旧版・とあるチートを持って!   作:黒百合

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フェイトのおっぱいを揉みませんか?

そしてそんな彼女だが。

 

今回、響に相談があるとのことらしい。

こんなヘタレを頼るとは余程のことなのだろう。

 

「ええと、妹にあたるフェイトの胸を揉んで欲しい?」

「はい。」

「・・・うん?えと・・・何がどうしてそんなことになったのカナ?」

 

ワケが分からなかった。

 

「ええと・・・それは話すと長くなるんですが・・・」

 

纏めるとフェイトの母親に関する記憶をプレシアが奪っちゃったので、それを戻したいとのことらしい。

プレシアのためにやってきたこと、頑張ってきたこと。

そういった苦しいけれども母親のためにやってきた、フェイトの綺麗であったろう気持ちや思いまでもが消えてしまったようで嫌だとのこと。

事実消えてしまっているだろう。

小さな頃は状況が良く理解できてなかったことも相まって、ただ漠然と「お互いに悲しそうだ」というのを嫌々見ていただけだったらしいが大きくなって、一念発起。

あの時のすれ違いは絶対どうにかできたと考えたアリシア。

妹と言うべきかは微妙な出生であるフェイトだが、そこも含めて自分で調べてこうすればと思ったらしい。

 

そして一念発起した一番の理由は、時たま、いまだにプレシアはあのことで思い悩んでるそぶりを見せるため、それをどうにかしたいようだ。

それはそうだろう。

『造った責任』よりも『母親の矜持』を優先したのだ。

それも記憶を弄るといった形で。

それは良く言ってもハッピーエンドとは言いがたい。

結果的には良くてもなんの気がかりも無く、忘れ去れると言う事件ではないはずだ。

もちろん響はそんな複雑な事情は知らなかったのであるが。

 

「子供の時だったから、漠然としか覚えていないんですけどフェイトちゃんが泣きそうになるのを我慢しながら記憶を弄られるのも“我慢した”ように見えて。

あの日は寝つきが悪かったのをはっきり覚えてます。」

『寝つきが悪い方をはっきり覚えてるとか、使えない頭ね。』

『まったくだな。私ならば1000年前の響の姿すら寸分の狂いも無く思い出せるというのに。愛が足らんな。』

「ご、ごめんなさい。」

 

しゅんとするアリシア。

確かに響もちょっとだけ思った。

だが、リインフォース。てめぇはダメだ。

何で張り合ってるんだろうか?この子は。正直、どんどんリインフォースがバカになっていく気がした響である。

 

そして響の答えは―――

 

「ごめん。できない。」

「えとやっぱり面倒とかですか?」

「うん、まぁ。」

 

はっきりと答える響。

彼女がいるのだ。名前を知ってる程度の人間の助けよりも彼女が不快に思わないように動くのは当然。

何よりもあれ以来、なのはは何かしらの理由をつけて「話し合おうっ!」とか「闘りあおうっ!!」とか言ってくるし。

結局何か知らないけど誤解は解けたらしく、響としてはそれで十分なのだ。

だから仲良くなる気などさらさら無いので、そういった言葉を全無視である。

それがなのはに対してまた新たな勘違いを生ませていることに響は気づいていない。ゆえにこそなのはの対抗心に薪をくべているのである。

 

なによりもだ。これは母親とフェイトの問題であって、娘のアリシアといえど浅慮で簡単にいじくってはいけない問題に思える。

 

 

「ひ、酷いですっ!

助けてくれてもぉっ!!」

「ええ~、んじゃ二人が許したらいいよ。

一応、彼女持ちなワケで・・・」

『別にいいわよ?』

『私も構わぬな。』

「なんでっ!?

そこ断るとこでしょっ!?」

『面白そうだから。』

『これは人助けであろう?

むしろ響の印象を良くするためにも望むところだ。』

 

アイシテルは最早、慣れてしまったし、人助けであるならばまぁ良しと考えた。

リインフォースは不快であるがやはりそこは騎士が基盤であるだけはあり、主人第一である。

 

「や、やったっ!!」

「ちょっ!?

待て待てっ!!

俺は認めてないぞっ!?」

「さっき言ったじゃないですかっ!!

二人が許せばいいッって!!」

「いや、それは・・・言葉の綾で・・・」

「男に二言は無いといいますし、ちゃんと助けてもらいますからね!!」

「だったら、アイシテルっ!!」

『いや。情けないでしょ。』

「じゃ、じゃあっ!

リインフォースっ!!」

『うむ。』

『ちょっっと、甘やかすばかりがーーーたく。』

 

響はリインフォースとユニゾンして女の子になっちゃった!

前に言ったようにユニゾンすると融合騎の力が強い場合、そっちに容姿が引っ張られる。

響とリインフォースの外見を足して2で割った感じであるが、どことなく雰囲気がリインフォースを彷彿とさせた。

ちなみにバリアジャケットのデザインも変わった。

 

「これで問題ないだろ?女になったんだからっ!!」

「・・・。情けないですよね。」

『ていうか、私とだけユニゾンしろ、ばかたれ。そもそもおっぱいチートで間に合うでしょうが。』

『羨ましいのか?』

『何調子乗っちゃってんの?

神様印のデバイス舐めてる?

アイシテル様を舐めちゃってる?』

『主の望みを叶えるのがデバイスの本懐だろう?』

『阿呆、それじゃ響のためにならんのじゃ!

ただ黙って唯々諾々と従ってれば良いってもんじゃないの!!そんなことしてたら響なんてすぐダメ人間になれるわよっ!!ていうか現在進行形でダメっぷりを晒してるでしょうがっ!!』

『ううむ・・・難しいな。』

『・・・まったく。』

 

そんなお小言をスルーして、響はアリシアと話している。

響は敢えて聞こえないフリをした。

心の内では意外と傷ついていることにアイシテルは気づいていない・・・というより、敢えて無視しているのだろう。アイシテルのことだから。

 

「おっぱいチートは自分のおっぱいを揉むというマヌケな姿を晒すから、嫌だったのだ。」

「・・・。今も十分みっとも無いですよ?」

 

全くである。

アリシアはドンビキしていた。が、それが相馬 響なのだ。

二重の意味で言ってあげて欲しい。

かわいそうま、と。

元ネタはなんであったろうか?

確かワーキ―――という話はともかくとして。

 

 

「まぁ胸を揉むだけで終わるし。あっちから来てもらえば・・・問題ないか。

ちゃんと事情説明しておいてよ。」

「分かってますよ。

ではまた明日。」

 

 

☆ ☆ ☆

 

次の日。

さっそく屋上でアリシアと話の具合を聞いていたのだが。

 

 

「えっと?

断られた?」

「ええ、その・・・記憶が無いってことは別に執着も無いみたいで・・・仕事が忙しいとか言ってましたけど、それは恐らく―――いや、多分それもあったんですよ?

でも一番は・・・響が嫌われてるのが悪いのではないかと・・・」

「なんで嫌われてるのッ!?」

 

初耳過ぎる情報だった。

別に仲良くはないが、一方的に嫌われるようなこともしてないはず。

 

「それが話の節々から感じるところを見るに『あんな良い子のなのはを無視する人間は死ねば良い』的なニュアンスを受けたので、そんなヤツは例えアリシアの言うことでも信用できないと・・・むしろ友好関係を心配されました。」

「さ、さすがドMさん・・・」

「ドMさん?」

「いや、こっちの話。」

 

アリシアの言うことはもっともであるが他の理由もある。

フェイトがアリシアの案を蹴った理由を整理しよう。

 

まず一つ目。記憶が無い。

人間というのは多かれ少なかれやはり自分の記憶を頼りとする。

仲の良いアリシアから聞いたことであろうと、友達のお母さんと娘が「実は私たち、貴方と家族だったのよっ!」と言われても疑いの目を向けるのは仕方ないというもの。

 

二つ目。単純に響に胸をもまれたくない。

もう任期は終わっているが、響も属託魔導師としてフェイトと一緒に働いたこともある。

・・・ま、これだけ言えば分かるだろう。

響のビビリ具合、おっぱいチートの胡散臭さ。(当然である。)そして響の人格自体がどうもフェイトには合わないらしく、なによりも親友であるなのはをないがしろに扱ってる時点でもう殴りこみに行っても良いくらいである。

彼女がなのはに対して物申した時の響の返答がこれである。

「嫌です。」だ。

完結に拒絶。

もう少し考慮してくれても良いだろうとおもわずには、いられなかった。

そして、なのはと二人きりのときは大抵、響に関する愚痴を聞かされるのだ。

「私、ひどいことしちゃったかも」、「きっと怒ってるよね、許してくれないよね」、「私避けられてるのかなぁ」などなど。せっかくの二人の食事がこいつのせいで台無しだぜっ!という遺憾を覚えているのである。

 

三つ目。意外とアリシアとフェイトの距離が遠い。

学校が違うというのもあり、フェイトからすると自分とそっくりな顔をした―――友達は友達だが、普通の仲のよさ―――ちょっと不気味な友達。例えるなら修学旅行のグループ決めで仲良しと集まり、一枠だけ余った時に「あと1人どうしよっか?」、「ん、じゃあアリシアちゃんで良くない?」、「他に人もいないし、別に良いよ」みたいな感じ。

ちょっと違うかもしれないが、その程度である。

フェイトの深層心理で無意識的にプレシア親子を避けているというのもあるのだが。

 

四つ目。普通に暇が無い。

フェイトのみならず、彼女達はすでに管理局勤めになることを決定しており、フェイトは現在、体力的にも精神的にも忙しい執政官になるべく勉強や修行をしている。

ほとんど地球にくることはなく、ほぼミッドにいる状態だ。

そんな彼女からすれば不確かで、いきなりの貴方は記憶が欠けていますよ?だから戻しませんかセールスに誘われても、そんな不確かなことに(フェイトにとって)鎌かけている暇が無いのだ。

 

ゆえににべもなく断れたのは当然とも言えた。

しかし、このアリシア。

意外と粘着質である。

母親から引き継いでしまったのか、ここで諦めるような軟弱な子ではない。

良く言えば熱血だ。

 

 

「・・・絶対、響にフェイトのおっぱいを揉ませてやります!」

「・・・そこだけ聞くとアリシアがかなり特殊な変態に聞こえるね。」

 

そのまま色々とフェイトのおっぱいを揉む作戦を言ってくるアリシアを適当に流して、将来の道をまたもや考える響であった。

 

 

 

 

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