ラブライブ!~奇跡と軌跡の物語~   作:たーぼ

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劇場版観に行ってきました。
2回目を来週に観に行くので、またその時に活動報告でネタバレ注意の感想を書くとして、とりあえず一言。

μ'sのみんながとても可愛かった泣いた。



そんな訳で映画のせいで衝動書きしました。


感動と虚無感に襲われながらも書きたいという衝動が抑えきれなかった…!


22.チラシ配り

 

 

 

 

 

 

 

「ふぁぁ~……」

 校門を過ぎた所で、急に隣から気の抜けたあくびが聞こえてきた。

 

「眠る気満々ですね……授業中に寝るのはダメですよ」

 全くだ。隣であくびなんかするんじゃありません。俺まで眠くなっちゃうでしょうが。

 寝る時は普通に寝るんですけどね。

 

 

 

「ねぇ、あの子達じゃない?」

 

 

 

 不意に、うしろからそんな声が聞こえた。

 

 

「ん?」

 ことりが立ち止まると同時に穂乃果達も止まる。

 

 

 ちなみに俺は穂乃果達の数歩前にいる。特に理由はない。

 強いて言うなら、よからぬ噂がはびこっている俺が穂乃果達の傍にいるよりかは、離れていた方が他の生徒も喋りやすいかと思ったからだ。…普通に理由あんじゃん。

 

 

「あなた達って、もしかしてスクールアイドルやってるっていう……」

 リボンを見るとすぐに分かったが、この人達は3年生か。上級生の人もスクールアイドルは気になる存在だって事か。

 

「あ、はい!μ'sってグループです!」

「μ's?……ああ、石鹸の―――、」

「違います」

 よく言った海未。お前が言わなかったら俺が言っちゃってたわ。そんで気味悪がられるところまで想定した。うっは何それ泣ける。

 

「あ、そうそう。うちの妹がネットであなた達の事見かけたって」

「ホントですか!?」

 へえ、もうネットで広まってるのか。…まぁ、そんだけスクールアイドルのサイトが大勢の人に見られてるって事だもんな。このまま音ノ木坂の注目度も上がってくれればいいんだが。

 

 

「明日ライブやるんでしょ?」

「はい、放課後に!」

「どんな風にやるの!?ちょっと踊ってみてくれない!?」

「えっ?こ、ここでですか……?」

 

 で、でたー!ちょっと○○やってくれない?とか言う奴ー!

 この言葉には悪意が潜んでいるのはご存知だろうか。『俺声マネ得意なんだよねー』『マジで?ちょっとやってくれよ』『分かった。……フグ田く~ん、今日も飲みに行かないかぁい?……どうよ?』『あ……うん、思ったより微妙だったわ』

 

 とまぁ、こんな感じである。奴らは勝手に期待しておいて勝手に失望するのだ。そのせいで自信満々にやった俺―――ゲフンゲフン、誰かもなんか申し訳ない気持ちになるという大変誰も得しない感じになる。

 公開処刑にも似た何かだよあれ絶対。ホントあんな事言った米田マジで許さん。お世辞でも上手かったとか言えよな。

 

「ちょっとだけでいいからぁ!」

 

 ふむ、なら俺は一足先に教室に行きますかねー。穂乃果達が俺に気を遣わせるのも悪いし、何より俺がまだμ'sの手伝いという周知の認知がまだない以上、俺が踊りをじっと見てたら変な目で見られそうだし。

 うわ、俺超気遣い上手いじゃんさすが!

 

 

「いいでしょう……もし来てくれたらここで少しだけ見せちゃいますよ~?お客さんにだけ特別にぃ~……」

 後ろから穂乃果のそんな声が聞こえてくる。

 ちょっと穂乃果さん?その言い方なんか怪しい店みたいになっちゃってますけど大丈夫なんですか?そんな変な言い方したら引っかからなくなるでしょうが。

 

 すると、穂乃果のあとにことりも言葉を付け加えた。

 

「お友達を連れてきていただけたら、さらにもう少し!」

 お友達連れてくりゅううううううう!!!

 ……ッは!?危ない危ない、あやうく引っかかるところだったぜ……。さすが大天使ミナミエル、いやコトリエルか。どっちでもいいや。甘い言葉で誘惑しようなんて卑怯な……!

 

 

「ホントぉ!?」

「行く行く!」

「毎度ありぃ!」

 おい、今度は八百屋のおっちゃんか?レパートリー多いな羨ましいわ。あとさっきから声デカい。結構離れてるのに聞こえるぞ―――――、

 

 

 ビュゥォォオオンッ!!!!

 

 

「うぉっ!?」

 え、何、今何が起きた?何かすぐ横で凄い風切り音が聞こえたんだが……。

 あたふたと周りを見回してもそれらしいものは何もない。というか、青い何かが一瞬見えたような……。そう思って下駄箱の方を見ると、

 

 

 長く青い髪がチラッと見えて角に消えていった。

 

 

 

「あれ、もう1人は?」

 そんな言葉が、後ろから聞こえた気がした。

 

 

 

 

 

 

 

「う……み……?」

「海未……ちゃん……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱり無理です……」

 

 

 

 放課後の屋上で。

 体育座りをしたまま俯いている海未が呟いた。

 

 

 

 

「えぇー!どうしたのー?海未ちゃんならできるよー!」

 

 

 結局あのあと、さっさと教室に逃げ込んだ海未に話を聞いても、無理です無理です無理です無理です無理です、の連呼が続くだけだった。それが休み時間、昼休みにも続いた。

 こいつどこのレナさんだよ。雛見沢症候群でもこじらせてんのか。でもそんな健気なレナちゃんが僕は好きです。にぱー。

 

「……出来ます」

「え?」

 意外な海未の回答に穂乃果もことりも疑問符を浮かべた。

 

「歌もダンスもこれだけ練習してきましたし……でも、人前で歌うのを想像すると……」

「……あー、そゆことね」

「緊張、しちゃう?」

「……」

 無言でうなずく海未。

 

 そういやこいつ大の恥ずかしがり屋だったな……。今まで気合い入れて練習とか指導してたから頭からすっかり離れてたわ。ん、あれ?これって結構ヤバくない?

 

「……そうだ!そういう時はお客さんを野菜だと思えってお母さんが言ってた!」

 おい、野菜って何種類あると思ってんだよ。せめて何か1つに統一しろよ。トマトだとかジャガイモだとか。いっぱいあったら逆にもっとホラーになるわ。

 

 

「野菜……。っは!私に1人で歌えと!?」

「そこ……?」

「そこじゃないでしょうよ……」

 海未はこういう時たまにアホの子になるから厄介だな。見てて面白いからいいんだけど、大事な場面でされるとめんどくせぇと思ってしまう不思議!

 

「はぁ、困ったなぁ……」

「でも、海未ちゃんが辛いんだったら、何か考えないと……」

「考えるっつってもなぁ。思い浮かぶ案はたった1つだけし―――、」

「人前じゃなければ大丈夫だと思うんです!人前じゃなければ……!」

 あの、話遮らないでもらえます?最近俺の話遮られる事多いんだけど何なの?そんなに俺の話興味ない?泣くよ?

 でも、俺だって伊達にスルーとかされてきた訳じゃない。話が遮られるのならば、こっちだって考えがあるぜ。

 

「穂乃果、少し強引にでもいい。海未を立たせろ」

「え?うん、分かった。海未ちゃんほら、立って!」

 どうでもいいけど強引に立たせるって何かあれだね。ちょっと卑猥に聞こえるよね。…心底どうでもよかった。

 

「な、何ですか、拓哉君……?」

「そんなウジウジ考えて何もしないより、こういう時こそパッと行動すりゃいいんだよ」

「あ、そういう事だねたくちゃん!」

 穂乃果も俺の意図が分かったらしい。こいつこういう時だけ察しがいいんだよな。海未は俺と穂乃果のニヤニヤした顔を怪訝そうに見ながらも、まだ何をするか分かってないようだった。

 

 だったら、嫌でも分からせてあげようじゃないか……。

 

 

「さあ、行こうか。……海未ちゃぁん」

「……ひっ……!」

 

 

 

 ……リアルな悲鳴は傷付くからやめようね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 見渡せば、そこに見えるのは―――、

 

 

 

 

 人、人、人。

 そして色々な建物。

 

 

 

 

 

 

 

「じゃーん!ここでライブのチラシを配ろう!」

「イエス、ザ、秋葉原!!ひゃっほう!!」

 

 そう、俺達は人が多くいる秋葉原に来ていた。

 やべぇ、小泉達と会った時以来だから超テンション上がるわー!

 

「ひ、人がたくさん……」

「当たり前でしょ!そういう所を選んだんだから!ここで配ればライブの宣伝にもなるし、大きな声出してればその内慣れてくると思うよ。ね、たくちゃん!」

「おうともよ!んじゃ、お前らはチラシ配り頑張れよ!俺は適当な店で暇潰しておくから!」

 

 さーて、アキバのお店ちゃんがぼくをまってまちゅよー!!

 

「ぐぎゃぶぇっ!?」

「どーこ行くのかな~?たくちゃ~ん……?」

「…い、いや、そのですね?あなた達がチラシを配ってる間暇なんで、あの、どこか行こうかなーと思いまして……」

 ヤバイヤバイヤバイ、穂乃果さん笑ってるけど目が笑ってないよ。珍しく人を凍てつかせる目してるよどこのゆきのんですかあなたどっちかって言うとガハマさん側でしょあなた。

 

「私達が頑張ってチラシ配ろうとしてるのに、たくちゃんだけ楽しようなんて不公平じゃないかなー?」

「そ、そうは言ってもですね、俺がスクールアイドルのチラシを配ったところで誰も取ってくれないの確定じゃないですかね……?」

 あらやだ、この子ったら素質あるわよ。ヤンデレの素質あるわよこの子!普段元気な子が凄くヤンデレだったら何かグッとくるものがあるよね。…ないか?ないな。

 

「だったらー……たくちゃんには私達を見ていてもらいます」

「え、いやそれめんどく―――はい、見守っておりますとも是非見守らせていただきます……」

 なんか穂乃果の目から暗殺者の雰囲気が漂ってた。殺せんせー殺れるんじゃないこの子。

 

 

 

 

「よぉし、じゃあ頑張るぞー!」

「はぁ……なぁ海未、俺もだんだん鬱になって―――、海未さん?」

 共感を得ようと海未の方を見たら目を瞑ってらっしゃった。何それ明鏡止水?いや、違いますねこれ。完全にさっきの言われた通り人だかりを野菜として見ようとしてますね。

 

 

「お客さんは野菜お客さんは野菜お客さんは野菜……」

 自分に暗示のようなものを呟いてからカッと目を開いた。その目は段々と生気が失われていくかのように力が無くなっていく。あー、これはダメですねー。というか逆効果になってますよ穂乃果さん。

 

「ダメかな?」

「ううん、私は平気だよ。でも海未ちゃんが……」

「おーい穂乃果さーん、海未さん現実逃避してるんですけどー」

「え……?」

 

 穂乃果の目の先には、

 

「あ、レアなの出たみたいです……」

「海未ちゃーん!」

 何故かガチャガチャをやってる海未がいた。つうかネガティブなのにレア当てるってなんだよ。

 

 

「これじゃいつまで経っても変わらないな。……仕方ねえ、場所変えるか」

 このままじゃ海未はいつまでもチラシを配れないだろう。寧ろずっとガチャガチャやって全部出てくるまでやりそうまである。

 ならば、

 

「変えるって、どこに?」

「馴染みのある場所なら、海未でも出来るかもしれないしな。行くぞ」

 

 

 あぁ、あぁ~……とうめき声を出す海未の首根っこを掴み移動を始める。いつも掴まれてんだ。たまには仕返ししないとな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここなら平気だろ」

「まぁ、ここなら……」

 そう言ってやってきたのは音ノ木坂学院の校門前。いや、戻ってきたと言った方が正解か。

 ここなら海未も他人よりかは同じ学校である生徒の方がやりやすいかもしれない。まずはここから慣れていく方がいいだろう。

 

「じゃあ、始めるよ!μ'sファーストライブやりまーす!」

 穂乃果はそう言ってチラシ配りをし始めた。ことりも穂乃果に続いて行動に出ている。

 

 

「ほれ、お前も頑張ってこい」

「あ、拓哉君……」

 海未の背中をパンッと叩いて歩き出す。

 

「俺は近くで見守っとくから、ちゃんとやれよー」

 俺を呼び止める海未の声を無視し、一旦離れる。海未が諦めて俺から目を離した瞬間に木陰にサッと隠れる。隠れながらも海未達を見守る俺超優しい。

 …変態とか勘違いされそうで怖いけど。

 

 

 さて、どれどれ……、

 

 

「あ、あ……」

 穂乃果とことりは結構順調そうに出来ているが、やはり海未はまだオロオロしている。声を掛けようとはしているが、1歩踏み出せずにいる。頑張れ海未、俺は応援してるぞ!…あ、これ何か親が子供の逆上がりを応援してるみたい。早くも親の気持ちに気付いちゃう俺って良い父親になれるかもしれない。

 

 

「お、お願いします……!」

 おっ、とうとう海未も声を掛けたか。よく頑張った、父ちゃんは嬉しいぞ!それにしても海未が渡そうとしてる相手がよく見えない。からといって顔を出せば木陰から生首状態で通報不可避。うむぅ、海未の初めての相手が見えないなんて父ちゃん複雑だぞ。

 …初めての相手とかちょっと卑猥じゃない?ダメだ、海未は誰にもやらんぞ。

 

 

「あ……」

 出来るだけ目を凝らしてみると、海未の手に持っていたチラシは海未から離れないまま、止まっていた生徒の足が動き出した。……失敗、か。

 せっかく海未が精一杯の勇気を出して声を掛けたというのに、断るなんてどこのどいつだ!父ちゃんが叱ってやる!……このネタはもういいか。

 

「ダメだよそんなんじゃー!」

「穂乃果はお店の手伝いで慣れてるかもしれませんが、私は……」

 海未の失敗を見た穂乃果が海未に駆け寄るが、まぁ、穂乃果は確かに店の手伝いで他人に接する事も昔からよくやっていた。だから慣れがあり、そこには海未とのどうしても埋めない経験差があるのは致し方ない。

 

 しかし、海未は重度の恥ずかしがり屋であり、臆してしまうのも無理はない。でも、

 

「ことりちゃんだってちゃんとやってるよ?」

 穂乃果も俺と同じ事を考えていたのか、ことりへと視線を変える。

 

「お願いしまーす!μ'sファーストライブでーす!」

 元気ハツラツとした笑顔でチラシを配ることりがいる。うん、可愛い天使。…じゃない。

 ことりがあんなにも余裕そうなのが驚きだった。海未よりかはマシに見えるとしても、穂乃果と同じくらい堂々としている。接客に慣れているというか、うん、可愛い。

 

 

「ほら、海未ちゃんも。それ配り終えるまで止めちゃダメだからねー!」

 おぉ、穂乃果さんも中々キツイ事を言ってますなぁ。あの量を海未1人でどうにか出来るのか?

 

「えぇ!?無理です!!」

「海未ちゃん、私が階段5往復出来ないって言った時、何て言ったっけ?」

 ああ……、穂乃果も海未への数少ない仕返しをしようとしているのね。穂乃果の海未を見る目がいかにも挑発しているかのような目だった。煽る煽る。

 

「うぅ………………分かりました!やりましょう!」

 でもそれが良い薬になったのか、海未もようやくやる気になったようだった。

 

「よろしくお願いしまーす!μ'sファーストライブやりまーす!」

 声にも覇気が出てきた。これなら俺が見守らなくても大丈夫そうだな。と思った矢先の出来事だった。

 

 

「あ、あの……」

 穂乃果に声を掛けた人物がいた。それは穂乃果も俺も見知った人物だった。

 

「あなたはこの前の!」

「は、はい……」

 小泉だった。小泉なら別に俺が出ても大丈夫か。

 

「おーう、よう小泉」

「お、岡崎さん……!?」

 ……あれ?何だろう。何故か凄く驚かれた気がするんだが。

 

「たくちゃん急に出てきたらビックリするでしょ?」

「いやお前ビックリしてないじゃん」

「私の話じゃないんだけど……って、たくちゃん頭に葉っぱ付いてるよ?どうしたの?」

「ん?ああ、木陰に隠れてたから気付かなかったわ」

「こ、木陰……?」

 

 俺と穂乃果の会話に着いていけてないのか、頭に疑問符しか浮かんでいない小泉。まぁ、普通分からないよね。

 

「で、どうしたの小泉さん?」

「え?……あ、あの……ら、ライブ、見に、行きます……!」

 それはいつも通り、彼女らしい弱々しい声ではあったが、それと同時に、その声は俺達を元気づけてくれるような声でもあった。

 

 

「ほんとぉ!?」

「来てくれるのぉ!」

「うおっ、聞き付けるの早いなお前ら」

 ことりと海未もいつの間にやら俺の横にいた。いやホント早い。テレポートでもしてきたの?レベル4なの?

 

「では1枚2枚と言わず、これを全部……」

「海未ちゃーん……」

 おい、さっきのやる気は何だったんだよ。放り出すの早すぎない?さーて、宿題すっかー!と言った後、1分足らずで分かんねーからゲームやろ!とか言い出すくらい早い。…け、決して経験談とかじゃないんだからね!

 

「分かってます……」

 珍しく穂乃果に睨まれて萎縮して、か細い声で沈み込む海未。うん、可愛いから許しちゃうっ。

 

 

「ライブ、来てくれるんだよな、小泉」

「は、はい。出来れば凛ちゃんも一緒に来れれば……」

「ああ、星空もか。でもあいつは陸上部とか行きそうだな」

「凛ちゃんも陸上部に行くつもりらしいです……」

「あ、やっぱり?」

 星空は何ていうか、思いっきり運動出来る部活に入りそうだしな。いや、スクールアイドルだっていっぱい動くんだけどね。まだ部活として認められてないけど。

 

 

「それでも1人来てくれる人が確認出来たんだから嬉しいよ!ありがと!」

「い、いえ……あの、ライブ、頑張ってください……!」

「うん!ありがとね!」

「やる気出てきたかもっ」

「やはり見られるのですね……」

 ちょっと海未ちゃん?1人だけ何でネガティブになってんですか。違うでしょ。そこは私ももっと頑張りますでしょ?

 

「あの、で、では……」

「ああ、またな小泉。ライブ、楽しみにしててくれ」

「っ……。は、はい……!」

 最後に遠慮しながらも笑顔で去って行った小泉を見送る。

 

 

「海未」

「は、はい……」

「少なくとも、1人は、小泉はお前らを全力で応援してる。直接言いに来るくらいライブを楽しみにしてくれてる。だったら、期待を裏切るような事はしたくないよな?」

 俺の言葉の意味を理解したのか、海未は数秒俯いて、それから決心したかのような表情で顔を上げた。

 

「はい!」

「……良い顔だ。よし、穂乃果もことりも、チラシを配り終わるまで頑張るんだ!」

「「うん!」」

 

 

 そこからは3人共、特に海未が照れながらもよく頑張っていた。ちゃんと3人共チラシを全部配り終えたのだ。海未も本当によく頑張ってくれた。こいつらはやろうと思えばちゃんと出来るんだよな。

 

 

 

「うし、よく頑張ったな。特に海未。偉いぞ」

「褒めてくれるのは嬉しいですけど、何故ここで頭を撫でるのですか……!」

「あん?大事な娘を褒めてやるんだ。頭を撫でるのは当然の事だろう」

「む、娘……?」

 しまった。このネタはもうやめたはずなのに自然に出てきてしまった。というか海未も嫌なら手をどけりゃいいのに。西木野に続くツンデレが登場かな?

 

 

「さて、今からどうするよ?」

「あっ……」

 今からどうするか決めるために海未から手を離すと、海未が小さく声を漏らした。何、結構気に入ってたの君?ごめんね、俺も撫でてあげたいけど、生徒がよく通る校門でこんな事してたら俺が修羅の門潜りそうで怖いのよ。

 

 

「うーん、私の家でランキングチェックとか他のスクールアイドルの動画見る?」

「あ、それならもう出来上がりかけの衣装チェックもいいかな?」

「へー、衣装も出来上がりそうなのか。なら穂乃果の家でそれらを済ますか」

 ランキングをこまめに見て上がってないか確認したり、他のスクールアイドルを見て良い所を技術として盗む。これも俺達がよくやっている事だ。

 

 オリジナリティも勿論大切なのは分かってる。でも、今の段階で出来るオリジナリティの限界を感じたら、他の上手いスクールアイドルの踊りを見て、良い所を盗む。勿論まんま盗む訳ではない。盗んだ所にアレンジを加え、自分達のものにする。それも立派な戦法だと俺は思ってる。

 

 そうやって、少しでも確実に成長していく事で、微かな自信から大きな自信へと変えていく。だからきっと海未も、いつか人前でも臆する事なく踊れるようになってくれれば、と思う。

 

 

 

 

「んじゃ今日は穂乃果の家に俺と海未は先に行く。ことりは、悪いけど家から衣装持って来てくれるか」

「うん♪」

「おし、とりあえず穂乃果の家に向かうか」

「うん!」「はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺達のやるべき事は、まだまだたくさんある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






凄く……劇場版の小説が書きたいです……。
でも結構それを実現するのが難しいのよなぁ。

DVDはよ(早い)

ラブライブが好きなら、観て確実に損はないと思います。
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