ラブライブ!~奇跡と軌跡の物語~   作:たーぼ

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111.誘惑

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱりみんなそう思ってたんだね~……」

 

 

 

 生徒会室へ行く道中で穂乃果が明らかに落ちたトーンで呟く。

 

 

「そんなことないよ。さっきのはたまたまじゃないかな?」

 

「たまたまであんなあからさまに憧れてる先輩への言葉を濁すか?」

 

 ことりの必死なフォローも拓哉の言葉でいとも容易く打ち消されてしまう。

 むしろそういうフォローが何気に本人を1番傷付けてしまう可能性もあるのだ。

 

 

「これでよりやらねばと思えたでしょう?」

 

「人間はそんな簡単にできてないよ……」

 

「特に穂乃果はそうだもんな」

 

 海未と拓哉の容赦のない洗礼により余計うなだれてしまう穂乃果。

 溜め息を盛大に吐きつつも生徒会室に辿り着いたのでさっそくドアを開ける。

 

 

「……え、何これ!?」

 

 生徒会の仕事をしているにつれ、教室にある机と同じように見慣れてしまったテーブルの上には、これでもかというほどの書類やファイルが積まれていた。

 

 

「そろそろ予算会議ですからね。各部から予算の申請が集まっているんです」

 

「こっちはことりと拓哉君に整理してもらいますから、私と穂乃果はそれを処理しますよ」

 

「うぇ~、こんなに……」

 

 自らの手の上に乗せられた書類を見て思わず文句を垂れるが、今更なので海未も相手しない。むしろ本来なら生徒会長の仕事なのに副会長も手伝うと言っているのだから感謝すべきではあるが。

 

 

「俺はことりと一緒にこの書類どもを整理するだけでいいのか?」

 

「はい。μ'sの練習もあるので出来るだけ早く終わらせるためにスピードと効率を上げたいのです」

 

「頑張ろうね、たっくん」

 

「ま、こんくらいなら全然マシだな」

 

 いったいどれだけの重労働を迫られるのだろうかとヒヤヒヤしていた拓哉であったが、蓋を開けてみれば何とやらである。

 実際、生徒会の仕事とは普段そういう仕事をしている者でしか分からない事ばかりなのだ。だから生徒会の仕事とやらをあまり分かっていない拓哉へ変な仕事を任すことはできない、というのが本音だろう。

 

 んじゃまやりますかー、と軽く意気込んだところでドア付近から声がかかった。

 

 

「あのー、すみません。美術部なんですけど」

 

 入ってきたのは名乗ったとおり美術部の部員であろう女の子だ。

 その手には何やら書類らしきものを持っている。

 

 

「急いだ方がいいと思って、直接予算申請書を持ってきました」

 

「あっ、ありがとー」

 

 ここでようやく拓哉は少女が持っている紙が予算申請書だということを知る。

 部活動をするうえで必要になるであろう希望額を書いて提出する。ということなのだが、実際のところ拓哉はこれまで部活に入ったこともないのでどういうシステムなのかも知らない。

 

 そういえばにこが最近予算がどうのこうのと1人でブツブツ言っていた記憶があるが、何をどう計算して希望額を決めているのかもよく分かっていなかったりする。

 

 

「はい、問題ありません。ありがとうございます」

 

「じゃあお願いします」

 

 本来部外者である拓哉の理解が追いついていない場所で話はいつの間にか終わっていた。

 これはもし自分が生徒会に入る羽目になっていたら、面倒事が余計増えそうだと予測して頑なに拒否して正解だったようだ。

 

 

「はいことり」

 

「うん」

 

「さあ、作業に戻りましょう。拓哉君も整理に戻ってください」

 

「おーう」

 

 軽いやりとりをこなしようやっと手を動かしていく。

 生徒会に入っていないからこそ、そういう仕事がどういう役割で、どれほどの責任があるのか。

 それをイマイチ理解できていなかった時点で。

 

 

 

 

 ここで岡崎拓哉は、1つの見落としをしてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何とか生徒会の仕事も一段落し、いつもの部活動へ戻る。

 

 

 

 

 

 

 ここは神田明神。

 いつもμ'sが使っている貴重な練習場所の一つである。

 

 

「「「「「すごーい!!」」」」」

 

 7人の少女と1人の少年が日陰でノートパソコンを覗いている。

 スクールアイドル専用サイトで、ラブライブに出るためのPVやライブ映像を投稿しているページ。そこからは自分達が1番最近歌った曲が流れている。

 

 

「凄い再生数ね!」

 

「A-RISEに強力なライバル出現……」

 

「最終予選は見逃せないって」

 

 時々自分達の投稿した動画がどれだけ再生されているか、どういったコメントが残されているかなどの確認をするために見るのだが、反響は予想以上であった。

 

 

「どうやら今までの自分達のスタイルでやって正解やったみたいやね」

 

「よぉーし、最終予選も突破してやるにゃー!」

 

「やる気も上がったみたいだな」

 

 相手はあのA-RISEだという事実だと分かっていても、これだけの反響があればつい意気込んでしまうのも無理はない。というより、モチベーションが上がるのならそれに越したことはないのだ。

 

 

「それまでに、2人にはしっかりしてもらわないとね」

 

 絵里の視線につられて階段の方へ視線をやる。

 するとまるで示し合わせたかのように、階段ダッシュを終わろうとしていた穂乃果と花陽がヨレヨレになりながらも上がってきていた。

 

 これでもかというほど息を切らしているダイエット少女らは、それでもこのクソったれな厳しい現実に対して口を出すしかない。

 

 

「はあっ……はぁ……なに、これ……」

 

「この階段っ……こんな、キツかったっけ……」

 

 ぜひゅーぜはーと、女の子には似つかわしくない息遣いが聞こえるが、そんなのに気を遣えるほどの余力も残っていないのが目に見えて分かる。見たことないぐらいに顔が険しくなっている。

 

 

「アンタ達は今、体に重り付けて走ってるようなもんなのよ。当然でしょ」

 

「はい、じゃあこのままランニング5キロ、スタート」

 

「おぉふ、容赦ねえー……」

 

 あまりにも無慈悲な海未の言葉に、珍しく何も罰せられていない拓哉ですら心の声が漏れ出てしまう。

 これだけ疲れているという言葉が似合う顔をしているのに、むしろまだまだ行けるだろという海未の特別おかしいド根性魂が見事に炸裂している。

 

 

「ええー……!?」

 

「早く行く」

 

 せめてほんの少しの慈悲をという視線を2人が送るも、やはり大和撫子魂には届かない。

 思わず心で2人に合掌を送る拓哉であった。

 

 

「何してるんです。さあ早く!!」

 

「う、うぅ……」

 

 中々訴える視線を止めない2人に海未は、まるでそれが想定内とでも言うかのように落ち着いている。

 そして、ある意味において爆弾投下発言をした。

 

 

「ちなみに拓哉君の好みは健康的な体型の女の子です」

 

「ぐっ……海未ちゃんの鬼ー!!」

 

「うぅ……戻してみせます……」

 

 言った途端、穂乃果と花陽は文句やら決意を吐き出して走り去っていく。

 2人が見えなくなって、もちろん海未の言ったことに疑問を抱いた少年は直接聞くことにした。

 

 

「なあ、俺は一般的な男性の意見として言ったことなのに何で俺の好みがそれだって確定みたいに言っ―――、」

 

「切り札です。それ以上の詮索は許しません」

 

 何者にも有無を言わせないほどのオーラを海未が纏っている、ようにも見えた拓哉はそっと口を閉じた。

 まだまだ若い高校生だ。長生きはしたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、神社にてちょっとした少女達の絶対太らないでおこう決心が密かに進んでいる中。

 

 

 

 

 ここで元凶のダイエット組2人へ視点を変えてみようと思う。

 意味のある茶番があるように、意味のない茶番もあるように。

 

 

 誘惑にひたすら弱い2人の少女のヘンテコなドラマ(ただしバッドエンド)があるからだ。

 

 

 

「ふっふはっはっ」

 

「ふっふはっはっ」

 

 かくして。

 見事に園田流地獄ダイエットメニューをこなしている最中の2人が、リズムよく息を吐いては吸ってを繰り返しながらランニングをしている。リズムが乱れやすい階段とは違って、ただの平坦な道ならば2人もまだ疲れ自体は来るのが遅いようだ。

 

 ペースも2人揃って一定を保っている。これならまだ何とかなりそうな雰囲気ではあるが、やはりそれだけ平和に終わるなんてことは一切なく。

 よりによってμ'sのリーダーがある看板を目にしてしまう。

 

 それを見てしまったが最後、穂乃果は進んでいた足をそのまま後ろへ巻き戻すかのように看板のある店の間で止まる。

 隣から同じ呼吸音が聞こえなくなった花陽は後ろへ振り返る。

 

 

 そこにあったのは。

 穂乃果と、穂乃果が指さした方向にある店。少し詳しく言うならば。

 

 

 定食屋『GoHAN-YA』。

 

 

 

「はっはっはぁっはっ?」

 

「はぁっはっふっふぅっ」

 

 いまだに疑問の視線を向けてくる花陽に穂乃果はご丁寧に手を差し出し、それが何であるかを分からせてしまう。

 

 

「ハッ!? はぁ~……ぅぅぅッ! ふっふっふ!!」

 

『ご飯大盛り無料』という張り紙を見て目をキラキラ輝かせるが、すぐにダメだと判断して腕をクロスさせてジェスチャーをする。

 そうだ。自分が好意を寄せている少年は太っている女の子ではなく、健康的な女の子が好みなのだ。

 

 なら、そのためならば、今は愛してやまないご飯さえも我慢してみせよう。

 

 

「ふぅ、ふぅっふっふ~」

 

「はっはっは、ふぅぅぅ~!!」

 

 傍から見れば何をしているのかさっぱり分からないが、これでも2人の会話(?)は成立しているらしい。

 というかだ。μ'sのリーダーでありながらダイエットする羽目になり、挙句の果てに同じ境遇の仲間にちょっと寄ってちょっとご飯食べるだけだから一緒に行こうぜという、とてつもない悪魔的行為をしているこいつは何だと。

 

 

「ふっふっふぅぅぅううう!! ふっふァァァあああああ!?」

 

 あまりにしつこい穂乃果の誘いを何とか振り切ろうと、いっそ走り去るようなかたちで駆け出そうとした花陽だが、無念なことにそれは憚れることになった。

 いらない時にまで誰かの気持ちを察するカリスマ性をバカが発揮してしまった事によって。

 

 

「ふふふふふ、ふぅ~」

 

 不気味に笑いながら切り札と言わんばかりに穂乃果の指さした方へ視線を向ける。

 向けてしまう。

 それがダム決壊となった瞬間になるように。

 

 

 

『黄金米』。

 

 

 

 小泉花陽の我慢が粉微塵となる理由としては、十分すぎる理由だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行ってきまーす!! 行くよ、花陽ちゃん!」

 

「はいっ!!」

 

 

 ダイエットが始まってちょうど一週間がたった。

 今日も今日とて脂肪燃焼地獄ダイエットで悲鳴ばかり聞こえてくる。

 

 

 はずだった。

 

 

「なんか張り切ってんなあいつら。成果でも出てやる気でも上がってんのか?」

 

 拓哉の言う通り、最近の穂乃果と花陽はたまにぶーぶー文句を垂れる時もあるが、その頻度は明らかに減少していた。

 体重が少しでも減っていくのを体重計に乗って見たのかは知らないが、実感や成果が出てきたからモチベーションに繋がるのも何かを成し遂げる時への証拠だ。

 

 

「頑張ってるにゃ~」

 

「順調そうね。ダイエットも」

 

 他のメンバーも見慣れたのか、それともあれだけやる気に満ち溢れている2人を見たからか表情は綻んでいる。

 ただ1人を除いては。

 

 

「そうでしょうか」

 

「え?」

 

 そう言ったのは地獄ダイエットメニューを考案した張本人、海未。

 

 

「どういうことだ?」

 

「この一週間、このランニングだけは妙に積極的な気がするのですが」

 

「気のせいじゃないかな~」

 

「……、」

 

 ことりはそう言うが、さてここで拓哉も疑問に思った。

 海未の言う通りなのだ。屋上や神社での階段ダッシュなどでは文句言いながらヒーヒーやっているが、このランニングだけは笑顔満点でキビキビしている記憶があった。

 

 海未の言った意味をよーく考える。

 ランニングコースを思い出す。確かコースの道中には色々飲食店などがあったはずだ。

 

 そして、2人はいつも5キロのランニングを終える時間だけは遅めだった。

 つまり、岡崎拓哉の中で結論はほぼ出ていた。

 

 

「ちょっと見てきます。拓哉君、着いて来てください」

 

「オーケー」

 

 この瞬間。

 残りのμ'sメンバーは悟った。

 

 普段の拓哉なら着いていく事すら拒否したはずだ。なのに即答で了承した。

 ということはだ。あの2人は確実にクロだろうと。

 

 

 

 拓哉達が曲がり角を曲がる瞬間、絵里達の肩が思わずビクリとざわついた。

 

 

 

 あの少年の顔。

 

 

 

 

 

 なんだか般若のように見えたのは気のせいだろうか???

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ありがとうございましたー、と言い慣れたような軽快な声が店内から聞こえるのを耳にしながら外へ出る。

 

 

 

 

 

 

「いや~、今日も美味しかったねえ!」

 

「見て見て、今日でサービススタンプ全部貯まったよ!」

 

 出てきたのはもちろんクロの2人である。

 この一週間ずっと定食屋に通い、スタンプを見事埋め尽くせたことに喜びを感じている。

 

 

「ほんと!?」

 

「これで次回はご飯大盛り無料!」

 

「大盛り無料!? それって天国~!?」

 

「だよねだよね~!」

 

「「あははははははははは!!」」

 

 さあ、2人で盛り上がっているところ悪いが、もう少し後ろを警戒するべきだっただろう。

 満腹感のおかげで注意力が完全に散漫しているせいか、クロ2人は気付くことができなかった。

 

 

 

 

 もっと深く、漆黒と表現するのも生温いほどの暗黒オーラを放つドス黒い2人の存在に。

 

 

 

 

 

「あなた達」

 

「あはははッ―――、」

 

 笑い声が途絶える。

 絶対に聞かれてはならない。そもそも今ここにいるはずのない声と、その隣にいるもはや顔の原型が整っていないと錯覚させるほどの。

 

 

 

「よお」

 

「「ヒィッ!?」」

 

「順調なんだなって思わせておいて俺達を騙しながら食うメシは美味かったか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 鬼神がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでは、これまでのダイエットの状況を報告します」

 

「「はい……」」

 

 あれからまた数日。

 あの時鬼神が降臨してから2人は真面目にダイエットに取り組んでいた。と思う。

 

 いつもの部室で途中経過を発表するところである。

 

 

「まずは花陽。運動の成果もあって、何とか元の体重まで戻りました。よく白米を我慢しましたね、偉いですよ」

 

「ほんとぉ!? これも拓哉くんのおかげだよぉ……!」

 

「え、たくちゃん何かしたの?」

 

 花陽がさりげなく拓哉にお礼を言ったが、穂乃果や他のメンバーはそのことを把握していないのだ。海未以外は。

 だから拓哉はいつものようにあっけらかんとしながらスラスラと言葉を並べていく。

 

 

「まあな。米ラブの花陽だ。さすがに米と絶縁させるのはかわいそうと思ってな。海未に相談して許可を貰ったんだよ。玄米か十六穀米は許してやってくれないかって」

 

「げんまい? じゅうろっこくまい??」

 

「花陽の場合は白米の食べ過ぎによる糖質の過剰摂取が原因だったんだ。なら話は簡単で、白米の代わりを用意すればいい。詳しい説明は省くが、要は糖質を抑えれば花陽の場合ほぼ解決するんだ。まあその2つも食べ過ぎはダメだけど」

 

 ともかく、花陽は白米の代用で変にストレスなくダイエットに集中できたと言っても過言ではないだろう。

 元の体重に戻った以上、花陽はこれでダイエットメンバーから離脱になる。

 

 で。

 

 

「次に穂乃果です」

 

「は、はい!」

 

「あなたは変化なしです」

 

「……ええ!? そんなあ!!」

 

「それはこちらのセリフです」

 

 花陽が成功したなら自分もそれなりに減っていると思っていた穂乃果。

 だが実際は何も変わっていない。

 

 

「本当にメニュー通りトレーニングしてるんですか」

 

「してるよ! ランニングだって腕立てだって!」

 

「昨日ことりからお菓子を貰っていたという目撃情報もありますが」

 

「あ、あれは……一口だけ……」

 

「雪穂の話によると昨日自宅でお団子も食べていたとか」

 

「あれは、お父さんが新作を作ったから味見してって」

 

「ではそのあとのケーキは?」

 

「あれはお母さんが貰ってきて……ほら、食べないと腐っちゃうから!」

 

 穂乃果も穂乃果だが、海未の情報収集能力も高すぎるのではと少し自分のプライベートも調べられていないか不安を覚える拓哉。

 それよりも相変わらず穂乃果がつまみ食いをしてる事実が発覚したので再び鬼神が出そうになるのを抑える。

 

 

「何考えてるんです! あなたはμ'sのリーダーなのですよ!」

 

「それはそうだけど……」

 

「本当にラブライブに出たいと思ってるのですか!」

 

「当たり前だよ!!」

 

「とてもそうには見えません!!」

 

 これ以上は拓哉が穂乃果を怯えさせるより海未に任せた方がいいだろう。

 ガミガミ言い合っている2人をよそに、それを見ている凛と真姫はついこんなことを思ってしまう。

 

 

「穂乃果ちゃんかわいそう……」

 

「海未は穂乃果のことになると特別厳しくなるからね」

 

「……穂乃果ちゃんのこと、嫌いなのかな」

 

「それはねえよ」

 

「ううん、大好きだよ」

 

 長年の幼馴染だからこそ分かる。

 あれは愛ゆえの厳しさなのだと。もしも嫌いならまずあれだけ構うことすらしないだろうから。だから、あの2人はこれまでずっと一緒にいれた。

 

 

「穂乃果!! あなたという人はどうしていつもこうなのです! 私だってこんなにガミガミ言いたくないんですよ!!」

 

「そうは見えないけど」

 

「あはは……」

 

「口で怒られてるだけ俺よりマシだろ。俺なんて時々竹刀飛んでくるからな」

 

 聞いてはいけないようなことが拓哉から聞こえたが、それも今更なとこもあるので何も言わないでおく。

 

 

 

 

 そんな時。

 

 

 

 ガラガラとドアが開かれる音がした。

 

 

 

 

 

 

「あの~……」

 

 

 ヒデコだ。

 時々生徒会の手伝いすらもしてくれる、ある意味拓哉より積極的に手伝ってくれる3人の1人が困ったような表情でやってきた。

 

 

 

「どうしたの?」

 

「それが……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 問題というのは。

 

 

 

 

 

 

 次から次へとやってくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




さて、いかがでしたでしょうか?


あの息遣いだけでのシーン、何とかやってやりました。
難しいですよあれは(笑)
さて、上手くいけば次回がクライマックスかな?



いつもご感想高評価ありがとうございます!!


では、新たに高評価(☆10)を入れてくださった


blue breakさん

電伝坊主さん


計2名の方からいただきました。本当にありがとうございます!!
これからもご感想高評価お待ちしております!!



神の視点で書くのはやはり楽しい。
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