どうも、最近雪降ったりと寒い日が続きますね。
子供の頃はあんなに雪を見てテンション上がったのに、今となっては憎き寒がりの敵でしかありません←
では、どうぞ。
『えっと……園田海未役をやっています……園田海未と申します……!』
いきなり意味不明な事を言いだした。
「いつから声優になって本人演じてるんだあいつ」
「緊張がものすごい方向に飛んでってるな」
「何でこの3人にしたの……?」
「リーダーと、1番緊張しそうで練習が必要そうな2人」
放送室の出入り口で邪魔にならないようこっそり見守っているメンバー一行と黒一点の岡崎拓哉。人選が間違っているようにも見えるが練習なので実質間違ってはいないのだ。結果はどうあれ。
『ぁ、あの……μ'sのメンバーの小泉花陽です……。ぇっと……好きな食べ物はご飯です……』
「クラスの自己紹介じゃねえんだぞ……。好きな食べ物なんて今言ってどうすんだ。あれか、一緒にご飯食べればいいのか。仕方ねえ、花陽可愛いからちょっとご飯炊いてく―――、」
「落ち着けバカ。アンタはそう変なとこで脱線ボケするのやめなさい」
「ボケてねえよ。マジだから、本気と書いて
「もう黙ってろアンタは……」
にこの自分への扱いが最近雑になってきていると感じてやまない拓哉。きっと気のせいではないと思う。
ただでさえ聞こえづらい声で話している花陽の声が余計に聞き取れなくなっている。
「はぁ……ボリューム上げて」
それを見かねた真姫が放送部員の女の子に指示を出す。従って眼鏡をかけたおさげの女の子がボリュームを上げていく。
『ら、ライブ……頑張ります……!ぜひ見て下さい……』
「ぉーぃ……!声、もっと出して~、声~……!!」
凛が小声でそう言ってきたのを聞いて慌てて言い直そうとする花陽、だが、何を思ったのかその指示にグッジョブサインをしながらサイドテールのリーダーがマイクに向かって盛大に大声を出した。
『イエーイ!!そんなわけで、皆さんμ'sをよろしく!!』
花陽が言ったならちょうどいいボリュームになっていたかもしれない。しかし、もしそれを普段元気な者がより張り上げた声で言ったらどうなるだろうか。
そう、簡単に言ってしまえば爆音に早変わりである。
「……あれ?」
「あれじゃねえよ!!お前が言ったらただのうるせえ雑音だっつの!!何だ今のは、ばくおんぱか?ばくおんぱなのか!?お前はノーマルタイプのポケモンか!!鼓膜が死ぬわ!!」
全員が耳を押さえてうずくまっている代わりに拓哉が穂乃果に抗議もとい説教を始める。下手したら学校中の生徒から嫌悪感を出されてもおかしくはないレベルの音量だった。
「もう、何やってんのよ!!」
「でも、μ'sらしくて良かったんじゃない?」
「それって褒め言葉ぁ?」
「μ'sがこの学校でどう思われてるかちょっと不安になったぞ今」
これがμ'sらしいのなら、色々な意味でツッコミをいれたくなるがそれは置いておく。
とりあえずこれで一応やるべき目標は達成したので放送室をあとにする。
「放送室使わせてくれてありがとな」
それと、と付け加えて拓哉はそっと放送部員の女の子の近寄り、
「真姫の事、これからも仲良くしてやってくれな」
「……はい!」
全員が放送室を出ていく中、最後に真姫も出ようとして放送部員の女の子に声をかけられた。
「ねえ、西木野さん」
「何?」
「西木野さんがいつも話してくれてたあの男子の先輩、良い人だね!」
「ッ……!じゃ、じゃあ行くから!ま、また!!」
あからさまに赤面しながら出ていく真姫を見て、その女の子は微笑ましそうに見送った。
―――――――――――――――――――――
「まだ耳がキンキンする……」
「ま、まあ少しは練習になったんじゃない?」
「うんっ、もうむやみに大声は出さない!」
「どうした真姫?何か顔赤くないか?放送室暑かったっけ?」
「う、うううううるさいわよ!大丈夫だから近寄らないで!!」
「見ていてくれことり。俺もお前の名前のようにこの屋上から華麗に飛んで羽ばたいてみせよう」
「私の名前を利用して自殺しないでたっくん!!」
場所は変わって屋上に戻ってきた。
さっそく真姫に拒まれ屋上ダイブしようとしている拓哉をことりが必死に制止しているが、他のみんなは気にも留めない。
「前途多難やなあ……」
「さあ、あとは場所ね」
切り替えるように絵里がパンッと手を叩く。
それで全員の目が絵里へと向いた。もちろん拓哉も。最初に口を開いたのは先程緊張してか細い声しか出せなかったのが嘘かと思えるような花陽だった。
「カメラで中継できるところであれば、場所は自由だから……」
「でも屋上はもうライブで使っちゃったし……」
「そっか、もうネットで配信しちゃってるもんね。だとしたら……」
「使える場所がないか見て回るしかないな」
ということでライブで使う場所を探しに出るのだった。
まずは講堂。
「ここもライブはやったし……」
「というかここで1番やってるだろ。初めと最新で2回も」
「そうだよねえ」
講堂は1番ライブ会場っぽく見えるし悪くはないのだが、既に2回ライブをやっていて目新しさはないと言っても過言ではないだろう。
次に校舎。
「ここもやったよね」
「まだ7人の時だったよね」
「9人いる今ならまた違うように見えるかもしれないよ?」
「そうかもしれないけど、それじゃどうしてもインパクトに欠ける」
次にグラウンド。
「ここも……」
「9人揃って初めてのライブやったもんね」
「もう使っちゃったところばかりね」
「同じところだと、どうしても目新しさは無くなっちゃうんじゃないかなあ」
「そうだよねえ……うーん……」
むしろこの学校でライブで使えそうな場所はもうないと言ってもいい。できるところではもうやっているからだ。体育館は体育館で他の部活が常に使用しているために却下となった。
「こうなったらいっそ学校の外でどこかできる場所がないか探してみよう!」
「それはいいけど、案はあるのか?」
「とりあえず歩く!!」
いつも通りの穂乃果のぶっつけ案が炸裂した。
「で、ここか」
やってきたのは秋葉原。
スクールアイドルをやっている者なら知らない方がおかしいと思われるくらいの知名度を誇っている場所である。
「でも……」
「このあたりは、人がたくさん……」
ふと周りを見てみれば、そこには下校途中の学生や寄り道している若者などがたくさんいた。
「それに何より、秋葉はA-RISEのお膝元やん」
「下手に使うと、喧嘩売ってるように思われるわよ」
「そっか……」
「……、」
そこでふと、拓哉は考え込んだ。
(A-RISE……綺羅ツバサ……)
合宿に行く前、拓哉は1人の少女と偶然出会った。
元々誰か知らないで手助けをしただけのつもりだったが、そのあと手を引かれて正体をバラされるとその少女はラブライブの覇者だった。
綺羅ツバサ。
A-RISEのリーダーである少女とμ'sの手伝いである少年が会った瞬間である。
その時にツバサはこう言ったのを覚えている。
『お互い、頑張りましょ。また近いうちにね♪』
と。
合宿へ行く途中の電車でもその言葉を思い出したが、その真意はいまだに分かりかねている。
多分、μ'sへの伝言も兼ねているのだろうが、それをそのまま彼女達に伝えていいのだろうかという悩みもある。伝えるだけなら簡単だ。しかし、急なA-RISEからの伝言にどう思うか、まず信じてくれるのか、信じてくれたとして、何だか質問攻めにあいそうな予感もする。
それにあれから時間も結構たっている。今更言っても遅いかもしれないし、今言っても変に混乱するだけかもしれない。というか言おうと思っている事も時間がたつにつれ言いにくくなるのは何でだろうと現実逃避を何回もしているくらいなのだ。
……やはり言わないでおくのが吉かもしれない。
「何してるの、拓哉」
「……え?あ、いや、何でもない」
声をかけられている事に気付かなかった。
見ればみんな移動している途中だった。歩いている先で穂乃果達がエスカレーターに乗っているから行き先は分かる。希も言っていたがここは秋葉原。A-RISEのお膝元という事は、A-RISEが所属している学校もここなのだから。
自分も着いていって穂乃果の隣に立つ。相変わらずでかいUTX学院と思いながら設置されているスクリーン映像を見てみると。
『ついに、新曲ができました!』
当然のようにA-RISEの面々が映し出されていた。
綺羅ツバサを見ると軽く顔が引き攣ってしまうのを何とか穂乃果達にバレないように堪える。
『今度の曲は、今までで1番盛り上がる曲だと思います』
『ぜひ聴いてくださいね!』
予選は予選でも、それを落としてしまったら全てが終わる。だから予選だろうと本戦だろうと関係なく全力でいくしかない。それはA-RISEも同じなようだ。予選で新曲をぶつけてくるらしい。
本戦出場はもう決まっているようなものなのに、それでも最初から本気を出してくる。ツバサとは短時間しか話さなかった拓哉だが、何となくツバサはそういうヤツなのだろうと確信する。
自分達はシードのようなものだが、そんな勘違いはされたくもないし自分でしたくもないのだろう。同じ土俵で対等に競い合うスクールアイドルとして勝負する。それはこちらからすれば恐ろしいようでいて、実に腑に落ちる。
もし、もしもμ'sがそういう立場でもきっと穂乃果達だってそうするだろうから。
「やっぱり凄いね……」
「堂々としています……」
ことりも海未も素直にそう評価していた。
誰だってそう思うだろう。ラブライブの王者だから、気圧される事の方が多い。そこで諦めてしまう者も少なくはない。
だから。
なのに。
「……負けないぞ」
岡崎拓哉はそう言ってみせたμ'sのリーダーを素直に評価した。
頑張るでも、凄いでもない。
ただ、競い合う相手を真っ直ぐに見つめてそう言った。
格差はあっても決して怖気づかない。対等な相手だと見て断言した。
「……そうだな」
続くように拓哉も言う。
それを聞いて穂乃果も笑みを浮かべる。2人で見合ってから映像を再び見る。羨望者としてじゃない。挑戦者として。
そんな時だった。
「高坂さんっ、岡崎くんっ」
聞き覚えのある声が耳に入ってきた。
映像を見るために上がっていた首を下に下ろす。
「ふふっ」
そこにいたのは。
たった今まで映像の中にいるはずの、いや、現に今も映っているが……そういう話じゃない。とにかく現実に起こっている事と脳内で起きている事象が結びつかない。
何せ、今拓哉達の目の前にいるのは、紛れもない。
A-RISEのリーダー。
綺羅ツバサなのだから。
「こんにちは♪」
さて、いかがでしたでしょうか?
いよいよA-RISEとの邂逅です。
フライングでツバサとは会ってた岡崎の今後の運命や如何に!!
いつもご感想高評価ありがとうございます!!
これからもご感想高評価お待ちしております!!
最近高評価が入ってこないので少し危機感持ってたり←
感想も減っている……これはモチベが危ない!!