■中央暦1643年5月上旬 第二文明圏東南海域の補給基地の沿岸部 明朝
発進線を越えた瞬間、舟艇の群れは、一斉に速力を上げた。
大発動艇の平たい艇底が、うねりを叩く。だん、だん、と規則正しい衝撃が、すし詰めの兵たちの尻を突き上げた。艇首の道板の向こうに、朝靄をまとった島影が、刻一刻と迫ってくる。
頭上では、絶え間ない砲声が空気を圧していた。
いぶきとくらまの155ミリ三連装砲が、上陸部隊の頭越しに、支援射撃を叩き込んでいるのだ。砲弾が空を裂く音が、幾重にも折り重なって頭上を通過し、前方の海岸線に、次々と土煙の柱を噴き上げさせていく。水際のわずか手前――上陸予定の浜辺に沿って、爆炎の壁が横一線に立ち上っていた。
その光景を、遥か上空から見下ろす眼があった。
RQ-21である。夜を徹して飛び続けた無人機は、夜が白んでもなお、海岸線の上空を旋回し続けていた。その電気光学センサーが、弾着の一つひとつを、舟艇の位置を、そして浜辺に残る敵影を捉え、いぶきのCICへとデータを送り続けている。艦砲と、舟艇と、上空の眼。三者は、目に見えぬ糸で結ばれていた。
CICの画面上で、舟艇群の位置を示す光点が、浜辺へと吸い付くように近づいていく。
「舟艇第一波、水際まで300……200……」
「弾着、転移させます」
その瞬間が、来た。
水際の手前で吼え続けていた爆炎の壁が――ふっと、かき消えた。
と思う間もなく、次の斉射の弾着は、それまでより数百メートル内陸へと、一斉に跳んでいた。浜辺の後方、海岸林の奥に、新たな爆炎の壁が立ち上がる。上陸する味方を避け、かつ、浜へ増援に駆けつけようとする敵の退路と増援経路を、火の カーテンで遮断する――弾着の転移である。寸分の狂いもなく、まるで巨大な火の帯が、浜から内陸へと一歩下がったかのようだった。
その、開かれた浜へ。
「まもなく擱座する! 総員、衝撃に備え!」
先頭の大発が、砂浜へと乗り上げた。
がりがりと艇底が砂を噛み、艇体が急停止する。間髪を容れず、艇首の道板が、ばたんと前へ倒れた。
「駆けろ! 浜に留まるな! 走れ、走れ!」
第一遠征師団の歩兵たちが、雪崩を打って浜へと飛び出していった。膝まで水に浸かりながら、89式小銃を胸に抱え、身を低くして砂を蹴る。左右では、後続の大発が次々と擱座し、道板を倒し、兵を吐き出していく。ムー海軍の装甲艀も、少し離れた地点に艇首を乗り上げ、道板からムー海軍歩兵の一団を繰り出し始めていた。
浜には、夜通しの艦砲射撃が残した無数の弾痕が、クレーターのように口を開けていた。兵たちはその窪みを遮蔽に使いながら、内陸へ、内陸へと散開していく。
「工兵、前へ! 障害処理、急げ!」
波打ち際には、砲撃を生き延びた敵の水際障害が、まだ残っていた。丸太と鋼材を組んだ対戦車障害が点々と並び、その間の砂中には、地雷が埋まっていると見るべきだった。
工兵たちが、駆け寄る。地雷探知機を掲げた兵が先導し、探知音に従って、砂の下の脅威を一つひとつ暴いていく。その後ろから、爆索――細長い管に炸薬を連ねた破壊器材が手早く敷設され、
「爆破! 伏せろ!」
轟音とともに、砂と地雷の破片が噴き上がった。爆索の炸裂が、地雷原に一本の安全な通路を切り開く。対戦車障害には破壊筒が仕掛けられ、次々と爆破・排除されていった。戦車を通すための突破口が、着実に開かれていく。
そのときだった。
ぱん、ぱん、と乾いた銃声が、海岸林の奥から響き始めた。
「敵! 11時方向、林の中! 撃ってきます!」
砲撃を生き延びた敵兵が、抵抗を始めたのだ。砂を跳ね上げる着弾が、浜に散った兵たちの間を走る。
「応射! 第2小隊、左の林へ食い込め!」
歩兵たちが、即座に反撃に転じた。
弾痕の窪みに、砂の起伏に、兵たちが素早く散って伏せる。89式小銃の銃口が、一斉に林へと向けられた。
「目標、11時の発砲炎! 撃て!」
浜辺に、乾いた連射音が弾けた。5.56ミリ弾の鋭い銃声が、幾十挺分も折り重なり、一つの咆哮となって轟く。曳光弾の細い光条が、朝靄を切り裂いて林の中へと突き刺さり、敵の潜む茂みの枝葉を、木の幹を、片端から引き千切っていった。
射撃は、闇雲な乱射ではなかった。二人一組の相互掩護――一人が撃って敵の頭を抑え、その間にもう一人が数メートル前へ躍進し、伏せる。役割を替え、また前へ。訓練で骨身に叩き込まれた躍進要領そのままに、歩兵たちは撃ちながら、着実に林へと距離を詰めていく。
「弾倉交換!」「援護する、行け!」
短い叫びが交錯する。敵の応射が来れば、即座に全員が地に張り付き、発砲炎の在り処へ向けて、正確な点射を撃ち返す。敵一人の小銃に対し、こちらは常に数挺の自動火器が撃ち返す――火力の主導権は、最初の一分で、完全に上陸部隊が握っていた。
その中で、ひときわ重い連射音が加わった。
九九式軽機関銃である。ただし、往年のそれとは中身が違う。7.7ミリの実包はもはや生産されておらず、銃身と機関部に改造を施し、現代の7.62ミリNATO弾を撃てるようにした改修型だった。機関銃の生産数がまだ追いつかぬ中での、苦肉の、しかし確かな戦力である。
二脚を砂に噛ませた射手が、頬付けをぴたりと決め、林の敵火点へと照準を据える。だだだっ、だだだっ、と、腹の底を打つ重い点射が刻まれるたび、7.62ミリの弾道が敵の遮蔽物を貫き、木片と土塊を宙へ噴き上げさせた。5.56ミリでは撃ち抜けぬ木の幹の陰も、この銃の前では、もはや遮蔽の用を成さない。給弾手が箱型弾倉を次々と手渡し、射撃は途切れることなく、敵の頭を押さえ続けた。
「擲弾筒、頼む! 12時、機銃座らしきものがある!」
「よし、任せろ!」
呼応した擲弾筒手が、片膝をつき、八九式重擲弾筒を斜めに構えた。これもまた、改修を受けた一品である。往年の八九式榴弾に代わり、現代の40ミリグレネード弾を発射できるよう、改造が施されていた。曲射の腕は、器材が変わっても変わらない。
擲弾筒手は、目測で距離を読み、筒の角度を親指の感覚だけで決めると、迷いなく撃発索を引いた。
ぽん、という拍子抜けするほど軽い発射音。だが、放物線の頂点を越えて落下した40ミリ擲弾は、林の中の機銃座の、ほとんど真上へと吸い込まれ――炸裂した。オレンジ色の閃光とともに破片が扇状に飛び散り、機銃座を組んでいた土嚢が崩れ、敵の機銃は、短い悲鳴とともに沈黙した。
「命中! さすがだな、おい!」
「昔取った杵柄よ」
擲弾筒手は、にやりと笑うと、もう次弾を筒に落とし込んでいた。
「前へ! 橋頭堡線、押し上げろ!」
号令一下、歩兵たちは海岸林の縁へと殺到した。飛び込んだ林の中では、至近距離の撃ち合いが始まる。木々の間を縫って躍進し、茂みへ点射を浴びせ、手榴弾を投げ込み、一つ、また一つと敵の抵抗の巣を潰していく。初期線は、じりじりと、しかし確実に、内陸へと押し上げられていった。同時に、前線の観測班からは、早くも次の艦砲射撃要請が飛んでいた。
「こちら観測1、敵の抵抗線は海岸林の後方! 座標送る、制圧射撃を要請する!」
数十秒後――要請地点の空が、引き裂かれた。
沖合のいぶきとくらまから撃ち出された155ミリ砲弾の群れが、ほぼ同時に、海岸林後方の一帯へと降り注いだ。立て続けの炸裂が大地を揺るがし、噴き上がる爆炎と土砂の柱が、林の梢を越えて立ち昇る。集結しかけていた敵の反撃部隊は、隊伍を組む間もなく吹き散らされ、その気勢は、頭上からの鉄槌で、ことごとく挫かれていった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
その頃、海岸林の奥では――
「集まれ! 生きてる奴は俺のところに集まれ!」
グラ・バルカス帝国海軍陸戦隊、陸上警備科の中隊長ヴェルクは、砲撃を生き延びた部下たちを、必死にかき集めていた。
あの夜通しの艦砲射撃を、彼は辛くも生き延びていた。だが、彼の中隊は、もはや中隊の体を成していなかった。逃げ込んだ退避壕ごと押し潰された小隊もある。集められたのは、二十数名――かつての一個小隊にも満たぬ数だった。それでも、彼はその生き残りを、水際近くの林縁へと張り付かせた。敵の上陸を、少しでも押し留めるために。
だが――頭上からは、なおも絶え間なく、砲弾が降り続けていた。
内陸へ転移した艦砲射撃は、まさに彼らの後方――増援の来るべき道を、焼き払っていた。前は敵、後ろは火の壁。逃げ場など、どこにもなかった。
「中隊長! もう駄目です、ここは保ちません! 後退を! 陣地を捨てて、下がりましょう!」
部下の一人が、土にまみれた顔で叫んだ。
ヴェルクは、歯を食いしばった。そして、絞り出すように言った。
「……いや。逆だ」
「は?」
「突撃する。砂浜へ、前に出るぞ」
部下たちが、一斉に凍りついた。
「しょ、正気ですか!? 敵のど真ん中に突っ込むなど――」
「考えてもみろ!」
ヴェルクは吼えた。
「後ろに下がれば、あの砲弾の壁に焼かれるだけだ! だがな、敵の懐に飛び込めばどうだ。敵は、味方もろとも撃つことになる砲撃を、撃ちにくくなる! 敵に近づくことこそが、あの忌々しい艦砲から逃れる、唯一の道だ!」
それは、絶望の中で絞り出された、しかし理にかなった判断だった。
「続け! 帝国海軍陸戦隊の意地、見せてやれ!」
ヴェルクは、先頭に立って駆け出した。部下たちが、雄叫びとも悲鳴ともつかぬ声を上げて、それに続く。
林縁から砂浜へ――二十数名の突撃は、しかし、地獄の中の行軍だった。
浜に展開した敵歩兵の機銃が、即座に反応した。7.62ミリの曳光弾が、横合いから鞭のようにしなって彼らを薙ぎ払う。すぐ隣を走っていた兵が、胸から血飛沫を噴いて、砂の上に前のめりに崩れ落ちた。その先では、別の兵が足を撃ち抜かれて転がり、悲鳴を上げながら砂を掻いている。跳弾が砂を爆ぜさせ、視界の端で、また一人が糸の切れた人形のように頽れた。
それでも、止まらなかった。止まれば、死ぬだけだ。二十数名は十数名に減りながらも、砂を蹴り、弾着の合間を縫って、必死に前へ、前へと駆けた。
それでも――ヴェルクの読みは、半ば当たった。
敵との距離が縮まるにつれ、あの艦砲射撃が、ぴたりと止んだのである。敵味方が入り乱れる距離では、艦の巨砲は撃てない。
「ここだ! ここで食い止める! 遮蔽に付け、撃ちまくれ!」
ヴェルクは、太い木の幹に身を隠すと、抱えていた短機関銃を構えた。木製の銃床に、銃身を覆う放熱孔だらけの被筒、横合いに突き出た箱型弾倉――かつての地球でMP-28と呼ばれた銃に、瓜二つの得物である。
幹の陰から半身を晒し、引き金を絞る。
けたたましい連射音とともに、銃が肩の中で跳ね暴れた。銃口炎が朝靄を焼き、9ミリ弾の奔流が、浜の敵影へと撒き散らされる。薬莢が金色の弧を描いて飛び散り、足元の落ち葉の上に、ぱらぱらと降り注いだ。32連の弾倉は、瞬く間に軽くなっていく。
「弾倉替え!」
幹の陰に引っ込み、空弾倉を叩き落として新しいものを叩き込む。槓桿を引き、また半身を出して撃つ。撃って、隠れて、また撃つ。浜の敵兵の一人に、確かに数発を叩き込んだ――のが見えた。よろめいた敵兵は、しかし、倒れなかった。仲間に肩を貸されながら、自力で後方の弾痕へと退がっていく。
(馬鹿な、確かに胴に当てたぞ……! 何か着込んでいるのか、あいつら……!)
9ミリ弾を胴に受けてなお、歩いて下がる兵。ヴェルクの背筋に、また一つ、嫌な汗が伝った。
「構うな! 撃ち続けろ! まだやれるぞ!」
生き残った部下たちも、小銃や機銃で応戦を始める。一瞬、敵の前進が止まった。
だが――すぐに、押し返された。
撃ち合いになって、ヴェルクは思い知らされた。敵の火力が、尋常ではないのだ。
こちらの兵が遮蔽から顔を出し、ボルトを操作して一発撃つ。その一発の間に、敵は三発、四発と、正確な連射を叩き返してくる。しかもそれが、機銃座からではない。散開した敵兵の、一人ひとりの小銃からなのだ。撃ち返された兵は首をすくめ、次に顔を上げる頃には、新たな敵弾が幹を抉り、土を跳ね上げている。頭を上げることすら、ままならない。
左手で応戦していた部下の機銃手が、点射の合間に敵弾を額に受け、仰向けに倒れた。その機銃を引き継ごうとした兵も、銃座に取りつく前に肩を撃ち抜かれる。
(自動小銃……! 敵は、一兵卒に至るまで、自動小銃を持っていやがるのか!)
帝国において、自動火器は分隊に一挺の機関銃と、下士官の短機関銃くらいのものだ。全員が自動小銃で武装した歩兵部隊など、どれほどの国力があれば賄えるというのか。単純な撃ち合いですら、火力の天秤は、どうしようもなく敵に傾いていた。
そこへ、追い打ちのように、ぽん、ぽん、という軽い発射音が届いた。数瞬後、味方の潜む茂みの中で、立て続けに擲弾が炸裂する。破片が枝葉ごと兵を薙ぎ、悲鳴が上がった。曲射弾まで、正確に降ってくる。
じり、じりと、林の縁まで押し戻されていく。
(くそっ……こうなったら、迫撃砲だ! まだ生きているかは知らんが、味方の迫撃砲部隊は何をしている!)
ヴェルクは、通信兵を振り返った。
「おい! 迫撃砲中隊を呼び出せ! 浜の敵に、支援砲撃を――」
言葉が、途切れた。
通信兵は、木の根元にもたれるように、こと切れていた。頭から流れた血が、顔の半分を黒く染めている。いつ撃たれたのかすら、分からなかった。
「……っ」
ヴェルクは、歯を食いしばり、地を這った。銃弾の飛び交う中を、匍匐で通信兵の亡骸へとにじり寄り、その肩から通信機を引ったくる。送話器を掴み、周波数を合わせようとした――
その手が、止まった。
視界の先――砂浜に、それはいた。
対戦車障害が爆破処理され、ぽっかりと口を開けた突破口。そこから、船のような形をした異形の車両が、砂を噛みしめながら、ゆっくりと上陸してくるところだった。
艇のような浮舟を前後に付けた、水陸両用の――戦車。
波を割って浜へ上がったその車体は、前後のフロートを、がこん、と切り離した。身軽になった車体が、砲塔をゆっくりと巡らせる。その砲口が、吸い寄せられるように、こちらへ――ヴェルクのいる林縁へと、向いた。
(……ああ)
ヴェルクは、悟った。
終わりだ。歩兵の小火器しか残っていない自分たちに、あの鉄の獣を止める術など、何一つない。
「そ、総員、て――」
撤退を命じようと、口を開いた。
その言葉が音になるより早く、30ミリ機関砲が火を噴いた。
だだだだっ、という重い連射音が、浜を圧した。曳光弾の交じった機関砲弾の帯が、林縁を端から横薙ぎに掃射していく。着弾のたびに土砂が噴き上がり、下生えが千切れ飛び、若木がまとめてへし折られた。
ヴェルクが遮蔽にしていた太い木の幹は、まとめて数発を喰らった。30ミリ弾の前には、生木の幹など障子紙にも等しい。幹は内側から爆ぜ割れ、木っ端の嵐と化して四散し――その陰にいた彼の体は、部下たちもろとも、飛散する木片と土砂の渦の中で、ばらばらに引き裂かれた。
掃射は、数秒で終わった。
朝靄の晴れゆく林縁には、なぎ倒された木々と、抉り返された黒い土だけが残されていた。
グラ・バルカス帝国海軍陸戦隊警備隊――その水際の抵抗は、指揮官の死とともに、崩壊した。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
特三式内火艇改は、止まらなかった。
フロートを捨て、車高の低い戦車となったその車体は、砂を蹴立てて内陸へと前進を開始した。砲塔内では、16式機動戦闘車譲りの熱線照準装置が、海岸林の奥に潜む敵兵の体温を、白い像として浮かび上がらせている。夜であろうと、茂みの陰であろうと、生身の兵が隠れ果せる相手ではなかった。
さらに、その眼は一つではない。
上空のRQ-21が捉えた敵歩兵部隊の動き――集結地点、移動経路、迂回の兆候――が、逐一、無線で連携されてくる。空の眼と、地の砲。二つが組み合わさったとき、特三式内火艇改は、70年前の設計とは思えぬ、恐るべき狩人と化した。
停止。照準。射撃。
レーザー測距儀が距離を刻み、弾道コンピュータが即座に照準点を弾き出す。30ミリ機関砲の点射が、林の中の機銃座を、集結中の敵の一団を、次から次へと正確に粉砕していった。砲安定装置を持たぬがゆえの、停止しては撃つ「ハルト・アンド・シュート」。だがその一撃一撃は、外れることを知らなかった。
橋頭堡を潰さんと、グラ・バルカスの警備隊も、なおも各所で食い下がった。だが、彼らの手元に、この装甲の獣に対抗できる武器は、もはや何一つ残されていなかった。頼みの対戦車砲は、夜のうちに艦砲射撃で軒並み潰されている。小銃弾も、機銃弾も装甲の前には、虚しく火花を散らすだけだった。
前進する鋼鉄の車体を前に、警備隊は足を止め、身動きが取れなくなり――
そこへ、動きの止まった彼らの頭上に、観測班の要請を受けた155ミリ砲弾が、容赦なく降り注いだ。
水際の抵抗線は、完全に沈黙した。
朝日が昇りきる頃、砂浜と海岸林の一帯は、日本・ムー連合上陸部隊の手に落ちていた。
橋頭堡は――確保された。