140話で区切りよく終わりを迎えてめでたいのに、Twitterでは小説用のアカウントが乗っ取りによってロックされているという不幸状態です。
ということでしばらくかずっとかは分かりませんが小説の宣伝はこちらのアカウントで行います。
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小説用アカウントで元々フォローしてくださっていた方々には申し訳ありません。
フォローしてない方はこれを機にどうでしょう?
小説用ではないのでいつも好き勝手呟いているだけですが←
さあ、そんなわけで2期最終回、どうぞ!
「穂乃果達の奢りのジュースはおっいしっいな~!」
「どういたしまして……」
「大半は俺が出してやったんだからそう落ち込むなっての」
ご機嫌な顔ではにかんでいるのは絵里。
常に不機嫌みたいな時だった生徒会長の頃にこの顔を見せれば卒倒するに違いない。
「そういえば最近あまりパン食べてないわね」
「うん、ラブライブも終わったし我慢してたんだ」
「それでも結局ダイエットしましたがね」
「主に俺が面倒見てな」
「い、いやあそれはその~」
ラブライブが終わった今、卒業式やら生徒会の仕事で忙しかった穂乃果は運動する機会もなく少しずつだが体重が増加していった。
もちろんそれに気付かない海未ではなく、即座に拓哉へ命令を出し穂乃果ダイエットの監修者として高坂家に派遣されていた小話があったりする。
「それより学校見て回るんでしょ? 行くならとっとと行くわよ」
「んじゃ手始めにク……アルパカのとこにでも行くか」
「今完全にクソって言いかけたわね」
「バッカお前、俺がそんなこと言うわけないだろ。俺は動物好きだからそんなことは言いませーん!」
「本音は?」
「くっせえ唾かけられた恨みはまだ忘れてねえからなクソパカ野郎」
「本音じゃなくて憎しみが出てるわよ」
μ'sがまだ3人だった時、ことりがアルパカにハマって様子を見ていたら茶色いアルパカに唾をかけられた記憶が今でも鮮明に思い出される。
あの時の幼馴染達からの拒絶反応は拓哉のメンタルに多大なダメージを負わせたのだった。ちなみに家で唯に洗濯してもらう際にも若干嫌な反応されたことが一生の傷になっちゃったりしていた。
「久しぶり~もふもふぅ」
「……ッ!」
アルパカに特別な感情を抱いているのは憎しみに燃える少年1人だけではない。
アルパカに愛情たっぷりで抱き付いていることりと、絵に描いたような引き攣った顔をしているクォーター美人絢瀬絵里がいた。
「どうしたのです?」
「い、いや……」
絵里に関しては拓哉と同じような思い出というか臭い過去があるからアルパカに対しての憎しみはないが、苦手意識はありありなのだ。
何なら今も茶色いアルパカは拓哉と絵里を交互に見ながら威嚇している。拓哉に至っては威嚇し返している。
「それにしても随分太ったにゃー」
「言われてみれば……」
「あん? 何だお前、エサの食いすぎでみるみる太ったのか? 男のくせに情けねえながっはっは!!」
煽りに煽っておきながら距離を置いている少年に誰も見向きはしない。
というよりあらゆる医学を勉強中の真姫には見過ごせない事実があった。
「待って。……これってもしかして、赤ちゃんじゃ……」
「「「「「「えー!?」」」」」」
「なん……だと……!?」
一番驚愕しているのは岡崎拓哉だったりする。
てっきりオスだと思ってお互いガン飛ばし合いをしていたと思ったらこれである。おじいちゃんに見えた人が実はおばあちゃんだった的なものかもしれない。
「これでまた賑やかになるね!」
1人事実を知っていた花陽はただただ喜びに満ち溢れていたという。
パシャリと音がした。
次にやってきたのは講堂。
「わー! 久しぶりにここに立つとやっぱ広……くない……?」
「そう感じるのは私達が少しだけ成長できたということかもしれません」
「まだ信じられないもんね……」
「うん」
あれだけ広いと感じていた講堂が、今ではそう感じない。
ステージに立ち続けてきた彼女達だからこそ分かる違和感。もちろん、いつも側でしか見てこなかった拓哉には今もこの講堂は充分広いと思っている。ここはやはり立つ者と立たない者の違いが生じるのは仕方ない。
「ラブライブのステージで歌ったなんて……」
「優勝した身なんだからもっと胸張れよ。そんなんじゃ優勝するために頑張ってきた他のスクールアイドルが報われないぞ」
「そこは確かにそうなんだけど……胸張れよはセクハラだよたくちゃん!」
「何でだよ!? ちょっと良いこと言ったのに最低な扱いされたぞおい!」
「はぁ……次行きましょうか」
ギャーギャー言い合っているリーダーと手伝いを放置してメンバー全員去っていく。
みんないないことに気付いたのはおよそ2分後だった。
パシャリと音がした。
桜の木々に見下ろされながら静かに寝ている9人がいた。
その光景はいっそ現実離れした幻想的な絵画を思わせる一枚にも見える。
まさに9人の女神。
どこにでもいる普通の女の子達が、学校のために努力を続け諦めずにいて辿り付いた境地。
μ'sはラブライブをもって終わった。
そしてこの学校にこの制服のまま9人がいられるのはこれで最後だから、まるで9人の女神をここに眠らせるような儀式を行っているように桜の木や草原が風で揺れ動いている。
どこにでもいる平凡な少年は、桜の木を背にただ少女達を見守っている。
「最初に9人で歌ったときも、こんな青空だった。そう思ってたんやろ?」
「……ええ」
「……ウチもや」
短い言葉だけでも気持ちは分かる。
苦楽を共にしてきた2人、いいや9人にはそれだけの絆がある。
桜が舞い散り、最上の景色と光景が拓哉の瞳を彩っていく。
パシャリと音がした。
「最後はやっぱりここねえ」
「うん!」
やってきたのは、屋上。
この学校自体が始まりの地だと言うのなら、この屋上は始まりの場所と言ってもいいのかもしれない。
「考えてみれば、練習場所がなくてここで始めたんですよね」
誰もいない屋上。
静寂が支配していたここを歌声や振り付けの練習で彩らせたのは紛れもない彼女達だ。
「毎日ここに集まって」
「毎日練習した」
「できないことをみんなで克服して」
「ふざけたり、笑ったり」
「全部ここだった……」
3人だけだった時も、6人だけだった時も、9人になってからも、1人の少年と共にここまで歩んできた。
喜怒哀楽の全てをここで使っていた。
変わらないものはない。変わっていくものは必ずある。
けれど、人数は変わっても9人の思いは変わることはなかった。
色々な出来事があったのを少年は覚えている。
仲違いだってしてきたし、解散の危機にだってなろうとしていた。
それでも、最終的には必ず1つに戻る。
ずっと見守ってきたからこそ分かる。変化と不変は紙一重だと。
元々強かった絆は壁を乗り越えることでより強固になっていくように、強さに変化はあれど思うものは何一つ変わらないのだ。
パシャリと音がした。
「ねえ拓哉、さっきから何撮ってるの」
ここで真姫がいい加減気になっていたことを呟く。
聞かれた拓哉は持っている物を見ながらそれに答える。
「ああ、最近始めたんだよ。親父が使わないからって言ってくれてさ。結構新しいやつなのに勿体ないし、せっかくだから良いモン撮りたいしな」
一眼とまではいかず、結局は岡崎冬哉が興味本位で買ってすぐ飽きられたデジカメをさする。
先ほどからパシャリパシャリと撮っていたのは拓哉だったのである。
「ちなみに卒業式のときスクリーンに出てた写真あるだろ。教室の風景とか。それも全部俺が撮ったんだよ。理事長的にはカメラマン雇うよりこっちのが全然良いって言うから甘えさせてもらった」
「そんな自由で大丈夫なのこの学校……」
元々廃校寸前だったせいというかおかげというか、割とフリーダムな理事長に心配と安心が同時に襲ってくる。
「それに今まで練習で過ごしてきた場所とかお前らを撮りたい気持ちもあったからな」
「そうなの?」
「思い出は確かに心にずっと残っていくとは思ってるよ。だけど、こうして写真に撮ってればもっと鮮明に思い出せるし、ふとした時に見れば元気付けられるもんだ」
思い出すだけなら簡単だが、それを現物化することはできない。
だから写真を撮って思い出を
いつだって思い出せるように。
「たくちゃん……あっ、そうだ!」
突然穂乃果がモップとバケツの中に水を入れ用意をし始めた。
何をするのかいまいち想像が付かず、かと言って今更屋上を掃除するわけでもないはずだ。
「穂乃果ちゃん?」
「何するつもりだ?」
「見てて!」
そう言うと、ちゃぷちゃぷと音を立てながら穂乃果がモップを動かしていく。
まるで文字を書いているような動作。だから、何をしようとしているのかすぐに分かった。
「これは……」
「μ's……」
「できた……! たくちゃんこれも撮って!」
「あ、ああ」
手慣れた手付きでμ'sと書かれた屋上の床を撮る。
「でも、この天気だからすぐ消えちゃうわよ」
マジックペンやペンキで書いたわけではない。
ただの水で書いた。その結末は言わずもがなであるのは全員が分かっている。
故に。
「それでいいんだよ」
「え?」
「すぐに消えちゃうものだけど、この瞬間は、たくちゃんが撮ってくれた。それに、私達だけがこれを見ることができた。……だから、それでいいんだよ」
意味も分かる。理解もできる。誰もが納得もした。
この10人だけの瞬間を刻み、残された跡だけは消えない。
合図することもなく、9人は姿勢を正す。
「「「「「「「「「ありがとうございました!!」」」」」」」」」
μ'sとして、最後の挨拶だった。
パシャリと音はしなかった。
これだけは、心の中だけに刻むものだと思って。
1人、また1人と屋上から去っていく。
やり残したことはもうない。あとはこの学校から出ていくだけ。
それで、全てが終わる。
穂乃果がモップやバケツを直すためバケツに手を伸ばそうとしたところで声がかかる。
「最後くらい、俺も手伝うよ」
「……最後って言ったら、罰ゲームなんだよ……」
「他に聞いてるヤツはいないからノーカンってことで」
2人で微笑みあう。
そこで、幻聴のようなものが聞こえてきた。
『穂乃果ちゃーん、待ってー!』
『穂乃果、いつも言っているでしょ』
『あはは、ごめんごめん!』
『いつも同じところでタイミングズレてるし、穂乃果はここを重点的に練習したほうがいいな』
『ダンスって難しいね~』
いいや、幻聴ではない。
これはある種の走馬灯に近い。死ぬわけではないが、終わりが近いと悟った瞬間にその時のことを思い出すような感覚。
『寒いってどういうことよ!』
『正直に言っただけでしょ!』
『にこちゃんは相変わらずにゃー!』
いつかの光景が幻のように現れている気がした。
笑い合い、怒鳴り合い、鼓舞し合ってきた。
『あと30秒!』
『もう少しよ、頑張って!』
『は、はい~!』
最初からいた穂乃果や拓哉にとって、何気ない出来事を思い出すのはとても簡単なことだ。
楽しくなければ、思い出さない。苦しくなければ、思い出さない。
全てを知っているから、思い出せる。
『さて、休憩終わったらステップの確認始めるぞー』
『『『『『『『『『はーい!』』』』』』』』』
いつだって、最後には笑い声が響いていた。
1年にも満たない関係でありながら、非常に濃密な日をずっと過ごしてきたから分かる。
何があっても結末は笑顔で。
ヒーローに憧れた岡崎拓哉がもっとも望んでいるハッピーエンド。
いつも自分のために、自分の見たい景色のために奮闘し、μ'sも頑張ってくれて、他にも協力してくれた人達がいてくれたから実現できていた。
自分1人じゃ結局全てをハッピーエンドにはできなかっただろう。
常に誰かの協力と頑張りがあったからできた。
たった1年、されど1年。
音ノ木坂学院に転校してから、成長は確実にできたと思う。
自分にはまだあと1年高校生活が残っているが、μ'sの揃っていない生活に思い残すことはもうない。
やりきったと言い切れるから。
「行こう、たくちゃん」
「ああ」
2人揃って屋上を後にする。
屋上のドアを閉めれば、本当の終わりを迎える。
うまく振り返れない穂乃果を見て拓哉が代わりにドアを閉めようとした時だった。
原点が、蘇る。
『ここしかないようですねえ……』
『日陰もないし、雨が降ったら使えないけど、贅沢は言ってられないよね……』
『うん、でも、ここなら音とか気にしなくてもよさそうだね。よぉーし! 頑張って練習しなくちゃ!!』
(これ、は……)
練習場所もなくて、仕方なく屋上にしようと決めた直後の会話だった。
あれからすぐ歌の練習に入ろうとしたが、あの頃は本当に始めた直後で練習のやり方すら何も分からなくて結局また考えようという話になったのを覚えている。
そして。
直後にこんな話もあった。
『ねえ、ことりちゃん、海未ちゃん、たくちゃん』
『『『?』』』
『やり遂げようね、最後まで!』
右も左も分からないような状態から学校を救おうとした。
根拠も確信もなく、不確定要素ばかりがのたまっている0から始めた。
それでも穂乃果は言ったのだ。
最後までやり遂げようと。
その結果は、もう今の自分達には充分に分かっている。
隣の穂乃果もきっと同じことを思い出しているに違いない。
だから、確信をもって拓哉は穂乃果の肩に手を置いた。
一瞬キョトンとした表情を浮かべるが、それもすぐに理解した穂乃果は屋上を見やる。
今はもう誰もいない、けれど確かに誰かがいた過去に向かって言い放つ。
「やり遂げたよ。最後まで!」
―――――――――――――――――――――
校門まで来ていた。
ここを出れば、卒業式からの一連は終了する。
後悔はない。未練もない。やれることはやり尽くした。笑って走り出せる。
「じゃあ、行くわね」
絵里の一言で歩を進めようとした瞬間。
ピロリンッと、この雰囲気にはあまりにも似合わない受信音が花陽のポケットから鳴り出した。
「何よこんな時に……」
「ご、ごめんっ」
「いよいよ花陽も雰囲気ブレイカーの力を手にしたか」
「黙れ中二病」
にこの容赦ない言葉にメンタル瀕死へ持ってかれた拓哉を無視し、みんなの視線が花陽に集まる。
「……え……えええええええええ!?」
「花陽?」
「どうしたのよ?」
花陽に集まっている視線が一気に怪訝になる。
そういえば、と拓哉は思い出す。
確かスクールアイドル関連でいつも一番最初にスクープを持ってくるのはどこのアイドル好きだったか?
そして、こういう時はいつも自分やμ'sにも関係ある時ではなかったか?
とどのつまり……。
「大変ですぅ!!!」
「どうしたの?」
「ここでは言えません! 部室へ戻らなきゃ!!」
結局はこうなっちゃうのだった。
花陽に手を引かれて成すがままのリーダー穂乃果。
そうなってしまえば必然的に着いて行くのがメンバーのデフォになっている。
「ちょ、何なのよいきなり!」
「ん~何々、教えて~!」
「の、希!?」
柄にもなくはしゃいで走り出した希。
卒業生がまたしても学校の中へ向かう姿を見てしまえば、絵里もにこも突っ立っているままでいられるはずもない。
「今度は何ですか!?」
「にゃー!!!」
「まだ終わってないってこと!?」
「何それ、意味分かんない!」
「行って確認するしかなさそうね!」
「ちょっとぉ、今日卒業式なのよー!」
「うわわわわわわっ……よぉーし、みんな続けー!!」
最終的にはやはりこうなるのかと、一番後ろを走っている少年は思う。
決して呆れているのではない。ただ、勝手に笑みが零れてしまうのだ。
(ああ、やっぱりただでは終わらないんだな)
たかが手伝いとしての身かもしれない。
それでも、やはり岡崎拓哉もアイドル研究部の部員であることに間違いはない。
結論を言うと。
また新しい何かが始まるのを予感して勝手ながらにワクワクしている。
奇跡はもう充分に起こしてきた。
ならばこれから始まるのは、軌跡だ。
――――――――――――――――――――
始まりがあれば終わりもある。
それは逆に言ってしまえば。
終わりがあれば始まりもあるということ。
つまりは、そういうことだ。
さて、いかがでしたでしょうか?
先週はスノボー帰りで筋肉痛が激しく執筆どころではありませんでした!
さあ、これでアニメ2期本編は終了です。
ここまで約3年かかりました。
中学生なら高校生になってますね。短いようでいて長い期間、ずっと読んでくださってくれた読者の方々には感謝です!
2期本編は終わりましたが、劇場版編も始まりますので、もちっとだけ続くんじゃ。
終わりまでに感想1000件と評価数200目指します!
いつもご感想高評価ありがとうございます!!
では、新たに高評価(☆10)を入れて下さった
黒~傍観者の傍観者~さん
1名の方からいただきました。劇場版頑張ります!本当にありがとうございました!
これからもご感想高評価(☆10)お待ちしております!!
ちょっとした告知。
同じラ!作家の海神アグルさんが私のとこの岡崎達を使ってくださってコラボ小説を書いてくださいました!
『ラブライブ!ウルトラ伝説!私たちの光! 』を見て下さればコラボ小説が見られるのでぜひご覧ください!
非現実に憧れていた少年の世界に、いきなり怪獣やウルトラマンが出てきたら、という感じのお話になっています!
次回
真・最終章
開幕