「嫌だ行きたくねぇよ。お前らといると絶対目立つ!確実に目立つ!!嫌だ!」
「わがまま言うな!蒼きゅんは子供か!駄々をこねるんじゃない!!」
「いだだだだだ!!耳を引っ張るな!このボケ!!」
「あれ〜?いつの間に仲良くなったの2人?」
やめてくれ、僕はこのまま家に帰って安らぎを求めているんだ、部屋に帰ったら温かいコンポタとポテチが待っているんだ!!
「華恋が行きたいって言ってるんだよ!?一緒に行かなきゃ駄目に決まるでしょ!!」
「なんで天宮が行きたいって言うから強制的に行かなきゃならんのだ!!」
「うるさい!あんたは少し乙女の気持ちを考えてみろ!!」
「なにがっ!?いいじゃん!二人で行けばさぁ!!」
無事ではない自己紹介も乗り越え、鞄を持って帰ろうとした。だが、その瞬間、隣の席の遠野に腕をつかまれる、気づいたら遠野が『華恋とファミレスに行くよ!』と勝手に話を進めていて、冒頭のやり取りに戻る。
「でもあおくんとファミレス行きたいなー色々語り合いたいなぁ。」
「語り合うことなんてないだろ」
「えー?あるよ、あおくんの好きな人とか、好きな人とか、好きな人。」
「.....お前はそれを聞いて何がしたいんだ?」
「え?秘密」
「こっわ」
え、寒気が酷いんですけど。好きな人を聞いてどうするつもりなんだろうか、本当に。
天宮が好きって言って引かせてみるのもありかもしれんな、いや...悲しくなるからやめていこう。
「あの、遠野さん?」
「ん?どしたん?」
ニコッとしながら、何やらギターを取り出してる。
「そのギターをどうするつもりで」
「え?華恋泣かせようとしたら、叩き割ろうと」
「何を?」
「蒼きゅんの頭」
「....僕のこと薄情って言う割には貴女はサイコパスだよ?」
「ん?もう殺られたいの?」
マジでもう関わるのやめようかな??
絶対そのギターは人の頭を叩くためのものじゃない。
「ほら、もう行くよ?」
「何故くっつく!?!?」
「だってこうもしないとあおくん来ないでしょー?結花も手伝って!」
「良かったじゃん!蒼きゅん、美少女に両腕ガッシリ固定されちゃってんねぇ〜」
「わかった!!分かったから!!離してくれっ!!行くから!!」
そして、天宮はニヤけて言った。
「はい。あおくんの言質取った〜」
「チョロイね〜逃げられないねぇ」
「.......」
あぁ、ぶっ飛ばしたいこいつらマジで。
「じゃあ私はパスタ食べようかな!」
「お、センス良いじゃん!!それ超美味いから!!」
.....ものすごく"陽キャ"の空気を感じる。これが学校でトップレベルの陽の会話。
蒼は水を飲みながら窓の外を眺めていた。
「あおくんは、どうする??」
「えー、僕は何でも」
「つまんない回答だね」
「.....じゃあオススメで」
「同じやつ食べよっか」
タブレットで注文をする天宮。どこかしら楽しそうだった。
「蒼きゅんさぁ、もうちょっと楽しくしようよ〜、そんなんじゃ女の子にモテないよ?」
「モテなくて良いんだよ、面倒いし」
注目されればされるほど、良くないことが起きる。嫌なほど経験した。
「あのさ。」
天宮が声にした。
「.....なんで1年も私と会ってくれなかったの?」
土足で踏み込まれた気分だった。