イナイレGO1〜フィフスセクターぶちのめします!〜 作:松兄
翌日から、俺たち雷門イレブンはゴッドエデンの大自然を相手に特訓することになった。
一応シュウが皆が森を荒らさないか一応監視という名目で着くと入っていたが、心配は要らないだろう。
―――そして、虎次朗は『アルテミス』のメンバーに連れられてひとり森の奥に来ていた。
虎次朗「どこに連れて行くんだ?」
花帆「もうすぐだよ……ほら! 着いた!」
視界が広がる。すると、森が開けた場所にある、何かの遺跡のような場所だった。
虎次朗「ここは………」
花帆「ようこそ! アタシたちアルテミスの守護する、『アルテミスの遺跡』へ!!」
『アルテミスの遺跡』……。
麗奈「本当ならここは私たち以外は入ることは許されてないんだからね?」
虎次朗「え? 俺、入っちゃってるけど……」
花帆「伊月くんは私たちが招いたお客さんだからいいの!」
虎次朗「……因みに許可のない人間が入ったら?」
花帆「……聞きたい?」
虎次朗「いや、恐ろしいからいい」
それにしても……ここで何をするんだ?
虎次朗「で、ここで何するんだ?」
美月「決まってるでしょ? アンタにはここで特訓してもらうわ!!」
花帆「ちゃんと鍛えるって、監督さんたちに約束したからね!」
律儀な娘だな………。
虎次朗「ありがとう。じゃあ、早速やりたいんだけど何すればいい?」
美咲「まずはそこの広場の中央に立ちなさい。私たちが柱の陰を走り回ってあなたをの死角を狙って次々とボールを蹴るから、それをあそこに見えるゴールに叩き込みなさい」
見ると、その広場は瓦礫と化した倒れた柱や、辛うじてまだ残っている柱などで囲まれ、中央に建つと間違いなく視界が効かない。
そこから不意を突かれて次々に襲いかかるボールをあのゴールにたたき込めばいいのか。
虎次朗「分かった。頼む!」
花帆「じゃあ始めるよ!!」
そして位置に着く虎次朗。すると、アルテミスのメンバーは周りをパルクールの要領で走り回り、時に柱の上を、時に陰を、回り続ける。
虎次朗(っ! 早え!!)
すると、背後から飛んできたボール。
虎次朗(っ!)
咄嗟に躱してしまう。
虎次朗「しまった! コレを叩き込むんだったな」
優里「そうだよ! 次は躱さないでね!」
そして練習を続けること1時間。ボールがかなり虎次朗に直撃し、痛い思いをしたものの、だんだんと見切れるようになり後半はボールをゴールに叩き込めるようになっていた。
ドッ!!
虎次朗の真横からボールがすごい勢いで飛ぶ。
虎次朗「ここだっ!」ドゴォオオオオオッ!!
虎次朗はクルリとターンし、ボレーシュートでゴールに捩じ込んだ。
花帆「よし! じゃあ休憩しようか!」
虎次朗「休憩か………」
少し息が荒くなる虎次朗だが、まだまだ体力は大丈夫だ。
朱里「アンタ、無理してるわけでもなさそうだし、だとしたらすごい体力ね。この島のシードの練習もなしにどうやったわけ?」
ん〜、教えてもいいか?
虎次朗「実はうちの家父親がいなくてさ? 母さんが女手1つで俺と下の兄弟たちを育ててくれてるんだ。俺は少しでも負担を減らしてやりたくてな。朝早く起きて新聞配達の仕事をボール蹴ってドリブルしながらやったり、商店街の豆腐屋の清掃の手伝いしたり、八百屋や酒屋の重い荷物運ぶ手伝いを小学生の頃からやってたらこうなったな……」
すると、唖然とする『アルテミス』のメンバー。何人か涙ぐんでないか?
飛鳥「あなた、苦労人だったのね……」
小春「家族のために……そこまで」
虎次朗「おう」
花帆「アタシは…………」
暗い顔になる花帆。両親のことを思い出しているのだろうか?
虎次朗「まあ、花帆は今の仲間を大切にすれば良いんじゃねぇかな? 自分の子供を金のために売るようなやつ親として最低だと思うし」
花帆「そうだよね………!」
少し顔が明るくなった花帆。―――すると、
?「お〜い! 花帆ちゃんたち! 食材持ってきたよ〜!」
麗奈「あ! 鶫さん!」
? 誰だ?
朱里「あの人は鶫さん。私たちがこの島に引き取られた時に初めに居た農園の管理をしてる人よ。この島の食材は殆ど鶫さんの農園で作ってるのよ」
恵梨香「良い人だから安心して?」
慕われてるんだな。
鶫「その子が?」
花帆「うん! "私の"伊月くんだよ!」
虎次朗「私の!?」
なんかさり気なくとんでもないこと言ったぞこの子……。
鶫「そっか〜、花帆ちゃんにも春が来たか〜。よろしくね、伊月くん」
虎次朗「は、はい。こちらこそ………」
花帆「じゃあ、お昼にしようか?」
すると、皆がお昼ご飯の準備を始める。
虎次朗「あ、俺も作るよ。昔から弟たちに作ってたからな」
歩美「え?」
桜「料理できるの?」
虎次朗「任せろ」
すると、虎次朗は料理を始める。その手際の良さに、メンバーは呆気にとられていた。
虎次朗「完成だ! 簡単な炒飯だけどな」
花帆「ゴクリ。いただきます!!」
アルテミス&虎次朗『「いただきます!!」』
そしてみんな虎次朗お手製の炒飯を一口。
アルテミス『………………』
虎次朗「あれ? 口に合わなかったか?」
美咲「い、いや……美味しすぎて……」
歩美「女としてのプライドが………」
小春「ボロボロにされたと言うか……」
虎次朗「? まあ美味いなら良かった」
そしてみんなでご飯を食べ、また練習を再開した。
―――その頃、雷門サイド。
他のみんなはと言うと、
剣城、輝、錦、倉間の4人は吹雪さんに見てもらいながらサンドボード。砂丘をボードでスノボのように滑り、スピードに慣れつつボディバランスを鍛える。
そして、天城先輩、車田先輩、信助、狩屋は不動さんの監督のもと小さい筏を作り、洞窟内を流れる激流に乗ってボードをコントロールしながら乗りこなし、体幹を鍛える。コレもスピードに慣れることも含まれている。
神童先輩、浜野先輩、速水先輩、霧野先輩は、風丸さんに見てもらい人が乗れるほどの大きな水草の生えた湖のような場所で特訓。次々と水草を飛び移り、判断力と即座に進行ルートを導く洞察力。そしてボディバランスを鍛える。
しかし、みんな始めたばかりではバランスを崩して転倒&水にダイブ。
上手くいかなかった。
神童(こんな事じゃダメだ。この島のフィフスセクターのチームに、伊月1人だけがまともに戦えていた。俺たちは完全に足手まといだった………)
倉間(このまま終われるかよ………!)
車田(先輩の面目丸潰れなんて、おれたちのプライドが許さない!!)
そんな思いの中、みんな必死に練習していた。
―――天馬は、流れる滝の下におり、シュウが見守る中、滝の裏の絶壁をクライミングで登っていた。
少しでも体勢が狂えば、滝に身体が重なり水の勢いでそのまま落水する。身体を極限まで岩壁にくっつけた状態で登らなければならず、その分身体の様々な部分が動員される。
天馬「うわあっ!?」
ドボーン!!
シュウ「…………」
天馬「ま、まだだ!!」
天馬(虎次朗に、絶対に追いついてみせる!!)
― つづく ―
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