イナイレGO1〜フィフスセクターぶちのめします!〜 作:松兄
ピィイイイーーーッ!!!
RESTART!!!
ゼロボールから試合再開。牙山にボールがわたるがそれを風丸さんがアッサリと奪い返した。
風丸「霧野!」
霧野「はい!」
ボールを受け取る霧野先輩。
壁山「霧野くん! どんな攻めも、ボールが無い事には始められない。ボールを奪うディフェンスこそ、最初のオフェンス。良い体勢で取れれば、良いオフェンスに繋がる事を忘れちゃダメっす!」
霧野「はい! 神童!!」
今度はキャプテンにボールが渡る。
鬼道「神童、ゲームメイカーは常に冷静でなければならない。相手と見方の位置、その時その時の状況、試合中のあらゆる要素を使って、相手の動きをコントロールするんだ!!」
神童「はい! 必殺タクティクス!! <神のタクト>! 天馬!!」
ボールは次に天馬に繋がる。
風丸「天馬、お前はサッカーへの熱い思いと、攻めの素質を持っている。自分を信じて後一歩前に踏み出せ! お前ならやれる。自信を持って行け!!」
天馬「はい!!」
牙山「行かせるものか!」
天馬「[そよ風ステップ・V4]!!」
天馬は牙山を抜き去り剣城にパスを出す。
不動「剣城、時に守り、自分の背中を預けられるのが仲間だ! まぁもっとも、そんな事お前はとうに気がついてるだろうけどな」
剣城「そんな事、キャプテン! 手を貸してください!!」
剣城とキャプテンはシュート体勢に入る。ボールを次々に蹴りあげながらエネルギーをチャージし、とどめに二人同時に蹴り落とす。
剣城&神童「「[ジョーカーレインズ]!!」」
ドゴォォオオオッ!!
六塔「これ以上はやらせん! [グラビティポイント]!!」
六塔の必殺技がシュートを押さえ付ける。しかしそれでも勢いは止まらずにゴールに突き刺さった。
4 ー 3。雷門のリード。
牙山「こ、こんな馬鹿な…… ピリリリリッ! っ!? もしもし、イシド様」
あまりの不甲斐なさに、ロイヤルボックスから見下ろしていたフィフスセクターの聖帝が、冷徹な声でマイク越しに言い放った。
イシド『……下がれ。これ以上、私を失望させるな』
絶対的な聖帝の命により、教官たちは屈辱に顔を歪めながら退場を余儀なくされた。
役割を果たした円堂たち大人陣もピッチを後にし、試合は再び本来のメンバー同士の戦いへと戻る。
だが——雷門のダメージは深刻だった。教官たちの荒々しいプレーにより数人が負傷しており、まともに走ることすらままならない状態に追い込まれていた。
その時だった。
花帆「円堂監督! 私たちを……私たちをピッチに立たせてください!」
声を上げたのは、アルテミスのキャプテンである花帆だった。
その瞳には、かつての迷いや怯えは微塵もない。朱里、小春、飛鳥……アルテミスの少女たち全員が、力強い眼光で円堂を見つめていた。
花帆「私たちはもう、シードじゃない。虎次朗くんたちが命懸けで教えてくれた、本当のサッカーを胸に戦う……雷門の仲間です!」
不敵に笑う不動、静かに頷く鬼道。そして円堂は、心底嬉しそうに太陽のような笑顔を弾けさせた。
円堂「ああ……信じるぞ、お前たち! 行ってこい!!」
手渡されたのは、黄色と青の雷門のユニフォーム。
花帆たちは迷いなくその袖に腕を通した。
胸に刻まれた雷門のエンブレム。傷ついた虎次朗たちの傍らに駆け寄り、固い拳を交わし合う。
花帆「待たせたね、伊月くん。今度は私たちが、あなたたちの背中を守る番だよ!」
雷門のユニフォームを纏ったアルテミスの少女たちが、仲間として、真のサッカー選手として、運命のピッチへと足を踏み入れた。
牙山「おい、アルテミス! そこまで雷門に肩入れして……もう後戻りはできんぞ!?」
ピッチを去ろうとする教官の牙山が、見下すような醜い笑みを浮かべて捨て台詞を吐いた。
牙山「お前たちはただの孤児か、金で買われた道具だ! フィフスセクターを裏切って、この島を去ったとして……貴様らのような奴らを誰が引き取る!? 帰る場所など、世界のどこにも存在しないのだぞ!!」
精神を揺さぶる冷酷な言葉。一瞬、花帆たちの身体がすっと強張る。
身寄りのない自分たちの現実を突きつけられ、心の奥底に眠っていた孤立感の冷たさが蘇りかけた——その時だった。
虎次朗「——じゃあ、
背後から呆れたように言い放たれたのは、虎次朗の声だった。
虎次朗は肩を回しながらズカズカと前に出ると、牙山たち教官を不敵な眼光で睨みつけた。
虎次朗「お前らが要らないってんなら、俺たちが花帆たちを貰うわ。俺が住んでるアパート、まだ空き部屋いっぱいあるしな」
花帆「え……っ!?」
驚愕して振り向く花帆。
天馬「うん! 秋姉ぇに頼めば、日々のお手伝いとかの条件で、普通に生活させてくれると思うな!」
隣で天馬が屈託のない笑顔でそう頷いた。神童も、錦も、車田も、当然と言わんばかりに力強く笑っている。
錦「居場所なら、最初からここにあるぜよ!」
三国「木野さんなら『大賑やかになって嬉しいわ!』って喜んで飯作ってくれるに決まってるさ!」
居場所がないんじゃない。これから、みんなで作ればいい。
虎次朗と天馬の、あまりにもあっけらかんとした、けれど温かい言葉。
それが、花帆たちの胸にこびりついていた最後の「不安」と「呪縛」を一瞬で完全に粉砕した。
花帆「……そっか。私たち……もう、一人じゃないんだ」
花帆の瞳から、ボロボロと大きな涙がこぼれ落ちる。
朱里が、小春が、飛鳥が、噛み締めるように胸の雷門エンブレムを強く握りしめた。
もう身寄りの心配なんていらない。裏切り者と怯える必要もない。自分たちを待っていてくれる家が、仲間が、ここにあるのだから。
アルテミス『うおぉぉぉぉぉッ!!!』
次の瞬間、アルテミスの少女たちの全身から、これまで溜め込んできた怒りと不満、そして解き放たれたサッカーへの情熱が爆発した!
恵梨香「よくも……今まで私たちを道具みたいに扱ってくれたわねッ!!」
小春「私たちのサッカーを、返してもらうんだからぁぁっ!!」
雷門
フォーメーション
FW 剣城 虎次朗
OMF 天馬 花帆 錦
DMF 神童
DF 美咲 恵梨香 霧野 小春
GK 三国
― つづく ―
花帆たちの不平不満・怒り爆発!
果たしてゼロの運命は?