ラブライブ!~奇跡と軌跡の物語~   作:たーぼ

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今週は更新なしになるかもしれないと言ったな。あれは嘘だ。

ええ、まぁ、その、何ですか。
どうしても書きたかったから書いちゃいましたっ。てへぺろ☆

他の方々の小説を見てたらどうしても意欲が湧いてくるのですよね。
でもそんなにいっぱい感想書ける程コミュ力高くない自分というね……ははっ、笑えよベジータ。


挿絵はあとがきの方にあります。


15.照らされる陰(挿絵あり)

 

 

 

 

 

 

 

 任務達成の証拠として、家に買い物袋を母さんに渡してから俺は穂乃果の家に向かって歩いていた。家が近いと慌てる必要もないから安心だね!

 

 

 ちなみに、ボロボロ姿の俺を見ても母さんは「やっぱり予想通りだったわね」だけ言ってキッチンへと姿を消して行った。あの、一応頼まれた事をしたんだから礼を言うくらいはしてほしいんですけど……。誰も俺を苦労を労ってくれない。悲しいけど、これって現実なのよね……。

 

 少し薄汚れた制服で穂乃果の家に行くのはさすがに申し訳ないので、家にずっと居たいと言う体に鞭を打ち私服に着替える。そして穂乃果の家にレッツラドンなわけよ。

 

 

 

 

「あら、拓哉君じゃありませんか。買い物の方はもう終わったのですか?」

 

 角を曲がったら丁度そこに海未がいた。海未は弓道部に行っていたから、おそらく終わってここに来たのだろう。

 

 

「お疲れ様、海未。こっちは何とか終わったよ。何とか命も無事だった」

 

「あの、何故顔や他の所に所々ケガをしているのですか?」

 

「それはまた説明する。とりあえずここで話すのも何だし入ろうぜ。もう穂乃果とことりが待ってるはずだ」

 

「あ、はい」

 

 色んな箇所にあるケガを怪訝な顔で見ながらも渋々納得してくれた海未。ちゃんと説明するからまた何かやらかしたのかみたいな目でこっちを見ないで! 今回に関しては俺は悪くないよ! そうだ、俺は悪くねえ!! その内俺にドッペルゲンガー的な奴が現れるかもしれない。

 

 

「チーッス」

 

 と、何ともまあ軽そうな男が言いそうな挨拶をしながら中に入ると、三色団子を頬張っている、というか完全なつまみ食いをしている桐穂さんがいた。営業中に何やってんのこの人……。

 

 

あふぁ(あら)、んくっ……いらっしゃい!」

 

 何事もなく挨拶を返してくる桐穂さん。この人、自分でスルーさせる事によって話をそっちに持っていかせないって魂胆か! だが甘い。ここには俺というTHEツッコミキングがいる。俺がいる限り、それをツッコミしないという選択肢はない!

 

 

「ていうかつま――、」

 

「こんばんは、穂乃果は?」

 

「あっ」

 

 言わせねーよ的な感じで潰されたよちくしょう。つか海未はなんでツッコまないんだよ。

 もしかして何回も見てんのか? 桐穂さんはまさかの常習犯かな?

 

 

「上にいるわよ。……そうだ、お団子食べる?」

 

 この人俺達を共犯にしようとしてやがる。そんな事をしたって海未は騙せても俺は騙されないぞ。誘惑には決して負けない!

 

 

「是非いただきま――、」

 

「いえ、結構です。私達ダイエットしないといけないので」

 

「え?」

 

 私達? ちょっと待ってそれってもしかしなくても俺も入ってる? 俺は踊らないし、歌わないからダイエットなんて必要ないんだけど。こいつ俺を巻き込もうとしてやがるのか。良い度胸だコノヤロー。

 

 

「おい海未ちょっと話がうごぉッ!?」

 

「すいません、お邪魔します」

 

 あの、首根っこ掴んだまま引き摺らないで下さいますかね? 靴脱ぎにくいし、桐穂さんも変な目で見てくるしさっきから俺に良い事一つもないでござるよ?

 

 

 

 

「「お疲れ様~」」

 

「おい海未、数十秒前のお前のセリフとは全く異なる事をしてるぞこいつら」

 

「……、」

 

 そこには、下にいた桐穂さんと同じように三色団子を美味しそうに頬張っているバカと天使がいた。ダイエットって何だっけ?

 

 

「お団子食べる~?」

 

「今お茶淹れるね~」

 

 お団子食べりゅううううううううううう!!

 じゃなくて、君達は目の前の呆れ果てた海未さんの姿が見えないのかね?

 

 

「あなた達、ダイエットは……?」

 

「「……ああ!?」」

 

 うん、まあそうだよね。分かってて食ってたらこんな反応しないよね。お仕置きが待ってるもんね、俺だけ。あれ、俺だけ?

 

 

「はあ……努力しようという気はないようですね……」

 

「なっ……あるよ~!」

 

「あるのに食ってんじゃねえよまっはふ……」

 

「そういうたくちゃんも食べてるじゃん!」

 

「バッカお前、俺は歌わないし踊らないから食ってもいいんだよ」

 

 やっぱうめえな穂乃果ん家の団子。タッパー持って来れば良かったぜ。

 

 

「って、あっ」

 

「そういう訳にはいきません。拓哉君にもダイエットをしてもらいます」

 

「食ってるのに取るんじゃねえよ海未! 何だお前、俺の食べかけの団子が食べたいのか? やらしい奴だなお前」

 

「な、ななななな何を言ってるのですか! そんな事あるわけないでしょう!」

 

 お~お~、赤くなってる赤くなってる。ウブな反応の海未はいつ見ても楽しいなおい。普段が真面目だからこそこういう時の海未は新鮮で可愛いのよ。眼福眼福!

 

 

「全く、何を言ってるんですか拓哉君は……ブツブツ……」

 

 何かブツブツ言ってるよこの子。言った俺が言うのは何だけど、そこまで恥ずかしがる必要はないと思うんだが、つうか普通なら男の食べかけは嫌がるよな? ウブな海未ちゃんはそんな事も気付かない子なのかなあ?

 

 

「ねえたくちゃん」

 

「ん、何だ?」

 

「さっきからずっと気になってたんだけど、たくちゃんその傷とかどうしたの?」

 

 どうりでさっきから穂乃果とことりの視線を感じると思ったらそのせいか。今もじーっとこっち見てるし。いつの間にか海未も立ち直ってこちらを見ている。どんだけ気になんだよ……。

 

 

「これは、アレだ。主婦の闇を垣間見た」

 

 あれは本当に闇だった。垣間見たとか言ってるけど、普通に闇の中まで突っ込んだまである。マジで。あれは主婦、つまり女性だ。こいつらも将来は誰かと結婚して、主婦の仕事とかしてるとあんな風になってしまうのか。なんだか、それは嫌だな。というか怖い。

 

 

「「「??」」」

 

 訳の分からなさそうな顔をして少し首を傾げている3人。可愛いなくっそ。頼むからお前らはいつまでもそのままでいてくれと切に願う俺だった。今はそれよりもやる事があるから話を切り替えないと。

 

 

「まあそんな気にする事じゃないよ。それより穂乃果、曲の方はどうにかなりそうなのか?」

 

 急に話を振られたせいか、穂乃果は一瞬固まった後、すぐに反応してくれた。

 

 

「うん、1年生にすっごく歌の上手い子がいるの! ピアノも上手で、きっと作曲も出来るんじゃないかなあって、明日聞いてみようと思うんだ」

 

 へえ、1年でそんな凄い子がいるのか。作曲が出来るならその子に協力してもらうしかないな。

 

 

「穂乃果、俺も明日着いて行ってもいいか? 頼む側としてはどんな子か見ておきたいし」

 

「うん、分かった!」

 

「それで、もし作曲をしてもらえるなら、作詞は何とかなるよねってさっき話してたの!」

 

「え?」

 

「何とか、ですか?」

 

 俺の知り合いにはもちろんそんな奴いないし、穂乃果達の友達に作詞出来る奴でもいるのか?

 

 

「うん! ね?」

 

「うん!」

 

 そう言った穂乃果とことりは、何故だか海未の方を見ながらゆっくりと詰め寄っている。

 

 

「「んふふふ~」」

 

「な、何ですか!?」

 

 戸惑う海未とは違って、未だに海未に詰め寄る2人。何これキマシタワーでもここに建てんの? 俺出て行こうか?

 

 

「海未ちゃんさ……中学の時ポエムとか書いた事あったよねえ~」

 

「えぇ……!?」

 

 おぉっと、これはまさかの黒歴史発掘しちゃいましたねえ……。

 ていうかマジか。

 

 

「読ませて貰った事もあったよね~……」

 

 マジだった。しかも人に読ませるとは中々のメンタルしてんだな当時の海未さんは。つか黒い、黒いよことりさん!

 

 

「ああ……くっ!」

 

「あ、逃げた!」

 

 凄いスピードで襖開けて逃げたなあ。それを追いかける穂乃果も早かった。

 人は熱心になるといつも以上の力を発揮できるってか。

 

 

「やめてください!! 帰ります!!」

 

「いいから~!」

 

「よくありません!!」

 

 これこれ、外で大声出すんじゃありません。ご近所迷惑になるでしょうが。

 

 

「どうかしたの?」

 

「おう雪穂、こんばんは」

 

「こんばんは、たく兄。それで、お姉ちゃんと海未さんは何やってるの?」

 

「そうだな、言うなれば……掘り当ててはならない物を掘り当てた感じかな」

 

「?」

 

 俺の言った事が理解出来てないような顔をする雪穂。そうだ、お前は知らなくていい世界なんだ。知ってしまったら、俺にはどうする事も出来ない。

 

 

 

 

 

 何やかんやで戻ってきました穂乃果のお部屋。

 

 

 

「お断りします!」

 

 断固拒否をそのままの意思で表す海未。まあ気持ちは分かる。いきなり黒歴史を掘り返され、それにプラス作詞もしてくれなんて、俺でも断るレベルだ。

 

 

「ええ~! 何で何で!?」

 

「絶対嫌です! 中学の時のだって思い出したくないくらい恥ずかしいんですよ!」

 

「アイドルの恥は掻き捨てって言うじゃない」

 

「言いません!!」

 

 うん、それは言わないな。さすがの穂乃果クオリティである。

 

 

「でも、私衣装作るので精一杯だし……」

 

 そう、ことりはこの中で唯一衣装が作れるメンバー。作詞までやらせたら悪いし、それに衣装へ集中してほしいため、今のことりに作詞はやらせない方がいいだろう。

 

 

「穂乃果がいるじゃないですか!」

 

「いやあ、私は~……」

 

「バッカお前、穂乃果に作詞なんてやらせてみろ。いつかの小学生の時みたいに『饅頭、うぐいす団子、もう飽きた!』とかそんなレベルの歌詞が出来上がるぞ」

 

「そ、それは……な、なら拓哉君が!」

 

 やっぱそう来ますよねえ。俺に矛先が向いてくる事は既に予想出来ていた。だから俺が言う事も決まっていた。

 

 

「そんな事を言うがな海未、思い出してみろ。小学生の時の俺の作文を。『ヒーロー、ヒーロー、アンパンマン! 僕も将来自分の顔を分けてあげれるようなヒーローになる!』だぞ。そんな俺に出来ると思うかね?」

 

 何て壊滅的な作文だよオイ。自分で言ってて泣けてくるわ。自分の顔分けるとかどんだけグロテスクなんだよ引くわ俺。ヒーローじゃなくて普通に悪役まである。

 

 

「そういえば、そうでしたね……」

 

 海未も思い出したのか苦い顔をしている。もう海未しかやれる者はいない。ていうか俺まじで役に立ってないな……。いる意味あんのかこれ。

 

 

「おねがぁい、海未ちゃんしかいないの~!」

 

「私達も手伝うから!」

 

「ああ、やれる事はあまりないかもしれないし足手まといになるかもしれない。それでも俺も手伝うよ。海未だけに負担をかけさせるわけにはいかないしな」

 

 例え今は何も役に立てなくても、これから勉強していって、役に立てれるように頑張ればいい。ことりの衣装も出来るだけ手伝って、穂乃果達には歌とダンスに集中してほしい。

 

 

「何か、元になるようなものだけでも!」

 

 この際少しだけでもいい。少しのアイデアから俺と穂乃果、海未で作っていくしかない。

 ん? ことり? 胸元を手で少し握って、潤った目をして一体何して――、

 

 

「海未ちゃん……、おねがぁい……!!」

 

「ぐぅぅおおおおおはぁぁぁああああッ!!」

 

「たくちゃん!?」

 

「拓哉君!?」

 

 今起こった事を簡単に説明しよう。

 

 俺がことりが何をするのかを見てる。

 ↓

 ことりが海未に向かって大天使をも超える甘い声と潤った瞳と卑怯すぎるポーズでおねだり。

 ↓

 俺が謎の風圧のせいで勢いよく壁に吹っ飛ぶ。

 ↓

 昇天。

 

 

「ちょっとたくちゃん大丈夫!?」

 

「ああ……俺はもう、死ぬんだな……」

 

「拓哉君何を言ってるんですか!? ていうか一体何に吹っ飛ばされたんですか!?」

 

「ははっ、大天使の威力は、伊達じゃねえってか……。でもまあ、これで終わるのも、悪かねえなグボォッ!?」

 

「いいから早く起きてください!」

 

 な、何もエルボーしなくてもいいじゃないですか……。

 マジで昇天しかけたぞ……!

 

 

「それで海未、どうだ?」

 

「回復早いねたくちゃん」

 

 だまらっしゃい。今は余計な茶々を入れてくるんじゃありません。

 

 

「もう……ズルいですよ……ことり……」

 

 これは観念した合図だ。昔から、というか小学生の時しか見てないが、海未はことりに甘い節がある。ことりはそこを突いたって事か。海未さん、俺にも甘くしてくれてもいいのよ?

 

 

「良かったあ」

 

「やったー! そう言ってくれると思ってたんだあ!」

 

「ただし」

 

 おもむろに立ち上がる海未。これは何か条件付きとみた方がよさそうだな。

 

 

「ライブまでの練習メニューは私が作ります」

 

「「練習メニュー?」」

 

 ああ……これは2人共ご愁傷様ですわ。いつも稽古に部活にと運動をしていて、それでいて真面目な彼女だ。並大抵のメニューではないだろうな。

 そこで海未は穂乃果のパソコンを起動させ、今有名のA-RISEの動画を再生する。

 

 

「楽しく歌っているようですが、ずっと動きっぱなしです。それでも息を切らさず笑顔でいる。かなりの体力が必要です」

 

 確かに、こんなにも激しく踊って、しかも笑顔でずっと歌い続けている。なのに息を全く切らせていないし、まだまだ余裕があるようにも感じさせている。

 おそらく、これでもかという想像を簡単に上回るくらいの練習をしているのだろう。それもこの頂点にいるA-RISEなら、もっとハードな事をやっている可能性も十分にある。

 

 

「穂乃果、ちょっと腕立て伏せしてもらえますか?」

 

「え?」

 

 そう言って穂乃果は腕立て伏せの態勢になった。ここまでは普通の腕立てだが、このままどうするんだ?

 

 

「こーう?」

 

「それで笑顔を作って」

 

「こーう?」

 

 腕立ての態勢のまま穂乃果が笑顔を見せる。なんか可愛いと思ってしまった俺は敗北感に苛まれるのであった。

 

 

「そのまま腕立て、出来ますか?」

 

 言われた通りに笑顔のまま腕立てをやろうとする穂乃果だが、

 

 

「う……え……あ……っ、うぉわぁぁ!!」

 

 見事に顔面から床に落ちた。うわあ痛そー(棒)

 

 

「いったーい!!」

 

 床でのたうち回る穂乃果をニヤニヤしながら見る俺。それを変な目で見る海未。やめて見ないでSAN値下がっちゃう。

 

 

「弓道部で鍛えてる私はともかく、穂乃果とことりは楽しく歌えるだけの体力をつけなくてはなりません」

 

「作詞が出来て、曲ももし出来て振り付けも出来たとして、それを歌って踊れるだけの体力がなければ話にもならないからな」

 

「そっか。アイドルって大変なんだね」

 

「大変じゃなかったらやる意味がねえだろ。楽して出来るに越した事はないけど、それが出来ないからこの道を選んだんだ。それは分かってるな。穂乃果、ことり」

 

 考えうる限り、もうこれしか道はなかった。それ以外は見込みがなかった。

 だから困難でもやるしかない。それはもうここにいる俺達全員が分かってる事だ。

 

 

「「うん!」」

 

 鼻を押さえながら涙目でもしっかりと返事をする穂乃果。しんどいであろう先の事を考えて不安な目になりながらも、奥ではしっかりと覚悟が出来ていることり。ならもう俺から言う事はないな。

 

 

「よし、海未。後は練習メニューを考えるお前に任せる。……精々死なない程度のメニューにしてやれよ」

 

 運動部に所属している海未にメニューを考えてもらう方が効率は良さそうだし、ここは海未に任せる。最後だけ小声で忠告はしておいた。

 

 

「……私だってそこまで鬼ではありませんよ。……では、今夜にはメニューを考えておきます。そしてさっそく明日は朝練をやります」

 

「ええ~。朝練やるの~?」

 

 オイこら穂乃果。さっきまでのやる気はどこに行きやがった。朝練くらいしないと体力つかないだろうが。

 

 

「当たり前です。そんなに厳しくはないメニューを考えておきますので、そこは安心しておいて下さい」

 

「穂乃果、朝練が嫌なのは分かる。俺だって嫌だ。どうせなら俺だけいつもみたいに家でギリギリまで寝てたいほどだ」

 

「拓哉……君……?」

 

 ちょ、待って。まだ話してる途中だから。最後まで聞いて。怖いから、目がヤンデレってるから。

 

 

「まあ待て海未。話はまだ途中だ。怖いからこっちを見るな。それでな穂乃果、嫌なのは分かる。でもそうしないとダメなんだよ。ただでさえ作詞もまだ、作曲もまだ、振り付けもまだ、衣装もまだなんだ。それに、一番に時間が足りない。猶予が少なすぎるんだ。けど全てを中途半端にやるわけにはいかない」

 

 本当に、時間が足りない。正直上手くいっていたとしても、1ヶ月もない日にちで足りるかどうか分からないくらいだ。それを分かったのか、穂乃果も真剣な顔になっている。

 

「その上で上手くやろうとするには、使える時間は使えるだけ使っといた方がいいんだ。基礎を十分に鍛えておくだけで、いざ踊ろうとした時に本当に役に立ってくれる。明日から一日一日をいかに有効に使うかで、本番のライブがどうなるか変わってくる。少し意地悪っぽく言えば、一分一秒が惜しいぐらいなんだよ。だからさ、朝練も頑張ってくれないか?」

 

 俺に、こんな事言う資格はないのは分かってる。あくまで歌ったり、踊ったり、厳しい練習をするのは穂乃果達だ。俺は歌わないし、踊らない。だから練習する事もない俺が、穂乃果にこんな無責任な事を言う資格はないのも承知している。これはあまりにも身勝手で、無責任で、自己中のような考えだ。

 

 それなのに、

 

 

「分かった。ごめんね、ちょっと不満言っちゃって。明日から朝練もしっかりと頑張るよ私!」

 

 こんな太陽みたいな笑顔で返してくれる。いつだって、穂乃果は明るかった。

 それは、昔から変わらない。

 今も変わらない。

 そしてこれからも、変わらせない。

 

 俺が、穂乃果の、穂乃果達の笑顔をこれからも守っていくと、そう昔に決めた。今も例え穂乃果達に嫌われようと、憎まれようと、どうなろうと、こいつらの笑顔を守ってみせる。だから、そのためには、俺は鬼にでもなってやる。それでもしいつか嫌われたら、陰から支えてやればいい。それだけだ。

 

 

「そうだよ。言い出したのは私なんだ。そんな私が一番に文句言ったりしたらダメだよね! 海未ちゃん、たくちゃん。私どんなトレーニングでもやりきるよ!」

 

 穂乃果は一番に言い出し、

 

 

「私も! 体力にはあんまり自信ないけど……でも、ちゃんと本番成功させたいから、どんな練習でも諦めない!」

 

 ことりは衣装も作らないといけないのに、それ込みで気合を入れ、

 

 

「ふふっ、そうじゃなきゃ2人じゃありません。もちろん私も今以上に頑張ります。効率の良いメニューを考え、2人をレベルアップさせます!」

 

 海未は2人を引っ張るように、

 

 

 

 

 

 

 なら、俺は……、

 

 

 

 

 

 

 3人が同時にこちらに視線を向けてくる。

 

 そして、改めて決意する。

 

 一つの項目を増やして、

 

 

「俺は、お前らのように何かをする訳じゃない。歌ったり踊ったりも出来ない。今じゃまだ何にも出来ないに等しい。……でも、それでも、俺はお前らを支え続ける。不器用なりに手伝う。下手くそなりにアドバイスする。知らないなりに考える。勉強して、もっとお前らの役に立てるようになる。お前らを支えてやれるように頑張る。だから、俺に頼れる事があったら、頼ってくれ」

 

 なら、俺は……こいつらを支えてやれる存在になればいい。

 表からでも、陰からでも、どちらからでも、支えてやれる男になればいい。

 

 

「……もう、何言ってるのたくちゃんは!」

 

「えっ……何って、頼ってくれって――、」

 

 それはあまりにも眩しくて、他の2人にも伝染っているかのように太陽のような笑顔が、そんな優しい笑顔が、俺に向けられていた。

 

 

「もう何回もたくちゃんに頼ってるよ、私達は!!」

 

「むしろ頼ってばっかりだしね♪」

 

「もう大きな支えにもなってますよ」

 

 その言葉にはどこにも偽りはなく、純粋なほどに透き通った言葉だったのだろう。

 

 

 

 

 

 だから、思う。

 

 

 

 思ってしまう。

 

 

 

 

 ははっ、そんな事言われたら、嫌われてもいいって思った心が揺らいじゃうじゃねえか……。

 

 

 

 

 

「バッカお前ら……今よりもっとだよ!」

 

 

 

 

 

 これが今の俺に出来る精一杯の返し言葉だった。

 

 

 

 

 

 

 

 まあ、出来るだけ嫌われないようには、努力していこうかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

「さあ、今日は明日の朝練のためにもう解散にしましょう」

 

 海未の言葉で今日は解散となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、明日の朝練から、気合い入れていきますかっ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




アニメ見返すと毎回思う。
あのおねだりすることりちゃんはホント卑怯だと。



さて、大分前から感想にて、主人公の容姿が気になるとご意見を頂いてから結構なお時間が経ってしまいましたが、やっと公開です。

既に自分の中でキャラの顔が定まっている、という方や、イメージ崩れるから見たくないという方は見なくても結構ですので大丈夫ですよ!
過度な期待をするだけ無駄な画力なので!


※ちなみに、これを見てイメージが崩れたなどのご感想は責任を一切負えないのでそれをご承知の上で。




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