アトミックウィッチ♪ -水属性魔法の修行をしていたら、どこで間違えたのか核融合を覚えました-   作:星龜

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1.それは不幸な偶然


 

魔法学校で、瑞穂(ミズホ)は水属性の魔法を

雷華(ライカ)は地属性の魔法を学んでいた。

 

 

この日、瑞穂(ミズホ)雷華(ライカ)

お互いの魔力を結合させ、強力な防御結界の生成

の練習をしていた。

 

だが、満足のいく結界が作り出せないでいた…。

 

「ねえ雷華(ライカ)…次でラストにしない?

さすがに魔力が底を尽きそうなんだけど…。」

と、肩で息をついている瑞穂(ミズホ)

 

「たしかに…。

次やってダメだったら、お開きにしようか…。」

と言う雷華(ライカ)

 

「よ〜し…

せいっ!!

と、無数の水の宝珠を生成する瑞穂(ミズホ)

 

雷華(ライカ)も地電流を発生させる。

 

 

このあと…

 

とんでもないことがおきてしまった…!!

 

 

雷華(ライカ)の発生させた地電流が

地面から吸い上げられた微細な金属粒子と誘電体が結合し、プラズマが発生

したのだ。

 

そして、瑞穂(ミズホ)が生成した水の宝珠を電気分解する。

 

その時

不幸な偶然が起きた

 

何の因果か、水の宝珠を生成した瑞穂(ミズホ)の魔力と、水の宝珠が電気分解されて分離した水素が結合し、重水素に変化

したのだ…!!

 

そして、雷華(ライカ)のプラズマが瑞穂(ミズホ)の重水素を閉じ込め、プラズマの超高温と超高圧の中で重水素が結合していき、極限まで圧縮された重水素原子核の限界を叩き潰したことで

核融合反応をおこした

のだ…!!

 

 

「何…あれ…?」

「熱ぅ!?」

と、宙に浮く、直径30センチほどの光の球体を見て驚く瑞穂(ミズホ)と、太陽のような熱さに驚く雷華(ライカ)

 

 

そこに…

 

「何が起きたんだッ!?」

と、校長をはじめとする、教師達が駆けつけてきた。

 

彼らが目にしたのは、瑞穂(ミズホ)雷華(ライカ)の魔法の結合による核融合反応で生成された太陽のような光体だった。

 

「まずいッ!!

連鎖反応が止まっていないッ!!

空間ごと物理法則を反転させるぞッ!!」

対消滅(アンチマター)の檻を展開せよ!!」

と、教師達が一斉に杖を掲げ、瑞穂(ミズホ)雷華(ライカ)が作った『太陽』を囲むように、漆黒の反物質結界が構築された。

 

光と闇が…

 

正と負が、互いを打ち消し合うように激しく明滅する。

 

「「うわぁっ!?」」

と、発生した凄まじい衝撃波から身を守ろうと、その場に伏せる瑞穂(ミズホ)雷華(ライカ)

 

教師達の決死の魔術処置により、瑞穂(ミズホ)雷華(ライカ)が生成した『太陽』のエネルギーは完全に相殺された…。

 

 

3日後―。

 

校長から

瑞穂(ミズホ)雷華(ライカ)の両名は

当該魔法および当校での全ての記憶を消去し、退学処分とする。」

と、瑞穂(ミズホ)雷華(ライカ)は退学を言い渡された。

 

「そんな!?」

「何でよ!?」

と、退学に反対する瑞穂(ミズホ)雷華(ライカ)

 

核融合反応が起きたのはまったくの偶然であり、事故である。

 

しかし、校長は

水属性魔法と土属性魔法が結合すれば核融合反応が起きる事は容易に予見可能

と、瑞穂(ミズホ)雷華(ライカ)の反論を一蹴した。

 

拘束された瑞穂(ミズホ)雷華(ライカ)は、校長から放たれた忘却魔術に包まれた。

 

「いや…」

「やめ…」

 

瑞穂(ミズホ)雷華(ライカ)の頭の中から…

 

核融合魔法のことも…

 

魔法学校での日々の記憶も…

 

全て消え去っていった―。

 

 

そして、放校当日―。

 

魔法学校の重厚な正門前に、記憶を消された瑞穂(ミズホ)雷華(ライカ)の姿があった。

 

2人の目はどこか虚ろで、なぜ自分達がここにいるのかも分かっていない様子だった。

 

そんな2人の前に、一台の馬車が静かに停まった。

 

瑞穂(ミズホ)雷華(ライカ)の見送りに立った男性教師は、馬車を見て驚いた。

 

というのも、その馬車は

学校を首席で卒業した生徒の送別用の馬車

だったからである。

 

そもそも、その馬車そのものは学校の所有物ではなく、街にある馬車屋からチャーターする物だ。

 

しかし、今回は卒業生の送別ではなく、退学処分なのだ。

 

馬車をチャーターする必要など無いはずだ。

 

「君、何で来たんだ?

君を呼んだ覚えは無いぞ。

今回は卒業ではなく退学なんだ。

それも、よりにもよって、首席卒業生の送別用の馬車で来るなんて…!!」

と、馬車の御者を叱責する男性教師。

 

「はて?

特別な生徒の卒業

と聞きましたが?」

と言う御者。

 

「誰が、そんな事を言ったんだ?」

と訊く男性教師に

 

「さぁ?

私は御者なので…。

あくまで、上からの指示を聞いて、ここまで来ただけですので…。」

と答える御者。

 

「わかった…。

とりあえず、この2人を実家に送り届けてくれ。」

と、男性教師は瑞穂(ミズホ)雷華(ライカ)の実家の住所が書かれた紙を御者に渡した。

 

「たしかに承りました。」

と、教師から瑞穂(ミズホ)雷華(ライカ)の実家の住所が書かれた紙を受け取る御者。

 

「では、瑞穂(ミズホ)様。雷華(ライカ)様。

お乗りください。」

と、瑞穂(ミズホ)雷華(ライカ)に、馬車に乗るように言う御者。

 

「ありがとうございます。」

「よろしくおねがいします。」

と、馬車に乗る瑞穂(ミズホ)雷華(ライカ)

 

そして、馬車は走り出した―。

 

 

馬車を見送った教師は校内に戻る。

 

「退学生なのに、馬車で送別ですか?」

と言う女性教師。

 

「まったくだ。

一体、誰が呼んだんだ!?」

と憤る男性教師。

 

「あれじゃないですか?

じつは2人とも、元々はどこかの名門貴族の令嬢で、実家が早々に身柄を引き取りに来たんじゃないですか?」

と言う女性教師。

 

「だったら、実家から馬車を出せばいいだけで、何も馬車屋にチャーターすることもないだろう。」

と、女性教師の説を否定する男性教師。

 

「それもそうですね…。」

と、納得する女性教師。

 

「あの…先生…。

私、前々から気になっているんですが…

そもそも

首席卒業生の送別用の馬車って、誰が呼んでいる

んですか?」

と訊く女性教師。

 

「校長じゃないの?」

と言う男性教師。

 

「校長先生が…ですか?」

と訊く女性教師。

 

「私は、そうだと思いますが?」

と言う男性教師。

 

「そうですか…。」

と、合点がいかない感じの女性教師。

 

「とりあえず、職員室に戻りましょう。」

と、2人は校内に戻っていった…。

 

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