ラブライブ!~奇跡と軌跡の物語~   作:たーぼ

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どうも、何とか火曜に間に合いました。
GWいかがでしたでしょうか?自分は鳥取砂丘で調子乗ったがために吐き気を催し景色を見ずに砂まみれで寝込んでました。
でも良かった、鳥取と島根。


では、問題のμ's変身回です。




106.試行錯誤

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「インパクト……インパクト……」

 

「いきなり路線変更を考えるのは無理がある気が……」

 

「今の私達にはインパクトがないッ!!」

 

「1人1人のインパクトは凄えけどな」

 

 

 

 翌日の昼休み、俺を含める2年組は中庭で昼食をとっていた。

 穂乃果の事だから一晩寝たせいか昨日の事は忘れているらしい。海未とことりに連絡されてなくてほんとに良かったと思ってる。

 

 

「でも、インパクトって今までにないものというか新しさってことだよね?」

 

「新しさかぁ……」

 

 でもって話は昨日と同じでインパクトをどう入れていくかを議論中である。

 

 

「それなら、まずこの空気を変える事から始めるべきなのかもしれません」

 

「空気?」

 

「最近思っていたのですが、結成して時間がたった事で安心感が芽生え、少しだらけた空気が生じている気がするのです」

 

「最終予選も近いし、みんなピリッとしてると思うけど……」

 

 確かにことりの言う通り、最終予選が近くなってきたことで最近練習にも熱が入り今までとは少し違う雰囲気になっているとは思っていた。だからだらけているとは思えないのだが、海未はどこを見てそう思ったのか。

 

 

「そこの誰かさんは、この前生徒会の仕事もせずにどこにいましたっけ?」

 

「はうっ!」

 

「ああ、なるほどね……」

 

 うん、よりによってリーダーがだらけてたわ。1番だらけちゃいけないヤツがそんなんでいいのかと思うが、もはやそれも今更感ではある。だって穂乃果だし。

 

 

「つまりそういうことです! やるからには思い切って変える必要があります!」

 

「てことは何か案があるって事だな?」

 

 俺の問いに海未は真剣な眼差しで口を開いた。

 

 

 

「そう、例えば―――、」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時は進んで放課後のグラウンド。

 海未の案を聞いてメンバーが着替えるのを待っていると、9人の少女が走ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

「あなたの想いをリターンエース! 高坂穂乃果です!」

 

 1人はテニスウェアを着てラケットを振り回し、

 

 

「誘惑リボンで狂わせるわ! 西木野真姫!」

 

 1人はバレエダンスのように華麗に舞い、

 

 

「剥かないで! まだまだ私は青い果実……! 小泉花陽ですっ!」

 

 1人は何かミカンの着ぐるみみたいなのを着てゴロゴロし、

 

 

「スピリチュアル東洋の魔女、東條希!」

 

 1人はバレーボールとユニフォームを着こなしたわわなお胸様を強調させ、

 

 

「恋愛未満の科学式、園田海未です!」

 

 1人は理系丸出しな白衣と眼鏡をしながらドヤっていて、

 

 

「私のシュートで、ハートのマークを付けちゃうぞっ。南ことりっ!」

 

 1人はラクロス装備を付けて天使ボイスをこの薄汚れた世界へと何の躊躇いもなく発してくれる誰もが救われるような麗しき美貌と魅惑の声を御託はいいからハートマーク付けてください。

 

 

「きゅーっとスプラ―ッシュ! 星空凛!」

 

 1人は競泳水着を見事に着こなし、

 

 

「必殺のピンクポンポン! 絢瀬絵里よ!!」

 

 1人はチアダンスの格好を着ているせいかいつも以上に目立っているスタイルの良さを発揮し、

 

 

「そして私! 不動のセンター、矢澤にこにこー!」

 

 1人は、あの、うん、剣道部員。

 

 

 

 

 

「「「「「「「「「私達、部活系アイドル! μ'sです!」」」」」」」」」

 

 

 

 

「………………………………………………………………………………………………………………………思てたんと違う」

 

「何で関西弁! というか私だけ顔見えないじゃない!!」

 

 いやあ、あまりの予想外ぶりに関西弁が出てしまった。9人並んで違う恰好で違うポーズするのはいつもライブで見てるけど、何故か部活の恰好のままそれやると後ろ爆発して特撮ヒーローの登場シーンみたいに見えるのは何でだろうか。

 

 

「いつもと違って新鮮やね」

 

「スクールアイドルって事を考えると、色んな部活の服を着るというコンセプトは悪くないわね」

 

「だよねだよね!」

 

 何で絵里まで満更でもなさそうな顔してんだ。チアリーダーとかノリノリかお前。あとお前がそれ着ると色々健全な男子高校生には刺激が強すぎるのでお控えください。

 

 

「でもこれだと……」

 

「ふざけてるみたいじゃない!」

 

「そんなことないよ! ほらもう一度みんなでー!」

 

「待て待て待てーい」

 

「何たくちゃん?」

 

 ようやく話に入ることができた。何ていうかツッコミが追いつかなさ過ぎて危うくオーバーヒートするとこだったわ。

 

 

「いや、その、何つうかだな? 俺が思ってたイメージと違うというか……何かズレてるような感覚がしてならないんだが……」

 

「そう?」

 

「あの、その前にですが、私のこの恰好は一体何の部活なのでしょうか?」

 

 自分で着といて知らなかったんかい。

 

 

「科学部だよ!」

 

「では花陽のこれは?」

 

「うーん、多分演劇部?」

 

 何で疑問形なんだよ。誰が振り分け考えたか言え。そいつには希と絵里にお胸様を強調する服を着させてくれてありがとうと伝えたい。あとことりにラクロス部の服を着せた事も評価したいから。

 

 

「ていうか、そもそもこれでステージに上がるなんてありえないでしょ!」

 

「……確かに」

 

 おい、何今思い出した風に言ってんだ絵里。本気でこれで行こうと思ってたのか己は。許さん、許さんぞ。そんなけしからん服でステージに上がるなんてお父さん絶対許しませんからね!!

 

 

「はあ、しゃあない。海未の案は破棄にして一旦部室に戻ろう」

 

「うっ……」

 

 まあ案を出してくれただけ良しとするしかない。スクールアイドルならではの案だったのは良いが、今回はハロウィンイベントだし、あまりにも無関係すぎる。

 あ、そうだ。

 

 

「着替える前に俺の携帯でみんなの写真撮らせて」

 

「いい―――、」

 

「「「「「「「「却下!」」」」」」」」

 

 

 

 

 減るもんじゃないしいいじゃんかよーう……。

 あれ、今誰かいいよって言おうとしてなかった?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 またまた時間は少し経ち、いつもの屋上。

 

 

 

 

 

「おはようございまーす! はっ! ご機嫌よう」

 

 いきなりドアを開けて元気に挨拶したと思ったら上品に言い直しているのは穂乃果(海未)である。いや、見た目は穂乃果なのだが、海未の練習着を着て話し方も海未に寄せているのだ。見る分には分かりやすいが、表現する側としてはただただ面倒くさい。

 

 

「海未、ハラショー」

 

「絵里、早いのですね」

 

 意味もなくハラショーと言ってロシア語を何も理解してなさそうなのはことり(絵里)だ。絵里の練習着を着て髪型まで絵里に似せている。ことりのポニーテールは初めて見るけど、いいな。

 

 

 と、ここで何故こういう風になったかの経緯を簡単にまとめるとだ。

 

 色んな部活の服を着るのはダメ、かといって何もしないわけにはいかない。他の案もまだ浮かんでこない。インパクトを求めて何かを変えるならやはり見た目ということになるのだが、ここで自他共に認めるスピリチュアル少女、東條希のカードが示したのだ。

 

 

 

 変えてみるなら、自分達を変えてみろと。

 

 

 

 その結果、何かややこしい事になっている。

 

 

「「そして凛も!」」

 

 2人の視線の先には、先日女子力アップもあって練習着がスカートに進化した凛の練習着を着た海未が立っている。

 それはもうスカートを必死に抑え髪をサイドに小さく括って照れに照れている状態で。

 

 

「う、うぅ……無理ですぅ!」

 

「ダメですよ、海未! ちゃんと凛になりきってください!」

 

 海未になりきってる穂乃果が海未の口調で凛になりきれずにいる海未に説得をしている。……うわ何だこれ超めんどくせえ。

 

 

「あなたが言い出したのでしょう。空気を変えてみた方がいいと! さあ凛!」

 

 何かもう色々と涙目の海未だった。

 言いだしっぺは海未だけど、さすがに照れながら泣きそうになってるのを見るとかわいそうにも見えてくる。

 

 海未に関しては助け船を出してやろうかと思った矢先、とうとう観念したのか海未は涙を振り切って叫んだ。

 

 

「にゃーっ! さあ、今日も練習、いっくにゃーッ!!」

 

 ああ、これはあとで慰めてやろうと思う拓哉さんなのであった。

 

 

「ナニソレ、イミワカンナイ」

 

「真姫、そんな話し方はいけません!」

 

「面倒な人」

 

 唐突に現れた特徴的な喋り方をしだしたのは(真姫)、結構似てる。さすが同じ1年だけあってよく見てるなーと思う一方、何か真姫を小馬鹿にしてるように聞こえて仕方がない。

 

 

「ちょっと凛! それ私の真似でしょ! やめて!」

 

「オコトワリシマス」

 

 ドアを勢い良く開けて飛び出してきたのは真姫()。希の練習着を着ているが真似もしないで普通に凛へ怒りをぶつけている。あれじゃただの希の練習着を着た真姫に過ぎない。いや、それで合ってるんだけどね。

 

 

「おはようございます。希?」

 

「う、うぇぇ……」

 

「あー、喋らないのはずるいにゃー」

 

 海未のヤツも完全に振り切ってやがる。あれ絶対あとで正気に戻っておかしくなるやつだぞ。拓哉さん経験則で知ってる。

 

 

「そうよ。みんなで決めたでしょ?」

 

「べ、別に!……そんなこと……言った覚え、ないやん……」

 

「おお、希、凄いです!」

 

 いや何が凄いのかさっぱり分からんぞ。ちょっとモノマネして凄いって言ってくれるとかどこのサーバルちゃんだよ。俺もあんな優しい世界に行きたいです。

 

 

 はてさてどうやってさばんなちほーへ行くかと考えてるとまたしてもドアが開かれた。

 

 

「にっこにっこにー! あなたのハートににこにこにー! 笑顔届ける矢澤にこにこー! 青空も~、にこっ!」

 

 完璧なにこのモノマネを披露したのは花陽(にこ)。似すぎて一瞬違和感なかったぞ。何なら本家より花陽のにこにーの方が可愛いまである。

 

 

「ハラショー。にこは思ったよりにこっぽいわね」

 

 ことりさん、にこは思ったよりにこっぽいって結構なパワーワードだと思うんですがいかがでしょうか。

 

 

「にこっ☆」

 

「にこちゃーん、にこはそんな感じじゃないよ~……?」

 

 これまたクオリティーの高い声真似で出てきたのはにこ(ことり)。にこもアイドルやる時は声が高いから2人は元々声質的な意味では似てるんだよな。にこの着てることりの練習着じゃ、胸辺りに余裕感じるのがお察しだけど。おっと、今にこから殺意の視線が。

 

 

「やー! 今日もパンが美味いっ!!」

 

「穂乃果、また遅刻よ」

 

「ごめーん!」

 

 急にバッと現れたのは(穂乃果)。うん、似てる。遅刻するところとかパンしか食わないとことか能天気なとことか。

 

 

「私って、こんな……?」

 

「ええ」

 

 思わず素になってる穂乃果に即答することり。さりげなく即答するあたり毒含まれてそうな感じがするのですが……。

 

 

「大変ですっ!」

 

 屋上に突然響く聞き慣れない甲高い声の正体は絵里(花陽)。普段絵里のあんな声を聞いたことないから新鮮さがあると思ったと同時に、ギャップ萌えが半端ない。

 

 

「どうしたのです、花陽?」

 

「み、みんなが……みんながぁ~!! ……変よ」

 

 

 

 

 

 

 うん、まあ、知ってた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いっそのこと、一度アイドルらしいってイメージから離れてみるのはどうかしら?」

 

「アイドルらしくなくってこと?」

 

「確かにそれなら今までとは違うってことにはなるな」

 

 さっきの総入れ替えも破棄になったので部室に早戻り。

 3度目の話し合いである。

 

 

「例えばかっこいいとか?」

 

「それいいにゃ!」

 

「でも、かっこいいってどんな感じ? たっくんみたいな?」

 

「俺をかっこいいと言ってくれるのはありがたいけど今は何のインスピレーションも浮かばないから逆に凹むぞことり」

 

 もしかっこいいで俺をイメージしてもスクールアイドルとは何も関係ないしな。くそ、録音しておけばよかった。

 

 

「かっこいいって言うなら、ロックとか?」

 

「もっと荒々しい感じとか?」

 

「新しいというのは、そういう根本のイメージを変える事。だとすると……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 生徒数自体は少なくとも、意外と生徒はまだ残っていたりする。

 下校しようとしている生徒も然りだ。

 

 

 そう、俺達がやってきているのは正門付近の木陰。

 何故そんなところで隠れているのかというと、理由はすぐにでも分かる。

 

 

 

「本当にやるの?」

 

「ここまで来て何怖気づいてるのよ!」

 

「とにかく一度、反応を見てみないと……!」

 

「ったく……俺は止めたからな。この先のことは知らねえぞー」

 

 部室内で出た案だが、俺はどうにもそれに対して何か意味があるとは思えなかった。むしろ悪手ではないかと思ってしまうほど。こいつらはいつも何かしら俺の予想の斜め上をいくが、今回に関しては予想の垂直落下してるまである。

 

 だがこのバカ共は止めて聞くような輩でもないので、とりあえず何回か注意だけして何かあったら俺は責任逃れするという個人的作戦に出させていただく事にした。

 ……それにしても、よくもまあアイドル研究部の部室にあんな小道具があったなあと思った限りである。

 

 

「よし、行こう」

 

 穂乃果が覚悟を決めたような口調で言う。

 声だけ聞けばそれなりに真剣に聞こえるが、俺は知っている。

 

 

 

 今、()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 俺の注意も聞かず、女神だったはずのμ'sは下校途中の生徒達の前に飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁーッ!!! 皆さん、お久しぶりィー!! 我々はスクールアイドルμ'sである!!」

 

 

 鎖を持ったり顔のメイクを白や黒に塗って何故かデスメタルがしそうな恰好をしている駄女神化したμ'sが降臨してしまった。

 あーあ、もう拓哉さん知ーらない! もう知らないもんねー!

 

 

「今日はイメージを覆す、アナーキーでバングなあ!!」

 

「「「「「「「「「新たなμ'sを見ていくがいい!!」」」」」」」」」

 

 

 イメージ覆しすぎだろ。女神どこいった。アクア様もビックリな駄女神になっちゃってるよあいつら。何で俺以外に誰もあれを止めようとしなかったんだ。

 あまりにも唐突且つ見た目の凄さのあまり、現場を見ていた生徒達は次々と悲鳴を上げながら走り去って行く。当然ですね。

 

 

「おおー! これはインパクト大みたいだね!」

 

「いけそうな気がするにゃー!」

 

「どうたくちゃん! これ以上のインパクトがないってくらいに成功したよ!」

 

「こっち向くなこっち見んな。逃げられてちゃ意味ないだろうがバカかお前らは。客を蝋人形にでもするつもりか」

 

 ブーブー言っている穂乃果が鎖をジャラジャラしていると、突然ピンポンパンポーンと校内放送特有の音が鳴り響いた。

 

 

 

 

 

 

『アイドル研究部、μ'sの皆さん。今すぐ理事長室に来てください』

 

 

「ええ、何で!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ナイス判断です、陽菜さん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




さて、いかがでしたでしょうか?


問題の総入れ替えの回でしたね。
いやもうギャグ以外の何になるというのか……。アニメ本編のギャグが成り立ちすぎていてどう主人公を絡ませるか悩んでました(笑)
だけどギャグ書いてると楽しくてつい筆が乗っちゃいますね。


いつもご感想高評価ありがとうございます!!
これからもご感想高評価お待ちしております!!




禁書最新刊が明日発売だから読みふけって来週の投稿も遅れそうとたーぼはたーぼは未来の予測をしてみる。
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