皇帝の妹   作:ベアグミの妖精

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新キャラ登場回です、今後はしっかりとストーリーに絡めていく予定です。

あと11話をうっすら修正しましたがまだイマイチ納得出来てないのでまた修正したらお知らせします。
プラスでちょくちょく昔の話をお色直ししていくので気が向いたりどんなんやったか忘れたりしたらご覧下さい。




新たな出会い 14話

 

 

それから、しばらくの月日が流れた。

ゼータシンボリが柊蓮司郎のトレーナー室へ通うようになってから、半年ほど。

 

契約を結んだわけではない。

 

担当になったわけでもない。

 

それでも放課後になると、ゼータは予定のない日にこの部屋を訪れていた。

 

「こんにちは、柊さん」

 

「おう。今日も来たか」

 

「はい」

 

「今日は何の話をする?」

 

「……特に決めてません」

 

「じゃあ、学校であったくだらねぇ話でも聞かせてくれ」

 

「くだらないって……」

 

そんな他愛のない会話も、いつの間にか二人の日常になっていた。

 

学校では「シンボリ家の娘」として振る舞うゼータも、ここではほんの少しだけ肩の力を抜いている。

 

それが、ゼータにとって心地よかった。

 

ーーー

 

そんなある日の放課後。

いつものように、ゼータはトレーナー室の前へやって来た。

 

「失礼します」

と言いつつ扉を開ける。

 

「おう」

いつもの柊の声。

 

しかし。

 

今日は、もう一人いた。

 

「……?」

 

机の前に、一人の女性が座っている。

年齢は二十代前半ほど、薄茶色の長い髪を後ろでまとめ、手元には何枚もの資料。

 

真剣な表情で紙を眺めている――のだが。

 

「えっと……あれ?」

 

女性が突然、机の上を探し始めた。

 

「あれぇ……?」

 

「どうした?」

 

「さっきまでここに置いてあったペンが……」

 

「お前さん、耳の後ろ見てみろ」

 

「……え?」

 

女性が自分の耳へ手を伸ばす。

 

そこにはペンが挟まっていた。

 

「……ありました」

 

「最初からそこにあったぞ」

 

「えへへ……」

 

「笑って誤魔化すな」

 

「すみません、おじいちゃん」

 

そのやり取りを見ていたゼータは、思わず小さく笑った。

 

「……ふふ」

 

女性が振り返る。

 

「あ」

 

目が合う。

 

「こんにちは!」

 

「こんにちは」

ゼータも頭を下げる。

 

女性は立ち上がり、にこやかに笑った。

 

「初めまして……ですよね?」

 

「はい」

 

「私、柊彩乃と申します」

 

「ゼータシンボリです。よろしくお願いします」

 

「もちろん知ってます!」

と彩乃が嬉しそうに言った。

 

「え?」

 

「ゼータちゃんですよね?」

 

「……ちゃん?」

 

ゼータが少し目を丸くする。

 

「はい! おじいちゃんからよく話を聞いてます」

 

「おい」

すかさず柊が口を挟む。

 

「余計なことは言うなよ?」

 

「言いませんよ」

「ただ、選抜レースのときの話とか、授業での走りとか――」

 

「ならいい」

 

彩乃は笑い、ゼータも思わず微笑む。

 

「彩乃さんは……トレーナーなんですか?」

 

「はい!」

彩乃は頷いた。

 

「もう資格は取っていて、担当のウマ娘を持つこともできます」

 

「そうなんですね」

 

「でも、まだまだ勉強したいことがたくさんありまして」

 

そう言って彩乃は隣にいる柊を見る。

 

「なので、おじいちゃんにいろいろ教えてもらってるんです」

 

「俺が長くやってきた分の経験を盗みに来てるだけだ」

 

「盗むって言い方しないでくださいよ」

 

「違うのか?」

 

「……ちょっとだけ違います」

 

「ちょっとかよ」

 

柊が苦笑する。

ゼータは二人のやり取りを眺めながら、少しだけ表情を緩めた。

 

祖父と孫。

 

それだけではない。

ベテラントレーナーと、それを学ぼうとする一人のトレーナー、そんな関係なのだろう。

 

「では、私が来てしまって大丈夫でしたか?」

 

「もちろんですよ、ゼータちゃん」

 

彩乃が答える。

 

「おじいちゃんも、ゼータちゃんが来ると結構嬉しそうですから」

 

「おい」

 

「違います?」

 

「……別に否定はしねぇが」

 

「ほら」

 

「ふふっ」

 

彩乃がそう言い、ゼータが少し吹き出すように笑う

 

「そうなんですね」

 

「お前さんも笑うようになったな」

柊がぽつりと言った。

 

「……そうでしょうか?」

 

「ああ」

 

ゼータは少しだけ目を伏せる。

以前より、この場所で自然に笑えるようになった、それは確かだった。

 

 

それから彩乃も時折、ゼータがいる時間にトレーナー室へやって来るようになった。

 

ある日のこと。

 

「おじいちゃん、この子のレースについてなんですけど」

 

彩乃が資料を広げる。

 

「このウマ娘、最近終盤で失速するんです」

 

「記録は?」

 

「これです」

 

「で?」

 

「スタミナ不足だと思うんですが……」

 

柊は資料を見る。

 

「違うな」

 

「え?」

 

「数字だけ見すぎだ」

 

「……はい」

 

「レース映像は見たのか?」

 

「もちろんです!」

 

「何回?」

 

「……二回です」

 

「少ねぇよ」

 

「すみません……」

 

彩乃がしょんぼりする。

 

「ったく」

 

柊がため息をつく。

 

「ゼータ、お前さんはどう見る?」

 

突然話を振られた。

 

「私ですか?」

 

「ああ」

 

ゼータは資料を見る。

 

「……この子」

 

レース記録と映像を思い出す。

 

「最終コーナーで少し外へ膨らんでいます」

 

「うん?」

 

「その時に、後ろから来たウマ娘と距離が近くなっています」

 

彩乃が資料を見る。

 

「あ……」

 

「その直後に失速していますね」

 

「本当だ……」

 

「もしかすると、スタミナではなく、距離がが詰められ足音が大きくなったことで焦り集中が乱れたのかもしれません」

 

彩乃は目を輝かせた。

 

「なるほど……!」

 

「お前さんもこのぐらい気づけるようになれ」

 

「はい!」

 

柊の言葉に彩乃が慌ててノートを開こうとする、そして――。

 

「……あれ?」

 

「どうした?」

 

「ノートがありません」

 

「さっき持ってただろ」

 

「はい」

 

「どこに置いた?」

 

「……」

 

彩乃は周囲を見回す。

 

そして。

 

「あっ、...ありました」

資料を入れるファイルに挟んでいた。

 

「お前さんなぁ……」

 

「すみません……」

 

ゼータは口元を押さえた。

 

「ふふっ……」

 

「ゼータちゃんまで笑わないでくださいよぉ……」

 

「すみません」

 

けれど、その表情は楽しそうだった。

 

 

別の日。

 

三人で模擬レースを見ていた。

 

「このウマ娘、次に仕掛けると思います」

 

ゼータが言う。

 

「理由は?」

 

彩乃が尋ねる。

 

「前のウマ娘が少しペースを落としたのを見ているからです」

 

「なるほど……」

 

映像の中で、一人のウマ娘が動く。

 

「ほら」

 

「本当だ!」

 

彩乃が嬉しそうに声を上げる。

 

「すごいですね、ゼータちゃん!」

 

「いえ、レースを見ていれば分かると思います」

 

「私にはまだ難しいです……」

 

「なら、これから覚えればいい」

 

柊が言う。

 

「トレーナーは一度見ただけで全部分かる必要なんざねぇ、てかそんな奴はそうそういねぇ」

 

「はい」

 

「何度も見て、考えて、選手本人とも話して、それで判断する」

 

彩乃は真剣に頷いた。

 

「……やっぱり、おじいちゃんに教えてもらってよかったです」

 

「まだまだ覚えなきゃならねぇことは山ほどあるぞ」

 

「はい!」

 

その会話を聞きながら、ゼータは静かに笑った。

 

(トレーナーって……やっぱりいいな)

 

彩乃を見ていると、未来の自分を少しだけ想像できる。

 

自分もいつか。

 

こんなふうに誰かの隣に立つことができるのだろうか。

 

そう思った。

 

 

ある日の帰り。

 

彩乃とゼータは、廊下を並んで歩いていた。

 

「ゼータちゃん」

 

「はい?」

 

「ゼータちゃんは、将来どうするんですか?」

 

「……。」

 

少しだけ考える。

 

そして。

 

「トレーナーになりたいと思っています」

 

「やっぱり!」

 

彩乃が嬉しそうに笑った。

 

「私も、いつかゼータちゃんと一緒に仕事してみたいです」

 

「……私と?」

 

「はい!」

 

「でも、私はまだ学生ですよ?」

 

「分かってますよ」

 

彩乃は笑う。

 

「でも、きっと楽しいですよ?」

 

「……そうですか」

 

ゼータも笑った。

 

「その時は、よろしくお願いします」

 

「こちらこそです、ゼータちゃん!」

 

彩乃が頭を下げる。

 

その勢いで。

 

「あっ」

 

持っていた資料が床へ落ちた。

 

「あ……」

 

「彩乃さん」

 

「はい」

 

「また落としましたよ」

 

「……ありがとうございます」

 

ゼータが資料を拾って渡す。

 

「すみません。私、こういうところがちょっと抜けてまして……」

 

「知ってます」

 

「知ってます!?」

 

「ふふっ」

 

「ゼータちゃん、最近ちょっと笑うようになりましたよね……」

 

「そうでしょうか?」

 

「はい」

 

彩乃は嬉しそうに笑った。

二人はそのまま歩いていく。

少し離れた場所から、その様子を見ていた柊は。

 

「……悪くねぇな」

 

小さく呟いた。

 

ゼータにとって、彩乃はまだ出会ったばかりの存在。

彩乃にとっても、ゼータは祖父のもとへ通ってくる一人のウマ娘に過ぎない。

 

けれど。

 

この出会いが、二人にとって大切なものになり。

 

そして。

 

ゼータがいつか歩む道を決断をする時。

彩乃という存在が、その道に大きく関わることになることも――。




彩乃の容姿はブルーアーカイブのユメ先輩の身長を少し伸ばし、胸を少し小さくして、髪色はダークブラウンでポニーテールにした感じです。

蓮司郎は60代の時の舘ひろしさんを少しいかつくした感じです。


三人称視点でのナレーションでの呼び方は
柊 蓮司郎 → 柊
柊 彩乃 → 彩乃
でいきます。




ベア「皆のもの!出会え出会え!クール系長身ウルフカット爆イケお姉さん軍と糸目合法ロリっ子ママ軍が同時に攻め入ってきよった!!」
ベア「くそっ!このままでは!」
??「失礼する。」
ベア「なっ何奴!」
大好き侍「拙者おっとり系ドジっ子お姉さん大好き侍。義によって逆立ち致す。」
ベア「いや助太刀しろよ、」

と言った感じで彩乃が生まれました。




モチベが爆上がりするので、良ければ感想や評価をよろしくお願いします!
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