ラブライブ!~奇跡と軌跡の物語~   作:たーぼ

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どうも、東京から帰って来ましてようやく投稿できました。
こころと出会った橋や神田明神など軽く聖地巡礼なるものもしてきましたよ。

1日目はホテルに着くと同時にどしゃ降りの雨で穂乃果達と被ったようで親近感がわきました。嫌な親近感だなオイ。




101.止まない雨はないと信じたい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ていう事があったの』

 

「なるほどねえ……」

 

 

 

 

 現在夜の沖縄、とあるホテルにて。

 俺は真姫と電話で話していた。

 

 リーダーを凛にしようと提案したのはいいが、実際のところその場にいない俺からすればどうなったかは分からないわけで、絵里に電話でもしようかと思っていたら何と真姫から着信があったのだ。

 

 丁度良いので真姫から事の顛末を全部聞くことにした。

 どうやら凛は渋々ながらもリーダーを請け負ってくれたらしい。凛の事だから調子よく受けてくれそうだと思ってたから意外と驚いた。

 

 練習では何故かお嬢様口調になったりリズムがズレてたりと苦労はしたようだ。お嬢様口調って何だよ。逆にすごく聞きたいわ凛のその口調。推薦したはいいものの、これで大丈夫なのかと思ってたりする。徐々に慣れてくるだろうから最初だけだと思うけど。

 

 

『ねえ』

 

「何だ」

 

『拓哉は何で凛をリーダーにしようと思ったの。私も花陽と話して凛が相応しいって思ったのは本当だけど、それならあなたはどう思ったのかなって』

 

 いつもはツンケンしたような口ぶりなのに、今日は何故か優しいというか大人しい感じの喋り方だなと思いながら思い返してみる。どうして俺が凛をリーダーにしようと思ったのか。

 

 

「客観的に見てそう思ったからだよ」

 

『客観的?』

 

「ああ。今後を考えれば1年がリーダーをした方がいい。だけど真姫は曲作りとかあるからリーダーを兼ねるのは難しい。花陽は元々小心なとこもあるけど、それを抜きに考えればアイドル関連の情報収集がずば抜けてるから、リーダーよりもそういう役割の方が合ってる。だとしたらあとはもう凛しかいない」

 

『……ねえ、それってつまり消去法じゃない』

 

 少々真姫の鋭い口調が戻った気がする。

 半分正解で半分不正解だな。

 

 

「そうかもしれない。だけど、それくらいバランスが取れてるんだよμ'sは。それに凛は明るい性格をしてるし運動神経だってある。時にそれは強くみんなの手を引いてしまうかもしれないけど、それこそがリーダーに必要な素質だとも思ってるんだ」

 

『素質……?』

 

「考えすぎる性格をしてちゃ理屈でしか動けなくなる。そこには理屈しかなくて何の感情も入っていない。逆にロクに考えない性格じゃどこかで必ず自爆してしまう。でも凛はどちらでもない。気楽だけど考える時は考える。場の空気を読み取る事ができるのは大きい」

 

『だけどそれは私や花陽にも言える事じゃないの?』

 

 確かにそこだけ聞けばそうだろう。

 だが違う。

 

 

「でもって凛が真姫達と決定的に違うのは……」

 

『違うのは?』

 

「基本的に思考が穂乃果と似ていることだ」

 

『……は?』

 

 わお、今日1番冷たい真姫の声が聞こえたぞー。

 

 

「真姫も分かる通り、あの2人はバカだ。性格も明るかったり気楽だったりと似ているとこが結構被ってる」

 

『もしかしてそれだけで凛が相応しいって思ってるわけ?』

 

「おうとも。実際穂乃果はリーダーをやっていてここまでみんなを引っ張ってきてるだろ。普段はバカやってたりして怒られてるけど、いざとなったら必ずみんなを導いてくれてるはずだ。意外と成功するヤツってのは普段気楽なヤツも多いんだよ」

 

『何それ、意味わかんない』

 

「ははっ、だろ。俺も意味分からん。でもやる時はやってくれる。穂乃果がそうだから、凛もきっとそうなんだよ。確証なんてどこにもないけど、俺には何となく分かる。凛だって一皮剥ければ化けるさ」

 

『本当なんでしょうね……』

 

 真姫の溜め息めいた声が聞こえてくる。

 もちろんそんな確証はないので断言はできない。それでもやってくれると思ってしまうのは、凛に穂乃果に似た“何か”を感じたからだろうか。

 

 

「でも真姫だって理由はどうあれ凛が相応しいと思ったんだろ? ならそれでいいじゃないか」

 

『それはまあ、そうだけど……』

 

「感覚で凛が良いと思ったから。それでも立派な理由になるさ、普段一緒にいるなら余計にな。こいつになら任せてもいい。そう思えるのはそいつがそれだけの器があるって事なんだ」

 

『……ふぅーん』

 

 真姫は大分成績が良いと聞く。だからその分頭で色々と考えてしまう事の方が多いのだろう。だから穂乃果や凛といった直感で動く者に対しての行動原理がよく分からないのかもしれない。

 

 

「っと、もうこんな時間か。悪い、そろそろ就寝時間だし俺は寝るよ」

 

『ええ、分かったわ。付き合わせて悪かったわね』

 

「別に構わねえよ。こっちは大雨でホテルから出られなくてウンザリしてんだ。気晴らしには丁度良かったさ」

 

 本当にどうしたのだろうか。真姫がこんなにも優しいなんて珍しい。ははーん?

 

 

「というかどうしたよ。今日のお前、何かいつもと口調が柔らかくないか?」

 

『えっ……そ、そうかしら? いつもと変わらないと思うけど……?』

 

「いつもお前らを見守ってる俺を甘く見ない方がいいぜ。さてはお前、俺がいなくて寂しい思いしてるんだろ?」

 

『……………………………………………………………………は?』

 

「ごめん嘘、ほんと嘘。まじごめん」

 

 冗談交じりに言ったら本気の低音ボイスで威圧されたでござる。

 電話越しにでも寒気ってするもんなんだね。一瞬真冬の北海道にいるかと思った。真逆の地方にいるのに。

 

 

『ば、バッカじゃないの!? そんなわけないでしょう! 別に拓哉がいなくたって寂しくも何ともないんだからっ!』

 

「分かった、分かったから。さすがにそこまで言われると拓哉さん思わずお涙ホロリしちゃうから」

 

『もぅ……バカッ!!』

 

 ブツリッと、電話を切る音さえ真姫の感情が上乗せされているんじゃないかと思うような重い音がした。ふむ、まああれはあれでツンデレ可愛かったから良しとしよう。凛の事も聞けたし、とりあえず今日は寝よう。

 

 

 と思った矢先の事だった。

 また携帯から通知音が鳴り出した。表示された名前は、

 

 

「まだ何か用でもあったか、真姫?」

 

『……えっと、その……おやすみなさい……』

 

「……ああ、おやすみ」

 

 今度こそ通話を切る。先程とは違い、優しい音が途絶えたかのような感じだった。

 ったく、こういうとこはお嬢様というか律儀というか、まさにツンデレのデレ部分を垣間見た気がする。

 

 

 

 

「さて、寝るか」

 

 

 

 

 

 雨音が窓を打ち付けるような音が響く中、明日は晴れる事を祈りながら眠りにつこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「次こそ……次こそ勝ちます!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日、俺はまたしても穂乃果達の部屋に訪れ暇つぶしなるものをしていた。

 どうしてって?はは、分かるだろ。察せよちくしょう。

 

 

 

「何で今日も雨なんだよ……」

 

「台風のせいだよ……」

 

 俺の嘆きに穂乃果が答える。目が覚めれば、そこに待っていたのは強く照らされた太陽が如く光ではなく、今にも闇堕ちしそうなほどの暗い雲ともはや聞き慣れた雨音のみだった。救いはないんですか!

 

 そんなこんなで雨の日といえばのババ抜きである。雨の日の小学生の頃は教室でよくしてた記憶があるよね。つまり小学生の頃なので当然その時穂乃果達ともババ抜きをしていたのだが。

 

 

「え~とぉ、こっちかなぁ」

 

 俺と穂乃果は既に上がっているから高みの見物。残りはことりと海未だ。海未が2枚持っているからババは海未が持っている。しかし、その時点で勝敗はもう決まっているも同然だった。

 

 

「えいっ」

 

「ヴぁッ!?」

 

 ことりの勝利が決まり、海未の敗北が決まった。

 

 

「やったー! 上がり~イエーイ!」

 

 穂乃果とハイタッチして喜ぶことりに対し、海未の表情はやはり優れない。それもそうだろう。何故ならもう6連敗なのだから。

 

 

「どうして負けるのです……!」

 

「ヒィッ……!」

 

 海未がカードをグシャリと折り思わず悲鳴が零れる穂乃果。大丈夫だ穂乃果、俺も大分ビビった。

 どうやら海未は小学生の頃から何も変わってないらしい。こいつはババ抜きをするとどうしても顔に出てしまうのだ。だから海未がババを持っている場合、顔を見ればまず100%負ける事はない。

 

 しかもこいつわりと凄い顔するからな。これで見抜けない方がおかしいレベル。というか穂乃果達は一度も海未にこの事を教えていないのか。それはそれでどうなのか。いや面白いからいいけど、ある意味不幸だな海未よ。

 

 

「まあ気にするなよ海未。ババ抜きで連敗したって別にどうってことな―――、」

 

「何より拓哉君にも負けるというのが納得いきません……!」

 

「おう今何つったコラおぉん?」

 

 こいつ普通に俺を侮辱したな。軽くお前なら勝てるはずなのに的なテイストで言ったなこいつ。思い切り俺を下に見てるなこいつ!

 

 

「落ち着いてたくちゃん、多分今の海未ちゃんには物理的な意味で誰も勝てないよ」

 

「……、」

 

 確かに。よく見なくても今の海未からは負というか闇のオーラが出ている……気がする。闇堕ちとかしたら絶対ラスボス級の強さしてるキャラみたいだ。仕方ない、ここは穏便にしておこう。

 

 

「ババ抜きは基本的に心理戦と直感を主としている遊びだ多分。だけど運も必ず必要になってくる。そこがお前には足りなかったんだろ」

 

「心理戦も直感も完璧なはずなのに……運のせいでこれまでずっと負けてきたというのですか……!?」

 

「お、おう……」

 

 まじか、まじかこの子。特に心理戦ができてないから負けてるのに何故気付かないのか。ババ抜きにおいて嘘が得意じゃないフレンズなんだね! 

 

 

「何故なのです……」

 

「へーきへーき! フレンズによって得意なこと違うから!」

 

「……フレンズ?」

 

「気にしないで海未ちゃん。たくちゃんのいつものハマったアニメの言葉使っちゃう病だよ」

 

 いつのまに病気扱いされてたの俺。それに関しては自分でも末期だと思ってる。真姫じゃないよ末期だよ。けもフレ最終回見てみろコノヤロー、王道好きは絶対泣くかんな。キタキツネ大好きなんだこんちくしょー。ゲーム好きだから親近感あるんだよ。あと何か声が誰かに似てる。

 

 

 海未が悔しそうにしてるからこりゃまたババ抜き続くのかと思った時だった。

 

 

 

 コンコンとドアがノックされた音が聞こえた。

 

 

「どうぞー」

 

「たくちゃん、一応ここ私達の部屋だから」

 

「おーう、ちょっといいか?」

 

「先生、どうしたんすか」

 

「それがだな―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どうやら不幸はまだまだ続くらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






さて、いかがでしたでしょうか?


主人公がその場にいないからどう絡ませていくか結構悩んだりしてます。難しいですね。
ということでとりあえず最近デレてない真姫をデレさせてみることに。本題はどうした。

海未のあの顔芸は未だに初見時で衝撃を受けたのを覚えています。そんなとこも麗しい。


いつもご感想高評価ありがとうございます!!


では、新たに高評価(☆10)をいれてくださった


ことりちゃん大好きさん


1名の方からいただきました。直球姿勢な名前、素晴らしいですな!本当にありがとうございます!!
これからもご感想高評価お待ちしております!!




けもフレ最終回で普通にホテルで泣いてました。
王道好きにはたまらんて……みんなヒーローしてんだもん……。
ありがとうたつき監督。
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