 花陽が俯きがちにパソコンの画面へと目を向ける。それに釣られるように全員が画面を覗き込む。

 

 

『『『こんにちは!』』』

 

『私、優木あんじゅ!』

 

『統堂英玲奈!』

 

『そして、リーダーの綺羅ツバサ!』

 

 3人の少女が画面の中で動いている。

 誰もが一時も目を離せなかった。

 

 

『『『ラブライブ予選、東京大会。みんな見てね!』』』

 

 普通に見てみればただのラブライブ宣伝動画にしか見えないだろう。しかし決定的に違う。

 A-RISE。そのグループが東京大会の公式宣伝動画に出ているという点が重要なのだ。

 

 

「そう、既に彼女達の人気は全国区。4組のうちの1つは決まったも同然よ」

 

「えー!?ってことは凛達、あと3つの枠に入らないといけないの!?」

 

「そうだ。1組は確実にA-RISEが入る。わざわざラブライブの公式サイトが直々に宣伝動画をA-RISEに頼んでこうして出してるんだからな。それほどの相手と思わないとダメだ」

 

「えー!?」

 

 凛の驚きも無理はない。東京地区だけでもスクールアイドルの数は全国より集中している。そして完成度も高いグループも多い。その中でたった3組しか入る事が許されない。

 

 普通ならここで折れてしまう者もいたって不思議ではない。限りなく少ない枠がもう1枠決定しているようなもので、余計に難しくなっているのもあるのだから。

 だが、普通でない者ならば何と言うか。その答えはすぐに出た。

 

 

「でも、ポジティブに考えよう!あと3組進めるんだよ!」

 

 穂乃果の言葉に分かっていたかのような笑みで拓哉が見つめる。

 

 

「今回の予選は会場以外の場所で歌う事も認められてるんだよね?」

 

「ああ」

 

「だったらこの学校をステージにしない?ここなら緊張しなくて済むし!自分達らしいライブができると思うんだ!」

 

「自分達らしい、か。悪くはなさ―――、」

 

「甘いわね……」

 

「にこちゃんの言う通り……!!」

 

 穂乃果の案に拓哉が同意を示そうとした瞬間にアイドル知識抜群の2人からの厳しい言葉が部室内に響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 またまた場所は変わって中庭。

 

 

 

「中継の配信は1回勝負……やり直しはきかないの……!失敗すればそれがそのまま全世界の目に晒されてえ……!!」

 

「それに画面の中で目立たないといけないから目新しさも必要になるのよ!」

 

「目新しさ?」

 

 生中継。

 聞いた事なら何回もあると思うが、実際それを自分が実施するとなると意味もまた異なって聞こえる。

 

 ライブの生配信ともなれば花陽の言う通り、振り付けや歌詞を間違えるとそのまま視聴者に放送されてしまう。漫才やニュースとは違ってアドリブや訂正でどうにかなるものではないのだ。

 

 しかもこれは優勝するための第一段階のステップでしかない。ここでもし何かしらの失敗をしてしまえば呆気なく終了という事もある。絶対に、何が何でも失敗してはならないぶっつけ本番。それこそ大事に考えなければならない。

 

 

「奇抜な歌とか?」

 

「衣装とか?」

 

「ふふっ、例えばセクシーな衣装とか~?」

 

 各々が思い付く限りの事を言ってみる中、希は何やらわざと意味深に聞こえるような声音で“それ”を言ってしまう。

 誰がそれを聞いてどうなってしまうか分かっていてなお……。

 

 

「無理です……」

 

「おいこら希ぃぃぃいいいいいいいい!!それ言ったら海未がダンゴムシみたいになるって分かってて言っただろお前!こうなるとめんどくせえんだぞこいつ!!」

 

「こうなるのも久し振りだね」

 

 拓哉と穂乃果が必死に宥め始めるが、希はそれを笑ってスルーしつつターゲットを変えていく。

 

 

「エリチのセクシードレス姿も見てみたいな~」

 

「それに関しては激しく同意だ希。握手を求める」

 

「おお、セクシャルハラスメンツ!」

 

「たっくんに対しては合ってるね……」

 

 一瞬で海未を宥めるのを止めて希と握手している拓哉。穂乃果とことりからの変な視線を感じるがこの際気にしない。振り向いたら負けな気がした。

 

 

「無理です……」

 

「いつまで言ってるのよ……」

 

「嫌よ!やらないわよ私は!」

 

「俺は抗議する!絵里はセクシードレスを着るべきだ!!何ならライブで着なくていいから個人的に着て見せてくれたっていいじゃない!」

 

「何で拓哉が1番張り切ってんのよお!!」

 

 先程の真面目な話はどこか、あの拓哉でさえナイスボディーの絵里の話になった瞬間にこれである。男子高校生の性には逆らえなかったらしい。

 拓哉とは対照的な花の女子高生、園田海未は1人セクシードレスを着た自分を想像していた。墓穴以外の何物でもないと知りながら。

 

 

「離してください!私は嫌です~!!」

 

「誰もやるとは言ってないよー!!」

 

 海未の行動にいち早く気付いた穂乃果が逃げようとする海未をホールドする。ことりからしてみればいつもの日常らしい。困り眉をしつつも見守っている。

 

 

「というか、何人かだけで気を引いても……」

 

「ふむ、それもそうだ」

 

「わっ、拓哉くんいつの間に戻ってたのっ?」

 

「何言ってんだ。俺はいつだって正気だぞ花陽」

 

 そう言いながらも拓哉の頬を見るとそこには見事な紅葉模様があった。おそらくというか確実に絵里にビンタされたのだろうと花陽はあえて深く聞かないでおく。

 後ろで絵里が希にもグチグチ言っているのを見ながら業を煮やした真姫が口を開いた。

 

 

「ていうかこんなところで話してるよりやる事があるんじゃない?」

 

「やる事?」

 

「着いて来てちょうだい」

 

 真姫が1人勝手に歩いていくのをメンバー全員が慌てて追いかける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 珍しく放送室に来ていた。

 

 

「ほんとに!?」

 

「はい、お昼の放送で良ければ構わないですよ」

 

「彼女、放送部員なの。こうやって実際マイクに向かって校内のみんなにアピールすれば応援してもらえるし、中継される時の練習にもなるでしょ?」

 

「へえ、考えたな。真姫」

 

 連れてこられた放送室にいたのは1年の女の子だった。1クラスしかない1年なら真姫の知り合いがいてもおかしくはないだろう。

 

 

「学校なら失敗しても迷惑もかからないし、外に漏れる心配もないものね!」

 

「みんなに応援してもらったら心強いねっ!」

 

「確かに、それは凄く良いと思いますが……」

 

 μ'sの知名度は以前のラブライブの時にも結構知られていた。ともなると、μ'sのいる音ノ木坂学院ならまず知らない者はいない。というよりもμ's復活ライブでほぼ全校生徒が講堂に集まっていたから知名度はないという方がおかしいのではあるが。

 

 

「真姫ちゃん……」

 

「どうした凛?」

 

 出入り口のとこからそっと覗き込んでいる花陽と凛に拓哉が声をかける。

 みんなとは違って真姫と同じクラスの2人だけがポカンとした顔で言った。

 

 

「真姫ちゃんが同じクラスの子と仲良くなるなんて……」

 

「びっくり……」

 

「うえぇ!?べ、別にただ日直が一緒になって少し話しただけよ!」

 

 赤面顔を背けながら言うその姿はまさしくツンデレそのものだった。あまりにも即興で言い訳染みた事を言う真姫に花陽と凛は思わず笑ってしまう。

 

 

「おい真姫ぃ、そんな事言ったらその子達が可哀想だろ?ほら言ってみ?素直に仲良くなった友達ですって言っぶぎゅるわぁッ!?」

 

「アンタは黙ってなさい」

 

 後輩の女の子から思い切り正拳を喰らった岡崎拓哉という男子がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 そんなわけで校内放送の始まりである。

 

 

 

『あー、皆さんこんにちは!』

 

 校内にμ'sのリーダー、高坂穂乃果の声が響き渡る。

 

 

『私、生徒会長の……じゃなかった!μ'sのリーダーをやってます、高坂穂乃果です!って、それはもう、みんな知ってますよね~』

 

『何私有名人~的な事言ってんだ。さっさと言えア穂乃果』

 

『ア穂乃果じゃないよ!!……コホンッ、実は私達、またライブをやるんです。今度こそラブライブに出場して、優勝を目指します』

 

 普通に言っているように聞こえるが、それはとても無謀な事で、幻想とすら思えてしまう言の葉だった。スクールアイドルの頂点が誰なのか分かった上での宣言。それでも優勝すると言える度胸と勇気は、決して間違いではない。

 

 

『みんなの力が、私達には必要なんです!ライブ、皆さんぜひ見てください!一生懸命頑張りますので、応援よろしくお願いします!!高坂穂乃果でした!!』

 

 元々人の力を貸してもらって最初のライブができた。色んな人達の力を貸してもらって復活ライブができた。9人だけでは、10人だけではできなかった事も、助力があって出来たものだった。

 

 三者から見れば情けないと笑う者もいるかもしれない。だけど、それが間違いでもなく、情けないものだとは拓哉は思わない。みんなが力を合わせてできる最高なもの。それのどこが悪いというのか。

 

 それで最高のライブができるのなら、とても素敵なものではないか。それを証明してくれたのが、μ'sであり、この音ノ木坂学院の生徒達や教師達である事も知っている。その遠因の1つに自分が関わっている事には気付いていない拓哉ではあったが。

 

 

 

 何はともあれ目的の1つ、アピールはできた。

 最後に2つ目の目的。

 

 

 

 

 

『そして、他のメンバーも紹か……あれ……』

 

『あ、ぁ……あぁ……』

 

『ダレカタスケテダレカタスケテダレカタスケテダレカタスケテダレカタスケテ……!!』

 

『高坂せんせー、2名ほど現実逃避してる人がいまーーす!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何かもう色々と台無しだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






さて、いかがでしたでしょうか?


絵里のセクシードレスを見たいアニメ2期だった。
何なら穂乃果のセクシードレスも……。

そして、何気に2周年突破しました。
これも皆様がこの作品を読んでくださったり、数々のご感想、高評価をくださるおかげです。
モチベーションは何よりも大事ですからね。皆様の声がある限りこの作品は間違いなく完結に向かっていきますので、是非とも最後までよろしくお願い致します!!


いつもご感想高評価ありがとうございます!!
これからもご感想高評価お待ちしております!!




最近はFGOばかりしております。
ストーリーもキャラも魅力的なのが多くて熱い展開大好きな自分は大満足ですじゃ←
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