イナイレGO1〜フィフスセクターぶちのめします!〜 作:松兄
翌日、雷門の真新しい制服に身を包んだ花帆たち。木枯らし荘の食事スペースでみんなで食事を食べて天馬、虎次朗と共に雷門中に向かう。
雷門の制服を着て、虎次朗と天馬たち歩く、見ない顔の11人の美少女たちに、他の生徒たちはじっと見ていた。
虎次朗「おはよう」
天馬「おはよう…」
クラスメイト「あ、松風、伊月!」
クラスメイトが早速群がってくる。
クラスメイト「おい、あの朝の可愛い子たち誰だよ!」
すると、
先生「席につけ〜」
先生が入ってきたので、みんなが席に座る。担任の先生が黒板に3つの名前を書き終えると、パンパンと手を叩いた。
先生「よし、静かに。今日は我がクラスに、一気に3人もの転入生を迎えることになった。みんな、仲良くするように。――さあ、入ってきてくれ」
ガラガラと引き戸が開くと、教室中の視線が一斉に入口へと注がれる。
一歩足を踏み入れたのは、花帆、小春、そして飛鳥の3人だった。
クラスメイト「わあ……!」
クラスメイト「可愛い子が3人も同時に!?」
男子生徒たちからどよめきが起こる中、天馬は嬉しそうに目を輝かせ、その隣の席で虎次朗は腕を組んで、フッと頼もしい笑みを浮かべて彼女たちを見守っている。
花帆は少し緊張で指先を硬くしながらも、凛とした態度で一歩前に出た。
花帆「はじめまして。このたび雷門中に転入することになりました、相澤花帆です。サッカー部に入部予定です。早く学校に慣れて、皆さんと仲良くなりたいと思っています。よろしくお願いします」
続いて、小春が一礼する。
小春「平沢小春です。体を動かすことが大好きで、私もサッカー部に入ります……」
小春は人見知りで気が弱いところがあるので、大人しめな挨拶だった。
最後に、飛鳥がぺこりと頭を下げた。
飛鳥「古谷飛鳥です。2人と一緒にサッカーをやっています。よろしくお願いします!」
三者三様の魅力的な挨拶に、教室は大きな拍手に包まれる。
花帆がホッと胸をなでおろした時、ちょうど天馬と虎次朗の席が目に留まった。
天馬が小さく手を振っている。その後ろで、虎次朗が「安心しろ」と言わんばかりに深く頷いてみせた。
その男らしい佇まいに、花帆は昨日の引っ越しや夕食時の頼もしさを思い出し、胸が小さくトクンと跳ねるのを感じていた。
先生「相澤、平沢、古谷の席は……あそこの伊月と松風の近くだ」
花帆&小春&飛鳥「「「はい!」」」
天馬たちの近くの席へと歩きながら、花帆たちの緊張はすっかり解け、これからの学園生活への期待に胸を膨らませるのだった。
―――同じ頃、3年B組の教室でも、大きな歓声が上がっていた。
車田「来たな!」
教壇の前に立つ優里を見て、興奮気味の車田。
その隣で三国も「おいおい車田、落ち着け」と苦笑しながらも、温かい目を優里に向けていた。
優里はそんな彼らの姿を見つけると、不敵で自信に満ちた笑みを浮かべた。
優里「剣崎優里です! よろしくお願いします!!」
よろしくー。と、挨拶するクラスメイト。
優里「因みにサッカー部入部希望です! 雷門のFWは激戦区だって分かってるけど、剣城くんや虎次朗くん、倉間くんや影山くんからもレギュラー奪い取るつもりで行くよ! もちろん朱里にも負けるつもりはないしね!」
車田「おう! 最上級生の意地見せてやろうぜ!」
三国「ああっ、大歓迎だ。よろしくな、優里」
最上級生としての風格を持つ彼ら。優里の物怖じしない堂々とした態度は、クラスの生徒たちをすぐに惹きつけていった。
―――そして、2年C組の教室。そこは、独特の静かで張り詰めた、しかしどこか華やかな空気が流れていた。
美咲「――加山美咲です。よろしくお願いします」
美咲が短く、しかし芯のある声で自己紹介を終えると、教室の後方から綺麗な拍手が送られた。
神童拓人と霧野蘭丸だ。神童は彼女の冷徹なまでに正確な戦術眼を思い出し、
神童「彼女がクラスメイトとは、心強いな」
と霧野に囁く。霧野もまた、美咲の隙のない佇まいに心を刺激されていた。
先生「美咲さん、席は神童の隣だ」
先生の言葉に、美咲は神童の席へと歩く。
神童「よろしく、美咲。学校生活で分からないことがあれば、何でも聞いてくれ」
美咲「ありがとうございます、神童くん。でも、雷門には感謝してるけど、サッカーは私、手加減しませんから」
美咲のクールな宣戦布告に、神童は驚いたように目を見張った後、フッと楽しそうに微笑んだ。
神童「ああ、望むところだ」
それぞれの教室で、それぞれの新しい関係が回り始める。フィフスセクターという過去の影を一切見せず、ただ一人の人間として、サッカープレイヤーとして受け入れられた少女たち。
彼女たちの雷門中での最初の一歩は、最高の形で刻まれた。
そしてその日の放課後―――いよいよ部活の時間となる。
― サッカー棟―
雷門中サッカー部室の扉が、勢いよく開かれた。
天馬「みんな、連れてきたよ!」
天馬の元気な声に導かれるようにして部室に入ってきたのは、花帆を筆頭とする女の子たち。
部室内には、キャプテンをはじめ、剣城、三国先輩、霧野先輩、車田先輩ら雷門イレブンがすでに勢揃いしていた。
クラスで一部とは顔を合わせていたとはいえ、サッカー部のユニフォームやジャージに身を包んだ面々と改めて対峙すると、やはり独特の緊張感が走る。
神童が一歩前に出て、穏やかな、しかし引き締まった声で言った。
神童「待ってたぞ。ゴッドエデンでは共に戦ったが、今日からは正式に同じ雷門の仲間だ。改めて、みんなの得意なポジションやプレイスタイルを教えてもらえるか?」
彼女たちのキャプテンである花帆が、全員を代表して一歩前に出す。
彼女の瞳には、シードを辞め、自らの意志でサッカーをするという強い覚悟が宿っていた。
花帆「うん。私たちはフィフスセクターでそれぞれの役割に特化した訓練を受けてきたの。まず、私、はOMF。ピッチ全体を見渡す戦術眼と、正確なパスでゲームメイクを行うのが得意です。ディフェンス型の化身を使えるよ!」
その言葉に、同じゲームメイカーである神童が深く頷きます。
神童「なるほど、中盤での連携がさらに強固になりそうだな」
続いて、天馬たちと同じクラスの2人が一歩前に出ました。
小春「私はDMF…。相手の動きを予測したり、パスカットが得意……」
飛鳥「私はOMFです。スピードを活かした突破力と、前線からの激しいプレスでチャンスを作ります」
さらに、神童・霧野と同じクラスになった美咲が、クールながらも闘志を秘めた目で続けます。
美咲「私はDMFとして、相手の攻撃の芽を摘み、素早く前線へ繋ぐカウンターの起点になるよ」
他のメンバーも次々と自己紹介し、
最後に、三国や車田と同じ3年生の優里さんが自己紹介。
優里「私はFW。パワーとフィジカルを活かした突進で、ゴール前を突破します。よろしくお願いします」
車田「全員頼もしいな。一緒に勝利を目指そうぜ!」
車田が豪快に笑い、三国も嬉しそうに拳を突き出しました。
アルテミス陣営のバランスの取れた高い能力値の説明を聞き、部室の空気が一気に活気づきます。
あの寡黙な剣城でさえ、飛鳥や花帆の視線を受け止めると、フッと口元を緩めました。
剣城「ゴッドエデンの時の動きを見ていれば、実力は分かっている。歓迎する」
花帆「みんな……!」
花帆たちの表情から、張り詰めていた緊張が完全に消え、晴れやかな笑顔が広がる。
神童が全員を見渡し、力強く宣言します。
神童「よし、これで全員揃ったな。これからはフィフスセクターの指示ではなく、俺たちの本当のサッカーをしよう。みんな、よろしく頼む!」
雷門『おーーっ!!』
部室中に響き渡る全員の声。天馬と虎次朗が満面の笑みでハイタッチを交わす傍らで、花帆たちは雷門の一員になれた喜びを噛み締めていた。
ここから、新生・雷門イレブンの新たな挑戦が始まろうとしていた。
― つづく ―
取り敢えず受け入れられた感じです。