『英雄の器は俺じゃない ~世界最強の盟主になった一般人は、人類最後の希望を演じ続ける~』   作:マスターBT

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 カテゴリー分けが合ってるかわかりゃん……こっちじゃね?ってのあれば教えてください。あと、今日はこれも含めて3話くらい投稿予定


目を覚ますと

「……さて、どうしたものでしょうかね」

 

 俺の記憶が確かなら住んでいた家は、ボロアポートの一階だった筈だが政治ニュースでしか見たことのない黒い本革のふわふわとした椅子に腰掛けた視線の先にある窓から広がる景色はどう見ても高層階のものだ。

 当然、この部屋の家具にも全く見覚えはなくクラシック調に整えられているのは格好良いとは思うが、俺の趣味ではない。

 

「飾っていたオタクグッズもありませんし、パソコンは見たこともない機種ですね。空間投影されるキーボードとか近未来SFですか」

 

 あとこの口調だよ。

 意識的に喋ってる訳じゃないのに、口を開くと胡散臭さマックスになるし自分のイケボっぷりに驚く……自動変換されるなら心の中も合わせた方が良いでしょうかね、こんな事で人格乖離とか嫌ですし。

 

「先ずは記憶を探りましょうか……と言っても、俺の最後の記憶は仕事帰りにベッドへそのまま入ったところで終わってます。その代わり、知らない筈のこの世界の知識がたっぷりとありますね」

 

 空間投影されているキーボードを慣れた手つきで弾けば、今の俺の顔写真が表示される。

 

「『人類甲鉄進化連盟』……通称、人甲連の盟主アルタ・ミカエール、この世界の支配者と言っても過言ではないですね」

 

 整えられた金髪に、顔を右半分を覆う金属の仮面と瞳と思われる場所に光り輝く赤い光は生身である左側の青い瞳と綺麗なオッドアイとなっていてかなりのイケメンですね。

 少々、狐を思わせる細目なのが口調も相まって胡散臭いですが、こういう立場ならこれも箔と呼べるものでしょう。

 

「……宇宙の彼方より飛来した隕石に付着していた金属生命体『メタリカ』により、生物が寄生され法則が乱れたディストピア世界がここって感じですか」

 

 ある程度の知識を確認したところでタイミング良く扉がノックされ、入室を許可するとこれまた美人なタイトスーツが似合う女性が入って来た。

 記憶にありますね、俺の秘書官であるライラさんですか。

 

「アルタ様、お時間です」

 

「ん?何か用事を入れていましたか?」

 

「珍しいですねアルタ様がスケジュールをお忘れとは。ここ数日、体調を崩されていましたしその影響でしょうか?」

 

「そうかもしれないですね。申し訳ありませんがもう一度教えてくれますか?ライラさん」

 

「畏まりました。本日、14:00より事前検査により適正がある事を確認した者達によるメタリカ定着テスト──『アマルガメイト』を新たに生み出す実験の視察が入っております」

 

「あぁ、そうでしたね。ありがとうございますライラさん」

 

 ライラさんに言われた事で思い出し、自分の右半分を触ればそこには人間らしい暖かさはなく、ただ鉄の冷たさだけが伝わってくる。

 まぁ、人甲連の盟主をやっていてこの身がメタリカと適合してない訳がなかったですね。

 

「では行きましょうか。全ては人類を更なる次元へ導く為に」

 

「はっ」

 

 ……これ、あれですよね?間違いなく何か覚醒した主人公とかに敗北するラスボス的なポジション。

 ライラさんの手前、余裕たっぷりの笑みを浮かべてはみましたが正直、この嫌な予感のせいで引き攣っている気がしますよ。




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