ラブライブ!~奇跡と軌跡の物語~   作:たーぼ

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どうも、何とか更新速度を戻そうと奮起しておりますよ!



では、どうぞ。




57.何事も隠し味は基本

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 着替えてから1階へ向かうと声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「買い出し?」

「何か、スーパーが結構遠いらしくて」

「じゃあ行く行く!」

 

 

 

 

 

 話を聞く限り、食材を買いに行かないと晩御飯を作る事はできないらしい。そりゃそうか。すると、真姫が会話に入ってきた。

 

 

 

「別に私1人で行ってくるからいいわよ」

「え?真姫ちゃんが?」

「私以外、お店の居場所分からないでしょ?」

 確かに買いに行くとしても肝心のスーパーの居場所が分からなければ意味がない。こういう時スマホのナビは意外と役に立たないのだ。何たって俺のスマホはナビ設定してもたまに全然場所が違うとこに連れて行こうとしやがる。ナビって何だっけ。

 

 

「じゃあウチもお供するっ」

「え?」

 真姫の意見に希がもう決めつけたような事を言い放つ。

 

「おっと、じゃあ俺も一緒に行くよ」

「た、拓哉も?」

 急に真姫の隣にやってきた俺にびっくりしながら聞いてくる。そりゃお前、俺の仕事と言ったらこういう事でしょうが。おっ、いたいた絵里、早めに謝っとかねえとな。……あ、目を逸らされた。もう少し時間置いとくか。……泣ける。

 

「たまにはいいやろ?こういう組み合わせもっ」

「それに、この人数だし買うのも自然と多くなるだろ。だったら荷物持ちとして男手は必須になんだろ?というかここで俺が動かないと手伝いとしてのプライドが廃る」

「手伝いのプライドとかあったんだたくちゃん!」

「ああん!?拓哉さんはむしろプライドの塊まであるんだぞゴルァッ!!」

 穂乃果め何て事を言いやがる。俺の好感度をここで一気に下げるつもりか。そんな事されたらことりや花陽達に変に思われるでしょうがやめてくださいお願いします。

 

 

「なら最初あんなに合宿行くのをめんどくさがってたのは何なんですか」

「げふん」

 それを言うのはおよしなさいよ海未さん。俺が何言っても反論できないじゃないですかそれ。一方的に責められてあとで泣いちゃうパターンのやつじゃないですかそれ。泣いちゃうのかよ。

 

 

「まあまあ、海未ちゃんもその辺にしといてあげて。ほな、お買い物行こっか」

 

 

 

 

 

 

 

 希はもう俺のお母さんになってほしい。一生守ってほしい。養ってほしい。クズだな俺。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 そんなこんなで夕日と海をバックに俺と真姫と希でスーパーへ行っている最中である。

 

 

 

 

 

「おお~、綺麗な夕日やね~!」

「だな。海を背景に見るとより幻想的に見えるな」

「もお~拓哉君、こういう時は『夕日よりも君の方が綺麗だよ』って言うのが正解なんとちがう~?」

「俺がそんなクサい台詞言うと思うか?」

「うん、拓哉君時々引くくらいクサい事言うよ?」

 

 えっ、うそん、マジでか。俺そんなに言ってた?やべえ、だからたまに周りの視線が痛いな~とか感じてたのか。何それ超泣ける。主にマイナス的思考で。

 

「まっ、そのおかげで今までやってこられたってのもあるんやけどねえ」

「やめて、今は褒めるのやめて。からかわれてるようにしか聞こえないからっ」

「実際からかってるよ?」

「ちくしょう悪意なき優しさと思ったら思いっきり悪意あったぜひゃっほう!!」

 この紫巫女娘め。何かと俺にちょっかいかけてきやがる。いや他のみんなにもめちゃくちゃかけてるけど。巫女さんがそんな事していいのかよ!田舎の山で熊と住んでる巫女の方がいい!!くまみこいいよね!!

 

 

「どういうつもり?」

 俺と希の何気ないやり取りを見ていた真姫がようやく口を開いた。

 

「別に?真姫ちゃんは面倒なタイプだなーって」

 真姫の探るような質問に、希は嘘を付かずに直球でそれを言った。でもそこに悪意はまったく籠っていなかった。

 

「ホントはみんなと仲良くしたいのに、中々素直になれない」

「……私は普通にしているだけで」

「そうそう、そうやって素直になれないのよね」

 気付けば、希はいつもの似非関西弁じゃなくなっていた。という事はつまり、これはおふざけな話ではない。希の話す雰囲気からそれは察せるし、真姫もそれに何となく気付いてはいるようだった。

 

 

「ていうか、どうして私に絡むの!?」

 ここで真姫が一気に確信を突く。いつまでも重要な事を言わない希に痺れを切らしたのかもしれない。その問いに希は「ん~」と少し考える仕草をしてから、こう返した。

 

 

 

「ほっとけないのよ。知ってるから、あなたに似たタイプ」

「……何それ」

 真姫はあまりピンと来ていないようだったが、俺には十分にその意味が分かった。

 

 

 

 いたのだ。そういう人が。今の真姫のように、本当はやりたかったはずなのに、中々素直になれず、そうやって色々ぶつかってきた人が。その人はいつも俺達に突っかかってきて、何度も何度も対立してきた。

 

 本心を隠し、ただ義務感にだけ囚われてやりたい事に嘘ついてきた。そんな親友が、希の側にいた。だから希はその人を助けたくて、ほっとけなくて、自分にやれる事をしていた。だけど、それは最後まで叶う事はなかった。

 

 結局希はその人を最後の最後で助ける事はできなかった。そのせいで泣いていたんだ。自分の大切な親友を、自分自身が助けてあげたかったのに、それが出来ず、その人をよく知りもしない俺なんかに泣きながら助けを求めた。

 

 最後の最後でその人、絵里を助けたのは俺だったかもしれない。でもそれまでの過程は全部希がやってきた事だから、それだけは忘れてはならない。俺が絵里を助けてやれたのも、希の今までの行動のおかげなんだ。

 

 俺だけじゃ何も救えなかった。むしろマイナスの結果になっていた可能性の方が高かった。俺は良いとこ取りをしたまでに過ぎない。それでも、希は俺に感謝してきた。今まで自分が積み上げてきたものを、その最後で良いとこ取りをした俺なんかに。

 

 

 

 

 

 だから。

 今度こそ助ける。同じような過ちはもういらない。もう俺なんかの助けはいらない。そう言うように、希の眼差しを強くなっていた。

 

 まるでアイコンタクトで「もう大丈夫だから」とでも言っているかのように、その目は一瞬だけ俺を射抜いた。……真姫は任せろってか。分かったよ、真姫の事は希に任せる。9人揃った今のμ'sならあまり心配もいらなさそうだしな。

 

 

 

「ま、たまには無茶してみるのも良いと思うよ!合宿やし!」

 それだけ言うと希は1人前を歩いて行った。道知ってるのは真姫のはずじゃ……。あれか、それもスピリチュアルってやつか。そろそろ俺も伝授してほしいんですが!

 

「何なのよ、もう……」

 希の言葉にイマイチ真意が掴めないと言わんばかりの声音で真姫がぼそりと呟く。分かってはいるけど、それを認めるのが何だか自分らしくないと真姫は思っているんだろう。だからいつも自分の素直な気持ちをは裏の事を言ってしまう。

 

 

 

「とりあえず言えるのは、希も他のみんなも、真姫の事を思ったりちゃんと見てくれてたりしてるって事だよ」

「拓哉……」

 だったらそれを少しだけでもほぐしてやればいい。希に任せると決めたけど、何もサポートしないわけではない。希も影でずっとサポートしてきたんだし、このくらいはいいだろう。

 

「別にこのあとすぐに変われとか言ってるわけじゃない。お前はお前のペースで変わればいい。先輩後輩という垣根を壊すのがこの合宿の目的でもあるんだ。だったら、これも合宿で達成させる必要があるって事だ」

 絵里が最初に言っていた事。先輩後輩の垣根を壊す。それは誰にも気を遣わず、自分の素直な気持ちを吐き出させるにもっとも効果的だからだ。後輩が先輩に気を遣って意見を出せなかったら意味がない。そういう意味も含まれている。

 

 これはあくまでスクールアイドルとしての意見を出すという事において例えているが、今の俺の個人的な気持ちは真姫がみんなにもっと友好的な意味での素直になってほしい気持ちもある。変なストレスを溜めるのも良くないしな。

 

 

「だからさ、もっとみんなを信頼して、笑顔を見せてもいいんじゃねえか?」

 言いたかったのはこの最後だ。真姫はあまり笑顔を見せない。歌って踊る時はもちろん笑顔だが、それ以外ではいつもムスッとというか、何だか興味がないようにも呆れているようにも見えるからな。……まあいつも穂乃果達のバカなやり取りを見てればそうなるのも分かるけど。

 

 

 言ってしまえば、いつも真姫だけはあまり会話に混ざらない。話を振っても気だるげに答えてたまにツッコミを入れる。そこに呆れはあるものの、笑顔を見せた事があまりないのだ。つまり、笑わないに関しては、過去の絵里を見てるように思えてしまう。

 

 

 だから希は真姫を放っておけない。過去の絵里に似ているから、どうしても気にかけてしまう。希の事だから故意に気にかけているんだろうけど、相変わらずのお人好しなんだよな、あいつは。だから俺もそれをサポートしたくなる。

 

 

 

 

 

 

 

 そして、俺のそんな意見に真姫は、

 

 

 

 

 

 

「……信頼はしてるわよ。それに楽しくないわけじゃない。嫌々やってるわけでもないわ。楽しくなかったら、別荘に連れて来る事なんかしないもの。……ただ、()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 いつものように笑顔はなく、少し眉を顰めながら言いながら希の隣へと歩いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やっぱあの時の絵里と似てる。どっちも素直な気持ちを出すのが不器用なだけなんだよな。だからツンデレとか言われるんだよ俺に。

 でも、さっきの真姫の発言から考えると、それも時間の問題のようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 んじゃま、ようやくスーパーも見えてきたし、晩飯の事に集中でもしますかね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「さて、ようやく俺が本領発揮できる時がきたな……」

 

 

 

 

 買い物から戻り現在地点はキッチン。

 俺の目の前にあるのは買ってきた大量の材料。そこら辺の家庭の人数とは違う。俺合わせて10人もいるんだから、必然と材料も多くなる。

 

 

「たくちゃんの目が燃えてるよことりちゃん……!」

「いつになく燃えてるねえ、たっくん」

「さっきとは違う意味でめんどくさいわね」

 後ろの小娘共が何か言っているが気にしない。ようやく俺が手伝いとしてまともな仕事をする時がきたのだ。燃えないはずがないだろう。仕事はしたくないけど!!自分からやると決めた事はちゃんとやるぞ俺は!!

 

 

「たっくん、やっぱり私も手伝―――、」

「とても楽しい新婚ごっこができそうだがそれはダメだことり!!これは俺に課せられた任務。家事をやり慣れてる俺がフルで力を発揮できるのを、無闇に荒らされたくないんだ」

「わ、分かったよ……」

 すまないことり。本当なら一緒に作ってみたいが、今の俺にはそれさえも凌駕する気持ちが溢れているんだ。最近は唯に晩ご飯を作ってもらっていたから、少し久々に料理をするが、そこは数年家事をやってきた俺に不安はない。

 

 だからこそ燃える。久しぶりに本格的な料理を作るんだ。それも家族にじゃない。友人である穂乃果達に振る舞うってのがポイントだ。ここでいっちょ俺がどれだけ手伝いとして役に立つか見極めてもらおうではないか。

 

 

 

 

 

 今日の献立は合宿の定番、カレーだ。

 カレーはごく一般の家庭なら何回も味わった事のある馴染み深いメニューである。しかし、定番だからこそいつも可もなく不可もない、無個性の味になる。普通に美味しい。普通に食べられる。まさに普通カレー。

 

 

 そんなのせっかくの合宿で振る舞ってどうする?

 友人達との楽しい特別な合宿。それに普通のカレーなんて食べさせてみろ。特別な合宿が一気に我が家の気分に引き戻されるに違いない。そんなのはダメだ。手伝いとしての俺のプライドに反する。これでも将来第二候補に主夫志望を決めているんだ。

 

 半端なものは出せない。

 

 

 

 

 つまり、ただのカレーで済ませるつもりは毛頭ない。

 俺なりのアレンジを加えてより美味しくさせる。それでみんなを喜ばせる事ができれば、手伝いとしての俺の役目も1つ達成できるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いざ、参らんッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「できたぞ~」

「「「「「「「「おおー!」」」」」」」」

 

 

 

 

 テーブルに粗方お皿を並べ終える。

 今日はカレーとサラダだ。俺がカレーに夢中になっている隙ににこが勝手にサラダを作っていたのは驚いた。俺のキッチンに気配を隠して作るとは、中々だな。サラダは簡単だから、俺がにこに気付いた時にはもう完成されていた。だから何も言う事ができなかったのだ。

 

 

 

「ほれ、花陽は確かご飯だけ別々だったよな?」

「え、何で花陽だけお茶碗にご飯なの?」

「気にしないでくださいっ」

 そういや絵里は知らなかったのか。花陽は大のご飯好きなのだ。ラーメンのお供にチャーハンではなく白ご飯。お好み焼きのお供にも白飯。何ならご飯のお供に白米まである。大阪人超えてんぞオイ。

 

 

「たくちゃんもそうだけど、にこちゃん料理上手だよね~!サラダ作る時の手際が凄かったもん!何かこう、パッパッてすぐ作っちゃってたし!」

「ふっふーん!」

 確かに、にこの手際は半端なかった。俺でももう少し時間はかかるのに、それをあんなすぐに作ってしまうとは。こやつ、さては家で家事をしているな!

 

「あれ?でも昼に料理なんてした事ないって言ってなかった?」

「言ってたわよ、いつも料理人が作ってくれるって」

 確かその場に俺もいたな。初めて会った時は安売りスーパーで会ったのにって言おうとしたら蹴り喰らったからその辺あやふやになっていた。……今日だけで俺散々殴られてない?

 

 すると、にこが急にスプーンを持ち出した。

 

 

「やあん、にこ、こんなに重い物持てな~い!」

「い、いくら何でもそれは無理がありすぎる気が……」

 スプーン持てないとか逆に凄いわ。子供でも持てるんだぞ。どんなアイドル像持ってんだこいつ。トイレに行かない汚い言葉を使わないスプーンが持てない。最後だけシュールすぎてドン引きするレベル。

 

「これからのアイドルは料理の1つや2つ作れないと生き残れないのよ!!」

「開き直った!!」

 いやまあ、アイドルじゃなくても料理は作れた方が良いに決まってるしな。アニメじゃよく料理してたはずなのに、気付いたら暗黒物質(ダークマター)を創造しちゃうキャラもいたし。それは二次元だけ。

 

 

「まあまあ、とりあえず食べようぜ。せっかくのカレーが冷めちまったら美味くなくなるからな」

「それもそうだね。じゃあ、いただきまーす!!」

 穂乃果の合図を皮切りに全員も食べだす。ふふん、俺の特別カレーをとくと味わうが良い。

 

 

「……美味しい……ッ!」

 最初に口を開いたのは絵里だった。そして次々とみんなが口を開く。

 

 

「本当だ!たくちゃんこのカレー凄く美味しいよ!!」

「これは……驚きました……」

「さすがたっくんだねっ!」

「お肉が柔らかいにゃー!」

「白米にとても合いますっ」

「拓哉君凄いな~」

「コクが凄い……どうやったのかしら……」

 

 それぞれが思った事を口に出していた。ふむ、俺の作戦は大成功ってわけだ。でも花陽の言ってる事はカレーだから当たり前なんだけどね!!

 

「ねえ拓哉、このカレーに何か入れたの?」

「ん?ああ、ちょっとした隠し味を何個かな」

「何々!何入れたの!?」

「バッカお前、それ言ったら隠し味の意味ないでしょうが!!」

 穂乃果は料理できるか知らないけど、料理の素人に安易に隠し味を教えるとその気になって調子に乗る可能性がある。親がカレー作ってるとこに内緒で隠し味を投入して大惨事になる事とかな。

 

 

 ちなみに俺が入れた隠し味は醤油少々チョコレート一切れハチミツ少々だ。どれもコクを出してくれるし、ハチミツには肉を柔らかくしてくれる力がある。ちょこでまろやかにもなるからどれもプラスに働いてくれるって事だ。もちろん、量には気を付けないといけないぞッ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごちそうさま~!は~、食べた食べた~!」

「いきなり横になると牛になりますよ」

「も~、お母さんみたいな事言わないでよぉ」

 よほど気に入ってもらえたのか、みんがペロリと食べ終えてしまった。穂乃果はすぐ寝転ぶし……あれ、俺もよく唯にそうやって注意されてるな。うわっ、これじゃ俺って穂乃果と同レベルじゃねえか……!そんなのは嫌だ!!

 

 

「よーし、じゃあ花火をするにゃー!」

 2人目のバカ、凛がおもむろに立って何を言いだすかと思えばこれである。

 

「その前にご飯の後片付けしなきゃダメだよ」

「あ、それなら私やっとくから行ってきていいよ!」

「え、でも……」

「そうよ、そういう不公平は良くないわ。みんなも自分の食器は自分で片付けて」

 花陽も絵里もやはりそういう事は気にしてしまう傾向があるらしい。誰か1人に押し付けるのは良くないのだと。だったら適任がいるだろうに。

 

 

「だーから、料理は俺がしたんだから必然的に片付けも俺がやるのが常識ってやつでしょ」

「さすがにそれはダメだよたっくん!」

「気持ちは嬉しいけど、俺の出来る事はこういう事だけだ。練習じゃ俺は何も役に立てないんだから、せめてこういう時くらいは全部俺に任せてくれないか?なあ、みんなも」

 誰も言い返してこないとこを見ると、一応それで納得はしてくれたようだ。そうだよ、こういう時じゃないと俺は活躍できないんだし、せっかくの合宿なんだから、こいつらには良い思い出を残しておいて欲しい。保護者かな?

 

 

「拓哉君のお言葉に甘えさせてもらうとして、まず花火より練習ですっ」

 このムードにとんでもない爆弾を落としたぞこの熱血娘。夜に練習とか正気かよ。それはそれで乙なものかもしれないが、まず1人どうしてもこの場から動かなそうな奴がいるぞ。

 

「うぇっ、これから……?」

「当たり前です。昼間あんなに遊んでしまったんですから」

「でも、そんな空気じゃないっていうか……特に穂乃果ちゃんはもう……」

「雪穂~お茶まだ~」

「家ですか!」

 

 こいつ、ここが別荘だって事忘れてないか?こんなとこに雪穂いたらまずお前が真っ先に注意されるぞ。それにしても、さすがにもう今から練習する気になれないのは海未以外全員そうらしい。遊んだにしても、それだって体力使うんだから条件は一緒のようなもんだ。

 

 

「じゃあ、私はこれ片付……拓哉に任せたから、もう寝るわね」

「え~真姫ちゃんも一緒にやろうよー花火!」

「いえ、練習です!」

「本気……?」

 どんだけ練習したいんだよこいつ。体力あり余ってんのか。あんだけバレーで弾けておいてか。

 

「そうにゃ、今日はみんなで花火やろ?」

「そういうわけにはいきません!」

「かよちんはどう思う!?」

「わ、私は、お風呂に……」

「第三の意見を出してどうするのよ……」

「雪穂ーお茶ー!」

 

 おい、いつまで経っても収集つかねえぞこのままじゃ。主に絶対練習するウーマンをどうにかしないと無理矢理練習やらされて士気が下がるだけになる可能性も否めない。

 そこで救済をしてくれたのが希だった。

 

 

 

「じゃあもう今日はみんな寝よっか。いっぱい遊んだし、みんな疲れてるでしょ?練習は明日の早朝、それで花火は明日の夜する事にして」

「そっかぁ!それでもいいにゃ」

「確かに、練習もそちらの方が効率が良いかもしれませんね」

 おお、さすがスピリチュアルパワー全開娘は違うな!希の言う事なら不思議と納得してしまう。海未を見てたらそう思えてくる。希はあれだな、裏のまとめ役的なやつ。裏番長かよ。

 

 

 

「じゃあ決定やね。それでええ?拓哉君」

「ん?ああ、俺は構わねえよ。だったらお前ら先にみんなで風呂でも入ってこいよ。その間に俺は洗い物でもしとくから」

「やったー!みんなでお風呂だー!!」

「復活早いなあほのか」

「あほじゃないもん!!」

 

 

 

 

 

 とりあえず俺の言う事にみんな頷いてそれぞれが移動を始める。

 

 

 

 

 

 

 

 そんな時。

 

 

 

 

 

「あ、たくちゃん!洗い物するとか言っておいて覗いちゃダメだからね!!」

「誰も覗かねえよッ!!!!」

 ったく、最後に何て爆弾落としていきやがる。そんな事言われちゃ嫌でも考えちまうじゃねえか。……覗かないよ?ホントダヨ?

 

 

 

 

 

 

 

 あれだけ騒がしかった食卓も、みんないなくなれば静かなもんだな。っと、さて、じゃあ俺もあいつらが風呂を堪能してるあいだにパッパと大量の洗い物を済ますとしますかねえ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風呂ねえ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





さて、いかがでしたでしょうか?


絵里への謝罪は次回だから……別に忘れてるとかじゃないから……(震え声)
書いてたら無性にカレーが食べたくなってきました。隠し味に特にこだわりはないです←


いつもご感想高評価(☆9、☆10)ありがとうございます!!


では、新たに高評価(☆9、☆10)を入れてくださった、


Taiga1109さん(☆9)


本当にありがとうございます!!
これからもご感想高評価(☆9、☆10)お待ちしております!!







そろそろラ!の新作も書いていきたいこの頃……。
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