ミッション:災厄「ルズローシヴ=レレイ」を消滅させよ   作:Moa

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Review:ライラ再訪

ということでライラさんに聞きに戻りました。

 

前回、聞いてくださいとは言いました。

言いましたけど。

 

聞きました。

 

聞かなければよかったかもしれません。

いや、聞いてよかったです。

でも聞かなければよかったかもしれません。

 

情緒が忙しいです。

 

浄火の聖堂に戻るところから始まります。

 

前に来た時と同じ場所です。

同じ聖堂です。

同じ火です。

 

でも全然同じに見えません。

 

前回は、火の力を借りるために来ました。

今回は、言わなかった名前を伝えるために来ました。

 

この時点で怖いです。

 

ライラさんが、

 

「戻られると思っておりました」

 

と言います。

 

怖い。

 

なんで分かるんですか。

と思ったら、

 

「火が少し騒いでおりましたので」

 

と言います。

 

火が騒ぐって何ですか。

 

いや、火属性の天族だから分かるのかもしれません。

でも怖いです。

この人、火属性の天族というより、火の管理者みたいな立ち位置ではありませんか。

 

エオルミアちゃんが、ちゃんと自分で言うのも良かったです。

 

「私は、貴女に訂正しなければならないことがあります」

 

訂正。

 

謝罪だけではないんですよね。

自分が何を言わなかったのか。

何を省略したのか。

それを訂正しに来ている。

 

前回、エオルミアちゃんは「天界に広がる濁りの根源を消滅させるためです」と説明しました。

嘘ではありません。

でも全部ではありませんでした。

 

この「嘘ではないけど全部ではない」が本当に怖いです。

 

人を騙すつもりがなくても、必要な情報を渡さなければ、相手は正しく判断できない。

ライラさんに火の力を借りた時、エオルミアちゃんはルズローシヴ=レレイの名前を言っていませんでした。

 

そして今回、自分でそれを言います。

 

「対象の名を、省略しました」

 

成長しています。

成長していますが、状況が怖いので素直に喜べません。

 

ライラさんの、

「名を伏せたことには、理由があったのでしょう」

も良かったです。

 

責めていない。

でも流してもいない。

理由があったことは分かってくれる。

でも、理由があれば正しいわけではない。

 

エオルミアちゃんも、

「理由があることと、正しいことは同義ではありません」

と言います。

 

またそういうことを言う。

 

この子、どんどん強くなっていませんか。

論理が武器になってきています。

でもその論理が、今度は任務を遂行するためではなく、任務を止めるために使われているのが大きいです。

 

そして、ついに名前を言います。

 

「ルズローシヴ=レレイです」

 

ここで火が燃え上がるのかと思いました。

違いました。

 

静まりました。

怖い。

 

燃えるより怖いです。

火が揺れなくなるんです。

礼拝堂から音が消えるんです。

 

ライラさんもすぐには言わない。

やめてください。

 

そして、

「今、何とおっしゃいました?」

と言います。

 

やめてください。

 

それ、知らない言葉を聞いた反応ではないですよね。

確認ですよね。

聞き間違いであってほしい時の言い方ですよね。

 

エオルミアちゃんがもう一度言います。

「ルズローシヴ=レレイです」

 

そしてライラさんが、

「その名を、消滅対象として扱っていたのですか」

と言います。

 

知ってる。

知ってる側の反応です。

やめてください。

 

ここで「それは何ですか?」ではないんですよ。

「その名を、消滅対象として扱っていたのですか」なんですよ。

 

つまり、その名が何かは知っている。

少なくとも、災厄として消していいものではないと分かっている。

 

怖いです。

 

ライラさんが、

「私は、何に火を貸したのでしょうか」

と言ったところ、本当に重かったです。

 

ライラさんは悪くないんですよ。

名前を言わなかったのはエオルミアちゃんたちです。

ライラさんは「使い方を誤らないように」と言ってくれていました。

ちゃんと警告してくれていました。

 

でもライラさんは、自分が貸した火の行き先を自分のこととして見ている。

 

重い。

 

火属性編、まだ続いていたんですか?

 

リシェラちゃんがすぐに、

「ライラさんのせいじゃないよ」

と言うのも良かったです。

 

リシェラちゃんは、こういう時にちゃんと手を伸ばせる人なんですよね。

自分がずっと正しい場所や正しい言葉に傷つけられてきたからこそ、ライラさんが自分を責めすぎないように言える。

 

でもライラさんの返しが重い。

「聞かなかったのは、私です」

そして、

「知らなかったことは、焼いた後の言い訳にはなりません」

重い。

重すぎます。

 

この人、火属性の天族です。

火は便利な力です。

浄化の力です。

でも焼く力でもある。

 

だから、自分の火が何を焼くかを見ないふりできないんですね。

 

ここでライラさんが、

「その名は、災厄につける名ではありません」

と言います。

 

それはもう答えでは?

 

いや、答えではないんですよね。

「災厄ではありません」とは言っていません。

「災厄につける名ではありません」と言っています。

 

言い方。

 

断言していないのに、ほぼ世界がひっくり返っています。

 

ルズローシヴ=レレイ。

災厄として記録された名。

でも災厄につける名ではない。

 

では何ですか。

教えてください。

 

と思ったら、ライラさんは言います。

「ルズローシヴ=レレイについては、ご本人達から聞くとよろしいかと」

 

ご本人達。

達。

達って言いました?

 

本人?

本人たち?

 

ルズローシヴ=レレイって複数形なんですか?

 

待ってください。

今まで私は、災厄か、呪文か、ラスボスの本名か、そういう方向で考えていました。

でも「本人達」と言われました。

 

本人がいる。

しかも達。

 

何ですか。

 

リシェラちゃんも当然聞きます。

「本人たち? 侵入者って、一人だったんだよね?」

そうです。

そこです。

 

エオルミアちゃんが言います。

「一人だったという記録が多いです。ただ、二人だったという記録もあります」

 

そこ一致していてください。

一人か二人かは重要では?

 

侵入者の人数ですよ。

天界に濁りが溢れた原因とされる事件ですよ。

そこが一致していないの、怖すぎませんか。

 

友人に「本人たちって何?」と聞きました。

友人は「進めて」とだけ言いました。

 

進めてで済むと思うな。

 

「一人だったという記録が多い」

「でも二人だったという記録もある」

「記録が一致していない」

 

何ですか。

 

一人でもあり二人でもあるんですか?

同行者がいたんですか?

記録が改竄されているんですか?

それとも、何かそういう状態だったんですか?

 

分かりません。

分かりませんが、怖いです。

 

そしてライラさんは、

「それも含めて、ぜひご本人に」

と言います。

 

教えてください。

 

いや、本人から聞くべきなのは分かります。

分かりますが教えてください。

でも本人から聞きたいです。

怖いです。

 

この作品、ずっとこうです。

教えてほしい。

でも教えられるのが怖い。

進みたい。

でも進みたくない。

 

リシェラちゃんが、

「ルズローシヴ=レレイ、まだ天界にいるのかな?」

と言ったのも良かったです。

 

もう災厄って言っていないんですよね。

ルズローシヴ=レレイ、と名前で呼んでいる。

この変化、すごく大事だと思います。

 

ライラさんは、

「天界に留まり続ける方ではないでしょう」

と言います。

 

方。

今、方って言いました。

もう完全に人扱いでは?

 

少なくとも存在扱いでは?

災厄扱いではないですよね?

 

そして、

「旅を続けているのなら、道は残ります」

旅。

 

旅を続けている。

 

ルズローシヴ=レレイ、旅をするんですか?

災厄が旅をするんですか?

もう災厄って呼ぶのをやめた方がよくないですか?

 

封印された古代兵器とか、祭壇に眠る魔王とか、そういうものではないんですか。

旅を続けている可能性があるんですか。

 

探せるんですか。

会えるんですか。

怖いです。

でも会ってほしいです。

 

ここでエオルミアちゃんが、

「探してみましょう」

と言います。

 

そしてリシェラちゃんが、

「うん。消すためじゃなくて、聞くために」

と言います。

 

ここで目的が完全に変わりました。

 

消すためではなく、聞くために。

 

最初は、災厄を消滅させるミッションでした。

天界を救うために、ルズローシヴ=レレイを消す話でした。

 

でも今は違います。

 

ルズローシヴ=レレイに会う。

本人に聞く。

そのために探す。

 

ミッション名と真逆のことを始めています。

でも、今はそれが正しい気がします。

 

最後のところも良かったです。

ライラさんが、

 

「どうか、火を灯としてお使いください」

「誰かを焼くためではなく、見失った名を照らすために」

 

と言います。

 

火の宝玉編の回収がすごいです。

 

火は焼くものでもある。

でも照らすものでもある。

浄化はただ消すことではない。

本来あるべき形へ戻すこと。

 

全部ここに戻ってきました。

 

エオルミアちゃんは最初、

「適切に使用します」

と言います。

 

いつものエオルミアちゃんです。

硬いです。

真面目です。

かわいいです。

 

でもリシェラちゃんが、

「そこは、もう少し別の言い方ない?」

と言います。

 

ここ、すごく好きです。

 

リシェラちゃんが、エオルミアちゃんの言葉を少しずつ柔らかくしている。

任務の言葉ではなく、人に届く言葉に変えている。

 

これは百合です。

これは教育でもあります。

これは百合です。

 

そしてエオルミアちゃんは考えて、

「見失わないようにします」

と言います。

 

良い。

すごく良いです。

 

適切に使用する、ではなく。

見失わないようにする。

 

力をどう使うかではなく、何を見失わないかになっている。

エオルミアちゃん、本当に変わっています。

 

次は天界に戻るようです。

 

最初は、天界を救うために地上へ降りた話でした。

今度は、天界の記録を疑うために天界へ戻ります。

 

これ、もう帰郷ではなく捜査では?

 

ルズローシヴ=レレイ。

 

災厄として記録された名。

命より大切なものと呼ばれた名。

本人に聞くべき名。

 

何なんですか。

 

いや、本当に何なんですか。

 

ライラさん、絶対もっと知っていますよね。

でも本人から聞けと言うんですね。

 

分かりました。

進みます。

 

怖いです。

 

でも進みます。

進めば分かると言われたので。

進めてで済むと思うな。

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