4月10日
今日は秋葉中学校の始業式だ。
ボク、咲原未依は今日で中学2年生になる。
ボクは今日という日を楽しみにしていた。
簡単にいうとクラスでいじめられていたからだ、いじめの内容は辛くなるので言えないが......とにかく耐え難いほどのいじめを受けたといっておこう。
.......2年生となるとクラス替え、つまりいじめた奴らとは離れられる、ついでに見て見ぬ振りをした世間が言う傍観者の人たちとも離れることができる。
こんなにも嬉しいことは無い。
「未依ーご飯できたわよ〜」
「今行く〜」
一階から母の朝ごはんコールが聞こえてくる。
早く朝ごはんを食べて行こう。
「ねぇ、本当に大丈夫?もし新しいクラスが合わなかったら.....」
「はいはい、わかったわかった大丈夫だから、じゃ行ってくるね。」
母に心配されながらボクは逃げるようにドアを勢いよく開いた。
ドアを開いた瞬間気持ちがいい朝の空気が全身を渡って伝わる。
なんて気持ちいんだろ。
ボクは深呼吸をして朝の清々しい空気をしっかり味わう。
その時、どこからかボクを呼ぶ声がした。
「未依じゃん!おはよー!」
「あ、茜じゃんおはよ」
話しかけてきたのはボクの親友の茜......苗字は忘れたけど小学1年生の時からの幼馴染にして親友だったから知ってるはずなんだけど.....まぁいっか。
にしても相変わらずテンション高いな.....茜は、クラスの隅で本などを読んでいるいわゆる陰キャなボクと違い、クラスの騒いでいる....ボクをいじめているメンバーと仲がいいそんな子だ。
こんな天と地の差があるボクと茜....いじめも茜が庇ってくれたし....
まあそんなことどうでもいっか早く学校に行こう。
....あともう少しで学校に着く....あとはこの交差点を渡るだけ。
「........」
「........」
ボクたち2人はさっきのおはようのくだりからここまで10分間一言も喋っていない.....けれど気まずさもない、なんとなくだけど落ち着くような不思議な感じ。
そんな中、ボクはクラス替え唯一の不安を茜に打ち明ける。
「ねぇ.....ボクたちまた一緒のクラスになれるかな。」
「なにいってんの?絶対なれるよ!未依もそう信じなって!」
「そうだよね......うん!わかった!絶対なれる。」
なにくよくよしてるんだボクは.....もし、同じクラスになれなかったか二年生の先生を全員呪っちゃえばいいだけだしね。
「今年は絶対楽しいよね。」
「そうそう、ネガティブな感情なんて捨てちゃって楽しく生きよう!」
.....この会話の後、今日がボクにとって運命いや"命日''になるとはボク、茜は思いもしなかっただろう。
信号が赤から青に変わる時だった。
ボクはその時早く学校に行きたいからって走って交差点を抜けようとした。茜も待ってよーといい追いかけてくる。
その時だった突如ボクの目の前に猛スピードで突っ込む軽トラックが現れた。
「え.....?」
バーンと大きな音がした。
音がしたところを見るとそこにはボク....血まみれの咲原未依、その場で立ち尽くしている茜そして何事かと観にくる野次馬たち......トラック運転手はもういない。
あれ?ボクもしかして死んだ.....?
落ち着け、落ち着くんだボク......まだ死んだとは決まってない死体をよく見るんだ。
もしかしたらボクじゃないかもしれない。
なんだか少し浮いている気がするが気のせいだ多分。
よし、しっかり確認を.......
しっかりとこの目で焼き付ける。ボクの死体を.....血まみれのなんとも凄惨な死体を。
ははは、やっぱりボク死んだんだ。でもなんで天国にい気ないんだろ..,...
「なんでまだこの世にいるんだろう。」
ボクの声はもう"人には届かない"ボクは、あまりに早すぎる出来事、そしてその事実に思わず涙を浮かべる。
そんな時だった、1人の少女の声が聞こえてきたのだ。
「それはね、君は"幽霊になったから"からなんだよ。」
幼い声、でも少し心地いいそんな声だった。
それよりも気になったのは幽霊という言葉.....ボクはどちらかというと幽霊は、信じていない。だって日本の作り話のキャラクターだと思ってるから。
「ゆ、幽霊?ボクが.....?」
「ふふ、そんなの信じてたまるか!みたいな顔してるよ。」
当たり前だ。そんなの信じてたまるか!
「じゃあ、あたしが連れてってあげる"幽霊の世界"に」
「えっいやちょっと......」
ボクのわずかな抵抗も叶わず少女はボクの新しく買った学校の制服の裾を引っ張ってボクの死体がある場所から離された。
ボク.....どうなっちゃうんだろ....