タイトルってのはね、飾りなんだよ(!?)
「んっっ……んむっっ………?ここ……は………?」
目が覚める。いつもの硬い床ではなく、白く純白な布団。召喚当時、遠くから眺め見たことがあるような寝具。
「…………」
近くの半透明のカーテン。ヒラヒラと心地の用意風に、日差しが直接入り込んでくる。
「んっ…しょっ…。よい…しょっっ……」
恐る恐る、ペタリと地面に足をつける。あんなに負傷していた足は、以前よりもはるかに動きやすくなっていた。
いつもなら何日か後遺症が残ったりして、感覚のズレなどを修正しながらだったものが、そんな調整すらいらないように、スムーズに動く。むしろ、負傷する前よりも動きやすい。
「…………綺麗……。」
自然とそのような言葉が口から漏れる。窓の外の景色は、お世辞にもいい景色ではない。それでもでた言葉は、ウソではない。
ざざぁと波の音が聞こえてくる。少し遠くの方にキラキラと光る海。すぐ下を見つめると、そこには程々に大きい畑のようなテントが沢山あった。
「……何…?あれは……。」
私が昔に見た畑は、もっと水が全面にあった気がする。今、自身の目に見えるのは、畑とかろうじて分かる白いビニールハウス。そこをベルトコンベアが流れており、定期的に頭上に繋がるパイプから散水が行われていた。
あまりにも機械らしい物で、周りにフルーツなどの色とりどりの作物がなければ、何かの実験場だと思ってしまうくらいだ。
しかし、そんな事がどうでもよくなるほど、日差しが心地よい。
「あっ……。…そっか…。あの時…」
いつものクセで懐から持っていた本を取り出そうとする。しかし思い出す。深海棲艦との激しい戦闘で、私の唯一の娯楽を吹き飛ばされた事に。戦場に何を持っていってるのかと言われてしまえばそれまで。しかし、それは私にとってとても大事なものだった。
初めて手にしたその『本』というものは、私の暗い部屋の生活を唯一明るくしてくれる、そんな存在のものだった。
書き手が見た景色を、言葉として表現し、客観的に私たち読者にその時の情景や感情を伝える。
暗い部屋で、一人うずくまることしか出来ない私には勿体なさすぎる代物だ。…そんな趣味と呼べる物を離さず持つのは、これが人にバレてしまえば没収されてしまうからだ。
唯一の娯楽を、私の全てを、『兵器には不要』という言葉で取り上げられてしまう。……まぁもっとも、もうそんな心配なんてあるわけないんだけど。
「……?待って…そもそもここは何処だ…?」
あたかも普通に目を覚まして、目の前の景色に心震わしていたが、私はあの時死んだはずだ。じゃーここは天国…?そもそも艦娘である私たちって死んでも天国に行けるのだろうか…?
自分が今何処にいて、一体どういう状況なのか…怖いけど知る必要があるのかもしれない。
ペタペタペタ
裸足だからか、自分の足音が響く。こう…なんかおこちゃまが歩くような…
「……ちっちゃくないし」
誰に何を言われたわけじゃないが、そう言葉を漏らす。
ガチャ。
「うっっ……わぁ〜……」
自分が起きた部屋の扉を開ける。自分を正面にぶわぁぁぁっと広がる長い廊下。私が収納されてた施設も、そこそこデカかったが、こんな広さはしてなかった。
何より、至るところから日差しが差していた。私は隔離される存在だった為外からな視線を無くすために密閉状の筒の中で暮らしていた。だからこそ、電気がついてもないのに明るいのは新鮮だ。
「…木の匂い…。お日様の匂い…。そして、遠くの方から運ばれる潮風の香り……。不思議……。」
出撃の際に嗅ぎ慣れた匂いのはずなのに、こう何処か違う。落ち着くと言うか、ここに居たいと強く思う感情。
どうせ今日中に帰還する事も出来なかったんだ。恐らく私は死亡した事にされてるだろう。ならいっそ、ここに住みたいと思うのはわがままではないはず。
それから私は、多くの場所を歩き渡った。
一人部屋のようなお部屋が何個もあり、そこにはベット1つと最低限の家具が備え付けられていた。まるでほんの中に書いてあった『ホテルのお部屋』のようだった。
そして、おっきな食堂のような場所を白い長いテーブルが複数個配置されており、そのテーブル1つに3〜6つの椅子が設置されていた。これも本で見た『食堂』のような雰囲気。
「…?…ここしか使ってないのか…?」
他の椅子やテーブルはまるで誰も使ってないかのような材質をしているのに、この小さなテーブル。そこには椅子が2つだけ並べられており、所々に傷跡が残っていた。
「……なんか、懐かしい…」
特別思い出があるわけではない。でも、どうしてかその言葉がピッタリだと思った。
「ひろっ…凄…何この……何?」
室内のありとあらゆる所を探索して、次に私が来たのは窓の外から見えた畑。
来たら来たで…すごい景色。どういう原理で動いてるのか不明の刃が、恐らくちょうどよく熟した果実や野菜を恐らく適切な角度と裁量で切られていた。
落っこちた先には、よくわからない穴があり、そこに入っていくと、今度は何がどうなったのか分かる前にベルトコンベアに運ばれていく。…乾燥防止ようなのか、いつの間にか袋に詰め込まれていた。その袋はやがてまたもよく分からない箱に収納されていく。
それがそれぞれに設置されていた。正直一つの野菜の為にここまで複雑化する事があるのだろうかと疑問まで出てきてしまう。同時にここの主はどんな人間なのかも…。
少なくとも、長く人の悪を見てきた私ですら想像の外にある存在なのは明確。
それに、ここに来るまでの通路は整備してあるのか、久しぶりに地上を歩いてる私ですらまだピンピンしてる。…誰が貧弱よ。誰が。
そうして、私が無我夢中で探索をしていたら、気づいたらこの建物の正面の裏側。石で出来た廊下に、すぐ近くには海。その地平線の先では、夕日がゆっくりと傾いていいた。
初めての出来事だった。海の上で同じような景色を永遠と見るのとは違う。自分の足で歩いて、色んな場所に行って、色んな所を見たのは。
「まるで…」
「絵本のなかの話みたいだ…。ってか?」ニコ
「っっ!??」
背後から聞こえる男の声。私は慌ててその男から距離をとる。
「まぁまぁ♪そんな驚かないでくれよ♪って、普通は驚くよな…。いや何本当はさ、起きた時に挨拶するべきなんだけど、妖精さんがタイミングが早い!ってどやされてさ…」
突如現れた男の人。口ぶりからしてここの所有者のようだ。そんな事より……
「妖精…?貴方、今妖精って」
「そーそー。妖精さん。君達艦娘をサポートする存在らしいね。俺にはさっぱりなんだけどさ」
私の質問にあっけらかんと答える。そんな馬鹿な事は…。妖精さんは人の前に現れない。ましてや言葉なんて……
「まぁまぁ、そんな細かいことは置いといて」
「ぜ、全然細かくないんだけど……」
「響ちゃん…っていうのかな?どうだったかな?ウチの鎮守府は。色々探索したんでしょ?」
「っ…そ、それは………」
思わず顔を引きつる。そりゃ、この人からしたら、私のような艦娘という化け物がウロウロ徘徊してるようなものだ…どう謝れば…
「あ、別に責めてないいからね?ほら、さっきも言ったとおり、絵本の中とどう違ってたかなぁって思ってさ。絵本と違って、自分で見て、触って、自分なりの理解をする。この人はこう思ってるけど、私はこう思うなぁと、そう思える場所はあったかなって」ニコ
何なんださっきからこの男は…。
艦娘である私を恐れていないような…。いやそもそも人と接するような……
「な、何を言って………わ、私は艦娘で…人じゃ……」
化け物と蔑まれたことの日を思い出す。人類と私達の間には、決定的な力の差が存在する事も……。
だから、そんな目で私を…見ないでくれ…。私は艦娘で…人とは違う……。違うの…だから………
「…。俺はね、響ちゃんに聞いてるんだよ?」ニコ
「あっ…えっ………?」
私…に……?私…は………
「ンンッ!じゃーもう一度聞くよ?…響ちゃんはどう思ったかな?」ニコ
「ぁ………」
この人間は……この人はっ…ずっと…ずっと私を人と…自分の同じ人のように……接して……それ…でもっっ
「わ、私は…」
ここで認めてしまったら…私は、私でいられなくなってしまう。もう人類に失望するのは嫌なんだ…。だから道具として、道具として僕はっっ
「そんでっ?どう思った?やっぱ絵本よりリアルの方が楽しかったっしょ?自分の手だ触れて、楽しむ!やっぱリアルが一番!なっ」ニコ
「どう……してっっ……どう………して…………」
最初からそうだ。僕を脅かすようにわざと後ろから話しかけてきた。驚く僕の姿をまるでしてやったりみたいな感じで見てきた。
僕は艦娘で…化け物なのに…この人は、変わらず僕に話をふってきてっっ
何故だが、目から大粒の涙が溢れてくる。拭っても拭っても、収まるどころか溢れてくる。
僕はもう人類に希望を持つのはやめたんだ。化け物と言われるのがもう嫌なんだ……。だから僕を化け物とっ、道具だって……
「響ちゃん、俺は赤の他人だよ。そんな赤の他人に泣きじゃくるなんて、相当我慢してたんだね」ギュッッ
「んんっっ……?」
暖かい…この人に抱き寄せられて、胸に顔をうずくめてしまう。
「艦娘がどうとか、この際忘れよう。響ちゃんが思った事、感じた事。やりたいと思ったこと。こうしたいと思ったこと。全部吐き出しちゃおう。ほら、他人の胸の内なら反響なんてしないし、そのまますり抜けてどっかに飛んでっちゃうかもしれないだろう?」
優しくギュッと抱きしめられ、優しく頭を撫でられる。抑え込んでいた感情が…忘れていた感情が…あ…ダメだ。もう僕は…抑えられない……。
泣くのが嫌いだった。泣いても誰も助けてくれないからだ。僕は兵器で道具。人類にとっての都合のいい兵器なんだ
「うっっうう!うわぁぁぁっっ!あぁぁぁぁぁ!!」ギュゥゥ
でも…この人の前ではそんな僕の仮面すらペロンっと剥がれていく。一枚剥がれればさらに一枚、もう一枚と。抑え込んでいた感情をあったばかりの人間の胸の中で泣き叫ぶように溢れ出てしまう。
その人物は、そんな僕の事を優しくつつみ込んで、変わらず頭を撫でながら静かに相槌を打ってくれる。
否定も肯定もせず、ただ僕の愚痴を、僕の感情を静かに受け止めてくれる。ワンワンと…まるで子供のように…泣きじゃくってしまう
気がつけば、夜になっていた。
…僕は夜が嫌いだ。孤独で、誰にも見向きもされない。暗闇はまさしく、お前にはお似合いだと指をさされて笑われてるようだった。
「っ…。ギュッ…。ぎゅって…してっ……」
「はいはい♪全く響ちゃん、知らないおじさんに言うもんじゃないよ?何をされてもおかしくないんだからな?」
「知らなくない…。だって、『提督』が僕の面倒…見てくれるんでしょ…?」
「面倒…。いやまぁ、住むのは別に構わないんだけど、ここ、自由を売りにしてるから、面倒見るのはちょっと。自由に暮らす分になら」
「自由…。……自由…♪うんっ…♪分かった♪自由に生きるね…提督♪」スリスリ
生まれてから孤独だった僕は、孤独になれているもんだと思っていた。人類に化け物扱いされても心が苦しくなるだけで、特別痛くはなかった。
お日様に当たって、深海棲艦を駆逐する。そんな生活が当たり前だったから、そう思っていた。
「…………」
「……ん?どうした?そろそろ部屋に戻るか?ちなみにお日様が好きなら、日差しがいい部屋を提供するよ?生憎とお部屋は沢山あるからな。好きな部屋好きに使っていいから」
どうやら僕は…少し、いや、だいぶ……寂しがりやみたい。
「…提督と同じ部屋がいい。」
「ん〜♪それは無理な相談だぁ〜♪ちゃんと自分好みのお部屋を見つけるんだぞ〜♪」ポンポン
そう軽くあしらわれる。提督の膝の上にすっぽり収まる僕の頭をポンポンとバウンドさせてくる。
「まっ!そこら辺はおいおい決めてくか!とりあえず俺の
そう僕の手を握る。その手をギュッと握り返してテクテクとついていく。
「あと、この後ご飯なんだけど、その時色々仲間を紹介するから、仲良くね」
「…うんっ♪提督が言うなら…♪提督…」
「ん〜?」
「これから…末永くよろしく…ね♪」ニコ
「おうっ!こちらこそよろしく!」
響
自分自身が何者なのか…そうなるのに二年の月日がたった。彼女は感情を失い、ただ戦う兵器として己を騙してきていた。化け物と言われるのに慣れるのには、そう時間がかからなかった。来る日も出撃を繰り返し…深海棲艦を駆逐していく。いつの日かくすねた『本』が彼女にとって唯一の生きる希望だった。その本はなくなってしまったが、彼女は新たに生きる希望を見つけた。
その失った感情が「彼」という存在によって浮き彫りになっていった。自分を騙して生きてきた少女の胸のうちにある確かな感情。『寂しい』という感情。そして『誰かと楽しくお話したい。』という切なる願望。その希望を、願望を、叶えてくれる。
「彼」と言う『提督』の存在を……
人間さん
人間以外からの好感度がめっぽう上がりやすい。起きたらすぐに容態を確認しようとしていたが、何故か妖精さんに呼び止められる。そこから怒涛の妖精さんによる《響ちゃん完堕ち講座》を聞かされ、脳死で聞き流す。『妖精さん達が楽しそうで良かった』ぐらいしか考えてない。ちなみに本人からしてみれば艦娘であろうが深海棲艦であろうが、『人であるならまず話し合いをしよう』精神な為、人類から化け物扱いされてる両者を快く向かい入れる。孤島に住んでるが為に、現在の世の『世間一般』が唯一当てはまらない人間なのだろう。だいたい妖精さんのせい。
妖精さん
人間さんには幸せになってほしいと心の奥底から思ってる。だからこそ『扱いの難しそうな娘』はあらかじめ予習させる。本人達はしてやったり顔だが、人間さんには9割方聞き流されてる。
???
大量の失禁(評価)で下半身ビチョビチョや(汚い)