旧版・とあるチートを持って!   作:黒百合

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ストライカーズ編
始まり


あれから数ヶ月が経ち、響は高校を卒業。な

本格的にミッドに移住。

今や士郎を余裕で倒せるようになったり。

 

なんてことにはならず。

普通にボコられていた。そしてミッドにも移住せず、とにかく士郎を倒してから。と言う目標の元、日中は翠屋でバイト。

シフトが終わるとそのまま道場で士郎や、たまに帰ってくるなのはの兄である恭也。

そして美由紀と組み手を行う日々だった。

なのはは管理局員としてもう地球にはほとんど帰ってこないらしい。

これを聞いて気兼ねなく組み手に打ち込めるようになった響。

 

そんなある日のこと。

 

「響、今日は翠屋に行くの?」

「いんや、行かないけど・・・」

 

アイシテルが響に話しかける。

アイシテルと響の部屋は一緒。となるとリインフォースもずるい!と叫び一緒になり、三人一緒のちょっと狭苦しい部屋で。

そうなると私も寂しいわっ!と言い出した文香も加わって、結局リビングで皆で雑魚寝が基本となっている今現在。

コタツに入り、みかんを食べながら二人でのほほんと話す。

ただ母親の文香は「夜のアレの時は言ってね。席外すから。」と余計なお世話を焼いたりもしたが、結局響は手を出していない。

響曰く「キスがまだ・・・」らしい。

アイシテルとしてはそんなもん最早どうでもいいのだが、まぁ焦ることもあるまいと思いつつ。

ちなみに二人が話している間、リインフォースは母親の文香と一緒に朝ごはんの用意だ。

 

「リンディさんから仕事の依頼だよ。」

「リンディさんから?

久しぶりだなぁ。というか今は魔導師としての仕事をするつもりは無いんだけど・・・」

「もうあきらめなよ。

料理屋店主程度に勝てなくて一人前の男になれないとかなんとかかっこつけちゃってるけど・・・

素人目に見てもあの人には早々勝てないと思うよ?」

「う、うるさいなっ!!

今に見てろっ!

たかだか料理屋店主っ!!

あとちょっとでぶっとばして・・・」

「そう言ってもう3ヶ月くらいになるじゃない。」

「・・・充電期間中なんだよ。」

「長い充電期間だよね。」

「ゴハンが出来たぞ。」

「お待たせ。」

 

リインフォースと文香が朝食を持って、やってくる。

今度は朝食を食べながら話す。

リインフォースも手伝ったため、いじらしくも不安そうに響の様子を見る。

 

「美味しいよ、リイン。」

「そうか。それは良かった。」

 

ほっとしたように胸を撫で下ろすリイン。

今までに何度も作っているのだが、いつものようにまずは響の様子と感想を聞いてから自分も箸をつける。

今日も同じように響の感想を聞いてから、箸を取っていた。

それを面白くなさそうに見るアイシテル。

アイシテルも手作り料理で―――と思うのだが、どうも二番煎じかつあからさま過ぎて好きじゃない。

そもそも料理は特別上手くないので、それで気を引こうとは思わない。

というか前々から響は自分にほれているのだから別に愛人の1人2人、余裕を持って―――と思ったりもしたり、でもイラ付いたりと忙しい。

これが人間であるならばまだ嫉妬が少なくて済むのだが。

惚れた異性にペットがなついていようとペットに強い嫉妬を抱かないように人間ならば普通に許せる。

しかし、自分と同じデバイスとなると・・・

 

「むー。」

 

結果、ただただ唸るだけである。

響はもう付き合いも長いので、それを知ってなおかつ、ご機嫌取りがてら頭をなでる。

アイシテルはこの程度で機嫌が直るわけが無いと思いつつも、それでも「ま、いっか」と思ってしまう自分の単純さにこそ恥ずかしさを覚えて頬を赤く染め、ソッポを向くのである。

 

そしてそれを見て自分も撫でて欲しそうに・・・むしろ抱きしめて欲しそうに響を見るリイン。

そんな三角関係を見て、微笑む文香。

 

今日も相馬家は平和である。おそらく。

 

 

「それで、リンディさんからの仕事って?」

「あ、うん。えと・・・研究所の襲撃だってさ。」

 

撫でられることに夢中になっていたことに羞恥を覚えつつ。

アイシテルは答える。

 

「は?」

「詳しくははやてちゃんから聞けだって。」

『呼ばれて飛び出てジャジャジャじゃーんっ!!』

「別に呼んでないけどな。」

「久しぶり、はやてちゃん。」

 

リビングにてはやてのドアップのモニターが出現する。

 

『久しいで!

響君、アイちゃん!!

いやはや、今の今までほとんど部隊の設立の土台や後ろ盾づくりで忙しゅうて忙しゅうてほとんど会えてへんかったけど、変わり無い様で安心したわっ!』

「説明的なセリフどうも。」

『ヘタレのくせに釣れへんなぁ。』

「それは関係ないでしょうがっ!?」

『あはははっ!

で、話なんやけど・・・』

「研究所の襲撃って何?

命の危険は無いだろうな?」

『真っ先に気にすることがそれかいな。もっとあるやろ?

どうして研究所を!?とか、そこに捉われた悲劇のヒロインを助ければいいのかっ!?とか。』

「そんな人いるの?」

『おらんけどな。』

「なら言うなや。」

『いや、おるんや。』

「どっちだよっ!?」

『すまんすまん。関西人の血が出てもうたわ。何をするでも面白おかしくという・・・罪な血やで・・・』

「めんどくさ。

部下や上司が苦労する姿が眼に浮かぶようだ。」

『アホぬかせ。

むしろ親しみ易いってことで私の周りは良い人が多いんやで?』

「うそこけ。仮にも軍の形態をとってるんだから少なくとも上司には怒られるだろ。」

『せやな。

まだ成り立てで、さらにちょっと慣れた頃に面白くした方が良いかなと思て、関西人のユーモアをたっぷり詰め込んだ報告書を出したら、思いっきり付き返されて怒られたわ。』

「でしょうねっ!?

ていうかバカじゃないのっ!?」

『関西人のユーモアは世界に通用すると思ってたんやけど・・・』

「世界またいでるジャンっ!?

異世界でしょっ!?

通用すると思ってたのが驚きだッ!?」

『まぁ私の黒歴史の話はこれくらいにして。

響君も頑張ってるって話やないの。なのはちゃんから聞いたで。あの士郎さんに勝つつもりなんやて?

やめときやめとき。

すずかちゃんのお姉さんから昔ちらっと聞いた話なんやけど、あの人若い頃はそれはもう、ブイブイ言わせてたらしくて本場のそういう裏の道の人でも裸足で逃げ出すようなお人やって話や。』

「う、うるさいな!

そうはいっても引っ込みつかなくなったしっ!!

悔しいしっ!!

いつかぶっとばすからいいんだよっ!!

今に分かるんだよ・・・あの若作り魔人は。

貴様は今、未来の刺客を自身の手で育て入ることにも気づかず。

その命の刻限を刻一刻と縮めていることをっ!!」

 

そ、そうだったのかっ!?

と士郎が言ってくれる日があるといいね。

 

『厨二乙。』

「う、うるさいわっ!!」

「・・・相変わらず仲が良いのは分かったから本題に入ってくれない?

今、朝食中なんだけど。」

『そらすまんかったわ、アイちゃん。

時間を改めれればいいんやけど、こっちはそこまで暇や無いから悪いけど、このまま話させてもらうで。

ま、早い話、この研究所で捉われとるフェイトちゃんのお仲間を助けようってことなんやけど・・・』

「はぁ?」

『プロジェクトFって聞いたことある?』

「プロジェクトF・・・」

『知っとるんか?なら話ははや―――』

「全く知らん。」

『―――くならへんかったな。

それならそれで変に顔つくらへんでもらえる?』

「すまん。つい・・・なんか知ってなくちゃやばいことなのかなぁ、と思って。でも、シッタカするなよ?というアイシテルの視線が・・・その・・・」

『ほんまアイちゃんがいないとダメダメやなぁ。

ま、それはまたいつか弄るとして、そのプロジェクトF。早い話日本で言うところのクローン技術なんやけど、これがただのクローン計画と呼ばれないのはただのクローンとは違うところがあるんや。』

「科学技術を使ってるかどうかだな。」

『ドヤ顔で言ってるところ悪いけど、全然ちゃうで。』

 

きゃっ。と恥ずかしそうに顔を伏せる響。

本当に恥ずかしい。

アイシテルも一緒になって恥ずかしそうだ。顔が赤い。

こんなのが自分の伴侶か・・・という意味で。

 

『本来クローンってのは遺伝子や見た目が同じだけの別人を作り出す技術や。

人格を形成する大本である記憶まで移(コピー)せへんからな。

それに反するように考えられたのがプロジェクトFらしくて、記憶のコピーも可能にしたクローン技術ってわけや。

ま、記憶だけがその人を形造るものでもないから結局その計画は失敗に終わったんやけどな。』

 

それがどうしてフェイトと仲間になるのだろうか?

響は疑問に思ったがスルーした。フェイトだし、そもそもほとんど話したこと無いし、どうでもいいやと思いつつ。

 

『それで、そのプロジェクトFなんやけど地球でも倫理的な問題から人間のクローンは作られていないように、他世界でもプロジェクトFは法的に禁止された技術になった。もともとの目的であった人格の再現という部分が無理やったし、そもそもがあまり広まらずにいたんやけどな。』

「なるほどね、つまりはその法律を破った輩がいるからとっ捕まえろと?」

『アイちゃんが相手やと話が早くてええで。

そうや。

プロジェクトFを扱う悪徳研究者。

それの本拠地を壊して欲しいというんが今回の依頼や。』

「で、それをわざわざうちの響に頼んできたってことは、管理局が手を出しづらい・・・出せないような後ろ盾があってその研究所は動いてる。そう見ていいのね。」

『ほんまに察しがええな。

響君達が秘密裏に暴れる。

そこを私らが・・・って感じやな。簡単に言うと。

もちろんこっちではただのボヤ騒ぎが研究所にあった薬品に引火して爆発。大事になって・・・たまたま通りがかった六課がそこを抑え、そこから管理局の膿を出す。そういうシナリオや。』

「よくもまぁ考えるものね。

管理局が黒いって噂は良く聞くけど、本当なの?」

『その証拠を山田君が見つけてくれたわ。山田君は今、グレアム提督の下で色々と勉強中らしくてな。その成果が存分に出たってことやろ。

私の時には暗躍しようとしてみすみす捕まってたマヌケが、中々良い成長をしたようでなによりや。私はちょっと不安やったけど。』

「相変わらず、彼に対してはキツイのね。」

『好きではないしな。

ま、感謝はしてるんよ?

今回の研究所も・・・まぁ始めからそういう施設があると知っていて・・・って感はあったものの、お手柄には違いないわけやし。

ちょっと含みがあるところが信用ならへんのや。』

 

 

始めからそういう施設があると知っていて。という言葉。

これは山田君が原作を知っていたためで、原作知識からこういう施設があるだろうという辺りをつけて捜索したことがはやてには薄々感づかれていて、少し怪しまれているということだろう。

 

『で、受けてくれるん?』

「私じゃなくて響が決めることだし・・・」

「俺を置いて話が進んでいまいち分からなかったが・・・とりあえずしんどくない?」

『全然大丈夫やで。・・・多分。』

「ん?何か言った?」

『いんや。別に・・・まぁせいぜいガジェットくらいやろ。』

「次は聞き取れたぞっ!?

ガジェットって何?

・・・あ、そういえば研究員はどうしたらいいの?」

 

ガジェット。

玩具?

なら、警備ロボットの類かなと判断し、響はそれよりも気になることを聞くことにした。

 

『そのまんま放ってかまへんで。

逃げられないように周囲を隊長陣で包囲しとくし。』

「・・・結構楽そうだな。お金は?」

『結構出すで。管理局の表側が来る前に完全に施設を破壊。少なくとも造られてしまった中の被検体―――いう言い方は好かへんな。

被害者を確保は確実にしたってや。』

「ううむ・・・まぁ八神の頼みだし。

別にいいよ。」

『ほんまかっ!!

助かるでっ!!

うちら管理局やと出張るのに色々と手間がかかるし、どうしても疑いがかかるからな。おおきにっ!!』

 

 

 

親友の頼みということで安請け合いをする響だった。

 

 

 

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