史上最悪の『念能力者』だって、ヒーローになりたい!   作:焼き豚さんいらっしゃい

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 どうもです




第1話 転生

 

 

 皆さん、はじめまして!こんにちはっ!!どうも……極めて凡庸な一般人ですっ!

 

 突然ですが、みなさんは“転生”という概念について、どのようにお考えですか?

 曰く、ラノベの王道展開……曰く、異世界フィクションにおける基本設定…………などなど様々な意見をお持ちのことでしょう。かくいうこの私も、“転生”なる概念は知っていましたし、生前にはそういった設定の物語を読んだ記憶もあります……!

 

 

 

 

 いや、だからと言ってホントに自分が転生しちゃうとは思わんでしょーーつ!!!(心の叫び)

 

 はぁはぁ…………てな訳で、()()()しちゃいましたよ。別世界への“転生”。

 元はといえば仏教やらヒンドゥー教にルーツを持つこの思想ですが…………なぁんで無宗教だった私が、転生なんてしちゃってるんでしょうかね。

 

 

 

 ともあれ、20数年間も変わり映えない日々を歩んできた私は、平凡とはかけ離れた()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()で第二の人生を歩むことになりました。

 

 

 事の始まりは中国、軽慶市。『発光する赤児が産まれた』というニュースだった。

 以降各地で“超常”は発見され、いつしか“超常”は“日常”に、“架空(ゆめ)”は“現実”となった。

 

 世界総人口の約八割が何らかの「特異体質」である現在、個性を悪用する(ヴィラン)により混乱渦巻く世の中で、かつて誰もが空想し憧れた一つの職業が、脚光を浴びていた。それこそまさに……!「ヒーロー」と呼ばれる職業であるっ!!

 

 

 はいっ!みなさんご存知の通り、ヒロアカ世界ですねクォレハ……。

 街を行き交う異形の人々の姿やテレビに流れるニュース映像から、薄っすらと想像できてはいたんですが…………正直、平穏な日本人として生きてきた私が、一見すると平和(裏では修羅)なこの世界で上手くやっていける自信とかないんですけど……笑

 

 

 

 

 

 

 

 

 とはいえ!それなりに恵まれた家庭に生まれたのは、唯一の幸運と言えるでしょう!

 

 北欧の元超一流モデルという経歴を持つ外国籍の母。国内有数の大企業でCEOを務め、各界に太いパイプを持つ権威の象徴のような父。ゴシップに近い噂話ではあるけれど…………某国王族の末裔の血を引くらしい我が家系は、まさに華麗なる一族と呼ぶに相応しい!

 いわゆる、『上流階級でびゅー』ってヤツですね!コレはっ!!

 

 

 

 そんなこんなで……まだ4歳になったばかりにも関わらず、初歩的な帝王学やら英才教育やらを施されている私ですが――――両親からそれなりに愛情を注がれながら、平和な毎日を過ごしていた、そんなある日……。 

 

 とうとうっ……!とうとう来ちゃいましたよ、この瞬間が!

 ついに……私の!!個性が発現しましたーー!!!

 

 

 

 やったね。そしてゴメンよ。この世界のどこかに居るであろう、緑谷くんに青山くん。

 

 私はひと足先に、チーム『無個性ズ』から離脱させてもらおう。ヒーローを目指すにせよ、父親の跡を継ぐにせよ……個性の有無というのは社会的ステータスに大きく影響する。もちろん、今後の学生生活における立ち位置(ヒエラルキー)だってそうだ。

 

 

 

 

 とはいえ、大企業の御曹司という強力な後ろ盾を持ち、異国の血を感じさせる優れたルックスと生まれながらに突出した知性と身体能力を併せ持つ自分に――――仮に無個性だったとして、イジめてくる奴など存在するのか?という疑問はあるが。

 正直、平凡だった前世とは比較にもならないスペックの高さに、自分ですら内心引いてる部分もあるくらいだ。もしかして、これが……『強くてニューゲーム』ってやつなんすか??

 

 

 

 さて……少し脱線してしまったが、ここで“私の個性”について話を戻そうと思う。

 個性名は『オーラ操作』。後々になって判明するのだが、能力は「生き物の持つ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()」ことが出来る、というもの。

 この個性の発現と同時に、私の目には人々の身体から立ち上る湯気のようなものが見え始めた。最初は奇妙な幻覚でも見ているのかと思ったが……何度目を擦っても“ソレ”は変わらず見えるし、何より()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 瞬間、脳裏に過ぎったのは『とある前世の知識』。私が最も愛していた作品の一つであり、惜しみながらも()()()()()()()()()()()、自らの生涯の方が先に完結を迎えてしまった作品に出てくる…………()()()()である。

 

 

 

 

 

 そう。これって「HUNTER×HUNTER」に出てくる『念』じゃね?と思った次第だ。

 

 確証など全くない。しかしながら、ロマンは確かに……そこに存在していた。そう思い至ってからの私は早い。個性発現と同時に、オーラを周囲に留める状態『(テン)』を自然と習得していたため、次なる段階(ステップ)として『(レン)』の訓練に移行する。

 『練』とは、全身にある精孔を広げ、莫大なオーラを練り上げる技術であり――戦闘はもちろん、念能力の習得においても最も重要な基礎修行の一つである。

 

 正直、自分に念の才能なんて(ゴンキルと違って)ある訳がないし、半年で『練』まで行ければ良いなぁ……なんて考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 いや、1時間半で『練』出来ちゃったんすけど…………。

 いや!!それどころか半日も経たずに『凝』まで行けちゃってるんですけどーー!!!!

 

 自分の才能が怖い……!!いや、ホントに。

 確かに……才能を持って生まれたという事実は、()()()()()()()()()()なら誇らしいし、将来的な選択肢だって増えるんだろうけど……にしても限度がある!!生まれたばかりの赤ちゃんが、はいはいすっ飛ばしてクラウチングスタートで走り始めてるようなもん。感動とか嬉しさより、普通に恐怖が勝つ。

 

 なんなら(試して無いけど)直感的に、あと2時間くらいで『絶』の習得すら出来そうな気配がある。

 流石に怖すぎる……4歳の子供がたった1日で四大行をマスターするなんて悪夢に他ならない。

 

 

 

 

 いや、だが待って欲しい。まだ、この力が『念』であると確定した訳ではない。

 そもそも、ここは“僕のヒーローアカデミア”な世界観な訳だし、念に似た性質を持つだけの全く別の能力って可能性もある。ていうか、そうであって欲しい。怖いから。

 

 この力が果たして、本当に念能力に基づくものかどうか――――判断するのは簡単だ。

 私はすぐに一杯の水の入ったコップと、一枚の木の葉を用意する。そう、皆さんご存知の通り『水見式』である。

 もし()()に自分のオーラが反応するのであれば……いよいよ以て反論の余地など無くなってしまう。

 

 

 

 期待半分、恐怖半分。ざわつく心を必死に抑えつけながら、1時間半で習得した『練』を維持しつつ、コップの脇へと手をかざす。

 刹那、コップの中の水が一瞬にして腐食し、木の葉が一瞬にして崩壊する。凄まじい悪臭と変化を示した()()を見て――――私は思わず天を仰いだ。

 

(っていうか、何コレ?臭っさ!!え、マジで何コレ?!臭っっさ!!!)

 

 

 間違いない――――私が身に纏うオーラは『念』であると。しかも特質系。

 

 

 

 しかしながら、一つ疑問が残るのも事実。水見式って“こんなに激しく反応するもんだっけ?”という疑問だ。

 いつか完結した時にでも一気見しようと思い、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()あの天性の才能を持つネフェルピトーでさえ、ここまで激しい変化は起こらなかったハズだ。

 

 

 

 

 

 そして何より――――え?私のオーラ、なんかめっちゃ禍々しくね?という疑惑。

 

 自分のオーラである以上、そこまでハッキリ分かる訳じゃないが…………なんと言うか、めっちゃ邪悪な感じがする。現に『練』で全身のオーラを増幅させた瞬間、庭でくつろいでいた小鳥たちが一斉に狂ったように羽ばたいて行った。

 あれは間違いなく、生存本能を刺激され、逃げ惑うありのままの野生の姿。よくあるマンガの、悪役が初登場するシーンみたいだった。

 

 

 

 

 とはいえ、自分のようなキャラをヒロアカでもHUNTER×HUNTERでも見た覚えがないので、物語に大きく関わってくるような敵側の存在ではないハズだ。おそらく多分。…………自分はきっと善なる存在だと、自分で自分を信じている。

 

 

 

 

 

 

 さて、ここまでで分かっている情報は全部で2つ。

 

 

①どうやら私はヒロアカ世界に転生したらしい。

 

②個性の発現をキッカケに、HUNTER×HUNTER概念における特質系能力者として覚醒した。

 

 

 

 以上だ。言ってしまえば単純で、そこまで戸惑うような内容でもない。

 この世界の住人として、1人の特質系念能力者として普通に生きていけばいいだけのこと。とはいえ、ここに生まれ落ちたと理解した瞬間から、私自身やんわりとヒーローを目指していた部分があった。ゆえに、戦うための術に一定の目星が付いたというのは朗報だろう。

 

 

 

 欲を言えば…………原作キャラとして生まれ変わってみたい、という願望もあった。

 ゴンに生まれ変わって快活な少年ライフを楽しんだあと、大人になって“ゴンさん”として成長した暁には並いるヴィランを『ボッ』してみたい。キルアに生まれ変われたなら、「強力な電気か。生まれた時から浴びてたぜ。家庭の事情でね」みたいな厨二ムーブかましつつ、同じ電気系の上鳴くんと友達になってみたい。

 クラピカに生まれ変わって、普通の理解力がない人間を煽ってみるのも、レオリオに生まれ変わって、薄汚ねェ血を根絶やしにするのも良かった。

 

 

 とはいえ今世では、ここまで恵まれた環境に生まれたのだ。あえて、これ以上は望むまい。

 今の現状に心から感謝しつつ、前世をただの一般人として過ごした()()()()()()()()、自分に出来ることをやっていこうと思う。

 

 

 

 

 さて……以上が私が生まれ育ってから、この世界で起きたことの全てだ。正直、前世の記憶と言っても徐々に薄れてきてるし…………ここから先、どうなるかは私にも分からない。

 が、まぁ何とかするしかないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あ!そうそう。最後に自己紹介だけでもしておこうかな。

 私の名前は『津穢理(つえり) 似人(にひと)』。親しい友人からは“ツェリ”と呼ばれている。

 

 

 

 





 はい。ということで、知らずしてツェリードニヒ第四王子に転生した男の物語です。
 原作だと兄弟いっぱい居たり、お母さんがウンマだったり、お父さんが国王だったりしましたけど……現代日本でありがちな設定にちょい変えてます。

 個性『オーラ操作』
 生き物の持つ生命エネルギーをオーラとして、「個性で」操ることが出来る。また、他人のオーラにも干渉出来る。
 平たく言えば、『オーラ操作精度向上』+『他者のオーラへの干渉』の能力。自分にバフをかけつつ、相手にデバフを与えるサポート特化。


 本作のツェリ君は、上記の個性と天性の才能・正しい念の知識を持っていたので、常軌を逸したスピードで念を習得出来ました。

 クラピカの「普通の理解力〜」はキメラアント編後のセリフですが、ネットミームとして知ってる感じです。


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