ミッション:災厄「ルズローシヴ=レレイ」を消滅させよ   作:Moa

12 / 13
Review:火の宝玉(前編)

火の宝玉編に入りました。

 

まだ火属性の天族には会っていません。

 

今回は、浄火の聖堂へ向かう途中の休憩回でした。

戦闘やダンジョン攻略ではなく、巡礼小屋で夜を明かすイベントです。

 

でも、かなり大事な回でした。

 

リシェラちゃんが、ついに言いました。

 

「女の子の方が好きなんだ」

 

言った。

 

言いました。

 

ありがとうございます。

 

これは百合です。

 

百合目的で始めたゲームで、ちゃんと女の子が女の子を好きだと言いました。

ありがとうございます。

 

ただ、喜んだ直後に、この世界ではそれが出生義務を拒む理由として認められないことを思い出して、かなり苦しくなりました。

 

子供が嫌いなわけではない。

人が増えた方がいいことも分かる。

村が続いた方がいいことも分かる。

お祭りも、歌も、畑も、店も、誰かが覚えていった方がいい。

 

分かる。

 

でも、男の人とそれをしたくない。

女の子の方が好き。

 

それがリシェラちゃんの理由だったんですね。

 

今まで、リシェラちゃんは「罪人」とか「出生義務違反者」とか、外側から呼ばれてきました。

でも今回は、初めて本人の口から「嫌だった」が出ました。

 

「あたしの身体を、世界のために使われるのが嫌だった」

 

ここ、かなり刺さりました。

 

出生義務の制度側も、露骨にリシェラちゃんを否定しているわけではないんですよね。

 

女性を好きになること自体は禁止されていない。

同性の伴侶を持つことも認められている。

あなたの嗜好を否定する意図はありません。

 

でも、同性伴侶の存在は出生義務免除の事由には該当しません。

 

怖い。

 

「理解した上で、関係ない」って言われるのが一番きついです。

 

否定はしません。

認めています。

でも免除はしません。

世界のために義務を果たしてください。

 

優しい言葉の形をした拒絶じゃないですか。

 

イリシアさんがここにいてくれて本当に良かったです。

 

イリシアさんは二児の母です。

産んだ側の人です。

でも、だからこそリシェラちゃんを責めない。

 

水の宝玉編でも思いましたが、この人がパーティーにいる意味、かなり大きいですね。

 

産んだことを否定しない。

子供を愛している。

でも、義務として産ませることは違うと言える。

 

この立場の人がリシェラちゃんの隣にいてくれるの、かなり救いです。

 

そしてエオルミアちゃん。

 

「私は、貴女が女性を好きであることを、罪だとは判断しません」

 

不器用。

 

でも、誠実。

 

水門で言った「私は、貴女を拘束対象として扱いません」と対になっていますよね。

 

エオルミアちゃん、慰め方は硬いけど、毎回ちゃんとリシェラちゃんを社会の呼び名から剥がしてくれるんですよ。

 

出生義務違反者ではなく、リシェラ。

罪人ではなく、リシェラ。

女の子が好きなことも、罪ではない。

 

そうやって、ひとつずつ決め直してくれる。

 

好きです。

 

そして、その直後です。

 

「女性を好きであるなら、私はその対象に含まれる可能性がありますか」

 

そこでそれ聞く!?

 

いや、聞いてくれてありがとうございます。

こっちは知りたかったです。

 

リシェラちゃんが「今それ聞く!?」って叫んでいましたが、本当にそうです。

重要だけど、今じゃない。

でも重要。

 

「空気とか、流れとか!」と言われて、エオルミアちゃんが室内の空気と火の揺れを確認し始めるのもかわいすぎました。

 

そういう流れじゃない。

 

リシェラちゃんが「保留!」と言ったので、これは実質イベント進行待ちですね。

私は待ちます。

 

あと、今回の火の使い方も印象的でした。

 

まだ浄火の聖堂には着いていません。

世界を救う火でも、何かを浄化する火でもありません。

 

ただ、古い巡礼小屋で、人を少しだけ温める小さな火です。

 

その前で、リシェラちゃんが自分の「嫌だ」を言えた。

エオルミアちゃんの胸にも、名前の分からない感情が静かに灯った。

 

次はいよいよ浄火の聖堂です。

 

火属性の天族に会うらしいです。

 

聖堂。

浄火。

祈り。

 

かなり正しい場所の気配がします。

 

リシェラちゃん、大丈夫でしょうか。

 

相手が悪い人とは限りません。

むしろ、たぶん悪い人ではないと思います。

 

でも今のリシェラちゃんにとって、「正しい場所にいる正しい人」はかなり怖い気がします。

 

火の宝玉編、まだ火属性の天族には会っていません。

 

でも、リシェラちゃんの中でずっと消えずに残っていた「嫌だ」が、やっと言葉になった回でした。

 

次は浄火の聖堂です。

 

火が、この子たちを焼くものではなく、温めるものであってほしいです。

 

***

 

オルセイ

種族:天族

性別:男

年齢:25歳(外見年齢15歳)

身長:165cm

武器:グローブ

セノアと契約している天族の少年。術は使わず、前線で敵を受け止める純粋な防御役として戦う。寡黙で不器用だが、セノアを守ることに迷いはなく、どれほど強い攻撃にも退かない。

左利き。

 

***

 

簡易消滅術式

 

味方単体の濁りを削り取り、HPを大きく回復する。

ルズローシヴ=レレイの保持反応が著しく低下している。

 

使用回数:91

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。