ラブライブ!~奇跡と軌跡の物語~   作:たーぼ

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あけましておめでとうございます!
今年もこの作品をよろしくお願いします!

さて、新年一発目の投稿は50話目ですよ!


それではどうぞ!





50.メイド、時々、執事

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 職員室を出て教室に戻ると、穂乃果と海未が教室の中をそっと覗いていた。それだけで想像はつく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ことりの調子はどうだ?」

「あっ、たくちゃん。先生に何て怒られたの!?」

 一応小声で穂乃果が聞いてきた。どんだけ気になってんだよ。成績の問題でいつか呼ばれるとでも思ってんのか。……穂乃果ならあり得るな。

 

「いや、怒られてないよ。あれは便宜上だけの話だったんだ。生徒指導室じゃ逆にお礼言われたくらいだしな」

「え、お礼?」

「何故先生が拓哉君にお礼を……?」

 こいつら、いかにもあの山田先生が俺にお礼を言うわけねえじゃん何言ってんのバカなの死ぬの?みたいな顔してやがる。確かにいつも変なコント強いられてるけど、それだけが俺と先生の関係じゃないんだぞ。

 

 

「ああ、μ'sのおかげで一時的でも廃校の心配はなくなったってな。だからそれは俺じゃなくてμ'sの奴らに言ってくれと思ったけど」

「たくちゃんだっていつも私達を手伝ってくれたじゃん。だったらたくちゃんにもお礼を言われる権利はあるよ!」

「そうです。拓哉君がいなかったらここまでやってこれたか分からないんです。だから拓哉君も胸を張ってください」

 ……やっぱこいつらはこう言うと思ったよ。先生のせいでやけに気にしてしまってるな。何だか素直に受け入れるのはむず痒く感じてしまう。受け入れるのは、もうちょっとあとでいいかな……。

 

 

「はいはい。それより今はことりだ。調子はどうだ?」

「また流した……。残念だけど、いつもと変わらないよ。不調みたい……」

 予想はしていたが、そんなすぐに上手くいくわけがないか。休み時間も放課後もことりはずっとああやって1人でノートに目を向けながら必死に考えている。何日も、何日も。

 

「しかし、さすがにそろそろどうにかしないと、厳しいかもしれませんよ……」

 海未の言う事は確かだ。このまま何も進まなかったら、いつまで経ってもライブができない。ただでさえ上位に入るために少しでも早く新曲に取り掛からないといけないのに。真姫だって作詞が来ないと作曲はできないし、ダンスの振り付けも決められない。

 

 それを何とかするには、どうしても作詞を完成させなければならない。この状況を打破するには、ことりが決定的な何かを閃かないといけない。海未のように何かテーマを決める必要があるが、それもことりが決めないと始まらない。これはことりのためでもあるんだから。

 

 

 

「やっぱり私じゃ……」

 そう言って、ことりはノートを閉じる。もう今日はダメだと思ったのだろう。それも何回も見てきた。先生の言葉のおかげで心に余裕ができた分、俺の思考はいつもより回転が早くなっていた。

 

 

 

 

 解はいつだって自分の中にある。

 他の誰でもない、俺自身の解を導き出す。

 

 

「ことり」

「た、たっくん?」

 教室の引き戸を勢い良く開ける。その音の大きさに驚きながらもことりはしっかりと俺の目を見てきた。

 

 

 

 俺の解はいつだって変わらない。困っているなら、悩んでいるなら、迷わず手を差し伸べる。それが俺だ。

 

 

「たくちゃん、私にも考えがあるよ!」

 俺が言い出す前に、穂乃果が俺を視線をぶつけてきた。それもとても自信ありげに、いつもの笑顔で。おそらく、いや、絶対に穂乃果は俺と同じ事を考えてるに違いない。何故だかそういう確信が俺の中にはあった。

 

 

 

「私に言わせてたくちゃん!!」

 いや、ちょ、何でそんなグイグイ来るんだよ……。せっかく俺も色々とスッキリしてかっこよく言おうとしてたのに。どんだけ言いたいんだよ。近い、近いよ。

 

「分かった、分かったからそれ以上近づくな。食い気味かっ」

「私だってせっかく良いアイデアが浮かんだんだから、たくちゃんだけにかっこつけさせないんだから!」

 何の対抗心だよ。俺もかっこつけたかったんだぞ!こう、何か、あれだ、クールに言い放ちたかったんだぞ!!自分の為すべき事を見つけてそれをバーン!と言いたかったのにだな……。

 

 

「くだらない言い争いはそこまでにしてください。穂乃果、あなたの考えとは?」

 おい、くだらないって何だ。全然くだらなくなんかないぞ。むしろギャルゲーで言ったら結構重要な分岐点なんだからな。絶対セーブしておかなきゃいけない場面なんだぞ。……まあセーブなんてできないけどね!

 

「うん、ことりちゃん、こうなったら一緒に考えよう!とっておきの方法で!!」

「とっておき?」

 穂乃果は明るく言った。それに対しことりは具体的な事が分からないからか聞き返す。海未もまだ分かっていなさそうだ。もちろん俺は分かっている。穂乃果と一緒の“案”だと思ってるからな。

 

 

「そうだよ!じゃあまずは移動しようっ!!」

 

 

 穂乃果がことりと海未の手を取って走り出した。2人は戸惑いつつも穂乃果にされるがままに着いて行っている。

 

 俺もそれに軽く走りながら自分の携帯を取り出し、絢瀬会長にメールを入れておく。海未の他にまとめ役をこなしてもらっている絢瀬会長には、緊急時にいつでも対応できるようにいつも携帯をポケットに入れてもらっている。

 

 

 だから俺のメールにもすぐ気付くはずだ。

 他のみんなが着替える時間を考えると、まあ丁度良いか。準備が出来次第ここに来てくれっと……。送信を確認してから前を見ると、前にはもう誰もいなかった。

 

 いくら俺が軽くしか走ってないとはいえ、早すぎじゃないあいつら?つうか主に引っ張っている穂乃果のせいか。俺を放って行くとは何事だよ。もし違う考えだとして行く場所が違っていたら俺だけ無駄足になるとこだぞ。そんな事はないと思うけど。多分……。

 

 

 

 

 

 とりあえず、俺も急ぐか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここはとある店の中だった。

 

 

 

 

 

 

 

 そこにはほんのちらほらとだけだが客もいた。まだ完全には見慣れていないが、2回目だというのと前に来た日と日数がそんなに経っていないのが幸いして変な新鮮さはない。店内の状況を見ても今は確実に暇な状況だという事は分かった。

 

 

 

 そこに、数人が練習をするかのように声を出していた。

 

 

 

 

「おかえりなさいませ、ご主人様♪」

 1人はいつものように、言い慣れた感満載の、けれどそこには不快感など一切ない。むしろどこぞの下手なメイド喫茶で働いている下っ端メイドよりも断然に本気で迎え入れてくれているような、そんな優しさと癒しのある声音だった。

 

 

「おかえりなさいませぇ!ご主人様!」

 1人は先程とは違って優しさと癒しというよりも元気があり余っていた。でもその元気な通りに嫌悪感などは皆無で、元気であればこそこちらも元気が貰えるような、今から精一杯ご奉仕してくれるであろう事が分かる、熱さに満ち溢れた声音だった。

 

 

「お、お帰りなさいませ、ご主人様……」

 1人は第一声から違っていた。優しさよりも謙虚で、元気よりも照れていて、どちらかと言えばどっちとも言えず、とにかくただ緊張したように、照れていても精一杯やろうとして絞り出してくれた、控えめな声音だった。

 

 

「お帰りなさいませ、お嬢様」

 1人はまずメイドですらなかった。メイド服の代わりに執事服を着て、高い声よりも低く、それでいて厳しさを感じさせぬように語尾を柔らかく言う事で、大らかで包み込むように優しい声音を…………って、

 

 

 

 

「何でだァァァああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッ!!」

 そのまま俺は持っていたメニュー表を床に叩きつける。

 

「おおっ、様になってるよたくちゃん!」

「そうじゃねえだろうがァァァ!!何で俺が執事服着てんの!?何で俺も一緒に働く事になってんの!?別に俺必要じゃないよね?3人だけでも十分だよね!?何か流れでここまでやっちゃったけどおかしいよね!?こんなの絶対おかしいよ!!」

 ここは3人のメイド服を見て俺が猛烈に内心テンション上がりながら心のメモリーに永久保存する流れが1番自然だったでしょう!!想像してたオチと全然違うよ!!予想の斜め上をいってたよ!!

 

 

「何を言ってるのさ!たくちゃんもどうせ私と同じ事を考えてたから私に言わせてくれたんでしょ!?」

「この店に来るまでは同じ考えだったわ!!問題はその後だっつの!何故か俺まで店の裏まで連れて行かれて着替えさせられるし、俺はのんびりとメイド服を着た可愛いお前らを眺めながら優雅にジュースを飲んでいたかったんだぞ!!」

「か、可愛いだなんて……急に褒めるなんてズルいよたくちゃん……」

 

 合ってるけど今はそういう事じゃねェェェええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええッッッ!!

 

「でも本当に可愛いよ2人共っ!服もバッチリだし~!」

「ホントに!?実はちょっと自信なかったんだけど、ことりちゃんがそう言ってくれるなら少しは自信持ってもいいかな~。……たくちゃん的にはどう?」

「あん?さっき言った通りだっつの。お前らは基本スペックが可愛いんだからよっぽどの物を着ない限り、何を着ても可愛いんだよ」

 ったく、こちとら想定外の出来事が起きたせいでメンタル豆腐になって崩れたままなんだよ……。ハッキリ言ってしまえば働きたくない。家事は前の家でよくやってたからどうも思わないが、外で働くのは嫌だ。帰りたい。

 

 

「す、ストレートすぎるよたっくん……」

「何故そう普通に言えるのですかあなたは……!」

「え、いや、だって事実だし」

 今更幼馴染褒めるくらい普通だろ。元々こいつらの事は可愛いと思ってるし、何ら不思議な事ではない。まあ唯が世界で1番可愛いけどな。やっぱ妹は最強なんだよ。

 

「えへへ~!あ、でもたくちゃんもすっごくかっこいいよ!!本物の執事さんみたい!」

「ああ、はいはい。お世辞をどうもありがとう」

「もうっ、お世辞なんかじゃないよ!ホントの気持ちを言ったんだもん!」

 おけおけ、そっちが褒めたんだからこっちも褒めなきゃみたいな感じにさせてしまった俺の責任だな。いやー女の子に気を遣わせてしまったぜ。

 

「たっくんは、いつでもかっこいいよ……?」

「お……おう、えっと、あー……うん、まあ、何だ、サンキュー」

 メイド服で上目遣いされたら頷いちゃうに決まってるじゃん!可愛すぎるでしょ、メンタル豆腐がダイヤになって帰ってきたよ。褒められて普通に照れてるけどね。それを誤魔化す俺は結構褒められ慣れてないと見える。……何の推理だよ。

 

「つうか何で執事服もあるんだよ……。ここはメイド喫茶じゃなかったのか」

「あ、それはね、店長がたまに店員の女の子達に着せるために『女の子が着る執事デー』っていうのがあるからなんだ」

 それ店長のただの趣味じゃね?一応さっき軽く挨拶はしたけど女性だったよな?なのに女の子に執事服着させたいとか何だよ。中々良い趣味してるじゃねえか。いつもふんわりした雰囲気を出してることりが執事服着たらそれはそれで良さそう。

 

 

「でも良かったね。店長も快く3人を歓迎するって言ってたし!特にたっくんは気に入られてたね!」

「そのまま時々手伝ってくれとかいうベタな展開だけは絶対に回避してやる」

「はぁ……こんな事かと思いました……」

 海未は海未でテンションが下がっている。ただでさえ恥ずかしがり屋の海未がメイド服なんてそりゃ恥ずかしくもなるわな。だがその恥じらう姿がまた良い。メイドなのに恥ずかしがる、そのギャップが堪らん。って言ったら確実に拳が飛んでくるから言いません!

 

 

 これでも前の家に住んでいた時は俺も時々接客業のバイトをしていた。と言っても親父が夜には帰ってくるから家事や晩飯などの準備をするため、本当に少しの間だけだが、一応していた。

 

 だからそれなりに接客業には自信があるが、こういう類の店での接客はどうすればいいのかさっぱり分からん。執事ってどういう風にすればいいの?イエスマイロードとか言って華麗にフォークナイフ使って戦えばいいの?それってどこの黒執事?

 

 

 

「にゃー!遊びに来たよー!」

「えへへっ」

 カラーンッと、店の来店音がすると同時に見た事のある面子がやってきた。先程絢瀬会長に連絡をしていたからそろそろだと思ってたけど、このタイミングで来たか。

 

「秋葉で歌う曲なら、秋葉で考えるって事ね」

 数秒すれば、他のμ'sの面々もゾロゾロとやってきた。これって客として扱わないとダメなの?俺だけ着替えて戻ったらダメなの?何かこれじゃ絢瀬会長に『俺達メイド喫茶で働いてるから遊びに来てよ!』って連絡したと勘違いされそう。

 

「ではでは~さっそく取材を~!」

「やめてください!何故みんな……」

「すまん海未、俺が絢瀬会長に連絡したんだよ……」

「た、拓哉君が……!?」

 ああ、俺が働かなくて良いなら謝らずに済んだのに……。むしろ喜んで東條の取材に協力したのに。俺まで撮られるのは勘弁だ。この恰好はもはやただのコスプレにしか見えん。

 

 

「ええやん、岡崎君その恰好似合ってるで~」

「だから撮ろうとするなっての……勘弁してくれ」

「ああっ、もう、岡崎君のいけず~……!」

 咄嗟に東條からビデオカメラを没収する。そうしないと隙を見て絶対撮ってくるからなこいつ。忘れた時に俺が不利になるような交渉をしてくるのが目に見える。これは没収!何の映像が入ってるかあとで確認させてもらいます。……別に穂乃果達の秘蔵映像を期待してるわけじゃないよ?

 

 

「それよりも早く接客してちょうだい!ほら岡崎早く!」

「何で個人指名してくるんだよ……」

 ここはホストでもキャバクラでもないんですが。そういうのは適齢の年齢になってからお1人で楽しんでくださいませ。

 

「じゃあたっくんはにこ先輩をお願いね。私はこっちでするから」

「はあ……分かったよ」

 穂乃果と海未はメイドとしての接客の仕方をことりを見本にすればいいけど、俺は完全なアドリブでやらなければいけない。見本がないのだ。何これハードル高くない?

 

「いらっしゃいませ。お客様、2名様でよろしいでしょうか?」

「は、はいにゃ!」

「それではご案内いたします♪」

 にこさんを接客する前に軽くことりの方を見る。本物のメイドがどうなのかは分からないが、こういう店でのメイドとしてのことりは完璧だと思う。まるで絵に描いたようなメイドの接客だ。超可愛い。

 

「こちらのお席へどうぞっ」

「は、はい……」

「こちら、メニューになります♪」

 ことりが完璧すぎて凛も花陽もどぎまぎしている。そりゃそうだ。俺だってあんなことりに接客されたら席に着いた途端に泡吹き出して卒倒するレベル。何なら外に追い出されて出禁くらうまである。あかんやん。

 

 

「ただいま、お冷をお持ちいたしますっ。失礼いたしました」

「さ、さすが伝説のメイド……!」

「ミナリンスキー……!」

「サイン貰えるかな……」

「いやアンタはこっちの接客しなさいよ」

 

 あれ、いつの間にかことりメイドの虜になっちゃってた。てへぺろっ!いやでも最後のあの笑顔は卑怯でしょ。そりゃ伝説のメイドと言われるわ。専属メイドになってくださいって言って断られるとこまで想像できた。

 

「ほら、見惚れてないでこっちの接客をしなさいよ。執事なんでしょ」

 何気に執事ってワードを強調してハードル上げてきたなこのツインテール。文句は山々だがもう後には戻れない。仕方ない、やるしかないか。こちとら伊達にアニメ好きを名乗ってるんじゃないと分からせてやる。

 

 執事がでてくるアニメだってそれなりに見てきたんだ。それを何となくだけでも真似てやれば少しはそれっぽく見えるだろう。スイッチを切り替えろ。いつもの岡崎拓哉を封印するんだ。今から俺がなるのは執事だ。

 

 

 

 ……よし。

 

 

 

「大変失礼いたしました、お嬢様。大切なご主人であるお嬢様のお手を煩わせてしまうなど、執事失格にございます……。これから精進しますので、どうかお許しを……」

「ひゃ、ひゃい……?え、あ、ええ……。まあ、今回だけなら、ゆ、許してあげるわ」

「ありがたき幸せでございます。それではお嬢様、さっそくですがわたくし岡崎拓哉の不祥事のお詫びをしたいと存じます。お嬢様へ何かサービスをさせてはいただけないでしょうか?」

「さ、サービス?」

「はい。こちらが当店のメニューとなっております。本来ならばお嬢様方がお支払いになるのがルールなのですが、今回だけは特別として、わたくしめがお嬢様の代わりにお支払いをさせていただきます。ですので、お嬢様はお好きなメニューをお選び下さいませ」

 

 執事になりきるにはこうするしかない。多少の出費は致し方ないと考えるんだ。ほら見ろ、こっちが急に真面目に執事をし始めたからにこさんも若干戸惑っている。これが俺の狙いだ。

 

 完璧な執事を気取って、にこさんの反応を楽しむ。意外とやれるもんだな執事って。実際こんなもんじゃないんだろうけど、あっさりとにこさんは今の俺を執事だと勘違いしている。

 

 

「本当に好きなものを頼んでい、いいの?」

「勿論でございます。これはわたくしめのサービスなのです。お嬢様がご遠慮なさる必要などどこにもございません」

「ふ、ふーん……じゃあ、頼んじゃおうかしら……!」

 おい、考えろよ。ちゃんと値段を見ろよ。考えてもの言えよ。高い物頼んでみろ。言っとくがこれが終わったら思いっきり文句言ってやるからな。

 

「じゃあ、この『執事特製手作りオムライス』でも作ってもらおうかしら……」

 たまにしか執事デーなかったんじゃないのか。何で思いっきりメニューに載ってんだよ。手作りってこれまさか俺が作らないといけないのん?……値段は、1200円……だと……!?

 

 いや、メイド喫茶だとこんなもんか……?他のメニュー見ても大体同じような値段ばっかだし、妥当っちゃ妥当なのか。え、普通に俺が作るの?マジで?

 

 

「たっくん、厨房でお嬢様にオムライス作ってきてあげてね♪」

 マジか……。いや待て。プラスに考えるんだ。作ってる間はキッチンにずっといれるんだ。他の客に見られる心配もなくなる。俺だけ執事だからさっきから目線を感じるんだよ。やめてっ、そういう好奇心の目線を送らないでっ!!

 

 まさか、にこさんは俺のためにわざわざ執事特製手作りオムライスを頼んでくれたのか……!?ふとにこさんを見ると呆れながらも軽くウインクしてきた。さ、さすがやで矢澤の姉貴……!こうなれば俺も本気の執事精神を見せなければいけない。

 

 

「……ではお嬢様、わたくしめは一旦キッチンの方へ行かせていただきます。わたくしめがいない間、お嬢様が寂しくならぬよう、軽くおまじないをさせていただきます」

「お、おまじな―――ひゃっ!?」

「それでは、お嬢様のために丹精を込めて作ってまいりますので、少々お待ちくださいませ」

 

 

 それだけを言って、俺はそこを立ち去る。

 

 

 決して周りを見なかった。周りは驚愕やら何やらでざわめいていた。何故なら、俺はにこさんの手をとり、手の甲に軽くキスをしたからだ。だからにこさんは驚いてたし、周りの花陽達も言葉を失っていた。

 

 多分知らない客にやっていたら通報されてただろうな。にこさんでも危ないかもしれないのに。いやはや、執事精神ってのは怖いもんだ。正直俺が1番死にそうなくらい恥ずかしい。やるんじゃなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ふと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わ、私も頼んだら、や、やってくれるのかな……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな微かな声が複数聞こえてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やっぱりやるんじゃなかった……。

 なるほど、これが公開処刑か。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






さて、いかがでしたでしょうか?

穂乃果達のメイドが可愛いのは周知の事実。なので拓哉を執事にしてみました。
ベタだけど、それがいいよね!

今年の目標はいつも通りこの作品を投稿し続け、ラブライブの新作を投稿する事です。


いつもご感想高評価(☆9、☆10)ありがとうございます!

では、新たに高評価(☆9、☆10)をくださった、


海未ちゃんえりちさん(☆10)、テリアキさん(☆10)


大変ありがとうございました!!


新年初投稿が50話、そしてありがたくも総評価数も50件に到達いたしました!!
なので番外編を何か書こうと思っています。

それと、この作品を始めてからもうすぐで一周年になります。
それにも伴い、また特別番外編も書こうと思っています!!いつ書くかは分からないですけど(笑)

これからもご感想高評価(☆9、☆10)お待ちしております!

では、改めて今年もよろしくお願いいたします!!
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