師匠に言われてIS学園に来たのはいいが、やっぱり慣れないものは慣れないな。長らく人と接して来てなかったのもあるが女子だらけというのも慣れん
男は織斑一夏のみ、女子のみんなが俺と織斑を交互に見て、時にはなにか話しているが
む、先生が来たか
「皆さん、おはようございます!」
誰も返事はしない。こういうの、誰か答えるものなんじゃないだろうか
そう考えながらも先生の次の言葉を待つ
「え、えっと副担任の山田真耶です。1年間よろしくお願いします!」
またしても誰も返事はしない。このままだとあの先生、精神持たないのでは?
そう考えてると、自己紹介が始まった。俺の苗字は獅子なので織斑の方が先に自己紹介する...のだが、織斑の番になっても立ち上がりもせず、自己紹介しようともしない。大丈夫か?一応師匠の頼みで織斑と師匠の妹を守るという約束はしてるが...
「織斑くん?織斑くん!」
「え、は、はい!」
クスクスと笑う声。今の世の中女尊男卑が蔓延ってるがこれは笑われても仕方がない
かと言って俺が織斑を笑う権利はないため横を見て自己紹介をなんて言うのか待つ
「織斑一夏です........以上!」
女子は皆ズッコケる。まぁ自己紹介して話を切ったのだからいいだろう
ネタとしても十分だろう
「え?え?」
織斑は何が起きたのか理解できておらず、混乱しているが、後ろに立つ魔王を俺は見た。あっ、織斑死んだな()
「痛ってぇ!?千冬姉!?」
「織斑先生だ。馬鹿者、まともに自己紹介もできんのか?」
そこからは織斑千冬、というだけで女子生徒がざわめき、キャーキャーと甲高い声を上げて耳にツンとくるぐらい大きな声量で俺を襲った。恐らく織斑もそう思っただろう
「毎年よくもここまでの馬鹿どもが集まったものだ...自己紹介はまだ終わってなかったな。獅子、できるな?」
これは....やるやらないというよりやらなきゃやられる!ということではいと大きく声を出して立ち上がる
「獅子武だ。ISに関しては師匠...篠ノ之束博士から嫌という程学んでる故、なにか質問があれば答えるつもりでいる。IS学園での日常に早く慣れるよう努力する故そこに関しては優しくしてもらえると助かる」
そう言って座る
「篠ノ之束の...弟子?」
「嘘...じゃあISの知識も強いって事!?」
「有名人多すぎない!?」
やってしまったかと思うが、師匠から印象付けよろしくと言われてたため仕方ない。ため息を付いている織斑先生だが
「静かにしろ、山田先生。よろしくお願いします」
「は、はい!」
授業が始まるが、授業内容はISがもたらした歴史の授業だった。確かにISの事を知るならば大切なことだな
1限目はそれで終わり、次の授業の為の教科書を取り出していると近づいてくる者が
「よっ」
「ん?織斑一夏か」
「一夏でいいぜ、俺も武って呼ぶからさ」
そう言って出された手を見て、握手だと理解し手を差し出して固い握手を結ぶ...と、女子達が「どっちが攻め!?どっちが受け!?」
などと言っている。あまりそう言った話には強くないため無視しておく
「まさか束さんに弟子がいたとは...」
「俺は元々束さんの所でIS製造してたんだが一夏がISを動かしたために護衛でここに派遣されたんだがな」
「護衛!?はぇえ」
「少しいいだろうか?」
声のする方を見ると篠ノ之箒、師匠の妹が声をかけてきた。確かデータではこの2人は離れ離れになっていて、想い人...という事になっていたな。師匠も人並みに恋愛感情が分かるのかと今更ながら気づく
「一夏を借りてもいいだろうか?」
「どうぞ」
2人は教室から出ていき、それを見送るとまたもや近づいてくる人物が
この教室で3...4番目くらいの有名人か?セシリア・オルコットが話しかけてきた
「少しよろしくて?」
「はい、なにか御用でしょうか?」
一応の対応はできる。師匠の会話力の無さから俺がいつも対応してたため、嫌でも身についたものだ
「少しは身の程を弁えてますのね」
まぁ俺は師匠ほどとは言わないでも本来は指名手配されてる師匠を捕まえる為の餌になり得ない存在だからな
「それでなにか用があって話しかけられたのでは?」
「えぇ、貴方が──────」
話の途中で予鈴が鳴る。間が悪いというかなんというか
「話は後ほど」
「え、えぇ。失礼しますわ」
そう言って去っていくセシリア・オルコット。教科書を開き、授業が始まるのを待つ
授業中、一夏はどうやら参考書を捨ててしまったようだ。捨てたなら捨てたで電話なりなんなりして謝って自分で再発行してもらわなかったのだろうか
そのまま授業が終わり、今度はセシリア・オルコットは一夏の方へ行った。
一夏は世間知らず、という言葉が合うのか代表候補生の意味も知らず、また相手への敬意が感じられなかった。あれ、ホントに大丈夫か?
放課後になると項垂れてる一夏の下へ行く
「お疲れ様」
「ああ...にしてもこんなの1週間も持たずに倒れるぞ...」
「今や世界中がお前に注目してるんだぞ?なんせ男性でもISに乗れるようになるかもってな」
そう話してると教室へ山田先生が入ってきた。授業は終わったはずだがと思っていたら山田先生と目が合い、良かったと胸を撫で下ろすようにホッとしこちらに向かってきた
「良かった。まだ教室に残ってたんですね。お二人の部屋の鍵です」
「あれ?1週間は自宅からの通学って聞いてたんですけど...武は?」
「俺が自宅から通うってなったら南太平洋からになるぞ?」
そう言うと一夏が嘘だよな?と聞いてきたため本当だと伝える
「本当はそうだったんですけど急に決まって...なにか聞いてませんか?」
「多分師匠がIS委員会に圧をかけたんだと思いますよ」
「その通りだ。全く...2人の荷物だ」
「千冬姉!ッ!たぁッ!?」
またもや殴られてる。コイツは学習しないのだろうか
「あの
「大丈夫ですよ。変なもの入ってても分解するので」
そう言いながらカバンの中身を見る。ふむ、タイガーとバイソンの設計図があるな
「その設計図が何かは私は知らんが、作るなら整備室に行け。申請はしてあるからな。全く、アイツも面倒な事を...」
「ありがとうございます。それじゃ一夏、俺は整備室に行って設計図とにらめっこしてくる」
「お、おう。また明日な!」
軽い挨拶をして、整備室へと向かう。途中色んな女子生徒がこちらを見てキャーキャー言っていたが無視して進む
「ここか」
水色の髪の子がISを弄ってるのを見てうるさくしないようにカバンから設計図を取り出し、織斑先生が頼んでくれていた機材を使い作り始める
暫くして基盤が完成し、次は武装をと設計図をもう一度見ようとした時、食い入るように水色の髪の子が設計図を食い入るように見ていた
「...気になる?」
「ッ!ごめんなさい...」
「いや、大丈夫。それより物凄く食い入るように見てたけど...」
「これ、IS?」
そう聞かれたのはガオタイガーのことだろう。そう、ISにしては動物で、しかも人が乗るような所はない
「IS...というよりかは合体して1つのISになるって感じかな」
「合体...!!」
なんか目が輝いている気がするが
「っと、自己紹介が遅れたな。獅子武だ」
「更識簪。簪で大丈夫」
「ん、じゃあ俺も武で。タイガーとバイソンが完成すれば大丈夫なんだけどね」
「これ...見たところ、他にもいるの?」
目の付け所がいいね。と、思い懐から機体の待機状態の物を取り出す
「今完成してるのはこの3つ」
「...ライオンにサメに鷲?」
「そ、本当は全部完成させてから来たかったんだけどね」
苦笑いしながら機材をしまう
「そろそろ時間もいいし戻らないといけないかな」
「...同じ部屋?」
「え?」
そう言うと俺が放っておいた鍵を拾ってマジマジと見ている
「あー、もしかして同室?」
「うん...よろしくね。武」
「こちらこそ、よろしく」
なんともたまたまではあるが。奇妙な縁が生まれたものである
待機状態は宝珠の状態です