イナイレGO1〜フィフスセクターぶちのめします!〜   作:松兄

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雷獣シュート

 

 

 ゴッドエデンでの特訓一日目が終わった。みんなが寝静まる中、虎次朗はボールを持って昼間に練習した遺跡へとやって来た。

 

虎次朗「………………」

 

虎次朗(俺のシュート、ペナルティエリアのあまりにも外から撃てば、威力はそれなりに落ちる。現にあのアンリミテッドシャイニングのキーパーには止められた……。何か新しいシュートを……)

 

 虎次朗はシュートを何発もゴールに撃ち込む。だが、手応えはいつもと変わらない。

 

虎次朗「くそっ!」ガッ!!

 

 虎次朗は蹴り損ねて、半分地面を蹴ってしまった。つま先が擦られ、地面を引きずる

 

虎次朗「くそおっ!」ドゴォオオオオオッ!!

 

虎次朗「!?」

 

 すると、放たれたボールは虎次朗も驚くことに、蹴り損ねたにも関わらず[タイガーショット]と同等のパワーが出た。

 そして、シュートはゴール手前で少し浮き上がった!

 

ズドォオオオンッ!!

 

 コロコロと転がるボール。虎次朗はぼうぜんとした。

 

虎次朗「今の………まさか!」

 

 今のキックは蹴る前につま先が地面に引きずった。だが、それにより足首がしなった事で反動が産まれてより強いシュートになったのではないか……?

 

 それにさっきボールの浮き上がり………。

 

虎次朗「っ! もしかして……!」

 

 虎次朗はスマホで検索した。それはソフトボールの魔球、ライズボールの投げ方だった。

 

虎次朗「そういうことか……。イケるぞ!!」

 

 そして、虎次朗は練習開始。意識してちゃんと蹴れば、平然と[ネオ・タイガーショット]と同等の威力ガ出た。

 

 ―――だが、

 

虎次朗(同等じゃダメだ……!)

 

 そして、その日は寝ることにしてみんなの所に戻った。

 

 

 

 ―――二日目。虎次朗は今日もアルテミスのメンバーと遺跡へ。

 

 昨日と同じ練習を続ける。花帆たちから次々と蹴り込まれるボールを、虎次朗はゴールへと叩き込む。――だが、今日は低空で来たボールを昨日特訓の要領で足を地面にこすりつけて足首をしならせて反動を使って蹴り込む。

 

 

ドゴォオオオオオッ!!

 

花帆「?」

 

麗奈「…………」

 

 この蹴り方の変化に、当然彼女たちは気づいていた。そして、ゴールに突き刺さる寸前で、少しボールが浮き上がっていることも。

 

虎次朗「……………」

 

 すると、キャプテンの花帆が一度練習を止めた。

 

花帆「伊月くん、蹴り方変えた?」

 

虎次朗「ああ、新しいシュートの練習をな」

 

朱里「ふ〜ん?」

 

優里「シュートが少し浮き上がってた気が……」

 

桜(………………)

 

虎次朗「少し練習中断していいか?」

 

花帆「え?」

 

 虎次朗は手頃な感じで柱の倒れているところを見つけ、その背後に見える壁目掛けてシュートを蹴り込む。

 

虎次朗「うらあああっ!!」

 

ドゴォオオオオオッ!!

 

 虎次朗の足から放たれたシュートは1本目の柱の下をくぐり抜け、その背後に倒れる2本目の柱に当たる前に浮き上がる。

 

バチィイインッ!!

 

 2本目の柱の上部に当たり弾かれるボール。だが、あまりの威力に柱が僅かに欠けた。

 

 すると、天気が悪くなってきた。ポツポツと雨が振り始め、雲には雷鳴が鳴る。

 

朱里「ちょっと、これ危険じゃない?」

 

歩美「避難したほうがよくない?」

 

花帆「伊月くん!」

 

 しかし、虎次朗は動かない。激しい雨が振り始めてきた。

 

花帆「伊月くん!!」

 

虎次朗「もう、負けてたまるか……サッカーを、取り戻すんだあああっ!!

 

 グワーーーッ!! 虎次朗が右足を振り上げる。

 そして雨が降る中、右足を地面に擦り付けて足首をしならせて反動を使い渾身のインパクト。

 ボールが飛ぶ。

 

 1本目の柱の下をくぐり抜け、2本目の柱の手前で浮き上がり、

 

グワンっ!!

 

 今度は倒れた2本目の柱の柱よりも上までホップし柱を躱す。背後の壁に直撃した――瞬間!!

 

 ドゴォオオオオオンッ!! ゴロゴロゴロ!!

 

 壁目掛けて雷が落ち、ボールが当たった遺跡の壁が砕け散った。

 

美咲「っ! 大丈夫!?」

 

恵梨香「ちょっと!」

 

虎次朗「完成した……虎を超える……雷の獣。[雷獣シュート]だ!!」

 

 

 その光景を見ていたアルテミスのメンバー。まるで、虎次朗は何かの上位の存在の守護を受けているかのような、そんな予感を持たずには居られない光景だった。

 

花帆「っ! バカ! 危ないでしょ! 早く避難するよ!」

 

虎次朗「痛でっ!? ああ、悪い……」

 

 そして虎次朗と花帆たちは、みんながいるであろう洞窟に戻った。

 

 

円堂「伊月遅い! 何やってたんだ!!」

 

虎次朗「す、すみません……でも成果はありましたから……」

 

吹雪「そういう問題じゃないよ!」

 

花帆「ええ。監督さん怒ってあげてください。危うく雷が直撃するところだったんですから」

 

監督たち『!?』

 

虎次朗「ちょっ!? 花帆!!」

 

 容赦のないカミングアウトに、監督たちが般若になる。

 

風丸「伊月〜……!!」

 

虎次朗「す、すみません!!」

 

 

 しばかれる虎次朗。そんな彼を見ていたアルテミスの面々は、

 

美月(でも、あのシュートとんでもないパワーだった……)

 

小春(あんなの受けたら、怪我じゃ済まないかも……)

 

優里「………………」

 

 ― つづく ―




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