あいぎす日記   作:石を割るのだ!

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たいよーの書 3

 12日目

 

 俺とハッピー、ドラニアさんは11日目に崖の上から見えた田園の村に向かっていた。

 向かっていたんだが、その途中で人間と会った。

 ……会った……けど、ころ……ひとを……こ…。

 

 (あまりにも、文字が震えて読み取れない。所々、涙のような染みがある)

 

 ――落ち着いた。

 いや、ハッピーとドラニアさんに介抱してもらって何とか落ち着いたと言うか。

 ……でも、しばらくドラニアさんには近寄れない。

 怖い。どうしようもなく怖い。

 分かってる。都合が良い事を書いてるのも分かってる。

 

 でも、でも……。

 

 身を守るために俺達は、人を殺した。

 ああ、人を殺した!

 馬鹿デカい棍棒を持ってこちらに怒鳴ってくるような山賊だったが、殺したのだ。

 俺は震えて見ていただけ。ドラニアさんは助けてくれただけ。

 だけど、怖かった……。恐ろしかったんだ。

 

 血が飛び散る、光景。人が命を失う瞬間。

 砂になって消える魔物とは違うリアリティ溢れる光景。 

 ああ、くそっ!!

 分かってる。だめだ、まとまらない……。

 一番、心に来たのはハッピーが教えてくれた……。

 

 俺も、夜の俺が―――――人を殺していたらしい。

 

  ―夜月より―

『太陽へ。今はまだ感情を忌避して進め。それまで己が泥は被る』

 

 

 13日目

 

 ……。

 日記に、文字が一文追加されていた。日本語で簡潔に書かれている。

 夜の俺からのメッセージだ。やはり、別な人格があるのかもしれない。

 

 あんまり、田園の村まで距離は稼げていない。

 俺がお願いをしたのだ。

 感情を整理する時間と、心情を何とかしたい。

 ……そして、ドラニアさんへと感じている潜在的な恐怖も何とかしたいのだ。

 

 その日は、ハッピーにちょっと離れてもらってドラニアさんと一対一で向き合うことにした。

 数日の間だが、ハッピーに会話を挟んでもらって何とか関係を保っていた気がしたのだ。

 人となり……ドラニアとなり? をコミュニケーションをとることで理解したいのだ。

 

 結果、ドラニアさんは竜人族と人間族が争うのを好んでいないらしい。

 むしろ、止めたいと思っているそうだ。

 だが自分に敵対するものは容赦なく倒す。そうじゃないと自分がやられるからだ。

 

 ……芯を持って生きているのがまぶしかった。

 俺は、この人に守られたんだ。

 きっと、抵抗しなかったらあの山賊の人たちに身包みをはがされ殺されていたに違いない。

 

 今もまだ震えているけどこの手を、ゴツゴツとした手で優しくつかんで優しく言ってくれた。

 掠れて聞き取りにくいドラニアさんの言葉だけど、思わず泣いてしまった。

 このせかいに、きてから、ないてばっかりだ……。

 

  ―太陽より―

『苗字と名前で俺とオマエで分かりやすく区切ることにする。正直、俺はお前が分からない。でも、お前に頼らないと生きていけないのはこの世界に来てから実感しているし、分かってる。でも、今までの自分じゃない自分がいることが怖いのが本音だ。……でも、ハッピーとドラニアさんを助けてくれてありがとう。できれば、これからもあの人たちを助けてあげてほしい。ドラニアさんは、自分を怖がって震えている相手に「護る」って言ってくれるくらい優しい人なんだ。お願いです。どうか力になってあげてください』

  ―夜月より―

『己もお前を護る。それと、任された』

 

 

 14日目

 

 簡潔に一行。

 何となく、夜の俺の性格を現している気がする。

 今度からその日の日記に、一言付け加えていくことにする。

 なんだか、交換日記みたいだ。

 

 人殺しだとか、嫌悪感だとか、そんなのはひとまず考えないことにした。

 極端な話、俺は食事をする。その時に命を頂くわけだ。

 ……生きる為。俺は、俺が生きる為に、全て納得する。

 命を守る。今を生きる。

 ああ、先に進もう。

 

 今日は、今までよりもかなり田園の村に向かって進んだと思う。

 ドラニアさんのことをもっと知りたかったので出来るだけ会話をして進んだ。

 やはり、彼は強いと言う事の再認識や、意外っちゃ意外だが花とかが好きなんだってさ。

 綺麗な花があったら、彼に教えてあげることにしよう。

 

  ―太陽より―

『交換日記、よろしくお願いします。何か書いたほうがいい物とかあるかな?』

  ―夜月より―

『……面倒だが、必要だろう。そうだな、喰いたいものがあれば日記に書いておけ』

 

 

 15日目

 

 俺が此処に来てからもう半月すぎたようだ。

 しかし、食べたい物か。……できればドラニアさんとかハッピーを優先してあげてほしい。

 俺は守られているだけだから。

 まぁタンパク質はとったほうがいいかな? ……肉?

 

 今日は道なき道を進んでいると、人に出会った。

 山賊ではない、最初は警戒して戦闘になると思ったが、対話することが出来たのだ。

 えーっと、確かアルスさんだったかな。弓を持っている茶髪の格好いい人だった。

 

 なんでも、オージさんに仕えていたらしいが、見失ってしまっていたらしい。

 なので、あの森のことを教えながら食事を共にした。

 ……パッと鳥を射落として食事の糧にするところが凄かった。

 褒めに褒めると、照れた様に『飛んでるのはアルスにお任せ! 覚えておいて!』って決めて言っていた。実際に、食料を調達してくれていたので感嘆の声しか出なかった。

 

 アルスさん、カッコいい!

 

 最終的に、握手をしてオージさんによろしくと言って別れた。

 田園に向かうと言うと、魔物に気をつけるんだよ、と言って颯爽と去って行った。

 とってもいい人だった。

 ……山賊の件もあって、とても警戒していたのは悪かったかな……。

 

 ハッピーに言わせると、小動物がぷるぷる震えながら涙目で睨んでいるようにしか見えなかったらしい。

 ……うわ、俺かっこ悪い…………。

 

 ―太陽より―

『夜月のことを教えてほしい。前の世界でも、お前は居たのか? それとも…【略】…じゃぁドラニアさんとハッピーによろしくな!』

 ―夜月―

『己が生まれたのはこっちに来てからだ。もっと簡潔に書いてくれ。じゃあな』

 

 




 ブロンズの竜人戦士をロックしていなくて失い、色々とやる気をなくしていた。
 アーニャが居ない。モチべを上げるために書き始めたのに、僕のptにはアーニャが……。

 今、田園の門前。
 ゲームだとあまりお任せできないアルスさんと出会う。
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