イナイレGO1〜フィフスセクターぶちのめします!〜 作:松兄
試合は現在―――、前半24分。
アルテミスのメンバーも、ここまでとは思っていなかったほどに熾烈なぶつかり合いとなったこの試合。
虎次朗の渾身のシュートがアルテミスのゴールを激しく突き刺し、雷門1点をリードした。
朱里「くっ……! まだ、まだ終わってないわよ!!」
意地と誇りを打ち砕かれた朱里や他のメンバーが、歯を食いしばりながら自陣へと戻る。
前半の残り時間はわずか6分。
ゴッドエデンの究極シードの一角、アルテミスにとって、雷門にリードを許したまま折り返すことなど断じて容認できなかった。
花帆「みんな、落ち着いて! まだ前半は終わっていないよ! 焦らず、でも一気に追いつくよ!」
アルテミス『うん(わかってるわよ)!!』
アルテミスのキャプテン、花帆の鋭くも凛とした声が響き渡る。
その瞳に宿るのは、虎次朗に一歩リードされた悔しさと、それを上回る情熱の炎。
キャプテンの鼓舞により、アルテミスの集中力は極限まで高まった。
花帆「行くわよっ! 前半のうちに絶対に追いつく!!」
ピィイイイーーーッ!!!
RESTART!!!
再開のホイッスルとともに、アルテミスの怒涛の反撃が始まる。
先ほどまでとは比べものにならないスピード感と、研ぎ澄まされた連携―――。
朱里を筆頭に、花帆と美咲が2人で指示を出し、穴を小春が埋め、アルテミスの選手たちが波のように押しかけ、雷門陣地に襲いかかる。
神童「押し戻せ! 前半このまま抑えきるぞ!!」
雷門『おう!』
雷門のキャプテンである神童先輩が声を張り上げ、雷門イレブンも必死のディフェンスで立ち向かう。
大自然の特訓で鍛え上げた足腰と意地をフルに使い、アルテミスの怒涛の攻撃へ喰らいつく。
虎次朗「絶対に……通さない!!」
花帆「勝負だよ伊月くん!」
虎次朗も前線から猛烈なプレッシャーをかけ、アルテミスのパスコースを制限しようと牙をむく。
前半のうちに追いつこうと怒涛の攻勢をかけるアルテミスと、この1点リードを守り抜こうと泥臭く泥に塗れて跳ね返し続ける雷門。
前半終了間際のこの時間帯、遺跡の熱気は最高潮へと達していた——。
花帆「小春ちゃん!」パス!
花帆からバックパスを受けたのは、アルテミスのダブルボランチの一角を担う少女、小春。
普段は気弱で臆病な性格の彼女。
しかし――、だからこそ小春の「危険を察知する本能」はチームの誰よりも鋭い。
押し寄せる雷門のプレッシャーに一瞬身をすくませるものの、その瞳は雷門のディフェンス陣が作るわずかな隙間、そして未来のボール軌道を完璧に捉えていた。
小春(ひ、ひぇぇ……来ないでぇ! ……でも、ここなら絶対カットされない……っ!)
呼吸を小さく一息で整えた小春は、繊細なキックでボールを蹴り出す。
小春「えいっ!」ドッ!
放たれたパスは雷門の寄せをあざ笑うかのように、まさに針の穴を通すような精度で隙間をぬって一直線に前線へと通った。
神童「なにっ!?」
優里「ナイスパス、小春!」パシッ
その寸分狂わぬパスを引き取ったのは、アルテミスが誇るもう一人のFW、優里。
豪快な朱里とは対照的に、冷静な、しかし強靭なフィジカルを持つ彼女。
確実にゴールを狙う優里。彼女はトラップと同時に素早く、クイックで右足を振り抜く!
ドガァァンッ!!
至近距離から解き放たれた鋭いシュート。
三国さんに猛然と牙をむく。
三国さんも、特訓で鍛えた反応速度で必死に身体を投げ出す!
三国「舐めるなぁぁぁっ!!」
ガツゥンッ!
三国の手には当たった。しかし――、優里のシュートに込められた威力を完全殺しきることはできず、ボールはキーパーの手をを弾いて勢いそのままにゴールラインへと転がり込んでいく―――。
三国「くっ……しまっ……!」
雷門の誰もが「追いつかれた」と覚悟したその瞬間——!
霧野「させないっ!!」
滑り込んできたのは雷門の頼れるディフェンスの司令塔、霧野先輩。
ギリギリの土壇場、驚異的な執念で足を伸ばし、ゴールライン寸前でボールを間一髪掻き出す!
優里「なっ!?」
天馬「ナイスクリア、霧野先輩っ!!」
泥と砂にまみれながらもピンチを凌いだ雷門。
掻き出され、宙を舞ったこぼれ球は、一直線に天馬の下へと舞い降りた。
天馬「よし、行くぞ!!」
花帆「させないっ!」ビュンッ!!
天馬「っ!」
一瞬で天馬からボールを奪い取った花帆。ロングシュートの体勢。右足を振り上げる。
美咲「決めなさい花帆!」
麗奈「花帆ちゃん!」
花帆「みんなの期待が込められてるんだ、外すわけにいかない……っ!」
そして、渾身の力で右足を振り下ろした。
花帆「[極・イーグルショット]だあああっ!!」
ドゴオォオオオッ!!
バババババ 花帆の必殺シュートが、低空飛行で地を這いながらゴールへと襲いかかる。
三国「っ! 止めっ……!?」
ギュンッ!
しかし、花帆のシュートは一気に伸び、三国さんが技を出す間もなくゴールに突き刺さった。
GOOOAL!!!
雷門 1 ー 1 アルテミス
そしてここで、
ピッ、ピィイイイーーーッ!!!
― 前半終了!! ―
前半終了のホイッスルが鳴った。
朱里「同点か……」
桜「強くなりすぎでしょう……」
そう言ってベンチへと戻るアルテミス。雷門もベンチに戻る。
神童「この島のシード相手に、何とか戦えてるな……」
霧野「俺たち、強くなったんだな……」
虎次朗「ええ。でも、最後の失点は勿体なかったですね……」
車田「ああ。そうだな」
というか、
虎次朗「倉間先輩、あの[サイドワインダー]ってもしかして……?」
倉間「気づいたか? 前に動画で見せた昔のドイツの"カペロマン"選手の、『サイドラインから撃つと威力が上がる』性質を俺の[サイドワインダー]に乗せられるようになったんだよ」
虎次朗「すげぇ……!」
コレは相当な戦力アップだぞ………!
倉間「あのディフェンスのシュートブロックが無ければ、ぶち抜いてたんだけどな……」
円堂「よし、後半もこの調子で行け!」
雷門『はい!』
風丸「後半始めるぞ!」
そして、両チームフィールドに出ていく。今度はアルテミスボールのキックから再開だ。
花帆&虎次朗「「……………………」」
お互いを見据える両者。
雷門&アルテミス『『絶対に勝つ!!』』
― つづく ―
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