『え・・・本気?』
「だから・・・その・・・許可が欲しいんだけど・・・」
『・・・別に。勝手にすればいいでしょ。許可なんて取るものじゃない。人の好き好きじゃない。』
「いや、好き好きとかじゃなくて。それなら別に許可を取るもんじゃないけど。
これは戦略的なものだから―――さ。
嫌なら嫌で別の作戦を考えるけど・・・」
『・・・いいよ。別に。それ以外思いつかないし。あまり時間かけるとそれも意味なくなるし・・・』
「じゃあ?」
『さっさとやれっ!!』
「は、はひっ!!」
響が考えた作戦はちょっとした出来事から発見したヤミの
「結局やるのか?
・・・主の望みに含まれるところではないのだが・・・邪魔するとあれば致し方あるまい
恨むならば主ではなく私を恨んでくれ。」
「いきなりでなんだと思うが・・・俺は・・・」
響が作戦を開始した。
その作戦とは。
「ヤミちゃん・・・いや、夜天の書でいいのか?」
「・・・ああ。それとそのヤミちゃんというのはなん―――」
「俺は・・・オマエが大好きなんだぁあああああああああああああああっ!!」
「はぁああああああああああああっ!?」
イキナリの響の告白に叫び声をあげてフリーズするヤミ。
少し赤面しているのが可愛らしい。
これが響の作戦。
先ほどヤミちゃんと意外な呼び方をした際に、彼女は一瞬動きを止めてなのはのブレイクシュートをまともに喰らっていた。とはいえバリアジャケットに阻まれ大したダメージではなかったのだが。
だが、響としてはそれで十分。
触れる事が出来ればいいのだから。
「しっ!!」
すぐに接近し、胸に手を―――
「とどいたっ!!」
このおっぱいチートには前にも言った制限、もとい効果に比した魔力が必要なのとあと一つ。
両手で対象のおっぱいの両方を揉まないといけないという制限がある。
ゆえに両手で飛び込むように前から鷲づかみに。
しかし表情は至って真剣なままで。
そんなシュールな画が完成する。
そして揉む。
だが、その一秒にも満たない動作に反応した自動防御プログラムが過敏に反応。
黒く光る拳が響に迫る。
『ラウンドシールドッ!!』
しかし瞬時に割られる。
そして揉む。
続いて回りに赤いナイフが響を取り囲む。
「ブラッディタガー。」
『これは・・・くっ!!
プロテクションッ!!』
ヤミの声にもう感情の色は微塵も無い。
消されかけていることを敏感に察知した防衛プログラムが攻撃性を増した。
ブラッディタガーはなのはとフェイトをも狙い、穿つ。
普段と段違いの威力のソレでなのはとフェイトが堕ちる。
だが、揉む。
『ひび―――』
ブラッディタガーのいくつかがプロテクションを貫通した。
響は胴体に何個かナイフが刺さりソレが爆発、肉が抉れ、焼き焦げる。
しかし、揉む。
「スターライトブレイカー。」
先ほどから上空で魔力を溜めていたのか。
なのはのスターライトブレイカーがタイムラグ無しで頭上に現れた。
そしてそれが響目掛けて振り下ろされる。
『もう逃げ―――いや、これを持ちこたえれば・・・ラウンドシール―――がっ!?』
「ごふっ!?」
体を打ち下ろす桃色の閃光。
しかしラウンドシールドを何枚にも重ねて発動し、残った魔力も込めたために何とか耐え切る。
そして揉む。
『これで・・・ここでそれをっ!?』
「・・・くそっ!?」
「ディザスターブレード。」
もちろんディザスターと名のつく魔法は響の創作魔法(オリジナル)で、災難に比例して威力が上がる。
ブレードの場合はその切れ味だ。
確実に斬られる。
どんな防御を使おうと斬られる。
そう理解する。と同時にあと一回揉めば作業が終わる。
しかしそれからだとほんの一瞬。ほんの一瞬だけ間に合わない。
命の危機からか、火事場のクソ力と呼ばれるものなのか、それも死の間際で直感的に理解する。
どうすると迷った瞬間。
「アイシテ―――」
アイシテルが身を呈して響を庇う。
もちろん構わず斬られるだろう。
だが。斬られようと刀身ではなく、腕を押さえれば一瞬。
一瞬だけでも時間が稼げる。
もちろんヤミの腕力に何の強化も魔力も残ってないアイシテルが勝てるわけが無い。
が。
響を生かすことは出来る。
そして揉む。
そして押し出され。
そして血が舞う。
そして、アイシテルが―――寸断された。
「・・・あ、あああ、あああああああああああっ!!」
すでにヤミは機能を停止した。
おそらくPC風で言うところの再起動中だろう。
だがそんなことは最早どうでも良くなっていた。
アイシテルが。
アイシテルが。
アイシテルが。
切れた。
斬れた。
真っ二つに。
「アイシテルぅぅううううううううううっ!!」
「るっさいっ!!」
「ごはぁっ!?」
普通に元気だった。
「え?
へ?あら?」
「私の本体はナイフの方だって前に言ったでぶあっ!?
ちょっ!?
な、なにしてっ!?」
「あ、アイシテル、あいしてるっ!!
あいしてるぅぅぅっ!!
死んだかと思ったっ!!
本当に死んだかと思ったんだぞぉぉっ!!
あほぉっ!!ばかたれっ!!ぼけなすっ!!
しんぱいかけるなぁっ!!」
「ちょっ、分かったから抱きつくのを止めてっ!!
恥ずかしいよっ!!」
死んだかと思ったアイシテルの無事?に響は安堵し、思いっきり抱きついた。
野暮とは思うのだが、響の姿はアイシテルの血で真っ赤に染まっている。
内臓がデロンと飛び出て真っ二つになった女の子を大事そうに抱え、さらには血まみれに。
なんとか立ち上がったなのはやフェイト。
後から駆けつけたユーノ達はさぞかし心臓に悪い光景を見せ付けられることとなろう。
願わくばトラウマになりませんように。
こうして闇の書事件は解決とあいなったのである。