ラブライブ!~奇跡と軌跡の物語~   作:たーぼ

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気が向いたらですが、次回か次々回位に簡単な主人公の容姿を描こうと思います。
ええ、顔だけです。全身描いたら等身おかしくなっちゃうっ。
過度な期待はしないでください。






13.募集と練習

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな訳で放課後、俺達はスクールアイドルの名前、とどのつまりそのグループ名を考えるために図書館まで赴いていた。

 のだが、

 

 

「うーん……中々思いつかないよねえ」

 

「何か私達に、特徴があればいいんだけど……」

 

「3人共性格はバラバラですし……」

 

 と、こんな風に全然決まらないのである。

 

 

「特徴なら3人共あるだろ?」

 

「「「え?」」」

 

 いやハモんなよ息合いすぎだろ。

 でも意味が分からないような顔をしてる辺り、それぞれが強い特徴を持ってるのに気付いてないようだな。

 

 

「つうか何で気付いてないんだよ。お前らは自分が思ってる以上に特徴、個性があるぞ」

 

「どこどこたくちゃん!?」

 

「声が大きいぞおバカ」

 

 図書室だぞここ。ほれみろ他の生徒に見られちゃったじゃねえか。やだ恥ずかしいっ!

 

 

「じゃあ1人ずつ言ってくぞ。まず穂乃果はパンとか洋風な物が好き。あとおバカ」

 

「最後で台無しじゃん……」

 

 いや最初もどうかと思うんだけど。

 

 

「ことりは天使だな。マジ大天使。マイラブリーエンジェル。声とかずっと聞いてても飽きない。まさに天性の声」

 

「照れちゃうよたっくん~」

 

「私と違いすぎない?」

 

 黙らっしゃい穂乃果。ことりの声は俺の大事な癒しなんだ。もはや目覚ましボイスにしたいまである。

 

 

「海未はあれだな。大和撫子に見えて暴力魔だな」

 

「分かりました。歯を食いしばりなさい」

 

「海未ちゃん気持ちは分かるけどここ図書室だから……!」

 

 へっへーん! 穂乃果の言う通り、ここは図書室。静かにしてないといけないこの空気の中、真面目な海未は俺に危害を与える事は出来ない。そう! 俺はとうとう海未に勝ったんだ!!

 

「……なら、図書室を出たら覚えておいて下さいね♪」

 

 

 前言撤回。大敗北。

 どうやら俺はこの図書室で一生暮らす事になりそう。あ、でも廃校阻止しないと無理だね!

 

 

「そ、そんな事より早くグループ名決めようぜ。時間も限られてるんだしさっ」

 

 必死に話を逸らすのに一生懸命な俺、泣ける。

 

 

「じゃあ、話を戻すけど、単純に3人の名前を使って、『ことり!穂乃果!海未!略してことほのうみでぇ~す!!』とか?」

 

「漫才師みたいですね……」

 

「いや漫才師そのものじゃねえか。安直すぎだろ……」

 

「だよねえ……」

 

 話を逸らすのは成功したみたいだが、いかんせん本題が進まんな。

 

 

「う~ん……そうだ! 『海未ちゃんの海、ことりちゃんは空、穂乃果は陸。名づけて、陸海空!』」

 

「全然アイドルっぽくないけど……」

 

「ねえお前は何なの? バカなの? うん、バカだったわ」

 

「だよねえ……ってたくちゃん自己完結しないでよ!」

 

 自己完結って言葉を知ってるのか、偉いねえ穂乃果は。拓哉さんも穂乃果の成長に嬉しく感じますよ。バカは変わりないけど。

 

 

「えぇっと……じゃあじゃあ、3人の頭文字を取ってMSKとかは?」

 

「もはや意味が分かんねえよ。何かのテレビ局かよ」

 

 あれか? N○K的なあれか? ワクワクさんにはいつもお世話になりました。

 

「ならたくちゃんは何かあるの……?」

 

 ツッコミばっかいれてたせいか、俺に鋭い目付きで睨んでくる穂乃果。ふむ、そうだな。

 

 

「音ノ木坂で3人のスクールアイドルだから……音ノ木坂トリオでいいんじゃないか?」

 

「たっくん……」

 

「拓哉君それはちょっと……」

 

「たくちゃんも私と変わらないじゃん」

 

「うっせ……」

 

 急に言われたから思いつかなかっただけだし(震え声)余裕があればめちゃくちゃいいの考えられたし! 『オレンジブルーホワイト』とか。

 ……めちゃくちゃセンスねえな俺。

 

 

「うう~……じゃあ、じゃあ……あ、そうだ!!」

 

「だから声デカいっつの。お前には音量調整機能が付いてねえのか」

 

「ごめんごめん。で、ことりちゃん、衣装のイラストに使ってたカラーペンとかは教室にあるんだよね?」

 

「うん、そうだけど…」

 

 カラーペン? 何だ? ことほのうみとか陸海空とかをカラーペンで書いて少しでも可愛げあるようにするのか? あんまり意味ないと思うけど。

 

「じゃあさっそく教室に戻ろう! 行こうことりちゃん!」

 

「え、あ、ちょ、穂乃果ちゃんそんな引っ張らなくても~」

 

 ことりの手を引いてそそくさと図書室を出た穂乃果。

 それを呆然と見つめる俺と海未。やる事は1つ。

 

 

「何か知らんが、俺達も行くか」

 

「そうですね。……ですが、その前に……」

 

 図書室を出て数メートル進んでから海未が何故か歩を止めた。

 

 

「どうした海……未……?」

 

 あれ、何故海未の背後にゴゴゴゴゴゴゴゴ……! と聞こえてきそうなオーラがあるんだ?

 

 

「さっきの言葉、もう忘れたとは言わせませんよ……?」

 

「…………………………………あ」

 

 ここは廊下。図書室みたいに絶対に騒いだりしてはいけない場所でもない。

 つまり、

 

 

「いや、待て。待つんだ海未。話せば分かる。だから落ち着くんだ。俺達は昔からの付き合いで育ってきた幼馴染じゃないか。だからお互い理解しあえ腕の関節があああああああああああああああ!!!???」

 

「問答無用です」

 

 

 

 

 

 

 

 綺麗な笑顔で言われた。

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

「で、これが?」

 

「そう! ことりちゃんに頼んで描いてもらったんだ! ていうかたくちゃん、何で涙目になってるの?」

 

「気にするな……」

 

 海未の関節技を見事に頂いた俺は、掲示板の前のある紙と、その下にある箱を見ていた。

 

 

「『初ライブのお知らせ。そしてグループ名の募集』ねえ」

 

「ふふーん、これでよし!」

 

「結局丸投げですか……」

 

 俺が痛めつけられてる間にことりが描いたであろう紙には、ちゃんと初ライブの宣伝もしてあるし、グループ名募集用の箱もある。これは生徒の興味を引くには丁度良いかもしれない。

 

 

「こっちの方がみんな興味持ってくれるかもしれないし!」

 

「そうかもね……」

 

「うん、俺もこれは悪くないと思うぞ。これで少しでも生徒が興味持ってくれるなら、それに越した事はない」

 

 それに考えるのめんどく――ゲフンゲフン、生徒の意見も取り入れたいしなーアハハハハハ。

 

 

「よおーし! 次は歌と踊りの練習だー!!」

 

「お、いよいよ本格的な行動に移れるな」

 

「うん!! さあ、練習出来る場所を探しに行こ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 というわけでグラウンド。

 

 

「はっはっはっはっはっ……!」

 

「ボールそっち行ったよー!」

 

「カバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディ」

 

 

 

「うーん、ここだと邪魔になりそうだね……」

 

「違う場所に行こっか」

 

 いや、何でカバディ?

 

 

 

 

 

 

 

 体育館。

 

 

「トース!」

 

「そこ、シュート!!」

 

「カバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディ」

 

 

 

「ああ~、ここも全部使ってるぅ……」

 

「しょうがないよ。他の所行ってみよ?」

 

 いや、だから何でカバディ?

 

 

 

 

 

 

 

 空き教室。

 

 

「カバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディ」

 

 

 

「んぐー! んぎぃー!」

 

「鍵が掛かってる……」

 

「空き教室は使えないんですね」

 

「職員室に行って先生に空き教室の鍵貸して貰おう!」

 

 何で廊下でカバディやってんだよ。つかカバディ多すぎだろ。何で学校内のあらゆる場所にいるんだよ。ポケモンやドラクエじゃねえんだよ。あれか、ツッコまないのが正解なのか? ツッコんだら負けなのかこれ? 俺が間違ってるの?

 

 

 

 

 職員室。

 

 

「空き教室を? 何に使うんだ?」

 

「スクールアイドルの練習に……」

 

 穂乃果がそう言うと山田先生が後ろの俺達を見てからニヤッとしやがった。

 

 

「お前らが、アイドル? くふっ……!」

 

「は、鼻で笑った……!?」

 

 うん、まあこの先生なら笑ってくるだろうと思ってたわ。

 

 

「岡崎、お前もす、スクールアイドルをププッ、やるのか? くくっ……!」

 

 おい、笑いすぎだろ。これでも学校のためにやろうとしてんだからな。……まあ、あのおバカ穂乃果が急にスクールアイドルやるとか言い出して、俺が先生の立場なら笑ってるけど。もう大爆笑。笑いすぎて椅子から落ちるまである。

 

 

「当然俺はやりませんよ。女子に交じってアイドルなんかやる訳ないじゃないですか」

 

「ありゃ、そうなのか? いやあ、お前がアイドルやると人気出るからやってみろって。くはっ……!」

 

 この先公……俺がスクールアイドルやると思ってたからあんなに笑ってやがったのか。

 

 

「……行くぞ穂乃果。何とか他の場所を探すんだ」

 

「え? でも空き教室は?」

 

「先生が素直に渡してこないって事は、渡せない理由があるんだろ。ならここに長居しても埒が明かない」

 

「岡崎、華麗に私の発言をスルーしたな」

 

 アンタに付き合ってたら俺の胃が持たねえんだよ! コントやってる場合じゃないんだぞこっちは。

 

 

「……まあ岡崎の言う通り、部活でもないのに生徒に空き教室を使わせる訳にはいかないんだ。すまないな」

 

「そうなんですか……。ありがとうございます。失礼しました」

 

 大体の理由は予想してたからな。

 でもカバディやってる生徒の多さに一番疑問浮かぶけど。

 

 

「岡崎」

 

「なんすか?」

 

 穂乃果達が出た所で先生に呼び止められた。また余計な事言ってくるんじゃないだろうな。

 

 

「何故お前らが今からスクールアイドルをやろうとしてるのかは分からん。でも、高坂達とお前の真剣な顔を見ると、何やらただ楽しみたいからやるって事でもなさそうだな」

 

 先生の顔は、いつになく真顔だった。

 おそらく“俺達のやる事について”の大方の想像はついてるのだろう。

 

 

「高坂達ならまだ分かるが、何でお前まで手伝う? ここに来て間もないお前に、そんな義理はないはずだろ?」

 

 もっともな疑問で、もっともな意見だった。この学校に何の愛着も湧いてないはずの俺への疑問。何の思い出もないはずの俺への疑問。でもそれに似たやり取りはもう、既に穂乃果達と済ませてある。

 

 

「簡単な事ですよ。あいつらが守りたいと言ったから俺も守る。それだけ、それだけでいいんですよ。そこに愛着とか思い出とかは関係ない。義理なんてなくても、ほんの一つでも、守りたいと思えるものがあるなら、それだけで俺は動ける。学校と、あいつらの笑顔と、アンタら先生の笑顔だって守ってみせる。そんなもんですよ、俺の行動原理なんて」

 

 そこに他意はなかった。本音を言った。

 だからこそ、自分の発言の一部分に羞恥心が集中した。

 

 

「あ、いや、今の言葉にはですね! 少し語弊というか、間違いというか――」

 

 何を言おうか考えてたら、さっきまで目を見開いたまま放心状態だった先生が急に笑い出した。

 

 

「あっはっはっは!! いやー言うねえ岡崎ぃ。まさか先生である私達の笑顔を生徒であるお前が守るなんてなあ!」

 

 言うんじゃなかった……言うんじゃなかった……! この人なら思いっきりいじってくるって分かってたはずなのに!

 岡崎拓哉一生の不覚だよ。穴があったら入りたい。

 

 

「あー……さっきの発言は忘れてください。てか忘れろ」

 

 精一杯の反撃を試みるも、全く効果がないようだ。

 

 

「やだね。こんないいネタ忘れる訳がない。……期待させてもらうぞ、岡崎」

 

「……俺も出来る限り尽くす。でも、最終的にやるのは穂乃果達ですよ」

 

「それでもサポートは絶対に必要になる。それをやるのがお前だろ? しっかりあいつらを見ていてやってくれな」

 

 何を当たり前の事を……。

 

 

「当然です。じゃあ、失礼しました」

 

 

 

 退室する際、ふと視界に映ったのは、先生の微笑んでいる口元だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうしたのたくちゃん? 先生と何か大事な事でも喋ってた?」

 

 廊下に出ると穂乃果達がいた。どうやら待たせてたみたいだな。

 

 

「いや、コントやってた」

 

「え、コント?」

 

 とりあえず嘘を言っておく。掘り返されると俺の精神が色んな意味で持たん。

 

 

「職員室で何をやってるんですか……。ほら、次の場所を探しに行きますよ」

 

「うーい」

 

 適当に返事をしながら3人の後ろに着いて行く。その後ろ姿を見て改めて思う。

 あいつらの悲しい泣き顔はもう見たくない。だから俺がその笑顔を守ると。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 屋上。

 

 

 

 

 

「で……」

 

「ここしかないようですねえ……」

 

「日陰もないし、雨が降ったら使えないけど、贅沢は言ってられないよね……」

 

「うん、でも、ここなら音とか気にしなくてもよさそうだね」

 

 確かに、広さも練習するには申し分ないし、音を気にしなくてもいいのは大きい。

 

 

「よぉーし! 頑張って練習しなくっちゃ!!」

 

 いよいよ練習が始まる。

 

 

「まずは歌の練習!!」

 

「「はい!」」

 

 そう言って穂乃果達は横に並びだす。列を作って歌うって事か。

 ……何を?

 

 

「「「…………………………………………………………………」」」

 

 

 

 

 沈黙が屋上を襲った。

 

 

 

 ちょっと待て。

 こいつらまさか……、

 

 

「……えっと、曲、は……?」

 

「……私は、知りませんが……」

 

「私も……」

 

 ことりの探るような質問から流れるように海未と穂乃果も答える。

 全く何も考えてないであろう回答をもって。

 

 

「……たくちゃん!!」

 

「俺が知るわけねえだろ!! 俺はてっきりアイドルをやるお前らが自分で考えてるもんだと思って任せてたんだぞ!?」

 

「でもたくちゃんも手伝ってくれるんなら何か考えててくれてもいいじゃん!!」

 

「昨日今日ですぐに思い付けるか!!」

 

 完全に詰んだ。練習はまた決めるとしても、そういや何の歌を歌うか、曲はどうするか、歌詞をどうするかを決めていない。

 前途多難すぎだよお……。

 

 

 

 

 

 

 

 ―――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

「……、」

 

 小泉花陽は掲示板の前に貼り出されている紙と、ある箱を見ていた。

 それはもう心でテンションを上げながら。

 

「アイドル……」

 

 ふと声が漏れる。

 大のアイドル好きである自分が通っているこの学校でも、とうとうスクールアイドルが出来たという事実が、花陽を高揚感に溢れさせる。

 

 

(音ノ木坂学院でもスクールアイドルが出来たんだ……。凄いなあ、わ、私も、やってみたいけど、無理だよね……)

 

 スクールアイドルが大好きで、憧れでもある。でも、あくまで好きと憧れは違う。アイドルが好きでも、自分がやるとなれば話は別になってくる。アイドルに憧れても、自分にアイドルが出来るかと問われれば話は変わってくる。

 

 自分には無理だと。いくら好きで憧れていたとしても、自分じゃアイドルをする事が出来ない、と。

 

 

(ダメだ。この紙の前でこんな事考えてたら失礼だよっ)

 

「かーよちーん!」

 

「わっ、凛ちゃん」

 

 すると教室から出てきたのは、自分の昔からの親友である、星空凛だった。

 

 

「どうしたの?」

 

「え、あ、や、えと、ううんっ! 何でも、ない……」

 

「んん? ……さ、かーえろー!」

 

 凛は花陽の顔を怪訝に見ながらも、気にせず促してくる。

 いつもこうして自分は言いたい事をはっきりと言えない。それにいつも自己嫌悪しながらも変える事が出来ない。そう簡単には変える事は、出来ないのだ。

 

 

「うん……」

 

 凛に着いて行こうとして、再びスクールアイドルの張り紙を見る

 すると、自分の背後のすぐまで足音が近づいてきた。

 

 

「……何、これ……?」

 

「さ、さあ……」

 

「……ふんっ」

 

 3年生のリボンを付けたツインテールの身長の低い生徒は、それだけ言うと、足早に去って行った。

 

 

(何だったんだろう……?)

 

「かーよちーーん!! 行くよー?」

 

「あ、うんっ」

 

 疑問に思いながらも、慌てて凛に追いつく。

 

 

「ところでかよちん。例の転校してきた男子生徒の人知ってる?」

 

「2年生で入って来た人だよね?」

 

 凛の質問に首を傾げながらも応じる。

 

 

「凛も聞いただけなんだけど、結構色んな噂があるんだってー」

 

「そうなの? 例えば?」

 

 花陽もまだ転校してきた男子生徒を見ていない。

 もし会ったとして、喋れそうにはないからどういう感じの人なのかだけを知っておきたいのだ。

 

 

「えっとー、確かー、初めての自己紹介の時に先生と言い合いになったり、意識のない女子生徒を抱えながら叫んだり、教室で女子生徒3人を言葉で泣かしたり、あ、さっき聞いたばかりなんだけど、図書室で泣かした女子生徒と騒いでたらしいにゃー」

 

「なんていうか……凄い人だね……」

 

 苦笑いはするが、これは会わない方がいいのかもしれないと、花陽は内心警戒心も持っておかないとと思っていたのであった。

 

 

「噂だけだとどうも変な人だよねー。かよちんには会わせない方がいいかも! 危険な匂いがプンプンするにゃー!」

 

「あはは、それは流石に言い過ぎじゃないかなあ……」

 

 と言いながらも自分も極力会わない方がいいと思う辺り、良いイメージはあまりないようであった。

 でも遠目に見るだけなら見てみたい気持ちもあると考えてると、凛も何か考えてる風だった。

 

 

「どうせならもっと良い人に来てもらいたかったにゃー」

 

 頭の後ろに手を組みながら言う凛に対し、

 

 

「この前助けてもらった岡崎さん、とか?」

 

 反射的に花陽は微笑みながら返した。

 

 

「にゃ、にゃにゃにゃ、何を言ってるにゃかよちん!? そそそそそんな事凛は思ってないってー!」

 

 赤面しながら言ってくる辺り、図星なのだろう。

 最近、秋葉原で助けてくれた茶髪のツンツン頭の少年の話をすると、凛は決まってドモりながら顔を赤くするのだ。

 

 

「でも、私も転校してきたのが岡崎さんなら、嬉しかったんだけどね」

 

「そ、そうだねっ。この前のお礼もちゃんと言っておきたいし!」

 

 即答で返してくる凛に微笑ましくなりながらも、花陽は少年の事を思い出していた。

 ヒーローのように自分達を助けにきて、用が終われば颯爽と帰って行った。少年と一緒にいたのは30分にも満たないのに、とても鮮明に印象に残っていて覚えている。

 

 彼は今何をしているのだろうか。年上だとしてもそんなに離れていないはずだから、高校に通っているのだろうか。もし次会ったらどう喋ろうか。

 少年を思い出す度にそんな事を考えてしまう。

 

 

「かよちん? かよちーん?」

 

 ふと凛に呼ばれている事に気付き、慌てて返事を返す。

 

「ふぇ? えと、何、凛ちゃん?」

 

「何って……かよちん、もう下駄箱だよ?」

 

 そこでやっと周囲の景色に目が行った。凛に呼ばれなかったら確実に上履きのまま外に出ていたであろう。

 

 

「あ、ごめん凛ちゃん。ありがとね」

 

「どうしたのー? かよちん?」

 

 何でもないよーとだけ返し、下靴に履き替える。その途中、ふと視界の端に、細かく言うと外の校門に視線が行った。

 そこには明らかに女子生徒の制服を着ていない、つまり唯一の男子の制服を着ている生徒の後ろ姿があった。映ったと言っても一瞬の事で、その男子生徒の後ろ姿はすぐに階段に消えて行った。

 

 

 

 

 

 

 再び視線を下駄箱に戻し、履き替える。

 

 

 

 

 そこで何となく考える。

 

 

 

 

 さっきの生徒の後ろ姿。

 

 

 

 

 というか頭。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 茶髪のツンツン頭ではなかったか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 アニメの間にオリジナル入れると楽しくなってきてどんどんストーリーが遅れる。
 これ如何に。


 そして自分から再び皆様に感謝を。
 いつもご愛読ありがとうございます。
 いつも感想くれる方、たまに感想くれる方、一言でも感想をくれる方、評価してくれる方、お気に入りしてくれる方、全てが活力になります。
 皆様の感想などが全て自分の元気の源になります。もしかしたら自分は元気玉の核かもしれない。
 こんな事を言ってますが別に死亡フラグではありません。これからもいつも通り投稿していきます。
 ただ、これからも毎回ではなく、定期的に皆様に感謝の意を書いていこうと思います。そうしないとこの言い表せない嬉しい気持ちが爆発してマルマイン状態になります。

 そんな訳でこれからもよろしくお願いします!ここまでのご愛読ありがとうございました!

 俺達の戦いはこれからだぜっ!!
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